浮世風呂さんのサイトより
http://blog.goo.ne.jp/yamanooyaji0220/e/53c0822b545ebf1789b0299a297ffe30
<転載開始>
中国 賄賂大国の実態~断るとビジネス停止、常態化する巧妙な公務員の手口

2013.09.20 ビジネスジャーナル

 去る9月11日、中国・広東省の政府幹部に、工場設備の届出違反を見逃してもらう見返りに賄賂を渡したとして、トヨタ自動車系自動車部品メーカーのフタバ産業の元専務が不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)容疑で愛知県警に逮捕された。
 だが、この賄賂の事件化が奇異に思えるほど、中国進出企業が現地政府幹部や担当官から賄賂を要求されることは、当たり前すぎる慣例だ。事件化しなければ、これは特別なシークレット情報ですらない。しかも、尖閣諸島問題が勃発して以降、賄賂の要求はますます増えつつあるという。

 日本企業のアジアなど海外でのマーケティング、ブランディングのコンサルティングを専門に行うブランド・コア社長の福留憲治氏は、中国の賄賂事情をこう説明する。

●中国では、当然のごとく要求される賄賂

 「そもそも、中国では賄賂を受け取ることは、違法行為という認識はあるものの、広く行われすぎていて、政府幹部にも現場の担当官にも当然のこととして認識されている。だから、大規模なものでは外資企業の工場の誘致や設立から、小規模なものでは飲食店の開店に至るまで、事業規模に関係なく、日本企業にもあらゆる業種で賄賂の要求が蔓延しているようだ。特に尖閣諸島問題が起きてからは、日系企業への検査などが厳しくされることが多く、それに伴い、現場では実質的な賄賂要求が増えていると感じる」

 尖閣諸島問題が勃発して以降、日本からの製品輸入と現地日系工場からの製品輸出に対して、税関等での手続きや検査、監督省庁からの許認可などが、日系企業を狙い撃ちするように厳しくされたのだ。「ともかく許可が下りるまでの時間が異常に長くなった」と話す物流会社の幹部によると、その背景はこうだ。

 「中央政府から税関担当部門に向けて、日本企業の審査を厳しくするようにと文書で通達が出されている。目的は単なる日本への嫌がらせだ。その時間を正常に戻すには、実質的な賄賂を渡すしかないので、中央政府の担当官は足元を見て、賄賂の要求をそれとなくほのめかし、日本企業もむげに断りにくい状況に置かれている。もし、下手に要求を断ったら、いつまでたっても許可が下りず、ビジネスがストップしてしまう事態は目に見えている」

 あるアパレルメーカーは、中国の現地工場で製造した製品を日本に輸入しているが、「賄賂を渡さないと税関を通してもらえない」(社長)のが実態だ。この会社では、現地の中国系物流会社に通関業務を委託して税関と折衝させている。

 「きちんと税関を通して、こちらに商品が届いた時点で代金は支払う旨を伝えて、中国人同士で話をつけさせている」(同)。このアパレルメーカーの場合、賄賂という形式で
金銭を渡してはいない。だが、物流会社から同社への請求額に、実際には賄賂に該当する金額が含まれている可能性もある。
●賄賂を盛り込んだ上での費用が請求されていることも

 「個々のケースについては、なんとも言えないが、一般的には日本企業側は当然ながら賄賂と認識して金銭を支払うことなどできない。そこで現地の物流会社などに、物流に伴う交渉と手続きを全て委託してしまうケースなどが多い。こうすることで、実際には物流コストの支払いの中に、実質的な賄賂の費用が含まれる手口が増えている。」(中国貿易の関係者)

 賄賂が渡されるまでのステップは、例えばこんな流れだ。日系企業が中国で、所轄の地方政府当局に許認可などの手続きに訪問すると、幹部が「こういう良い会社があるから取引を検討してみたらどうか」と物流会社や投資会社などを紹介してくる。

 その多くは幹部の親族などが経営する会社で、日系企業と取引しながら、裏では現地当局との交渉役を担っている。相場より高い金額を請求され、その過大な分が賄賂等に相当し、その取引先から政府幹部に賄賂が渡されていくケースが多くあるという。

 交渉役企業と日系企業との接点は、政府幹部からの紹介だけではない。現地法人の開設と同時に「政府幹部と豊富な人脈がある」との触れ込みで売り込んでくる会社もあれば、現地で癒着している“現地日本人コンサルタント”が紹介してくる場合もある。

