なわ・ふみひとさんのサイトより
http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/browse1311-11.html
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魂をめぐる物語 | ||
ゲーリー・ズーカフ・著 坂本貢一・訳 サンマーク出版 | ||
信頼すること 「創造主に、自分がほしいと思うものを与えてくれるよう、お願いしなさい……」両親は娘に言いました。「創造主は、必ずそれにこたえてくれるから」 彼らは、娘がまだ赤ちゃんのころから、そう言いつづけていました。そしていまや、娘は7歳になっていました。 「私、創造主にお願いしたの」ある朝、娘は言いました。 「何をお願いしたの?」両親は尋ねました。 「私の誕生日に、雪を降らせてくださいって」 そう言って彼女は、クスクスと笑いました。両親は「これは困った」という表情で見つめ合いました。娘の誕生日は7月で、彼らは砂漠に住んでいました。砂漠の7月は、言うまでもなく、寒くはありません。 2週間後、誕生日に友だちがたくさんやってきて、楽しい時間を過ごし、帰っていきましたが、雪は降りませんでした。しかし、少女はちっとも悲しそうではありませんでした。 「創造主がこたえてくれなくて、がっかりした?」両親は彼女に、やさしく尋ねました。 「彼はこたえてくれたわ……」彼女は言いました。「彼は言ったの。そんなことはできないって」 ある人たちは、創造主を宇宙と呼び、それがどのように機能するかを知っている、と考えています。この少女の両親のようにです。そして、2人同様、いつも落胆しています。 「人生とは、どうしてこうも、うまくいかないものなのだろう?」彼らがとても得意とする自分への問いかけです。 「宇宙は私に、何でこんなことをしてくるの?………」彼らは言います。「こんなの不公平じゃない!」 そのような人たちと、先ほどの少女の違いは、「信頼」にあります。彼女は、宇宙からのあらゆるこたえに満足しています。でも、彼らは違います。彼らは、宇宙とはかくあるべきだという、勝手な考えをもっています。そして、その考えから外れたことが起こると、心を乱します。 宇宙は心強いパートナー インドの伝説のなかで、インドラは天を治める神です。ある日、彼は地を訪ねることに決めました。そして彼は地を訪れたのですが、いつになっても天に戻りませんでした。ほかの神々は心配になり、使者たちを地に送り、彼を捜させました。 やがて、使者の一人が彼を見つけました。インドラは豚になっていました。 「インドラ!」その使者は叫びました。「戻ってきてください! 天がバラバラになってしまいます!」 「戻る?」インドラは驚いて言いました。「そんなこと、できるわけないじゃないか! 私には、面倒を見なくちゃならない雌豚と子豚たちがいるんだから」 インドラは、自分が誰なのかを忘れていました。その使者は、どうにかして、彼にそれを思い出させなくてはなりませんでした。 あなたにとって、宇宙は心強いパートナーです。それは、あなた自身にとっていちばん大切なことをあなたが思い出すように、親身になって手助けしてくれます。そのことを信じることが「信頼」です。 あなたは、自分にとって何が最善であるかを知っている、と考えているかもしれません。でも、宇宙は、あなたが知らないことも知っています。インドラは、自分を豚だと言い張りました。あなたは自分を何だと言い張るのでしょうか? 宇宙は、あなたに、恐れることや怒ること、悲しむことなどを指南したりは決してしません。それは、インドラを捜しにきた天からの使者のように、常にあなたを、可能な最高の生き方ができるように導こうとしています。「信頼」とは、それを知っていることなのです。 ★ 関連してこちらもどうぞ → 欲望を手放し、宇宙を信頼すること | ||
● 欲望を手放し、宇宙を信頼すること 2006年3月20日(月) |
「カルマの法則」シリーズの第8話です。ゲーリー・ズーカフの『魂との対話』の解説は今回で完結とさせていただきます。 ■ 魂が結ぶ宇宙との約束 すべての魂が、独自の才能のセットを携えて地球にやってくる。魂が具象化するのは、癒されるため、あるいはカルマ的負債を解消するためばかりではなく、独自の能力を独自の方法で捧げるためでもあるのである。それぞれの魂が、地球学校のニーズに合致した独特の構成の生命力を持ち込んでくる。 すべての魂が、具象化する前に、地球上で特定の任務を遂行することを約束している。それは特定の目標を達成することに関する、宇宙との神聖な合意である。魂が人生の目標の達成に成功したとき、すなわち、宇宙と合意した任務を遂行し終えたとき、その人生が豊かで特別なものになる。 すべての魂が、個々にそれなりの任務を請け負っている。