In Deepさんのサイトより
http://oka-jp.seesaa.net/article/361211946.html
<転載開始>
数日前、オーストラリアや太平洋諸国で金環日食が観測されましたが(日本語の報道)、下の写真は、その日にオーストラリアのニューマンという場所で撮影された写真です。

▲ Space Weather より。
日食の状態と雲などの位置のためなのか、なんだか「太陽が壊れそうになっている」ような1枚となっていて、珍しい写真だなと思いまして載せました。
金環日食の他の様々な写真はスペースウェザーのギャラリーにあります。
中には下のように、レンズフレアの影響で「ふたつの太陽」のように写ったものもあります。

▲ Annular Solar Eclipse より。
日食とは関係ないですが、太陽活動そのものも久しぶりに活発で、何ヶ月ぶりかわからないですが、昨日今日と2度続けてX級の太陽フレアを放出しました。これは、2013年になってから初めてのXフレアということもあって、海外ではかなり報じられています。

▲ Space Weather より。
NOAA (アメリカ海洋大気庁)の宇宙天気予測によりますと、5月14日からの 48時間の間に、大きなフレアが発生する確率は下のようになっています。

太陽フレアの中で最も大きいクラスのXフレアの発生確率予測を 40 パーセント、その次のレベルのMクラスのフレアの発生確率を 80パーセントだと予測していますので、何らかの大きなフレアが地球に向けて発生する可能性は高いと NOAA の分析官は予測しているようです。
現在、地球に向いている黒点だけでも、9つの黒点群があり、その中に合計 144個の太陽黒点がありますので、まあ、地球に向けた大きなフレアが発生してもおかしくはないです。

▲ 現在、地球に向いている太陽黒点群の分布状況。赤で囲んだ 1748 という黒点群が2度続けて Xフレアを放出した黒点群。これから地球に向いて回ってきます。
・・・しかし、実際問題としては、太陽活動最大期が近いこの時期の太陽活動としては、この数ヶ月が異常に静かだったということであって、このくらいの太陽活動は本来ならむしろ当たり前のことだったはずです。
これから太陽がこれまでの「異常なほどの静けさの様相」を突如として変え、強大な太陽フレアや CME (太陽からのコロナの放出)を次々と繰り返すようになっていくのかどうかというのはわかりません。
今までの「長い静謐期間」に溜まっていた分を大放出するような大爆発を地球に向けておこなう可能性も確かにあるのかもしれませんし(数年前の NASA はこの方向で予測していました)、あるいは、結局、さほど大きな活動を見せないまま、黒点群が消えていくということもあるかもしれないです。
そのそれぞれの NASA の予測をご紹介した過去記事としては、「2013年は太陽の活動が激しくなる」と予測したことをご紹介した2010年の下の記事、
・NASA が発表した「2013年 太陽フレアの脅威」の波紋
2010年09月23日

この記事では、 NASA の科学者たちは 2013年に強力な太陽活動が地球の文明を脅かす可能性を発表したことをご紹介しました。しかし現時点まででは、太陽活動は「逆」の方向、つまり静かな方向で進んでいます。
その一方で、強い太陽活動はすでにずっと以前に終わっていたのではないかとする意見の記事が下のものです。
・あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(4) 太陽活動極小期は何をもたらすのか?
2011年11月10日
上の記事では、 NASA マーシャル宇宙飛行センターの太陽物理学者が、太陽活動は近年、加速度的に弱くなっていることを示しています。
下のグラフは1992年からの太陽の「磁場」の推移です。

黒点の数という以上に、磁場、つまり太陽の力そのものが弱くなっていることが示されます。
今後の太陽活動が、「あらかじめ予測された小氷河期」というように太陽活動が小さくなっていく方向に向かうのか、それとも、再び太陽活動が増大して、壊滅的な CME を地球に放つのか。
どちらの方向に進むのかは今年が終わってみないとわからないのかもしれません。
今回は、2013年の最初のXフレアを速報的に記事にした NASA ニュースをご紹介いたします。
ここからです。
First X-Class Solar Flares of 2013
NASA ニュース 2013.05.13
2013年になり初めてのX級の太陽フレアが発生
2013年5月12日、太陽で 2013年になり初めてとなるXクラスの太陽フレアが発生した。数値レベルは X1.7だった(数値のレベルは 1~10で 10が最高)。その後、5月 13日 12:05に続けて、X2.8 の太陽フレアを観測した。これは 2013年になってから最大の太陽フレアとなる。
最近の中で最も強力だったフレアは 2011年 8月 9日に記録された X6.9 のフレアで、次が 2012年 3月 7日に記録された X5.4の太陽フレアだった。
下の画像は、 NASA の太陽観測衛星 SDO (ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー)が撮影した今回の太陽のXフレアの様子だ。