 しかし、紹介された会社が、当局との交渉力を有しているとは限らない。交渉に失敗すると「いつもなら通るのだが、今回だけは難しかった」などと釈明して、報酬だけは受け取っていく。前出の福留氏は「特に日本人向けに売り込んでくる会社や、現地日本人などで『人脈がある』と売り込んでくる場合は、悪質なハッタリ屋が多いと感じる」という。

 ほかにも、恫喝まがいの賄賂で知られるのは、中国の大手テレビ局である。このテレビ局は、消費者の声を紹介する番組で、商品の性能などを紹介しているが、日系の大手企業に対して「商品へのクレームが多いので、番組で取り上げる予定だ」と連絡をした上で、番組へのスポンサー協力などを「よかったら検討してください」と“お願い”する。

 もし要求を拒否したら、どうなるのだろうか? 日系の家電メーカー販社幹部は「このテレビ局は専用のクレーマーグループを雇っていて、そのクレームがテレビで報道されてしまう」と実態を説明する。

●対応に苦慮する日本企業

 こうして、賄賂への支出を強いられている日系企業にとって、その影響はいかばかりか? 賄賂は見えないコストであり、帳簿に出てこないので把握が難しい。しかし、深刻なコストの圧迫要因になっていると考えるべきだろう。

 福留氏は「日本企業は日本の法律だけでなく、欧米にもグループ会社などを持っている場合、欧米の法律でも処罰される。そうすると、アメリカの米国海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act:FCPA)やイギリスの英国反贈収賄法(UK Anti-Bribery Act:ABA)などによって、このような中国での行いも処罰されるように変化している。

 そんな中で実質的な賄賂を支払うことは、企業にとって危険が大きすぎる。リスクを根本的になくす取り組みを支援するように心がけている」と話す。

 いまや中国政府幹部や担当官への賄賂は、取引の中に仕組み化されているのである。日本本社が中国法人の賄賂を摘発しようにも立証は困難を極め、まして現地の捜査機関が、自らも懐に入れている賄賂を撲滅するために、日本側に協力することは現実的に考えられない。

 習近平政権が発足して以降、公務員の汚職摘発がたびたび報道されているが、対照的に日系企業からの賄賂なら好きなように引き出せる。政府公認のカモにされているのだ。これが中国の現実であり、日本企業は、その対策が求められている。
(文=編集部)

http://biz-journal.jp/2013/09/post_2944.html

実は中国の労働賃金は最早安くはなく、上海などでは月間7万~8万円と日本でアルバイトを雇うのとほぼ変わりがない。さらに時間通り来ない、すぐやめる、暴動を起こす、となれば中国に工場を出している理由はないとなり、世界中の企業が中国を去っている。

 また「中国で商売をやるならカネを払え」と言わんばかりに、昨年11月からすべての外国人従業員に社会保険の支払いを義務付け。失業保険、家族保険など、外国人が受け取る可能性のないものまで払わせ、その料率は地域によっては全所得の40%にも及ぶそうだ。

 これは事実上、外国人は出ていけ、と言っているような制度である。このことや欧州危機もあり、欧州企業は素早く逃げたが、これをあり得ない高値で買っていたのが日本企業。今年の対中海外投資はマイナス3.4%と完全に失速するなか、日本企業の投資だけがプラス16%というテイタラク。

◆汚職と権力闘争だけでは語り切れない薄熙来裁判過去の違法行為から浮かび上がるいびつな中国政治

2013.09.17(火) JB PRESS
柯 隆氏

中国では、共産党幹部が規律に違反したり罪を犯したりした場合、いきなり起訴して裁判にかけられることはなく、共産党規律委員会の「調査」を受ける(平党員は別である)。「規定」(決まった)の場所で「規定」の時間において調査を受けることから俗に「双規」と呼ばれている。「調査」は、留置所での拘束ではなく、政府が直営するホテルなどで行われることが多い。

 中国の法学者によれば、共産党規律委員会の「調査」は法を凌駕するものであってはならないと言われている。しかし実際には、党規律委員会は司法以上の権限をもって党員に対する「調査」を行う。

 一般的に、党規律委員会は内部告発を受けて幹部に対する「調査」を始める。閣僚級以上の高級幹部に対する「調査」は、党中央常務委員会の承認が必要である。また、明確にルール化されてはいないが、規律委員会は党中央常務委員会のメンバー(常務委員)を「調査」することはないとされている。