家庭を築くことかもしれないし、文章を書くことで何らかのアイデアを人々に伝えることかもしれない。あるいは、実業界そのほかのさまざまなコミュニティーの意識を変えることかもしれないし、国家レベルで愛のパワーの認識を目覚めさせることかもしれないし、地球レベルの意識的進化に直接貢献することかもしれない。 そして、あなたの魂が宇宙と交わした約束がどんなものであれ、あなたが人生で体験することは、そのすべてが、あなたがその約束を思い出し、その約束を果たすことができるよう、手助けするためのものにほかならない。 ‥‥(中略)‥‥ 魂が具象化すると、それが宇宙と交わした合意の記憶は曖昧になる。その記憶は不活発な状態になり、それを活性化してくれる体験の数々を待ち続ける。それらの体験は、パーソナリティーが好んで選択するものとはかぎらないが、パーソナリティーが魂の任務を認識し、その任務を遂行しはじめるためには不可欠なものである。 あなたは、自分の行動が意義深く満足のいくものに感じられているとき、自分自身とほかの人々の双方にとって有意義なことを行なっているとき、心の疲れを感じることなく、私的人生においても仕事面においても、心地よい満足を追求しているとき、自分が「行なうことになっていること」を行なっている。 ―― 『魂との対話』ゲーリー・ズーカフ著/サンマーク出版 私たちはこの地球に肉体を持って生まれるときに、宇宙(創造神)とある約束をして生まれてくると述べています。そして、私たちがこの人生で体験していることは、宇宙(創造神)とのその約束を果たすためのものだということです。 最後の文章はまさに英語をそのまま直訳したような感じですが、要するに、私たちが宇宙と約束したことを行なっているときは、ひとつひとつの行動が自分にとっても他人にとっても意義深いものに感じられ、精神的苦痛を感じることなく、満足感に満たされるのだということを述べています。 ■ 欲望を手放し、宇宙を信頼すること 自身の魂の任務に従事しているパーソナリティーは、陽気で軽快である。ネガティブなものから解放されていて、何も恐れない。目的意識と意義深さを感じながら、仕事も、そのほかの活動も、心から楽しんでいる。 両親をはじめとする、あなたがこの人生で親密にかかわり合うことを選択した人たちとの交流、および、この惑星上にいる無数の魂のなかから、人生の一部を共有すべく選び出したそのほかの人たちとの交流には、あなたが誰であり、何をするためにここにいるのかに関する記憶を、活性化する働きがある。 あなたが体験する痛み、孤独感、失望、悲しみ、依存症、さらには、人生の落とし穴であるかのような出来事のすべてが、その記憶への入り口である。 痛みに満ちた体験、ネガティブな体験のすべてが、その背後に横たわる「恐れ」に立ち向かうための好機にほかならない。その「恐れ」は即座に消滅したりしないだろう。しかし、もしあなたが勇気をもって立ち向かいつづけたならば、いずれ必ず霧散する。 「恐れ」は、あなたを怖がらせることができなくなると、あなたのもとにとどまることができなくなる。ほんとうそうなってしまうのだ。 あなたの見えないガイドと教師たちは、あなたに持続的に光を提供する。彼らは、あなたが可能なかぎりの成長と進歩を遂げられるよう、どんなときにも支援してくれるだろう。ただし彼らは、あなたが自分の体験を通じなくても学び、成長するようにはしてくれない。あなたはそれらを、自らの体験を通じて果たさなくてはならないのだ。 これは、たとえばあなたが彼らと意識的、直接的にコミュニケーションができたとしても同じことだ。あなたが、右に動くか左に動くかのどちらかの体験をしなくてはならないとしよう。あなたは、あなたの教師たちにあれこれ質問をする。その質問の内容は、あなたが右に動いたときと、左に動いたときではまったく異なるものになるだろうし、その質問にたいする答えによってスタートさせる現実もまた、まったく異なったものとなるだろう。 魂が進むべき、たったひとつの最適な道など存在しない。そのための最適な道は、いくつもあるのである。新しい状況に直面するたび、あなたは速やかに、その状況において自分が選びうる無数の道を創造する。そして、その中で最適な道はもちろんひとつしか存在しないのだが、あなたが直面する状況は、ほかにも無数に存在する。 では、非物理的な導きは、どのようにしてあなたの役に立つのだろう? 真のパワーの獲得と責任ある選択の実行を、あなたにすすめることによってである。ただし、それは、けっして無理強いはしない。それはただ、あなたに、真のパワーとは何かを示唆し、それを用いるように促すだけである。 あなたは「何が最善であるかを決める、パーソナリティーの能力」ばかりを尊重し、宇宙を信頼していないとき、あなたのために用意されている豊かさにいたる道を、みずから遮断している。 