逝きし世の面影さんのサイトより
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/9d391cb181bd1e2f3f2e33fb74c6dc2a
<転載開始>
『日中両政府に「吠え面かかして」大成功した石原慎太郎』

尖閣問題で日本に抗議するデモが暴徒化して略奪に走るが何とも困った話です。
香港活動家とか日本人右翼が尖閣に不法上陸したことと同じ危険な『愛国ゲーム』ですが、これは石原慎太郎の言動とも同じで、本人たちは『正しいことをしている』と思っているのだろうが、単に姑息な自己顕示欲からである。
わざと騒ぎを大きくしているだけです。
香港活動家も、日本の右翼も石原慎太郎も、何か問題点を解決する気など最初からない。
尖閣諸島ですが、日本が実効支配しているのですから本来なら今までと同じように『何もしない』現状維持が一番ですよ。
竹島を実行支配している韓国では、時々デモなどが起きているが、韓国政府としては『竹島は韓国固有の領土であり、領土問題はない』なので、韓国人の竹島に対する態度は領土問題としては根本的に間違い。
竹島に上陸した李明博大統領も明確に言っているように、世界の与論に向かっての慰安婦問題など歴史問題での、『反日』アピールが本当の目的なのですよ。
竹島で騒動を起こす韓国人の目的は、領土が問題ではない。
竹島は『口実』なのです。
日本にとっては竹島は純粋に『領土』の問題ですが、韓国にとっての竹島は『歴史問題』がメインなので日韓での竹島が全く噛み合わないのです。

『発表した「日付」が悪すぎる』

純粋に領土問題だけなら、実効支配している側は一切騒がないで沈黙する方が利益があるのです。
そして1972年の日中国交回復時の尖閣棚上げ論は、平和理に実効支配している日本側にとっては、時間が経てば経つほど有利である。
日本側が忠実に『尖閣棚上げ』を守った結果、尖閣諸島は40年間も何の問題も起こしていない。
ところが最初『戦後レジームからの脱却』をスローガンに教育勅語の復活(手始めに教育基本法の廃止)を目論んだ極右の安倍晋三首相の2008年に、1回目の尖閣諸島騒動が発生する。
海上保安庁が尖閣諸島に侵入した船を排除しようとして衝突、台湾遊漁船が沈没し台湾の首相が『戦争も辞さず』との強硬発言を国会答弁する騒ぎに発展、大騒ぎになるが、日本側が謝罪と賠償を行い、辛うじて何とか穏便に矛を収めることに成功している。
2回目は、2010年に日本版ネオコンの前原誠司が海上保安庁の所轄大臣の国土交通省大臣になった途端に中国漁船拿捕事件の大騒ぎになった。
今回の野田佳彦が3回目である。
日本国の病的な右傾化の徒花で、安倍晋三、前原誠司、野田佳彦と挑発行為を働き2年おきに尖閣諸島で騒動が発生する。
今回も、明らかに野田佳彦がわざと『中国に喧嘩を売っている』と、中国が判断しているのです。
野田政権が尖閣諸島を国有化する方針を固め、石原都知事に購入の意向を伝達した『日』とは、何と75年前の盧溝橋事件の起きた7月7日の記念日であった。
日本政府のやり口が『えげつない』としか表現出来ない。
極度に日中が緊張状態に陥り9月8~9日に開催されたAPEC首脳会議では正式な首脳会談が開けない。
ようやく実現したが15分間の立ち話である。
中国の胡錦涛国家主席は野田首相に尖閣国有化を行わないように要請する。
ところが翌9月10日に関係閣僚会合で国有化方針を確認。11日には定例閣議で正式決定し発表する。
いくら何でも決定してマスコミ発表するタイミングが悪すぎる。
『喧嘩を売られた』と思った中国では18日の柳条湖事件までの1週間、大騒動が勃発する。
今回の騒動ですが、少しでも中国の歴史や事情を知っていれば、何の不思議もなく当然予想された範囲の騒ぎですよ。
事実、丹羽宇一郎大使は英紙ファイナンシャル・タイムズに現在の状況を正確に予測する発言をするが、日本政府は懲罰的に更迭して仕舞う。無茶苦茶である。
野田佳彦が、これらの歴史的事実を少しも考慮した形跡がないのですよ。
石原慎太郎の『(日本)政府に吠え面かかしてやる』が、大成功しているのです。
『日本の領土問題は、二国間問題ではない』