情報公開は不完全だが中国では大きな「進歩」

 共産党中央委員会委員・重慶市共産党書記だった薄熙来氏は「双規」による「調査」を受けたあと、職権乱用、収賄、横領の罪を問われ、起訴された。

 習近平時代に常務委員会入りが有力視されていた同氏が起訴されたのは、予想外のことであった。起訴状によれば、薄熙来氏は大連市長の時代、500万元の公金を横領し、約2100万元の賄賂を受け取ったと言われている。そして、重慶市党書記の時代、職権を乱用して妻の殺人容疑をもみ消そうとした。

 党規律委員会の「調査」に対して、同氏はこれらの罪を概ね認めた。その結果、すべての職務と党員資格が剥奪され、身柄が司法に移された。

 しかし、実際の裁判は予想外の展開となった。同氏は起訴されたほぼすべての容疑を否認したのである(判決が言い渡される日時は、いまのところ未定である)。

 山東省済南市の人民法院で行われた同裁判は、中国語SNSの「微博」(ウェーボー)で公開された。ただし、公開されたのは裁判の議事録だけである。法廷でのやり取りのすべてが公開されたわけではなかった。外国メディアによれば、裁判所が公開した議事録は不完全なものであり、一部「デリケートな」部分が削除されていると言われている。

 だが、法を犯した同氏を司法によって処することは、中国では大きな進歩と言える。情報公開が不完全とはいえ、その親族やメディア関係者の傍聴が認められた。また、裁判のあと、外国メディアが傍聴席にいた人から完全な議事録を入手し、それを公開した。

薄熙来裁判は極めて不完全

 同氏の容疑は職権乱用、収賄と横領である。裁判でその罪を問うのには、習近平政権が腐敗撲滅に取り組む本気度を示す狙いがあると思われる。そして、中央委員だった同氏を規律委員会の「調査」だけでなく、裁判にかけ、そのやり取りのほとんどを公開するのは法治を強化する狙いがあると推察される。

 しかし、薄熙来裁判は極めて不完全なものである。

 かつて毛沢東夫人の江青女史をはじめとする「四人組」裁判の弁護士を担当したことのある張思之弁護士は、本当に問題とされるべきなのは、「裁判では問われていない容疑」だと指摘する。

 海外メディアの報道によれば、薄熙来氏は「自分が裁判にかけられたのは収賄や横領などの腐敗ではなく、権力闘争に負けたからだ」と主張しているという。裁判所が公開した議事録では、その部分の記述が削除されている。

 おそらく党中央と規律委員会は、収賄と横領、職権乱用だけで同氏を有罪にすることができると判断したのだろう。「裁判では問われていない容疑」が問題となれば、党の権威が傷つけられることになる。


「裁判では問われていない容疑」とは

 では、収賄、横領と職権乱用以外に、同氏についてどのような嫌疑があるのだろうか。

 薄熙来氏が重慶市党書記に就任してから最も力を入れたのは「唱紅打黒」というキャンペーンである。「唱紅」とは毛沢東時代の共産主義革命を称えるキャンペーンであり、「打黒」とは黒社会(マフィア)を撲滅することである。

 しかし薄熙来氏は打黒を唱えても、誰が黒社会なのかについて明確な定義を示さず、恣意的に民営企業の経営者と幹部を逮捕し、公開裁判にかけたりした。その裁判の一部は、正規の司法手続きを踏まずに行われた。

 毛沢東時代の共産主義を擁護する大義名分があれば、まさに何をやってもよいという状況だった、当時、同氏が執り行う唱紅打黒に異議を唱える弁護士や民営企業の経営者は、全員が拘束された。同氏が重慶市党書記の時代に犯した「違法」な唱紅打黒こそ大きな問題であった。

 振り返れば、薄熙来氏が失脚したきっかけは、彼の妻がビジネスパートナーだったイギリス人ビジネスマンのニール・へイウッド氏を殺したことだった。重慶市公安局はイギリス政府の圧力を受けて事件の再捜査に乗り出し、薄熙来氏一族の不正蓄財が暴露されたのである。

 薄熙来氏が意欲的に常務委員会に入ろうとしなかったら、裁判にかけられていなかったかもしれない。もし彼の妻がイギリス人のビジネスパートナーを殺さなかったら、不正蓄財が発覚しなかったかもしれない。もしも、王立軍氏(薄熙来氏の腹心で重慶市公安局長・副市長だった人物)がアメリカの成都総領事館に逃げ込まなかったら、殺人事件が暴露されなかったのかもしれない。

