そこちょっとつんつくさんのコメントの中より
http://blog.livedoor.jp/genkimaru1/archives/1703826.html#comments
<転載開始>
強ちですね。
日本のイメージを良くさせない為の悪意と、フランスのジャパン・エキスポのようなのは駄目に思わせてという例ではないでしょうか?↓
『悪名高き北米版ナウシカ「Warriors of the Wind」の内容を検証してみる 前編』
http://world-manga.at.webry.info/201205/article_19.html
『電通が海外からの「日本のイメージ」を調査!トップは「日本食」』
http://www.excite.co.jp/News/woman_clm/20120713/Gowmagazine_00001902.html
ありがとうございました。
<リンク先より>
WARRIORS OF THE WIND
あるアニメの北米版タイトルですが、タイトルだけでこれが何のアニメかわかった人は、なかなかの通です。
では次のヒント。北米版VHSのパッケージです。

↑北米版パッケージ
わからない? ではさらにヒント。
1.日本では1984年公開の映画
2.女の子が主人公
わからないかなあ。では、最終ヒント。
3.監督は宮崎駿
もうおわかりでしょう。
そう、『風の谷のナウシカ』の北米版です!
http://blog.livedoor.jp/genkimaru1/archives/1703826.html#comments
<転載開始>
強ちですね。
日本のイメージを良くさせない為の悪意と、フランスのジャパン・エキスポのようなのは駄目に思わせてという例ではないでしょうか?↓
『悪名高き北米版ナウシカ「Warriors of the Wind」の内容を検証してみる 前編』
http://world-manga.at.webry.info/201205/article_19.html
『電通が海外からの「日本のイメージ」を調査!トップは「日本食」』
http://www.excite.co.jp/News/woman_clm/20120713/Gowmagazine_00001902.html
ありがとうございました。
<リンク先より>
WARRIORS OF THE WIND
あるアニメの北米版タイトルですが、タイトルだけでこれが何のアニメかわかった人は、なかなかの通です。
では次のヒント。北米版VHSのパッケージです。

↑北米版パッケージ
わからない? ではさらにヒント。
1.日本では1984年公開の映画
2.女の子が主人公
わからないかなあ。では、最終ヒント。
3.監督は宮崎駿
もうおわかりでしょう。
そう、『風の谷のナウシカ』の北米版です!
上のイラストからは想像がつかないでしょうが、これ本当に『ナウシカ』なんですよ。ほら、右上にナウシカらしき人がちっこくいるでしょ?

↑ナウシカ?
多分大きく写っているのと、右の人物は多分両方とも巨神兵。大きいほうが復活した巨神兵で、立っているのが「火の七日間」の時のイメージだと思います。

↑多分巨神兵
それにしても、真ん中の銃を持っている主人公っぽい男や、ビームを出している骸骨っぽいサイボーグっぽい死神っぽい人物や、後ろでペガサスに乗っているのは一体…。

↑誰だ、お前ら!
とまあ、見れば見るほどひどいパッケージイラストですね。このパッケージを描いた人物は、おそらく映画を全く見ていないのでしょう。以前北米版『ロックマン』のパッケージを紹介しましたが、それを遥かに超えるすごい出来です。

↑北米版『ロックマン』。
詳しくはこちら
この米国版『ナウシカ』、『Warriors of the Wind』は、朝日新聞記者・草薙聡志氏の『アメリカで日本のアニメは、どう見られてきたか?』(2003年、徳間書店)によれば、1986年4月にニューワールド社によって「ニューヨークで短期上映され」たらしいです(169頁)。
この米国版の製作、配給を誰が行ったかですが、叶精二『宮崎駿全書』(2006年、フィルムアート社)によれば、上述の草薙氏は1985年9月17日付の朝日新聞記事では「85年9月にマンソン・インターナショナル社によって」と執筆していたらしいです。
一方、Wikipedia や、英語圏の宮崎駿ファンサイトとしてはおそらく最大のものと思われる Nausicaa.net では「ニューワールド社」によると書かれています。どうも正しい情報がわからないのですが、VHSの最初に NEW WORLD VIDEO と出て、クレジットにはA MANSON INTERNATIONAL Presentation とあるので、おそらくは製作がマンソン・インターナショナル社で、配給がニューワールド社なんでしょう。正確な情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。

