In Deepさんのサイトより
http://oka-jp.seesaa.net/article/181587984.html
<転載開始>
(訳者注) 「ブラック・スワン」とは本のタイトルで、ナシム・タレブという金融デリバティブの専門家が2007年に出版してベストセラーになったものです。「黒い白鳥」が意味するところは、「確率論や従来からの認識・経験からでは予想できない現象」、すなわち、「ほとんどありえない事象、誰も予想しなかった事象」のことを指しています。下のモダンサバイバル・ブログの記事では、今年起きそうな様々な危機をリストアップしてくれています。

まあ、ただ、「リストアップできている」というのは予想できてるからであるということも事実です。つまり、下のリストはどれが起きても、実際には「ブラックスワン」的ではないようには思います。

本当に誰も絶対にまったく予想もしなかったことが起きる。それがブラックスワン理論の定義。では、かつて誰も想像もしなかった驚くことって何だろう・・・と、そうやって考えついたものはすでにブラックスワンではないようです。

そんなわけで、下のリストがブラックスワン的であるかどうかということより、忘れがちな「リスクいろいろ」を年のはじめに再認識するのもいいかと思いました。


なお、下のリストに加えて、私は「疫病の大流行」を強く感じます。これまであったもの(狂犬病、ベスト、天然痘など)の再度の大流行に加えて、新しい疫病(病原菌がすぐには特定できないもの)と、抗生物質への耐性を持つあらゆる新生物などです(参考記事:超細菌 NDM-1 の登場)。

そこに経済と国家破綻などによる医療態勢の崩壊が加われば、かなりの脅威となる可能性があります。


Black Swan Event Risks, 2011
Modern Survival Blog2011.01.18

2011年のブラックスワン的な出来事のリスク

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ブラックスワン的な出来事とは何か?

「普通なら起こらないこと。とても大きな衝撃があること」



2011年にはどんな「ブラックスワン的」な出来事が起こり得るか


・インフレーション

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連邦準備制度理事会(FRB)は、USドルの破綻を防ぐための試みとして、米国政府と他の世界中の国家に何兆ドル(何百兆円)ものドルを貸した。米国は、本来なら破産しており、唯一の望みとしては現行の通貨(USドル)を価値を切り下げることだけとなっている。

米国政府は(制御された)インフレーションに持ち込みたいと思っている。これが私たちアメリカ人の近い未来の現実だ。



・食糧価格ショック

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国連食糧農業機関(FAO)は、「食糧価格ショック」の発生を警告している。

世界中で上昇し続ける食糧価格は、アルジェリアや他のいくつかの国で暴動を引き起こしている。また、ロシア、インド、パキスタン、オーストラリア、ブラジルなどでは最近の過酷な天候状況のために収穫が期待できない状態となっており、食糧価格に関しては、かなり絶望的な見通しなっている。

食糧価格は、上に書いたインフレが起きた場合にも影響を受ける。

「天候・インフレーション・エネルギーコスト」の三つは、2011年に食糧価格ショックを引き起こす可能性が高い。



・石油価格ショック

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国際エネルギー機関(IEA)は、「世界経済の安定性が、石油価格が危険ゾーンに突入することで、脅威にさらされるかもしれない」と警告している。

石油価格の上昇は、現代の生活のあらゆる部分に影響を与えるということは言うまでもないことだ。



・ラニャーニャ現象


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赤道太平洋での海面水温が平年より低くなるラニーニャ現象は、今までの中でもっとも強いものとなっており、2011年の天候に大きく影響を及ぼすと思われる。一般的には、地域的に平年よりかなり寒くなる。これにより、収穫への影響が懸念される。



・住宅価格

連邦準備制度理事会が、メジャーバンクを支えるために全力を尽くして、銀行の不良資産を購入し続けているが(この不良資産を購入させられるのは彼らではなく私やあなたたちだ)、しかし、本当に危険だと思えるのは、これだけ手を尽くしていても、住宅価格は下落し続けている。

2011年の差し押さえ数は 120万件に達すると見積もられており、昨年の記録を塗り替えると見られる。



・ヨーロッパの信用不安

スペインは、財政危機により制御不能な状態となっている。アメリカは今のところ、ほんの少し欧州の脆いシステムから離れた位置にいるが、現在の経済崩壊は、世界に伝わるスピードが非常に早く、これは現在の私たち(アメリカ人)の生活にとっても最大の脅威のひとつだ。



・中東

イスラエル、イラン、そし他の中東諸国間の緊張は戦争への緊張状態が以上に高いままの中にいる。これは「パペットマスター」である超大国が操り人形の操作を始めるまで続くだろう。



・北朝鮮

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北朝鮮は一見、中国の支配下にあるように見えるが、金正日は、彼ら核兵器を他の国に売ることもできるし、あるいは自分たちで核を使った第三次世界大戦の引き金を引くことも可能だ。



・カリフォルニア

カリフォルニアは、世界で8番目に大きな経済を持っているが、米国の他のどの州よりも財政赤字がひどく、これは債権市場のトラブルを引き起こすかもしれない。米国で破産に瀕している州は他にも多くあり、破産が連鎖する可能性がある。



・地球物理学的イベント

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世界のどこかで、セントヘレンズ山の噴火より大きな規模の噴火が起きた場合、空の便がシャットダウンする可能性があり、その場合、世界的な経済への影響が懸念される。そして、それは壊滅的な世界の冷却化を引き起こす。

また、太陽活動の問題がある。

サイクル24の太陽活動の最大期は 2012- 2013年とされており、今年は多分、起きないと思われるが、しかし、過去のたとえば、キャリントン・イベントのようなことが起きれば、私たちの現代生活は壊滅的な影響を受けると思われる。

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(訳者注) 「キャリントン・イベント」とは、1859年のコロナ質量放出( CME )によっての太陽嵐のことです。過去に記事にしたことがあります。

1859年の規模の「超」太陽嵐がもし現代の世の中に発生したら (2010年10月20日)

<転載終了>