 それよりも問題なのは、薄熙来氏が重慶市に赴任する前の大連市長時代の横領と収賄について、なぜ長い間、党規律委員会が調べなかったのかということだ。また、違法な唱紅打黒の罪と責任がなぜ問われないのだろうか。張思之弁護士の指摘通り、薄熙来裁判で本当に明らかにされるべきなのは、その問われていない罪にある。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38661

◆中国衝撃ニュース

中国共産党中央党校発行の「学習時報」は今日、「民衆の口を塞いではいけない」とする論評を掲載した。
今、習近平指導部がネット世論にたいする殲滅戦を始めている最中だから、この論評は明らかに、指導部に対する厳しい批判となるのである。
党校の新聞は党の指導部に反旗を翻るという前代未聞の事態が起きたのである。

「学習時報」論評はこう語る。
「いかなる時代においても、権力を手に入れれば民衆の口を塞げると思うのは大間違いだ。
それが一時に成功できたとしても、最終的には、民衆によって権力の座から引き下ろされる」。

中国人がそれを読めばすぐに分かる。
共産党指導部にたいする容赦のない非難と警告である。

中央指導部を公然と批判した学習時報論評掲載の一件は当然、指導部自体の分裂を示している。つまり党内一部の「改革派」は、言論の自由を求める知識人や民衆と連帯して「統制派」と対抗するような構図が見えて来ているが、
それはまさに89年の天安門事件前夜の党内分裂の再現だ。

ドラマは既に始まっている。

( 石 平 ) https://twitter.com/liyonyon

◆【危険、使うな!】 英情報機関:中国レノボ社製パソコンにハッキング用工作発見

英情報機関 ハッキング用工作 発見 中国レノボ社製 PC「使うな」  

英情報機関が、世界最大のパソコン企業である中国レノボ社製品の 使用を禁止していたことが分かった。三十日付の英紙インディペンデントが伝えた。 

情報局保安部(MI5)や政府通信本部(GCHQ)が製品を調べたところ、外部からの操作で パソコン内のデータにアクセスできる工作が施されているのを発見した。科学者は通常の セキュリティー保護をバイパスする秘密の裏口がチップに最初から仕込まれているとの見解を示したという。 

GCHQなどはコメントを拒否しているが、使用禁止の通達は二〇〇〇年代半ばに米国、カナダ、 オーストラリア、ニュージーランドの情報機関でも出されたという。 

IBMのパソコン部門を〇五年に買収したレノボ社は、中国の国家機関・中国科学院が最大の 株主。同紙には「製品の信頼性と安全性は顧客から常に保証されている」などとコメントしている。 

中国の情報技術(IT)企業をめぐっては、オーストラリア政府が昨年、中国人民解放軍との関係が 取り沙汰される「華為技術」の高速通信網事業への入札参加を拒否し、中国政府が批判している。 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013073102000223.html

◆中国、2000万人がヒ素汚染の可能性 「当局が真相隠し」と批判も

2013.08.29 zakzak

 中国で2000万人近くがヒ素に汚染された地下水を飲んでいる可能性があるとの研究結果が米科学誌サイエンスに発表され、中国国内で波紋が広がっている。

 衛生当局は、飲用水の安全性を強調。官製メディアも影響の大きさを考慮して自粛したのか、ほとんどこの問題を報道しておらず、ネット上では「真相を隠しているのではないか」との批判が出ている。

 研究は中国人とスイス人の研究者グループが実施。中国の衛生当局が2001年から05年にかけて約44万5000カ所の井戸を対象に行ったヒ素の含有量の調査結果を基に、地質や人口などのデータなどを計算式に入れて、中国全土のヒ素汚染を推計した。

 それによると、新疆ウイグルと内モンゴル両自治区や河南省、山東省などの約1960万人が、ヒ素の含有量が高い地下水を飲み水として利用している可能性があるという。

 原因としては、火山岩や地中の堆積物に含まれるヒ素が地下水に溶け出した可能性を指摘。汚染の疑いがある地域での水質調査と改善策を急ぐよう提案している。

 中国疾病予防コントロールセンターの担当者は国営ラジオの取材に、こうした地域の地下水にヒ素が含まれていると認めた上で「水質を改善させる措置は基本的に終わっており、既に一定程度改善した」としている。

 だがネット上には「(権威のある)サイエンスが科学的でないとでも言うのか?」「いつになったら飲料水の問題は解決するのか」との疑念やいらだちの声が寄せられている。 (共同)

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130829/frn1308291132002-n1.htm
 
◆米中は沖縄米軍グアム移転で話がついている?

