http://satehate.exblog.jp/16962005/
<転載開始>
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/nuclear/tepco-nuclear-disaster/11101001.htm
「福島の玄米の汚染度は健康被害報告のなかった過去の体験領域」 嘘が生み出すリスク 2011年10月10日
2011年産米の放射性物質(事実上、放射性セシウム)調査が終わりに近づいた。いまや、多くの場合は土壌からの放射性セシウム溶出率が小さいことから暫定規制値を超える米はほとんど出ないだろうと筆者の予想(進むコメのセシウム検査 規制値超えの可能性はゼロに近いが 消費者は?稲わらは?,11.9.2)に大きな狂いはなかったと確認できる。
福島県二本松市等でのわずかばかりの調査を残す現段階で、暫定規制値である1キログラムあたり500ベクレルに達したのは二本松市の予備調査で見つかった1例のみ、163ベクレル(福島県伊達市旧小国村)を最高とする100ベクレル以上も5例(本調査)を数えるに過ぎない(2011年産米放射性物質検査結果)。
そして、500ベクレルが検出された二本松市の玄米が生産された水田の土壌は、セシウム溶出率が比較的高い砂質の土壌で、このような水田土壌はそれほど広く分布していない(コメの放射性物質検査 福島県で暫定規制値なみのセシウム初検出 セシウムが溶出しやすい土壌?, 11.9.24)。
他方、163ベクレルが検出された伊達市旧小国村の場合、土壌汚染度が異例の高さであった。この地区の水田土壌は農水省土壌調査の対象になっていないが、調査された7地点の畑地土壌の放射性セシウム濃度は2853〜8571(平均5289)ベクレル/kgにも達している。このような高濃度汚染地域も多くはない。
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/pdf/110830-24.pdf
従って、2011年産米の放射性セシウム濃度は、大方の場合、暫定規制値を大きく下回るに違いない。輸入品の暫定規制値(1キログラムあたり370べクレル)も大きく下回るだろう。
しかし、こうした結果を受けて、土壌の汚染はひどくても(放射性セシウム濃度は高くても)米に移行する放射性セシウムは非常に少ないから、2011年産米は恐れていたほどには危険でないという”風評”が早くも流され始めたことには警戒を要する。
暫定規制値が高すぎるのだから、それを大きく下回ったからといって安全が保証されるわけではない。
これは消費者もとっくの昔にご存知だ。しかし、専門家は、調査結果を使って、原発事故の影響などまったくなかったかのように言いふらし、そうした消費者の懸念をも吹き飛ばそうとしはじめた。だから、非常に危ないのだ。
先日紹介したように、東北大大学院農学研究科の南條正巳教授は、福島県の作付け制限地域以外の8市町村(二本松市、伊達市、本宮市、川俣町、大玉村、郡山市、田村市、いわき市)の調査結果からして、玄米1キロ当たりの平均放射性セシウム濃度は、検出下限値を20ベクレルとした場合には24.6ベクレル、下限値を10とすれば12.6ベクレルにとどまるとした上で、「農業環境技術研究所のデータによると、玄米中の放射性セシウム濃度は最高だった63年で、全国の平均値は11.5ベクレル。最高地点では20.4ベクレルだった。福島の濃度は、検出下限値の設定で変わるが、それでも平均で10~20ベクレル台。このことから、福島の玄米の汚染度は過去にわれわれが体験し、健康被害報告のなかった領域にとどまっていることを示している」と言っているという(玄米セシウム汚染濃度 福島、国係数の1割以下 河北新報 11.10.7)。
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