今度の尖閣問題に対しては、『領土問題は終わらない』と題して内田樹が、実に正しい解説を行っています。
内田樹ですが知識の量が半端でなく本物のインテリ階級であり時々は目を見張るほど『素晴らしい』のです。
ただし内田樹の言葉を信用しすぎると、困ったことに必ず足をすくわれて大失敗する。
内田樹の主張の9割以上は間違いなく『正しい』のである。
色々と良いことを言い相手を信用させたところで最後の一番大事な『結論』部分を間違いに誘導する。最初から出来の悪いペテン師の池田信夫とは大違いで、手際が鮮やかで油断していると『なるほど』と納得させる、とんでもなく悪賢い知的な詐欺を巧妙に働くのですね。
当ブログが何回も強調していることですが、北方領土も尖閣も竹島も、決して日本とロシア、中国、韓国との『二国間問題』ではないのですよ。
この一番肝心な部分を、マスコミや政治家は『二国間問題である』と間違った方向に与論を誘導しているのです。
これでは解決するはずが無い。
アメリカが動かないと『話にならない』話を、まるでアメリカに関係のない話であるかのように進めている。
理由ですが、アメリカは日本が周辺国と揉める方が『日米同盟』のくびきから抜け出せないので国益に叶うのですが、この事実を知らせたくない。
外交についての経験則のひとつは、
『ステイクホルダー(利害関係者)の数が多ければ多いほど、問題解決も破局もいずれも実現する確率が減る』ということである。
日本は敗戦後に自主外交を諦め(放棄して)、あらゆる外交関係において、『アメリカというステイクホルダー』を絡めている。
日本国の場合、『二国間の問題の交渉』など最初から存在せず、必ずアメリカとの三国間の話なのですね。
だから、日本がフリーハンドであれば達成できたはずの問題でも、アメリカが『YES』と言わない限り何十年もさっぱり解決しないのは、不思議でもなんでもなく当然だったのです。
40年前の中国と日本が合意した尖閣棚上げ論ですが、これは中国だけではなくアメリカ国務省の方針でもあったので、日本政府は今まで少しもぶれることなく忠実に守ってきたが、ここに来て何かの齟齬が発生したのです。

『尖閣問題が大騒動になる原因』

今尖閣で大きな騒動が起きているのは事実です。
しかし、この騒動自体に大事な意味がある場合と、それとは逆に目の前で起きている騒動には何の意味も無い場合の二つがある。
目の前の大事件、大騒動は、実は別のもっと大きな問題を隠蔽する目的の赤いニシン(Red herring)『間違いに誘導する偽の手がかり』『本当の意図、意味を隠すための嘘』の可能性がある。
マスコミのニュース枠には必ず時間や容量に制限があり『何かを報道する』とは、実は別の『何かを報道しない』ための一番確実な方法でもある。
尖閣ですが、これは40年間も何の問題も起こしていないのですよ。
ところが前原誠司が海上保安庁を所轄する国土交通省大臣になった途端に大騒ぎになった。
2年前の中国漁船拿捕事件の騒動ですが間違いなく自作自演の『転び公妨』ですね。
尖閣諸島では前原以外では、『美しい国』の安倍晋三内閣時の2008年に最初の拿捕(衝突)事件が起きている。
安倍、前原、野田と2年おきに尖閣で騒動が発生。
日本国の病的な右傾化の徒花であるとも見えるが、もう少し引いて遠くから見ると、別の景色も見えてくる。
日本人にとっては、日本企業や商店が襲われたのはショックかもしれないが、中国では年間30万件も暴動が発生しているとの説もあり、それほど珍しい話でもない。インドでは労使紛争でスズキの一番大きい自動車工場が丸焼けで死人まで出ている。
しかも今世界で起きている深刻な暴動とは、中国の尖閣ではなくアメリカ映画に対するイスラム教徒の暴動で沢山の死人が出ているのですよ。
それに比べれば尖閣騒動の暴動など子供騙しに近い。大きさもレベルの違いすぎる。
反イスラムのムハンマドの米映画ですが、これはリクードのシャロンの行ったエルサレムのイスラムの聖地(岩のドーム)アルアクサモスクに押し入って第二次インティファーダを引き起こして労働党政権を倒しイスラエルが右傾化した事件に匹敵する謀略事件ですが、この目的が不明です。
大騒ぎになること自体が目的らしいのですよ。
多分。世界の人々の目から何かの悪いことを隠したいのですよ。
現職大統領のオバマの選挙の妨害であるとの説もあるが、アメリカ経済は失敗が確実視されているQE3(量的金融緩和政策第3弾)を実施せざるを得ないほど追い詰められているのです。
QE1よりもQE2は倍以上の期間を要したが株価がいくらか改善した程度で景気回復には結びついていない。
仕方なしに今回QE3発動に追い込まれたが、前回QE2よりももっと長期間になりしかも止めるに止められない状態になる可能性が高い。
手術や怪我などの大出血時に大量輸血しか救命の方法はないが、白血病で造血機能が失われている時には輸血では病気の改善が無い限り死は避けられない。
リーマンショック後のアメリカ経済にとって、QE3の持つ意味とは大量輸血とまったく同じで、最後の破局は避けられず時間稼ぎにしかならないのです。

<転載終了>