2010年6月23日   田中 宇

米国の外交戦略を決める奥の院である「外交問題評議会」(CFR)が発行する論文雑誌「フォーリンアフェアーズ」の最新号(5・6月号)には「中国はいずれ東アジア海域において米国より強い軍事力を持つので、米軍は中国を刺激せぬよう、日韓の『いわゆる歴史の遺物的な基地』(so-called legacy bases)を縮小し、グアム島に移転するのが良い」と示唆する論文が掲載されている。

「中国覇権の地理学」(The Geography of Chinese Power。論文は中国の投資や外交の力を軍事力と並列分析しているので「Power」は狭義の「軍事力」でなく広義の「覇権」と解釈すべき)と題するこの論文は「新アメリカ安全保障センター」(Center for a New American Security、CNAS <URL> )の主任研究員であるロバート・カプランが書いた。 (The Geography of Chinese Power)

 CNASは、米国の軍事や安全保障問題を扱うシンクタンクで、2007年に創設されてまだ3年しか経っていないが、2人の創設者のうち、カート・キャンベルはオバマ政権の東アジア担当の国務次官補に、ミシェル・フルールノアは政策担当の国防次官に抜擢されている。CNASは国防総省や国務省の高官に高く評価されており、米国の軍事外交戦略に大きな影響を与えている。CNASの名称は、ネオコンが自滅的なイラク戦争を起こす際の計画立案に使われた「アメリカ新世紀プロジェクト」(Project for the New American Century、PNAC)と似ており、CNASはPNACを意識した(米政界に多い強硬論者を煙に巻くための?)命名だろうが、PNACが「世界民主化」という理想主義を掲げたのに対し、CNASは「現実主義に立って米国の国益を守る」ことを掲げており、方向性は正反対だ。PNACはネオコンで、CNASはキッシンジャー的である(両者は、前者が自滅的なやりすぎを演じた後、後者が登場して敵に覇権を譲渡するという隠れ多極主義の「ぼけと突っ込み」の組み合わせだ)。 (Center for a New American Security From Wikipedia)

 カプランの論文は、マッキンダーやマハンといった地政学の著名学者の理論を引用しつつ、前半が中国西方の内陸部を地政学的に分析し、後半で中国東方の海軍的な情勢を分析している。前半では、中国がここ数年、ロシアや中央アジアなど近隣諸国との国境紛争を次々と解決し、国境地域の緊張が低下したため、中国政府は陸軍に金をかけなくて良くなり、その分を海軍建設に回していることが指摘されている。冷戦時代の中国は、ソ連との対立のため北辺の国境地帯に膨大な陸軍兵力を配備せねばならず、海軍の建設を軽視していた。中国は、北朝鮮の政権が崩壊したら北朝鮮を併合するかもしれないし、インドで不測の事態(印パ戦争)が起きたら中国軍がインドに攻め込むかもしれないが、そうした予想外の事態がない限り、中国陸軍が国境を超えて外国に遠征することはなく、中国陸軍は人数的に160万人と世界最大だが脅威ではないと書いている。

(中国の東北三省には1億人が住むが、ロシア沿海州には400万人しかおらず、人口密度は62倍だ。もし今後ロシアが弱体化したら、中国は、極東、シベリア、モンゴル、中央アジアなどロシアの影響圏を併合すると予測するなど、本論文は地政学的な示唆に満ちている)

▼中国を刺激しない一石二鳥としてのグアム移転

 日本人にとって問題は、この論文の後半から末尾にかけてだ。中国東方の東シナ海、南シナ海、西太平洋には、朝鮮半島、千島列島、日本列島、琉球列島、台湾、フィリピン、インドネシア、オーストラリアと連なる、海洋の「逆万里の長城」(Great Wall in reverse 中国包囲網)がある。米国にとって、この列島の連なりは、中国の太平洋進出を阻む「第1列島連鎖」(first island chain、第1列島線)で、そのさらに東方のグアム島や北マリアナ諸島、オセアニア島嶼群が「第2列島連鎖」(第2列島線)である。