もしあなたが、たとえば、自分の創造性のすべてを「お金を貯めるため」だけに費やすんだと強く心に決めていたとしたら、あなたの現実は、すべてそれが中心に築かれているはずである。そのとき宇宙は、あなたの選択に影響を及ぼすことができないのである。当然、あなたは真の豊かさにはたどりつけない。宇宙への信頼を欠いているかぎり、あなたが何をしていようと結果は同じである。 まず、あなたが正当な報酬だと考えているものを、頭から消し去ることだ。パーソナリティーの欲望を手放すことだ。そして信頼することだ。ありのままの自分になることだ。あとは非物理的な教師たちや宇宙に任せればいい。 舵取りのハンドルから手を離すことだ。宇宙に「御心のままに」と言えるようになることだ。本心でそう言えるようになることだ。「御心のままに」ということの意味を考え、自分の人生が宇宙の完全な支配下に入るのを許すことだ。真のパワーにいたる最後のステップは、より高次元の知恵に身を任せることである。 ―― 『魂との対話』ゲーリー・ズーカフ著/サンマーク出版 たとえば「勤務先が倒産して失業するのではないか」という経済的な不安、「いま住んでいる地域が大地震に襲われるのではないか」という天変地異に対する不安、あるいは「子どもが通学中に暴漢に襲われたりしないだろうか」といった肉親の安否を気遣う気持ちなどを総称して「恐れ」と述べています。このような恐れる(不安に思う)気持ちは「波動の法則」によって、この宇宙の中から同じ波動を引き寄せることになります。つまり、その恐れている内容と同じものを引き寄せ、実現させるということです。 現実に、私たちの身の回りでは、これまでの人生でそのような「恐れ」を抱かざるをえないような出来事がたくさん起こってきました。そのたびに、多くの人は新たな「恐れ」を抱くことになっています。しかし、私たちが遭遇するそのような出来事こそが、私たちが過去の人生において創ってきたカルマの内容、すなわち「どんな心の癖を持っているか」を教えてくれているのです。そして、その「よくない心の癖」をこの人生において改めることを、私たちは宇宙(創造神)と約束して生まれてきていると述べています。 私たちが生まれる前に宇宙と約束したことを遂行するようにと、「非物理的な教師たち」すなわち守護霊や背後霊あるいは天使と呼ばれる霊的存在がさまざまな手助けをしてくれているのです。ただし「彼らは、あなたが自分の体験を通じなくても学び、成長するようにはしてくれない」のです。苦痛に思えるような出来事に遭遇することを回避させるのが目的ではなく、そのような出来事の意味を理解し、新たなカルマを創らないように導くためということです。 私たちが身の回りに起こることの意味に気づけば、もはや次に起こることに怯える必要はなくなります。なにが起ころうとも、それはこの人生で体験する必要のあることだと理解できるからです。そうやって、私たちが「恐れる」という心の癖をなくしていくと、やがて「恐れさせるような出来事」は全く起こらなくなってしまう――ということを述べているのです。 逆に、私たちが「パーソナリティーの能力」すなわち自分がこの人生で身につけた学歴や地位、知識、技術、肉体的能力(場合によっては「超能力」)などを頼りにし、それによって「お金をどっさり稼げば幸せになれる」という考えに凝り固まっているならば、“見えない世界のガイドたち”も導くことは難しいということです。 それは宇宙(創造神=宇宙の法則)を信頼していないということであり、当然、“真の豊かさ”にはたどりつけないと述べています。では、どうすればよいのか――。それがこの章の結論であり、『魂との対話』の結論でもあると言うことができるでしょう。 整理をすると次のような内容になります。 自分の欲望を手放すこと。そして宇宙を信頼すること。 守護霊などの高次元の知恵の導きに任せること。 この人生を自分の思うようにコントロールしようという考えをなくすこと。 自分の身の回りに起こることはすべて必要なことだと考えて、宇宙に対して心から「御心のままに」と言えるようになること。 ――それが真のパワーにいたる最後のステップである。 人生にいろいろ注文をつけなくても、見えない世界からは常に導きの声が届いているということです。それは「ふと思う」という形をとったり、出会った人の言葉として伝えられたり、書物を通じて教えられたりと、人により、時によってさまざまです。 ただし、直接、言葉で耳元から語りかけてくる導きには要注意です。そういう異次元の存在からの囁きが聞こえる人の場合は、自分が現世利益(お金や名誉、地位など)への執着心が強い状態にあると思われます。つまり自分の能力でこの人生をコントロールしようと考え、欲望に満たされた状態にあるということです。 異次元からの導きを受け入れるには、まず自分の心に執着心が残っていないかどうかをチェックしてみる必要があります。その判定基準が「御心のままに」ということなのです。