↑VHSの頭

↑クレジット画面
興業的には失敗したらしいんですが、具体的な数字は不明です。しかし、このパッケージがあまりにひどかったため、現在ではネットの力もはたらき、すっかりこの米国版『ナウシカ』の悪評は広がってしまいました。
様々な批評で「米国史上最悪の翻訳」とか「絶対に見てはいけない」とか言われ、ジブリのプロデューサーを務める鈴木敏夫氏も「今すぐ忘れてほしい」と言い、上で引用した『宮崎駿全書』でも「"WARRIORS OF THE WIND" は、宮崎と関係者にとって忘れがたい悪夢だった」(69頁)としています。
自称海外版研究家として、トンデモ愛好家として、これは是非手に入れなければならない! たとえいくらかかっても、何年かかっても!
…と思ってたら、意外なほどあっさりアメリカのネットオークションで手に入れてしまいました。それもほんの10ドル程度で。ついでに手に入れた原作マンガの北米版と一緒に撮影してみました。とても同じ作品とは思えませんね。

↑同じ作品なんだぜ…、これ
で、最後まで細かくチェックしてみました。その上で、あえて言いたい。
そんなにひどいか、これ?
いや、そりゃ20分もカットされてるから、ひどいっちゃひどいんだけど、もっと改竄されまくりのすんごいトンデモ作品を期待してたのに、全くもって拍子抜け。私がひどい翻訳版を見慣れているせいもありますが、(残念ながら)少なくともこれは「史上最悪の翻訳」と呼ばれるほどの酷さではないというのだけは断言できます。いや、あくまで比較の問題なんだけどさ。
ネットなどを見る限り、大体批判対象にされているのは、
1.ナウシカ→Zandra、クシャナ→Selena、王蟲→Giant Gorgon など、改名されている
2.内容が20分以上カットされ、116分が95分になっている
というもので、他にも「ストーリーもセリフも改竄」とか、「王蟲が単なる凶暴な敵として扱われている」とかのレビューが多々見られます。
先に「英語圏最大の宮崎駿ファンサイト」として紹介した Nausicaa.net でも「単純なこども向きアニメにするためにカットして内容を変えた」と書かれていますし、英語版ウィキペディアでも、その情報を元に記事が執筆されています。
しかし、これらの批判に関しては、かなり疑問。正直なところ、このひどいパッケージだけ見て、内容をチェックしていないんじゃないかと疑ってしまいます。私自身、昔このビデオを入手していない状態で、別のサイトに伝聞のみを頼りに記事を書いてしまったことがありますので大いに反省するところです。
実は、このビデオを見て私は大いに驚いたのです。
翻訳が正確!
もちろん、2012年の現在から見れば、褒めるようなレベルじゃないんですが、概ねデタラメな翻訳はなされていません。以前米国版『カリオストロの城』を紹介しましたが、それに比べれば何百倍も正確な翻訳です。
いや、それどころか、これ85年に翻訳されたということを考えれば、かなり正確な翻訳だと言えますよ。『カリ城』の翻訳は7年後の92年でしたが、翻訳精度は前記の通りです。『ドラゴンボール』も酷かったし(こことここを参照)、2000年代より前の北米版の翻訳精度は、とてもじゃありませんが「翻訳」と言えるレベルではありませんでした。その中で、『Warriors of the Wind』の翻訳精度は、2012年の現在の感覚で見ても、そんな悪いものじゃないんです。日本語→英語の正確さだけで見れば、十分及第点です。
名前の変更についてですが、これは「改竄」なんて言えるレベルではありません。1980年代、名前の変更がなされていないアニメの方がずっと珍しかったです。今でも名前が変更されることはあり、驚くこっちゃないです。以前ご紹介した北米版『名探偵コナン』(詳しくはここ)やイタリア版『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』(詳しくはここ)でも名前は変えられていました。『ポケモン』でもサトシが Ash と呼ばれているのは有名ですね。