 論文は、以下のように展開している。米国は従来、第1列島連鎖に属する日本や韓国、フィリピンに米軍基地を置いて中国を監視してきたが、今後中国が強くなるにつれ、中国はしだいに、米国が第1列島連鎖を軍事支配するのを嫌がるようになる。すでに中国は、東南アジアとの紛争海域である南沙群島(南シナ海)に面した海南島の南側に大きな海軍基地を作り、米軍がこの海域のことに口出しするのを許さない「モンロー宣言」的な姿勢をとっている。

 米国は75隻の潜水艦を持つが、中国は15年後に米国以上の多数の潜水艦を持つ。2020年以降、中国が軍事的に台湾を占領しようとした場合、米軍はそれを阻止できなくなるとも予測される。すでに経済面で、台湾は中国に取り込まれている。米国は緊縮財政を強いられ、軍艦の総数を280隻から250隻に減らし、防衛費を15%減らすことになっている。米軍が中国との敵対を覚悟して第1列島連鎖(日韓)に米軍基地を置き続けるのは困難になる。そもそも、米軍が太平洋で圧倒的な軍事力を維持せねばならないという考えは第二次大戦の遺物だし、在韓米軍は朝鮮戦争の遺物である。

 グアム島からは、空軍機が4時間で北朝鮮に到達できるし、軍艦は2日で台湾に行ける。日韓に駐留する米軍をグアムに移しても、米軍は台湾を守れる。グアムは米国領である上、第2列島連鎖に属し、中国が今後の自国の影響海域として設定する第1列島連鎖の外にある。米軍が日韓からグアムに移動することは、中国との敵対を避けつつ第1列島連鎖の同盟国(日韓台湾など)を中国の脅威から守れる一石二鳥の戦略だ。グアムの空軍基地は、すでに世界最大の攻撃力を持っている。

 日韓などアジアの親米諸国は、米軍に第1列島連鎖から出ていってほしくないので、日韓などの地元軍と米軍が渾然一体になる戦略を望んでいる(そうやって米軍の足抜けを阻止しようとしている)。だが、鳩山政権の日本が米軍基地の国外移転を望むなど、アジアの側でも米軍のグアム移転を望む声もある。在日米軍をめぐる日米のごたごたは、もっと前に起きるべき問題だった(が、日本が対米従属に固執したため延期されてきた)。

 米海軍は引き続き、中国海軍に対峙して日本やインドの海軍と同盟関係を続けるが、いずれ中国海軍が自信をつけて領土問題に固執しなくなった段階で、中国は(米国主導の)大きな海軍同盟体に入ることになる。米国は西半球の覇権国であり、中国が東半球の大きな部分を占める覇権国になろうとするのを妨害している。

▼米軍に贈賄して引き留めるしかない日本

 論文はこのような展開で、中国は東半球の大きな部分(おそらく欧州、中東、アフリカ、南アジア?を除く地域)を占める覇権国になる道を歩み、米国は西半球の覇権国なので最終的に日韓を傘下に置かなくなると示唆している。論文は、従来型の中国包囲網の戦略を踏襲しつつ、結論として西半球と東半球が別々になる多極型の覇権体制を予測する。中国が軍事的に台湾を併合したら、東アジアは真に多極型の軍事体制になるとも書いている(だから米国は、中国が台湾を経済的に取り込むことを容認しても、軍事併合を容認してはならないと書いている)。

 この論文が書かれたCNASがオバマ政権と結びついたシンクタンクであることと、論文がCFRのフォーリンアフェアーズに掲載されていることから考えて、日韓の米軍をグアムに移転させることは、米国中枢の長期戦略である可能性が高い。短期的には、日本が巨額の「思いやり予算」をくれると言っている以上、沖縄に駐留すればいいじゃないかという考えも強いだろうが、長期的にはグアム移転である。これは、以前の記事に書いた、宜野湾市の伊波市長が指摘する米軍グアム移転計画とも符合する。 (官僚が隠す沖縄海兵隊グアム全移転)

 米国は、今からでもイラクやアフガン、イラン核問題などといった間抜けな自滅的戦争から足を洗い、中国包囲網を強化再編すれば、中国を東アジアの覇権国にすることを防げる。それなのにこの論文は、中国が東アジアの覇権国になることを防げない前提で、中国を苛立たせぬよう、米軍は日韓からグアムに退却するのがよいと、最初から負ける姿勢をとっている。米軍は表向き中国の脅威を喧伝するが、裏では中国の覇権拡大は防げないと言うだけでなく、米中軍事交流の中で「中国が空母を建造するなら米国が支援する」と米軍の将軍が言ったりしている。中国は、米国を押しのけて東アジアの覇権国になろうとしているのではない。米国が中国を地域覇権国の座に引っぱり出している。これは以前からの私の観察だ。今回の論文は、こうした米国の隠れ多極主義の傾向を改めて示している。 (アメリカが中国を覇権国に仕立てる)