「何が起こってもそれを必要なこととして受け止める」という“覚悟”と言ってもよいでしょう。 ■ 「私がいる必要のある場所を教えてください」 私たち人類は、非物理的な教師たちの導きに気づくはるか以前から、とても多くの非物理的な教師たちによって導かれてきた。その導きは、つねに完璧になされていた。 それは、いまも同じようになされている。そして、私たちはこれまでで初めて、そのことに気づきつつある。 あなたは支えられている。助けられている。あなたはこの地球上を一人で歩いているのではないのである。このことを忘れないことだ。非物理的な教師やガイドたちといっしょに歩むことだ。彼らとの絆を当たりまえのものとして受け入れ、それを感じながら生きることだ。あなたの心をリラックスして、聞き、感じることのできる状態に導くことである。それよりも何よりも大切なことは、あなたが導きを求めると、それは速やかにもたらされる、ということを強く信じ続けることである。 宇宙を信頼するということは、「自分は常に自分にとって最善の、もっとも妥当な結末をめざして動いている」ということを信じることである。これは明らかな真実である。 こまごまとした自分の欲望を放棄し、「私がいる必要のある場所を教えてください」と宇宙に言うことだ。すべてを手放し、必要なものは宇宙が与えてくれると信じることだ。そうすれば、それは必ず答えてくれる。あなたのハイアーセルフに、それ自身の任務を遂行させることだ。 ―― 『魂との対話』ゲーリー・ズーカフ著/サンマーク出版 この章でもっとも重要なのは最後の部分です。赤い文字にして強調しておきました。私も自分のこれまでの人生の体験から、このことの重要性を実感しています。 以下に最終章を抜粋してご紹介し、『魂との対話』の解説を終わります。ご精読ありがとうございました。 ■ すべての道が故郷へと通じている 信頼は、あなたを「与える人間」にしてくれる。与えることは、豊かになることである。あなたは、自分が与えたものを受け取ることになる。もしあなたが、裁きながら与えているとしたら、あなたは誰かから裁かれる運命にある。あなたが人々に対して行なうことは、正確に、あなたに対しても行なわれることになる。それがカルマの法則である。 あなたが人々を愛し、彼らに力を貸したならば、それもまた正確にあなたに戻ってくる。また、もしあなたが恐れや疑い、人々との距離を保つ願望などを放射したとしたら、やがて必ず、何らかのネガティブな体験があなたにもたらされることになる。それこそがあなたが求めているものであるからだ。 ‥‥(中略)‥‥ あなたが人生のなかで遭遇したり、行なったりすることは、どれもあなたの魂の進化にとって妥当かつ完璧なものではあるが、どのような体験を手にするかは、あなたが行なう選択によって決まってくる。恨みを引きずり続けることも選択できれば、怒りに身を任せること、悲しみに耽り続けること、あるいはそういった振動数の低いエネルギーを放出してしまうことも選択できる。 あなたが行なう選択は、たとえそれがネガティブな体験に通じるものであれ、ハートの中に住居を定めるものであれ、そのすべてが、あなたの魂の進化に完璧に貢献する。すべての道が故郷へと通じているのである。 あなたはいずれ地球学校を超えて、すなわち、パーソナリティーと肉体、さらには恐れや怒り、不安などが存在するかのように見える幻の世界を必要としないレベルへと、いやでも進化することになっている。 それを決めるのはあなたである。あたなが歩いている道は、宇宙にとって未知のものではない。あなたが体験する苦痛や苦悩、暴力などは、あなたが選択した道沿いに立つ道標のようなものである。 ようするに、特定の道を選択するということは、特定の体験を選択するということにほかならないのである。結局、あなたがどんな道を選ぼうとも、それは宇宙にとっては何ら目新しいものではないのである。 あなたは、いつになっても行き先が見えてきそうにない道、すなわち「外側のパワーを追求し続ける道」を選ぶこともできる。あなたはまた、自分自身の内側を真のパワーで満たすとともに、人類が歩みつつある新しい進化の道に波長を合わせることも選択できる。そして、このどちらを選択するかで、あなたの魂と人類の進化に貢献するあなた自身の体験の種類が決定する。 あなたはいま、人類の一員として、宇宙を五感的に認識しながらの進化から、それを多感覚的に認識しながらの進化へと移動したい、つまり、物理的現実の五感的な探検を通じた進化から、非物理的なガイドや教師たちの支援のもとで行なう責任ある選択を通じた進化へと移動したい‥‥そう願っているのではないだろうか? ―― 『魂との対話』ゲーリー・ズーカフ著/サンマーク出版 次回は『チベットの生と死の書』(ソギャル・リンポチェ著/講談社)の内容から、「カルマ」に関する部分を更に詳しくご紹介する予定です。 |