銀河系宇宙人のブログさんのサイトより
http://ginga-uchuu.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/2-a60e.html
<転載開始>
Marc Kaufman
for National Geographic News
September 6, 2013

 地球の生命の起源は他の天体から飛来したとする「パンスペルミア説」は、長らく議論されながらも多くの場合は否定されてきた。だがこのところ、この学説がにわかに息を吹き返している。生命の形成に不可欠ないくつかの物質が、初期の地球には欠けていたが当時の火星には存在した可能性が高いとするそれぞれ別個の研究が、相次いで2件発表されたのだ。

 
◆リン酸塩の問題

 ベナー氏の発表から間もない9月1日、今度はRNAやDNAやタンパク質の“背骨”の役割を果たすリン化合物について、同様の主張を行う論文が「Nature Geoscience」誌オンライン版に掲載された。

 論文の主著者はネバダ大学ラスベガス校のクリストファー・アドコック(Christopher Adcock)氏。リン酸塩は初期の地球にも存在していたが、ほとんどは安定した固体の状態であった。生命が誕生したと考えられている水の中には、これらのリン酸塩はほとんど含まれていない、とアドコック氏は説明する。

 早くから指摘されていたこの問題については「さまざまな仮説が存在するが、合意は得られていない」とアドコック氏は言う。

 アドコック氏らの研究の結果、火星ではこの問題は比較的小さかったと考えられるそうだ。初期の火星に存在したことが分かっている2種類のリン酸塩を合成したところ、水に溶けやすいことが分かった。つまりこの点でも、火星は生命の誕生にとって恵まれた環境だったと言える。

◆生命誕生の謎への答え

 パンスペルミア説が勢力を盛り返してきたのは、地球の生命の起源に関する科学界の長年の探求の成果と(というより、成果のなさと)軌を一にしている。ベナー氏が専門とする合成生物学の分野では数十年にわたって研究が行われてきたものの、壁を乗り越えられずにいる。

 たとえば、初期の地球表面に広がっていたと考えられている“原始スープ”の中で次第に生命を形成したとされている有機化合物は、実験室環境では生命の形成につながるような反応を示さないとベナー氏は言う。これらの有機化合物に、熱や光によってエネルギーを加えたところ、初期のRNAを生成するどころか、タール状に変化してしまった。しかも近年の複数の研究によって、かつての火星は現在よりも暖かく、水も存在していたことが明らかになっている。

 これまで火星には、生命はおろか有機物の痕跡すら確認されていない。しかし、今年はじめに火星探査車キュリオシティ(マーズ・サイエンス・ラボラトリ)が、かつて湖底であったと考えられる地点のドリル採掘に成功し、そこには生命の誕生に必要な要素がすべて揃っていたことを確認した。

 だからといって即座に、火星にかつて生命が存在したという証拠にはならない。それでもさまざまな科学研究の成果から、その可能性は少しずつ濃厚になってきている。

 では、ベナー氏とアドコック氏は、地球の生命の起源としてパンスペルミア説を支持しているのかというと、必ずしもそうではないらしい。

 ベナー氏は今回の研究成果について「生命が火星隕石によって地球に到達した可能性を示唆する証拠が、また1つ増えたにすぎない」と言う。仮説を科学的に証明するものではないが、これによって可能性が高まった。

 パンスペルミア説においては、問題が1つ解決したとしてもまた次の問題が持ち上がるとベナー氏は言う。「もし火星由来の微生物が本当に地球に到達したとして(略)、すぐに死んでしまった可能性もある」。

Image Processing by Jody Swann/Tammy Becker/Alfred McEwen, using the PICS (Planetary Image Cartography System), NASA/NSSDC

<転載終了>