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<転載開始>
中国で投資をするなら、少なくとも元本だけでも5年以内に回収すること。
投資額は、全部スッてもあきらめがつく範囲に限ること。
2012年9月22日 土曜日
◆北京への赴任者に贈ったことば 9月19日 泉 幸男
わたしのイメージしてきた中国。
■ 暴動予報の時間 ■
たまたま反日暴動だから日本で報道されるが、もともと年に10万件の暴動発生が推定される中国だ。
高気圧や低気圧の配置や、ゲリラ豪雨の発生を、朝晩の天気予報で解説するように、
「さて、きょうは浙江省南部から暴動が北上しています。
山東省済南市や天津市でも暴動注意報が出されていますので、十分ご注意ください。
そのほかご覧の赤い点々の地域が要注意です。
それでは、道路情報です。鈴木さん、おねがいします…」
そんな 「中国暴動予報が淡々と毎朝テレビで報じられる」 日が来ても驚くまいと心に決めていた。
■ 昆虫の群れ ■
平成元年の天安門事件のとき北京にいて、6月7日か8日の夜の日航機で東京に一時帰国したわたしたち夫婦だ。
「あのときより怖いわね」 と、テレビを見ながら家内が言った。
あのときは矛先が日本ではなかったから (そして報道も制限されていたから)、北京にいても怖さというのを感じなかった。
帰国便に乗ってから、だいじなものや思い出の品など何も携えなかったことに、はっと気がついたくらい緊張感がなかった。
つねづね、中国反日が報じられても、
「あれは反日デモの盛り上がってるところだけ映してるから。じっさいはみんな、たらっとしてるんです」
と言ってきたわたしだけど、今回の反日暴動同時多発は正直、23年前よりもずっと怖いと思った。
人間というより、巨大な昆虫の群れを前にしているような。あの、たらっとした 「人間」 たちの世界ではなくなっている。
■ 1度ぽっきり ■
このあいだ、北京に赴任するひとのための歓送会があった。そこでぼくが挨拶して言ったのが
・中国でやるプロジェクトは、つねに1度ぽっきりだと思うべし。
「同じような案件が10件20件と出てくるから、最初から儲けなくてもいい」
などと考えないこと!
初号案件をいかに赤字でとっても、中国人は
「外国人は儲けている」
と考える。そして2号案件からは中国人だけでやる。
・投資をするなら、少なくとも元本だけでも5年以内に回収すること。
・投資額は、全部スッてもあきらめがつく範囲に限ること。
■ 大衆と面で接するな ■
挨拶の時間がもう少し長ければ、こんなことも言いたかっ
た。
・中国に出ていくとしても、大衆と面で接する投資は避けたほうがいい。裏方に徹するべきだ。
・いま日本にいる我々が周囲を見渡しても、中国資本や韓国資本がぎらぎらしている姿はない。
中国人がイメージする 「あるべき中国」 も、そういうものだ。
中国の一般大衆の前で日本がぎらぎらするものは、どうせ長続きしない。
だから、大衆と面で接する投資はとくに、短期間で収益を回収しなければならない。
・日本の中国貿易で長続きするのは、中国大衆の目に見えない基幹部材や特殊素材の輸出だけだと割り切るべきだ。
他のことをやるなと言うわけではないが、「しょせんは短期の商売だ」 という割り切りが必要。
■ 余裕、ですかね ■
こういうことを言っているからか勤務先では、周囲のだれよりも中国通でありながら、中国駐在のはなしはおろか、中国ビジネスについての相談に加えられることもない。
だから、わたしの意見は勤務先の見解とは異なる、のであろう。勤務先にそれだけ余裕があるわけで、結構なことである。
べつにすねているわけではなく、もっと有望な長期的市場を担当しているのでご安心ください。
泉/幸男
昭和34年、愛媛県松山市生れ。昭和57年、東京大学法学部卒業。昭和59年、東京大学教養学部教養学科卒業(ロシア・朝鮮地域研究、卒論をロシア語で書く)。同年、総合商社に入社、以来発電プラントの輸出に携わる。昭和62年~平成元年、中国・北京に駐在。以後、中国・広東省、香港、フィリピン、タイなどで発電プラントの契約交渉・履行にあたる
ここで参考のために当社が考えた契約式合弁の契約内容を簡単に説明します。
○独立の法人格をもたせず、当事者双方の共同管理で運営する。
○但し日本側は工場経営には一切関わらない。
○中国側が従業員と建物、日本側が設備と技術を提供。
○期限満了時(3年)に全ての資産を中国側に無償で引き渡す。
○出資額の評価の上で出資比率に応じて権利や責任を決めることなく
全て契約で取り決める。
簡単に書くとこのようなことです。法人格を持たないこのやり方だと中国の怪しげな法律に縛られることなくいつでも逃げ出すことが出来ます。
当社が設置した機械の耐用年数は日本の税法では5年、実際の耐用年数は10年くらいです。機械を投入した威海工場は2005年時点ですでに11年がたっています。
3年で全ての資産を中国側に無償で引き渡す代わりに商品の約5%を値引きする文言も入っています。この値引きのお陰で全ての(付帯設備も含む)投資金額はすでに回収しています。
(私のコメント)
日本企業は中国でも自前の工場を持ちたがりますが、アップルなどは設計だけして製造は台湾の製造メーカーに任せて工場は中国にあります。もし中国の工場で賃上げストが起きてもアップルは製造を他国の製造メーカーに移せばいい。サムスンとアップルは特許で問題が起きていますが、アップルはサムスンからの部品を止めて他社からの部品を使うようです。そうすればリスクは最小限になり利益は最大限になります。
提供する設備や技術は数年もすれば陳腐化して競争力はなくなります。つまり工場も使い捨てする計画で中国に進出すれば反日デモで工場が破壊されても痛くも痒くもありません。中国は昨日も書いたようにGDPの半分が投資によるものであり、海外からの投資がストップすれば中国経済もストップします。日本は軍事的な報復は出来ませんが、頭を使えば幾らでも経済制裁をかけることが出来ますが、日本の政治家も経営者もバカが多いから「株式日記」を読んで勉強して欲しいものだ。
<転載終了>