これらのフレアと、それに伴うコロナ質量放出( CME )は宇宙空間に数十億トンにのぼる太陽の粒子を放出し、人工衛星や地上の電子システムに影響を与える可能性がある。しかし、今回の太陽フレアは地球には向いていなかったため、地球への影響は軽微だと見られる。
太陽フレアは、放射線の強力な噴出だ。その放射線は直接受けた場合は地上の人間に有害だが、それらの放射線は地球の大気を通過することができない。そのため、太陽フレアが人体に影響を与えることはないが、しかし、フレアが非常に強大な場合には、GPS や通信信号などを含め、地球の信号系統などに影響を与える。
太陽活動は、通常 11年の活動周期を持ち、現在は 2013年の太陽活動極大期に向かって活動を増大させているとされているため、フレアが増加していくことは現時点では通常の状況といえる。
(訳者注) ところで、上に「太陽活動は、通常 11年の活動周期を持ち」とありますが、この周期に「ズレ」が生じていることを日本の国立天文台が観測で発見しています。読売新聞に掲載された記事を、過去記事で抜粋していますので、再度掲載しておきます。
記事は、
・太陽に何が起きているのか : 太陽の異常に関する数々の報道
2011年09月03日
です。
また、同じ国立天文台の観測によって、「太陽の磁場の多極化」という、明らかな異変の中に今現在の私たちはいるということも忘れないようにしたほうがいいような気がします。
下は過去記事「奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した「4極化する太陽磁場」」からのものです。

これらの大きな「異変」の数々は、そう簡単にすぐに元に戻るというようなタイプの現象ということでもないでしょうし、どんな方向に向かうのかはわからないとはいえ、「異変」や「異常」といった言葉や現象との付き合いはまだまだ続くようには思います。
<転載終了>
http://oka-jp.seesaa.net/article/361211946.html
<転載開始>
壊れてしまったかのような金環日食中の太陽を見つめながら
数日前、オーストラリアや太平洋諸国で金環日食が観測されましたが(日本語の報道)、下の写真は、その日にオーストラリアのニューマンという場所で撮影された写真です。

▲ Space Weather より。
日食の状態と雲などの位置のためなのか、なんだか「太陽が壊れそうになっている」ような1枚となっていて、珍しい写真だなと思いまして載せました。
金環日食の他の様々な写真はスペースウェザーのギャラリーにあります。
中には下のように、レンズフレアの影響で「ふたつの太陽」のように写ったものもあります。

▲ Annular Solar Eclipse より。
ようやく観測されたXフレア
日食とは関係ないですが、太陽活動そのものも久しぶりに活発で、何ヶ月ぶりかわからないですが、昨日今日と2度続けてX級の太陽フレアを放出しました。これは、2013年になってから初めてのXフレアということもあって、海外ではかなり報じられています。

▲ Space Weather より。
NOAA (アメリカ海洋大気庁)の宇宙天気予測によりますと、5月14日からの 48時間の間に、大きなフレアが発生する確率は下のようになっています。

太陽フレアの中で最も大きいクラスのXフレアの発生確率予測を 40 パーセント、その次のレベルのMクラスのフレアの発生確率を 80パーセントだと予測していますので、何らかの大きなフレアが地球に向けて発生する可能性は高いと NOAA の分析官は予測しているようです。
現在、地球に向いている黒点だけでも、9つの黒点群があり、その中に合計 144個の太陽黒点がありますので、まあ、地球に向けた大きなフレアが発生してもおかしくはないです。

▲ 現在、地球に向いている太陽黒点群の分布状況。赤で囲んだ 1748 という黒点群が2度続けて Xフレアを放出した黒点群。これから地球に向いて回ってきます。
・・・しかし、実際問題としては、太陽活動最大期が近いこの時期の太陽活動としては、この数ヶ月が異常に静かだったということであって、このくらいの太陽活動は本来ならむしろ当たり前のことだったはずです。
これから太陽がこれまでの「異常なほどの静けさの様相」を突如として変え、強大な太陽フレアや CME (太陽からのコロナの放出)を次々と繰り返すようになっていくのかどうかというのはわかりません。
今までの「長い静謐期間」に溜まっていた分を大放出するような大爆発を地球に向けておこなう可能性も確かにあるのかもしれませんし(数年前の NASA はこの方向で予測していました)、あるいは、結局、さほど大きな活動を見せないまま、黒点群が消えていくということもあるかもしれないです。
そのそれぞれの NASA の予測をご紹介した過去記事としては、「2013年は太陽の活動が激しくなる」と予測したことをご紹介した2010年の下の記事、
・NASA が発表した「2013年 太陽フレアの脅威」の波紋
2010年09月23日

