ケムログさんのサイトより
http://blog.chemblog.oops.jp/?eid=993499
<転載開始>
本日は今更ながらと言うか、米国が過去に行ってきた人体実験の事を書いている記事をご紹介します。

これらが氷山の一角であることは明白ですが、とりあえず現時点ではこれだけの事例は認めているようです。


US doctors working for the government carried out unethical experiments on disabled citizens and prison inmates.

US doctors working for the government carried out unethical experiments on disabled citizens and prison inmates.

米国政府で働く医師達は、非倫理的な実験を身体に障害を持った市民や囚人に行っていた。

暴露された古い写真は、政府で働く米国の医師達が非倫理的な実験を身体に障害を持つ市民や、囚人達に行っていたという証拠を提供している。
ワシントンでの会議の間に、20世紀に政府系の医師達が、健康な人々を病気にさせるような一連の医学的実験を、頻繁に自国の市民に対して行っていたことを、米国当局は認めている。

実験の多くが40から80年前に実施されていたが、それは今週ワシントンで開かれる大統領生命倫理委員会の背景となっている。

会議は昨年に米国政府が行った、65年前に合衆国の医師がグアテマラ(Guatemala)の囚人や精神病患者を梅毒に感染させた事への、謝罪が引き金となって実施された。

しかしその後になって、アメリカでも何十もの同様の、健康な人々が病気に罹るような実験が行われていた事を、米国当局は認めている。

AP通信社の医療雑誌の書評や、数十年前の新聞記事の切り抜きからは、さらに40以上もの同様の研究、中には人を傷つけるが有益な結果を何らもたらさないような、好奇心を満たすためだけの実験などが発見されている。

コネチカット(Connecticut)の精神病患者に肝炎を感染させ、メリーランド(Maryland)の囚人を流行性のインフルエンザウィルスに曝し、ニューヨーク(New York)の病院では、慢性的疾患を持つ人々にガン細胞を注射し、またアトランタの連邦刑務所では、囚人を淋疾に感染させたという事例を含む、ショッキングな実験の数々が明らかになっている。

メディアは、新たに明らかになった1940年代から1960年代に行われた研究の殆どを記事にしていない。しかし報告の中では、被験者がどう扱われたのかではなく、その対象は飛躍的な発見に集中していたという。

囚人、精神病患者や黒人の貧民のように、社会において完全な人権を有していない人々に実験を行う事は合法的であると、当時の多くの著名な研究者達が考えていた。

しかしながら、専門家はそのような全ての研究が、根本的な医療の原則である「まず何よりも、患者を害してはならない(First do no harm)」という概念に違反していると考えている。

これらの研究を含め、大抵の場合は各個人がボランティアだったと説明しているが、これらの人々が自分に何をされるのか、その目的、或いは強制されているのかどうかを十分理解していたのかについて、歴史家や倫理学者は疑問視している。

「あなたが誰かに病気を感染させたなら、その当時の基準であったとしても、実際にあなたは重要な専門的職業規範の倫理を超えたことになる」と、ペンシルバニア大学(University of Pennsylvania)の生命倫理センター(Center for Bioethics)所長のアーサー・キャプラン(Arthur Caplan)は話す。

米国内における実験台としての囚人の取り扱いは数十年もの間継続し、製薬業界が大成長した1940年代末から1950年代にかけては、著しく増加さえしていた。

これが起きたのは、被験者を保護するための国際法である「ニュルンベルク綱領(Nuremberg Code)」につながる、ナチの医師達に対する1947年の告発の間の事であった。しかし米国内の多くの医師達は、数年にも渡りそれらを無視し、当該法はナチの残虐行為に適用されるもので、アメリカの医学には適用されないと主張していた。

数十年後、米国政府によって、アメリカ人の囚人や精神病患者に対する人体実験を制限する、新たなガイドラインが制定され、研究者達は新たな実験の場を探すため他国に注目するようになった。

臨床試験を始めるための標的となったのは、貧しい国々であったためより安価に、また法の不足から無制限に試験が行えた。それよりもさらに貧しい国の状況が、米国の研究者や製薬会社に、他の薬の複雑な実験を可能にする要因となる、無投薬の患者を発見する新たな機会をもたらせた。

後に、海外実験に対するさらなるガイドラインが制定される間にも、米国の業界は動物や研究室のサンプルの代わりに、人間を利用するという習慣の継続を、幾つかのレポートは依然として推奨していた。

最後の15年の間、2つの国際的研究が非道の口火となった。1つは、タスキギー(Tuskegee)に例えられる。米国が資金援助する医師団が行った、ウガンダ(Uganda)での研究では、新生児は保護されているにもかかわらず、HIVに感染した妊婦にエイズ薬のAZTを与えなかった。

他の研究は、ファイザー株式会社(Pfizer Inc.)によりナイジェリア(Nigeria)で行われ、症例に対する有効性に関して疑問視されているにも関わらず、トロバン(Trovan)と呼ばれる抗生物質を髄膜炎の子供達に投与した。この実験により11人の子供が死亡し、他の多数が障害を持ったと批評家は主張している。

昨年、米国保険社会福祉省(US Department of Health and Human Services)の監査官は、2008年には連邦政府が規制している医療品に対する臨床研究の、40から65パーセントが他国で実施されており、その割合は恐らく増大するだろうと報告している。

米国の監督機関が検査した外国の臨床試験現場は、1パーセントに満たない事に同レポートは注目している。

グアテマラでの米国人医師達の行いの暴露は、オバマ政権が生命倫理パネルに、国際的な医学研究の新評価を模索させる口火となった。

連邦政府が資金を拠出する国際的研究を重点的に取り扱うためには、多くの専門家から成る国際パネルが生命倫理委員会を形成する事が必要だ。グアテマラでの研究に関しては、捜査官15名が多くの歴史家及びコンサルティングの専門家と共に事に当たっている。

パネルは9月までにバラク・オバマ大統領に報告を提出するという。どのような更なるステップも、政権に届くだろう。


<転載終了>