↑北米版では Jimmy Kudo になってる工藤新一くん。
Nausicaa が Zandra になるのなんか、別に驚くこっちゃないな
そりゃ、製作者やファンが「なんで名前を変えるんだ!」と怒るのはわかりますが、少なくともこの現象は北米版『ナウシカ』固有の現象じゃありません。(北米の場合、子どもにも親しみやすいように名前を英語流に変えることは多いです。明治時代にシンデレラが「おしん物語」というタイトルで日本に紹介されたようなもんでしょうね)
次に、カットについてですが、ネットなどでは上述の通り「単純なこども向きアニメにするためにカットして内容を変えた」とか、さらには「スターウォーズをイメージして内容を改竄した」というような言説まで広まっていますが、これらの評価は明らかに間違いだと私は確信しています。カットされたのは別の理由です。
まず、95分というカット後の尺に注意してください。アメリカでアニメ映画っていうと、普通90分前後なんですよ。(長いと子供が飽きるから)
アメリカのアニメ映画をちょっと例にとって見ると、
『シュレック』4作とも全て90分~93分。
『ライオンキング』88分。
『トイ・ストーリー』81分~103分。
『ATOM』94分。
アメリカじゃ、アニメ映画は長くても100分。大抵は90分程度です。
日本でも『ドラえもん』の映画は全て90分前後。
『ポケモン』は75~105分。
全米用に作られた『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 光のピラミッド』は、全米公開版が90分(日本に逆輸入されたバージョンは101分)。
つまり、アメリカでも日本でも、大人向けのアニメを除けば、アニメ映画は80~100分が普通なんです。特に、劇場版『遊☆戯☆王』が、日本向けでは101分なのに、北米公開版が90分であるところを見ると、今でも北米ではアニメ映画は90分程度にするべきだという認識が強いと思われます。

「アニメ映画」ちゅったら90分が常識なんやで!
なので、『ナウシカ』の116分ってのは、アニメ映画としてはかなり長いんです。
この 『Warriors of the Wind』 が95分にカットされたのは、内容を改竄するためではなく、アニメ映画の常識に合わせた商業的戦略考えるのが自然です。もしも『ナウシカ』が最初から95分の映画で作られていたら、全くカットされることはなかったでしょうね。
『アメリカで日本のアニメはどう見られてきたか?』(徳間書店)でも「(カットされたことで)人類の未来をかけた単純明快な善と悪との活劇が繰り広げられた」(170頁)と書かれていますが、それはあくまで尺の関係でカットをした結果であり、ストーリー改竄を目的としてカットされたのではないというところは強調しておきたいと思います。
もしストーリーを本当に変えるつもりだったら、セリフをもっと改竄していたはずですが、上記の通り翻訳精度は現在の感覚で見ても悪いとは言えません。
北米ではアニメの改竄って昔からあって、例えば全米で大ヒットした『ロボテック』なんてアニメは、『超時空要塞マクロス』・『超時空騎団サザンクロス』『機甲創世記モスピーダ』の3つを1つの作品として再構成しちゃったものです。私はこの作品を自分では確認していませんが、前述の『アメリカで日本のアニメは~』によれば、「日本製の三作品は一種の外科手術によって別個の『オリジナル』作品に生まれかわった」「手術の技は、削除あり、移動あり、再利用ありと、多彩を極めた」(160頁)そうです。
一方、『Warriors of the Wind』は、尺の関係で単純にカットしただけ。勝手にシーンを前後されたり、日本版にないシーンを追加されたり、セリフを改竄されたりもしていません。
また、カットして「単純な活劇」になったという評価にも疑問が残ります。そもそも、『ナウシカ』をカットしたからといって、そんな内容になるか? (多分この手の評価をしている人は、ビデオを確認してないんじゃないかなあ)
カットされたシーンを見ると、そのほとんどは腐海に関するシーン。「腐海が実は毒を浄化していた」という、文明批判やエコロジカルなシーンは基本的に全カット。その点では、確かにこの『Warriors of the Wind』は、原作の深さを失い、腐海は単純に滅びの象徴となり、ナウシカ(このビデオではザンドラ)は、腐海の脅威から人間を守ろうとする構造になっています。
しかし、「王蟲が単なる凶暴な敵として描かれている」なんてことはなく、蟲に対するナウシカの態度は日本版と違いありません。
結局、このビデオ自体は20分という大幅なカットがなされて原作の深みを失っているものの、「史上最悪の翻訳」みたいに言われるほどは酷くないんですよね。
にもかかわらず、こんなに悪評が広まってしまったのは、やっぱりこのトンデモないパッケージイラストのせいなんでしょうね。もしパッケージイラストに日本のものをそのまま使っていたら、こんなに悪評は広まらなかったでしょう。このパッケージだけ見れば、「内容も改竄されまくっているんだろう」と予想するのは当たり前って言えば当たり前ですもんね。さらに『ナウシカ』が日本を代表するアニメ映画であって熱狂的ファンを獲得していたことも、「こんなにすごい映画を改悪しやがって~!」と怒りを買う原因になったわけです。
で、最終的には噂が拡大して「史上最悪の翻訳」ということににされてしまったと。
実際には、カットはされたけど「内容をズタボロに改竄」とまではいかないわけなんですが、このパッケージイラストのせいもあり、スタジオジブリ側が海外での版権に目を光らせるきっかけとなったのでした。
その後『ラピュタ』の英訳オファーが Streamline Pictures から来るのですが、これによると、驚いたことにジブリは Streamline Pictures に翻訳を任せず、自分たちで作った吹き替え版を相手に渡したとのこと(日本のDVDに収録されているのがそれです)。これならカットできませんもんね。そう考えると、この『Warriors of the Wind』は、日本アニメ業界に海外での版権や契約について一石を投じる結果になったといえるかもしれませんね。
ついでですが、先ほども言及しましたとおり、内容の改竄という点では米国版『カリオストロの城』の方が遥かに酷いです。にも関わらず、何を考えていたのか1994年にはリンガフォンから、この改竄された『カリ城』を使った『カリオストロの城 完全英語版』なんてビデオが出ちゃったし、2001年に「ジブリがいっぱいコレクションSpecial」として出たDVDにもこの英語版が収録されてしまっていました。宮崎センセ、『ナウシカ』に怒るのもいいですが、でしたら『カリ城』にも怒ってほしかったです。少なくとも日本での発売にはストップをかけて欲しかったです。