この記事では、 NASA の科学者たちは 2013年に強力な太陽活動が地球の文明を脅かす可能性を発表したことをご紹介しました。しかし現時点まででは、太陽活動は「逆」の方向、つまり静かな方向で進んでいます。
その一方で、強い太陽活動はすでにずっと以前に終わっていたのではないかとする意見の記事が下のものです。
・あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(4) 太陽活動極小期は何をもたらすのか?
2011年11月10日
上の記事では、 NASA マーシャル宇宙飛行センターの太陽物理学者が、太陽活動は近年、加速度的に弱くなっていることを示しています。
下のグラフは1992年からの太陽の「磁場」の推移です。

黒点の数という以上に、磁場、つまり太陽の力そのものが弱くなっていることが示されます。
今後の太陽活動が、「あらかじめ予測された小氷河期」というように太陽活動が小さくなっていく方向に向かうのか、それとも、再び太陽活動が増大して、壊滅的な CME を地球に放つのか。
どちらの方向に進むのかは今年が終わってみないとわからないのかもしれません。
今回は、2013年の最初のXフレアを速報的に記事にした NASA ニュースをご紹介いたします。
ここからです。
First X-Class Solar Flares of 2013
NASA ニュース 2013.05.13
2013年になり初めてのX級の太陽フレアが発生
2013年5月12日、太陽で 2013年になり初めてとなるXクラスの太陽フレアが発生した。数値レベルは X1.7だった(数値のレベルは 1~10で 10が最高)。その後、5月 13日 12:05に続けて、X2.8 の太陽フレアを観測した。これは 2013年になってから最大の太陽フレアとなる。
最近の中で最も強力だったフレアは 2011年 8月 9日に記録された X6.9 のフレアで、次が 2012年 3月 7日に記録された X5.4の太陽フレアだった。
下の画像は、 NASA の太陽観測衛星 SDO (ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー)が撮影した今回の太陽のXフレアの様子だ。

これらのフレアと、それに伴うコロナ質量放出( CME )は宇宙空間に数十億トンにのぼる太陽の粒子を放出し、人工衛星や地上の電子システムに影響を与える可能性がある。しかし、今回の太陽フレアは地球には向いていなかったため、地球への影響は軽微だと見られる。
太陽フレアは、放射線の強力な噴出だ。その放射線は直接受けた場合は地上の人間に有害だが、それらの放射線は地球の大気を通過することができない。そのため、太陽フレアが人体に影響を与えることはないが、しかし、フレアが非常に強大な場合には、GPS や通信信号などを含め、地球の信号系統などに影響を与える。
太陽活動は、通常 11年の活動周期を持ち、現在は 2013年の太陽活動極大期に向かって活動を増大させているとされているため、フレアが増加していくことは現時点では通常の状況といえる。
(訳者注) ところで、上に「太陽活動は、通常 11年の活動周期を持ち」とありますが、この周期に「ズレ」が生じていることを日本の国立天文台が観測で発見しています。読売新聞に掲載された記事を、過去記事で抜粋していますので、再度掲載しておきます。
記事は、
・太陽に何が起きているのか : 太陽の異常に関する数々の報道
2011年09月03日
です。
地球環境に変動?太陽北極域で異例の磁場
読売新聞 2011年09月02日
宇宙航空研究開発機構の太陽観測衛星「ひので」が、太陽の北極域で磁場が反転し始めた様子を観測することに成功した。
太陽の北極、南極の磁場は約11年周期で反転することが知られているが、今回は予想時期より2年も早いうえ、南極域では反転が見られないなど異例の様相を呈している。地球の環境変動につながる恐れもあるという。
磁場の反転と、太陽の黒点数増減の周期は、通常約11年で一致していたが、2009年初頭まで続いた黒点の周期は12・6年に延びた。
活動周期が延びる時期は、地球が寒冷化することが知られている。
研究チームの国立天文台 常田佐久教授は「観測されたことのない事態だ。地球環境との関係を調べるため、太陽活動を継続的に監視していく必要がある」と話す。
また、同じ国立天文台の観測によって、「太陽の磁場の多極化」という、明らかな異変の中に今現在の私たちはいるということも忘れないようにしたほうがいいような気がします。
下は過去記事「奇妙な太陽のポールシフトは太陽系全体に影響を与えるか?: 国立天文台が発表した「4極化する太陽磁場」」からのものです。

これらの大きな「異変」の数々は、そう簡単にすぐに元に戻るというようなタイプの現象ということでもないでしょうし、どんな方向に向かうのかはわからないとはいえ、「異変」や「異常」といった言葉や現象との付き合いはまだまだ続くようには思います。
<転載終了>