気候変動からの帰結としての衝突シナリオ ヨーロッパ
アジア
アメリカ合衆国
2010-2020
2012: 厳しい旱魃と寒冷化は北欧人たちを南方へ押し出し、EUから押し返されます。
2015: 食料及び水供給に端を発した小衝突と国家間の緊張がEU域内で起こります。
2018: ロシアはエネルギー供給者としてEUに加わります。
2020: スペインおよびイタリアへオランダおよびドイツのような北国からの移住します。
2010:バングラデッシュ、インド、中国との間で国境を巡って小競り合いと衝突が起こり、大量の住民がビルマへ向けて移動します。
2012: 地域の不安定性に対処する為、日本はその企画能力を軍事展開指揮します。
2015: シベリアとサハリンのエネルギー資源に関して日本とロシアとの間に戦略上重要な協定が結ばれます。
2018: 中国は反逆者犯罪人により定期的に分断されたパイプラインを守る為、カザフスタンに侵攻します。
2010: 水に関する合衆国とカナダ、メキシコとの間の意見の相違は緊張を増します。
2012: カリブ海の島々からアメリカ合衆国南東部及びメキシコへ避難民の洪水が押し寄せます。
2015: (大部分は金持の)ヨーロッパ人達がアメリカ合衆国へ移住します。
2016: 西欧諸国が漁業権をめぐって衝突します。
2018: 北アメリカの安定のためにアメリカ合衆国とカナダ、メキシコは安全保障同盟関係を結びます。
2020: 国防総省はカリブ人およびヨーロッパ人の避難民の為、国境を管理します。
2020-2030
2020: 海を越えて渡ってくる移住者との小競り合いが頻発します。
2022: フランスとドイツとの間にライン川の商業利用権をめぐって小競り合いが起こります。
2025: EUは崩壊に近づきます。
2027: アルジェリア、モロッコ、エジプト、イスラエルと言った地中海諸国への移住がますます増大します。
2030: 10%近くのヨーロッパ人の人口は異なる国々へ移住します。
2020: 南東アジアは絶え間ない衝突状態となる:ビルマ、ラオス、ベトナム、中国
2025: 中国の国内の状態は、内戦、および境界戦争に至り、劇的に悪化します。
2030: ロシアのエネルギーを巡って中国と日本との間に緊張が高まります。
2020: ペルシャ湾、カスピ海での衝突が石油供給を脅かす為、石油価格が高騰します。
2025: サウジアラビアの国内問題を発端として中国及びアメリカ合衆国の海軍は港(ペルシャ湾)を巡り直接対決に至ります。
この図表は気候変動と軍事との連座(密接な関係)についての幾つかの可能性の概要だけを記したものです。
気候変動の結果として起こる突然の生存収容力の減退による最もありそうな反応は大きく2分類されます。
それは即ち防御するか攻撃するかです。
アメリカ合衆国とオーストラリアの方策は彼らの国の周りをあたかも防御要塞とします。
何故ならばこれらの国々は自給自足できる資源と資産を持っているからです。
さまざまな気候に変化していく中でも、富や科学技術、豊富な資源はアメリカ合衆国を悲劇的な損失なしで厳しい気候状態により周期的に成長を減じられたとしても生き延びる事が可能であるとするでしょう。
カリブ海から(特に厳しい問題を持った)、メキシコや南アメリカからの必要とされない飢えた移住者を押しとどめる為に国の周り全体の国境は厳重にされるでしょう。
エネルギー供給は(経済上、政治上、道徳上)高価な代償を通して支えられるでしょう。
エネルギー供給の選択肢とは原子力、水素エネルギー、そして中東との契約の継続です。
漁業権の面倒な小競り合いを超えて、農業援助、災害援助は普通に行われるでしょう。
アメリカ合衆国とメキシコとの間の緊張が増し、アメリカ合衆国はコロラド川からの水の流れを保障する1944年の条約を取り消します。
交替労働者は東海岸の南部に沿っての洪水と内陸部の激しい乾燥状態に対応するために動員されるでしょう。
しかし、この続けざまの非常事態でさえ、他の国々に比較するとアメリカ合衆国は充分幸せな立場だといえるでしょう。
国家が直面する手に負えない問題は世界中で起こる軍事的緊張を静める事でしょう。
突発的気候変動によりもたらされる凶作、疫病、気象災害の襲来のため、多くの国々はその本来の生存収容力を失い、生存需要を満たす事が出来なくなるでしょう。
この事は自暴自棄の意思を作り出す事でしょう。
それは優位を取り戻す為に攻撃的な侵略行為に至りそうです。