↑改悪英語版VHSが、日本で英語教材として発売されちゃってた!
というわけで、メチャクチャ改竄されたトンデモない代物を期待して買っちゃった『Warriors of the Wind』ですが、良いのか悪いのか予想を裏切られ、パッケージのトンデモ度の高さに比べると、内容は全然トンデモなくなく、単に20分カットされた『ナウシカ』でした。結局、一番悪かったのは、おそらく映画を見ないでパッケージイラストを描いたであろうイラストレーターだったというオチ。イラストレーター以外は、かなり真面目に仕事に当たっていたと言っていいと思います。
いやー、見た目のインパクトに騙されちゃいけないですね。逆に言えば、見た目のインパクトだけで評価が決まってしまうこともあるわけで、気をつけないと。勉強になりました。
とまあ、あんまりトンデモないことなくて肩透かしくらった感じですが、せっかく購入したので、次回は具体的にどこがカットされたのか、細かく解説したいと思います。
というわけで、後編はこちら! これで貴方も『Warriors of the Wind』通になれる! なっても仕方がないけれど。

↑ナウシカ?
多分大きく写っているのと、右の人物は多分両方とも巨神兵。大きいほうが復活した巨神兵で、立っているのが「火の七日間」の時のイメージだと思います。

↑多分巨神兵
それにしても、真ん中の銃を持っている主人公っぽい男や、ビームを出している骸骨っぽいサイボーグっぽい死神っぽい人物や、後ろでペガサスに乗っているのは一体…。

↑誰だ、お前ら!
とまあ、見れば見るほどひどいパッケージイラストですね。このパッケージを描いた人物は、おそらく映画を全く見ていないのでしょう。以前北米版『ロックマン』のパッケージを紹介しましたが、それを遥かに超えるすごい出来です。

↑北米版『ロックマン』。
詳しくはこちら
この米国版『ナウシカ』、『Warriors of the Wind』は、朝日新聞記者・草薙聡志氏の『アメリカで日本のアニメは、どう見られてきたか?』(2003年、徳間書店)によれば、1986年4月にニューワールド社によって「ニューヨークで短期上映され」たらしいです(169頁)。
この米国版の製作、配給を誰が行ったかですが、叶精二『宮崎駿全書』(2006年、フィルムアート社)によれば、上述の草薙氏は1985年9月17日付の朝日新聞記事では「85年9月にマンソン・インターナショナル社によって」と執筆していたらしいです。
一方、Wikipedia や、英語圏の宮崎駿ファンサイトとしてはおそらく最大のものと思われる Nausicaa.net では「ニューワールド社」によると書かれています。どうも正しい情報がわからないのですが、VHSの最初に NEW WORLD VIDEO と出て、クレジットにはA MANSON INTERNATIONAL Presentation とあるので、おそらくは製作がマンソン・インターナショナル社で、配給がニューワールド社なんでしょう。正確な情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。