(中国海軍はロシアから中古空母を買って2012年から空母利用の練習を開始し、15年には国産空母を完成させて本格利用を開始する予定だ。中国の空母保有はアジアの海軍のバランスを変える) (China's navy changing the game)

 本論文では、鳩山政権が経験不足であるがゆえに日米同盟をぶち壊しかけたように書いてあるが、これはおそらく意図的な誤解である。鳩山政権(小沢一郎)の沖縄政策は2005年の沖縄ビジョン以来、周到に用意されてきたものだ。それがとりあえず破綻したのは、官僚機構(とその一部であるマスコミ)の反撃が予想以上に強かったためだ。米国が隠れ多極主義的なグアム移転を試み、それを日本側(自民党と外務省など)が阻止しようと「思いやり予算」を積み増す対米従属延命の構図を壊そうとしたのが鳩山政権であり、米国の隠れ多極主義に同調したため、日本の官僚機構に潰されたのが田中角栄や鳩山の失脚原因である。 (日本の官僚支配と沖縄米軍)

▼米中は話がついている?

 昨秋、普天間問題が持ち上がった後、中国の外交専門家と話す機会が何度かあり、私は、中国側が、在日米軍は最終的にグアムに移転すると考え、沖縄の米軍基地に対して傍観ないし寛容な姿勢をとっていることを知った。そのことと、今回のCNASの論文を合わせて考えると、米国が中国に、長期的に日韓の米軍基地をグアムに移す構想を伝え、中国側はその前提で自国の海軍戦略を立てているように思われる。米中間は、日韓の米軍がグアムに撤退することで話がついている観がある。

 米側はこの構想を、クリントン政権後半の1995年前後に立てたと考えられる。日韓は、当初から米軍が撤退していく方向性を知らされていただろう。韓国の金大中政権(98年から03年)が、北朝鮮に対する和解策を打ったのは、米国の対中譲歩構想への対応策だったとも考えられる。

 ニクソン政権時代の米国の隠れ多極主義戦略は、ウォーターゲート事件などで冷戦派(軍産複合体)に巻き返され、田中角栄は米軍産複合体からロッキード事件を起こされて失脚した。その教訓から、日本の官僚機構は、米中枢が暗闘状態で一枚岩でないことを重視し、米国の隠れ多極主義的な傾向を無視することにして、思いやり予算という賄賂で米軍の日本駐留を維持した。国内マスコミは、外務省発の歪曲報道によって日本人に実態を知らせないようにした。

 クーデター的な911事件の後、米国は軍産複合体の天下となったため、日本側は「米国は中露を封じ込める単独覇権主義を続ける」と思い込んだ。しかしその後イラクやアフガンでの過剰策の失敗で単独覇権主義が破綻し、ようやく日本でも対米従属の離脱を模索する鳩山政権が登場した。上述したように、日米の齟齬の発生は遅すぎたぐらいだとカプランは論文で書いているが、それも8カ月間の国内官僚との暗闘で潰れ、結局日本は思いやり予算の贈賄で在日米軍を引き留める策に固執している。

 カプランが指摘するように、中国が日韓を含む第1列島連鎖を自国の影響下に置くことを長期戦略としているとしたら、米軍をカネで引き留めておく今の日本のやり方が、この中国の脅威の拡大を避けることにつながるのかどうかを考えねばならない。その答えは、日本の対米贈賄策は間違っているということだ。カプラン論文に示されているように、すでに米国は「いずれ中国は軍事的に米国を抜かすので、早めにグアム撤退しておいた方が良い」と考える傾向を強めている。これは、裏を返すと「いずれ日本や韓国が中国の傘下に入るのはやむを得ない」と米国が考えていることになる。米海軍の司令官は「中国の影響力の拡大は良いこと(positive)だが、中国軍の透明性が確保されていないのが問題だ」と述べている。 (US fears Chinese aggression in Pacific)

 日韓を中国側に引き渡すという米国の帰着点がある中で、いくら在日米軍を今年、来年、再来年と引き留めても、それは日米同盟の未来が確保されたことにならない。日米同盟は、中国の拡大によって自然解消されざるを得ないというのが米国の認識であり、すでに述べたように、中国もそれを知っている可能性が高い。米国では「沖縄の2万人の海兵隊は、カリフォルニアの海兵隊と統合すべきだが、それを実行すると、この2万人の海兵隊はそもそも必要ないものだということが露呈するので、沖縄の海兵隊を米本土に戻せないのだ」という指摘も出ている。 (Get Out of Japan by Doug Bandow)

▼隠れ多極主義者は日本の反基地運動に期待?