東ヨーロッパ諸国は食料、水、エネルギーの供給が落ち、彼らの国民を生存させる事に奮闘していると想像されます。
そして彼ら東欧諸国はすでに人口が衰退しているロシアに注意深く目を向け、穀物、鉱物、及びエネルギー供給を受けようとします。
あるいは、日本の状況は沿岸都市が洪水により被害を受け、真水供給設備が汚染され、海水脱塩工場及び農業生産強化の為のエネルギー源としてサハリンの石油及び天然ガスに注意深く目を向けているでしょう。
すべて核武装しているパキスタン、インド、中国の国境での避難民が川の水や耕地を巡って起こす小競り合いを構想してください。
スペインとポルトガルの漁民は、漁業権をめぐって実際に海上で武力衝突するでしょう。
そして、アメリカ合衆国を含む国々は彼らの国境をより完全なものにするでしょう。
200以上の川の流域は多数の国家に面しているので、飲料水を引き込み輸送する為に衝突が起こるであろう事を我々は予想する事が出来ます。
ドナウ川は12の国家に属しています。
ナイル川は9つの国家を流れ、アマゾン川は7つの国家を流れています。
このシナリオで、我々は、都合よい同盟国を予想することができます。
アメリカ合衆国とカナダは国境管理を簡単にして1国になるかもしれません。
あるいは、カナダは、アメリカの引き起こすエネルギー問題に対する為、その水力発電能力を自国に保っておくようにするかもしれません。
北朝鮮と韓国は、1つの専門的博識、即ち核武装させた実体を作るために、提携するかもしれません。
ヨーロッパは攻撃者からの保護を考慮に入れて、ヨーロッパ人の国家間で移住問題を抑制する統一されたブロックとしての役目をはたすかも知れません。
その豊富な鉱物、石油、天然ガスをもつロシアは、ヨーロッパに加わるかもしれません。
この世界の闘争する国々では原子力兵器の拡散は不可避です。
寒冷化が需要を押し上げるので、現存する炭化水素の供給は薄く張り詰められます。
エネルギー供給の不足により、入手する必要性が増大し、核エネルギーは決定的な力の源となるでしょう。
そしてこれは各々の国家の国家安全保障を隔日にする為、核濃縮技術及び核再処理能力開発を促し核兵器は拡散するでしょう。
中国、インド、パキスタン、日本、韓国、グレート・ブリテン、フランス、およびドイツはすべて核兵器能力を持つでしょう。
それに、イスラエル、イラン、エジプト、および北朝鮮もすべて同様になるでしょう。
軍事的政治的緊張、即ち時折の小競り合いから戦争の脅威、これらを管理する事は一種の挑戦となるでしょう。
日本といった国、即ちたくさんの社会的選択肢をもっており政府がその行政手法を変えるときにその人口を有効に活用出来る意味において、このような国は多分もっとも幸運でしょう。
その多様性が故に既に衝突を生じている、インド、南アフリカ、インドネシアのような国々は、規律を維持する問題が生じるでしょう。
資源入手可能性と適応性が鍵となるでしょう。
おそらくもっとも挫折感を引き起こす事とは、我々人類にとってどのくらいの期間それが続くのかを予測できないことです。
即ち、突発的気候変動(気候ジャンプ)への挑戦が、気候変化シナリオへの突入からいつまで続くのか、何年続くのか、つまり、10年間か、100年間か、1000年間かということであり、熱塩循環が新たにスタートを始め、温暖化した元の気候状態になるまで生き残っていられるのかと言う不安であります。
生存収容力が突発的に低下したとき、文明は今日では想像できない新しい挑戦に直面します。
これは本当に起こるのでしょうか? 世界的にもっとも格式がある組織の海洋、大地、大気に関する何人かの科学者達は、過去10年間に渡った新しい証拠を暴露しました。
そしてその証拠は、ほとんどの科学組織が主張していた事より、またおそらくすべての政治的組織が準備していたよりも、厳しく急激な気候変動が起こる可能性が非常に高い事を示唆しているのです。
もしその事が起これば、この驚くべき現象は一般的に知られた漸次の地球温暖化傾向を中断させるでしょう。
そして古気象学の証拠はこのような突発的気候変動(気候ジャンプ)が近い将来始まる事を示唆します。
Woods Hole海洋学研究所は、北大西洋を囲む海が過去40年間を通じて塩分濃度が減少した事を、そして北大西洋の深海の塩分濃度が次々と減少しつつある事を報告しました。
この傾向は大洋循環が崩壊または減速し突発的気候変動(気候ジャンプ)が始まる事を意味します。
(つづく)