↑VHSの頭

↑クレジット画面
興業的には失敗したらしいんですが、具体的な数字は不明です。しかし、このパッケージがあまりにひどかったため、現在ではネットの力もはたらき、すっかりこの米国版『ナウシカ』の悪評は広がってしまいました。
様々な批評で「米国史上最悪の翻訳」とか「絶対に見てはいけない」とか言われ、ジブリのプロデューサーを務める鈴木敏夫氏も「今すぐ忘れてほしい」と言い、上で引用した『宮崎駿全書』でも「"WARRIORS OF THE WIND" は、宮崎と関係者にとって忘れがたい悪夢だった」(69頁)としています。
自称海外版研究家として、トンデモ愛好家として、これは是非手に入れなければならない! たとえいくらかかっても、何年かかっても!
…と思ってたら、意外なほどあっさりアメリカのネットオークションで手に入れてしまいました。それもほんの10ドル程度で。ついでに手に入れた原作マンガの北米版と一緒に撮影してみました。とても同じ作品とは思えませんね。

↑同じ作品なんだぜ…、これ
で、最後まで細かくチェックしてみました。その上で、あえて言いたい。
そんなにひどいか、これ?
いや、そりゃ20分もカットされてるから、ひどいっちゃひどいんだけど、もっと改竄されまくりのすんごいトンデモ作品を期待してたのに、全くもって拍子抜け。私がひどい翻訳版を見慣れているせいもありますが、(残念ながら)少なくともこれは「史上最悪の翻訳」と呼ばれるほどの酷さではないというのだけは断言できます。いや、あくまで比較の問題なんだけどさ。
ネットなどを見る限り、大体批判対象にされているのは、
1.ナウシカ→Zandra、クシャナ→Selena、王蟲→Giant Gorgon など、改名されている
2.内容が20分以上カットされ、116分が95分になっている
というもので、他にも「ストーリーもセリフも改竄」とか、「王蟲が単なる凶暴な敵として扱われている」とかのレビューが多々見られます。
先に「英語圏最大の宮崎駿ファンサイト」として紹介した Nausicaa.net でも「単純なこども向きアニメにするためにカットして内容を変えた」と書かれていますし、英語版ウィキペディアでも、その情報を元に記事が執筆されています。
しかし、これらの批判に関しては、かなり疑問。正直なところ、このひどいパッケージだけ見て、内容をチェックしていないんじゃないかと疑ってしまいます。私自身、昔このビデオを入手していない状態で、別のサイトに伝聞のみを頼りに記事を書いてしまったことがありますので大いに反省するところです。
実は、このビデオを見て私は大いに驚いたのです。
翻訳が正確!
もちろん、2012年の現在から見れば、褒めるようなレベルじゃないんですが、概ねデタラメな翻訳はなされていません。以前米国版『カリオストロの城』を紹介しましたが、それに比べれば何百倍も正確な翻訳です。
いや、それどころか、これ85年に翻訳されたということを考えれば、かなり正確な翻訳だと言えますよ。『カリ城』の翻訳は7年後の92年でしたが、翻訳精度は前記の通りです。『ドラゴンボール』も酷かったし(こことここを参照)、2000年代より前の北米版の翻訳精度は、とてもじゃありませんが「翻訳」と言えるレベルではありませんでした。その中で、『Warriors of the Wind』の翻訳精度は、2012年の現在の感覚で見ても、そんな悪いものじゃないんです。日本語→英語の正確さだけで見れば、十分及第点です。
名前の変更についてですが、これは「改竄」なんて言えるレベルではありません。1980年代、名前の変更がなされていないアニメの方がずっと珍しかったです。今でも名前が変更されることはあり、驚くこっちゃないです。以前ご紹介した北米版『名探偵コナン』(詳しくはここ)やイタリア版『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』(詳しくはここ)でも名前は変えられていました。『ポケモン』でもサトシが Ash と呼ばれているのは有名ですね。