 日本では、中国の軍事的拡大による脅威が喧伝されるが、中国の軍事的拡大を誘発しているのは米国である。「長期的に第1列島連鎖を米国が守り続けることはできないので日韓からグアムに移転する」と米国が言うことは、米国が中国に「頑張って軍事拡大して、第1列島連鎖を傘下に入れても良いですよ」と言っているようなものだからだ。米軍を買収して沖縄に駐留させ続けても事態の流れが変わるわけではなく、中国の軍拡は続き、財政難の米国は軍事縮小を続け、日本の経済成長が止まって米軍に贈賄できなくなれば、米軍は沖縄からグアムに移り、日本は無策で無知のまま放り出される。付和雷同者ばかりの対米従属論者は転向し、中国に尻尾を振り出すだろう。

 そんな事態になるぐらいなら、鳩山政権が提唱したように、中国との協調関係を早めに作り、同時に中国を良く分析して(中国の弱みを把握して)従属型の土下座外交ではない対等で自立的な関係を、日中間で締結する方がましだ。同時に、早めに軍事的な対米従属を脱し、有事の時には米軍に頼らず自衛隊のみで対応できるようにしておくことも必要だ。「外交」と「軍事」は表裏一体のものであり、外交で成功すれば軍事的解決(戦争)は必要ない。

 日本が米国とも中国とも対等な外交関係を持ち、自立した防衛力を持つことは、日本の外務省と防衛省にとって本領を発揮できる機会である。外交官や防衛政策立案者にとって、対米従属より自立体制の方がずっとやりがいがある。しかし実際には、戦後65年間の従属癖が染みついて自信がないのか、外務省は対米従属派の急先鋒だし、防衛省も対米従属色が強い。最近、日本の若手外交官の間に絶望感が強まっていると聞いたが、これは「日本には対米従属しかない」と思い込んでいるからだ。頭の良い人ほど、上司の指示をうまくこなすが、自発的な頭の切り替えが苦手なのかもしれない。

 それでは日本はもうダメかというと、そうでもない。変革は、高級官僚という「上」から起こるのではなく、草の根の市民運動という「下」から起こりうる。ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)によると、日本における米軍再編の要諦は、グアム移転よりむしろ、米海兵隊が沖縄県の普天間基地から山口県の岩国基地に移転することである。しかし、沖縄で反基地運動が盛り上がった影響を受け、岩国でも反基地運動が盛り上がりそうで、神奈川県の厚木や横須賀といった首都圏の米軍基地周辺の反基地運動も盛んになる懸念があり、岩国市長など地元首長が基地利用の拡大に反対する傾向も強まりそうだという。これらの草の根の反基地運動が日本各地で同時多発的に盛り上がるという最悪の事態が起きると、日米安保同盟に致死的な悪影響を与えかねず(米軍が日本から撤退せざるを得なくなって)日本が軍事的に孤立する状況になりかねない、とWSJの記事は警告している。 (The Real Futenma Fallout)

 私のような裏読み好きからすると、こうした指摘は、米国側の「懸念」を素直に表現しているというよりも「こうなると多極化が進む」という隠れ多極主義的な「予測」や「期待」に見える。「人類の政治的な覚醒によって、国際政治体制が大転換する」というブレジンスキーらの隠れ多極主義的な期待は、どうも過剰な期待であり、人類はそう簡単には決起しない(嫌な事象を見ないようにして、我慢して生きてしまう)と、ここ数年の展開を見てきた私には思われるところもある。日本の人々はそんなに簡単に決起しないような感じもするし、マスコミの対米従属プロパガンダも強いが、逆にWSJの「期待」どおり、意外と反基地運動が全国的に盛り上がる可能性もある。まだ事態は動いている。

http://www.tanakanews.com/100623japan.php

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