↑北米版では Jimmy Kudo になってる工藤新一くん。
Nausicaa が Zandra になるのなんか、別に驚くこっちゃないな
そりゃ、製作者やファンが「なんで名前を変えるんだ!」と怒るのはわかりますが、少なくともこの現象は北米版『ナウシカ』固有の現象じゃありません。(北米の場合、子どもにも親しみやすいように名前を英語流に変えることは多いです。明治時代にシンデレラが「おしん物語」というタイトルで日本に紹介されたようなもんでしょうね)
次に、カットについてですが、ネットなどでは上述の通り「単純なこども向きアニメにするためにカットして内容を変えた」とか、さらには「スターウォーズをイメージして内容を改竄した」というような言説まで広まっていますが、これらの評価は明らかに間違いだと私は確信しています。カットされたのは別の理由です。
まず、95分というカット後の尺に注意してください。アメリカでアニメ映画っていうと、普通90分前後なんですよ。(長いと子供が飽きるから)
アメリカのアニメ映画をちょっと例にとって見ると、
『シュレック』4作とも全て90分~93分。
『ライオンキング』88分。
『トイ・ストーリー』81分~103分。
『ATOM』94分。
アメリカじゃ、アニメ映画は長くても100分。大抵は90分程度です。
日本でも『ドラえもん』の映画は全て90分前後。
『ポケモン』は75~105分。
全米用に作られた『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 光のピラミッド』は、全米公開版が90分(日本に逆輸入されたバージョンは101分)。
つまり、アメリカでも日本でも、大人向けのアニメを除けば、アニメ映画は80~100分が普通なんです。特に、劇場版『遊☆戯☆王』が、日本向けでは101分なのに、北米公開版が90分であるところを見ると、今でも北米ではアニメ映画は90分程度にするべきだという認識が強いと思われます。

「アニメ映画」ちゅったら90分が常識なんやで!
なので、『ナウシカ』の116分ってのは、アニメ映画としてはかなり長いんです。
この 『Warriors of the Wind』 が95分にカットされたのは、内容を改竄するためではなく、アニメ映画の常識に合わせた商業的戦略考えるのが自然です。もしも『ナウシカ』が最初から95分の映画で作られていたら、全くカットされることはなかったでしょうね。
『アメリカで日本のアニメはどう見られてきたか?』(徳間書店)でも「(カットされたことで)人類の未来をかけた単純明快な善と悪との活劇が繰り広げられた」(170頁)と書かれていますが、それはあくまで尺の関係でカットをした結果であり、ストーリー改竄を目的としてカットされたのではないというところは強調しておきたいと思います。
もしストーリーを本当に変えるつもりだったら、セリフをもっと改竄していたはずですが、上記の通り翻訳精度は現在の感覚で見ても悪いとは言えません。
北米ではアニメの改竄って昔からあって、例えば全米で大ヒットした『ロボテック』なんてアニメは、『超時空要塞マクロス』・『超時空騎団サザンクロス』『機甲創世記モスピーダ』の3つを1つの作品として再構成しちゃったものです。私はこの作品を自分では確認していませんが、前述の『アメリカで日本のアニメは~』によれば、「日本製の三作品は一種の外科手術によって別個の『オリジナル』作品に生まれかわった」「手術の技は、削除あり、移動あり、再利用ありと、多彩を極めた」(160頁)そうです。
一方、『Warriors of the Wind』は、尺の関係で単純にカットしただけ。勝手にシーンを前後されたり、日本版にないシーンを追加されたり、セリフを改竄されたりもしていません。
また、カットして「単純な活劇」になったという評価にも疑問が残ります。そもそも、『ナウシカ』をカットしたからといって、そんな内容になるか? (多分この手の評価をしている人は、ビデオを確認してないんじゃないかなあ)
カットされたシーンを見ると、そのほとんどは腐海に関するシーン。「腐海が実は毒を浄化していた」という、文明批判やエコロジカルなシーンは基本的に全カット。その点では、確かにこの『Warriors of the Wind』は、原作の深さを失い、腐海は単純に滅びの象徴となり、ナウシカ(このビデオではザンドラ)は、腐海の脅威から人間を守ろうとする構造になっています。
しかし、「王蟲が単なる凶暴な敵として描かれている」なんてことはなく、蟲に対するナウシカの態度は日本版と違いありません。
結局、このビデオ自体は20分という大幅なカットがなされて原作の深みを失っているものの、「史上最悪の翻訳」みたいに言われるほどは酷くないんですよね。
にもかかわらず、こんなに悪評が広まってしまったのは、やっぱりこのトンデモないパッケージイラストのせいなんでしょうね。もしパッケージイラストに日本のものをそのまま使っていたら、こんなに悪評は広まらなかったでしょう。このパッケージだけ見れば、「内容も改竄されまくっているんだろう」と予想するのは当たり前って言えば当たり前ですもんね。さらに『ナウシカ』が日本を代表するアニメ映画であって熱狂的ファンを獲得していたことも、「こんなにすごい映画を改悪しやがって~!」と怒りを買う原因になったわけです。
で、最終的には噂が拡大して「史上最悪の翻訳」ということににされてしまったと。
実際には、カットはされたけど「内容をズタボロに改竄」とまではいかないわけなんですが、このパッケージイラストのせいもあり、スタジオジブリ側が海外での版権に目を光らせるきっかけとなったのでした。
その後『ラピュタ』の英訳オファーが Streamline Pictures から来るのですが、これによると、驚いたことにジブリは Streamline Pictures に翻訳を任せず、自分たちで作った吹き替え版を相手に渡したとのこと(日本のDVDに収録されているのがそれです)。これならカットできませんもんね。そう考えると、この『Warriors of the Wind』は、日本アニメ業界に海外での版権や契約について一石を投じる結果になったといえるかもしれませんね。
ついでですが、先ほども言及しましたとおり、内容の改竄という点では米国版『カリオストロの城』の方が遥かに酷いです。にも関わらず、何を考えていたのか1994年にはリンガフォンから、この改竄された『カリ城』を使った『カリオストロの城 完全英語版』なんてビデオが出ちゃったし、2001年に「ジブリがいっぱいコレクションSpecial」として出たDVDにもこの英語版が収録されてしまっていました。宮崎センセ、『ナウシカ』に怒るのもいいですが、でしたら『カリ城』にも怒ってほしかったです。少なくとも日本での発売にはストップをかけて欲しかったです。

↑改悪英語版VHSが、日本で英語教材として発売されちゃってた!
というわけで、メチャクチャ改竄されたトンデモない代物を期待して買っちゃった『Warriors of the Wind』ですが、良いのか悪いのか予想を裏切られ、パッケージのトンデモ度の高さに比べると、内容は全然トンデモなくなく、単に20分カットされた『ナウシカ』でした。結局、一番悪かったのは、おそらく映画を見ないでパッケージイラストを描いたであろうイラストレーターだったというオチ。イラストレーター以外は、かなり真面目に仕事に当たっていたと言っていいと思います。
いやー、見た目のインパクトに騙されちゃいけないですね。逆に言えば、見た目のインパクトだけで評価が決まってしまうこともあるわけで、気をつけないと。勉強になりました。
とまあ、あんまりトンデモないことなくて肩透かしくらった感じですが、せっかく購入したので、次回は具体的にどこがカットされたのか、細かく解説したいと思います。
というわけで、後編はこちら! これで貴方も『Warriors of the Wind』通になれる! なっても仕方がないけれど。
米国のゾンビ事件は入浴剤とか麻薬が原因と言われていますが、つんつく自身が透明化タイプの綺麗な楕円形UFOが日本の普通の地方都市上空で飛行機雲を作っている所を既に視認しております、そのご機影なき飛行機雲の形成中は確認できた事があるもののその機影確認には成功しておりませんが、意図的に上空から何かを人体や農作物・家畜に降り注がせているようにも見えます。
『全米が震撼、ゾンビ事件連発!母親が赤ん坊を喰う??』
http://quasimoto.exblog.jp/18101699/
『中島美嘉が「バイオ・ハザード」最新作に出演していることが明らかに!すべての始まり、第一感染者の役で』
http://www.cinematoday.jp/page/N0026597
『映畫「Knowing」を「審(サニワ)」せよ 卯年から選別の艱難が始まると言っていた』
http://www.asyura2.com/10/bd59/msg/511.html
『♯モルゲロン:恐ろしい新症例が流行の兆しを見せている-Part2』
http://blog.chemblog.oops.jp/?cid=3429
ありがとうございました。