るいネットさんのサイトより
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=290851
<転載開始>
揶揄的な話ではない。
ヒトの脳は放射性物質に対する耐性が強いというのが定説であったが、どうやら、それは違ったようだ。精神疾患的な症状は、トラウマなどではなく、内部被爆による脳細胞の死滅によるようだ。

リンクより抜粋転載

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 キエフにある脳神経外科研究所。ここでは重い精神症状に悩む事故処理員500人以上について検査と治療を続けてきた。その結果、事故処理員たちの脳に異変が起きていることが明らかになってきた。

医師:「この患者は脳に障害があり、うまく話せません」
患者:「彼は…まだ少ない…これから…たくさんある…まだ少ない…」
医師:「自分ではちゃんと話しているつもりなのです」
患者:「210大隊…苦しい…わからない。何を話せばいい…よくなる…(泣き出して塞ぎ込んでしまう)」

 事故のあった年に緊急部隊の一員として動員されたこの患者は、相手の言うことは理解できるが、自分で話そうとすると意図しない言葉が出てしまう。
 脳は、これまで人間の体の中で最も放射線に対する抵抗力が強いと言われてきた。このため、事故処理員たちに起きている様々な精神症状の原因は主にストレスによるもので、脳がチェルノブイリの放射能によってダメージを受けたわけではない、とされてきた。
 しかし、複数の機関による最新の研究が、その定説を覆そうとしている。

 モスクワ診断外科研究所では、精神症状を抱える事故処理員たちの脳の状態を詳しく研究している。

(中略)

 脳の状態をさらに詳しく調べた結果、事故処理員たちの脳に萎縮が見られることが分かってきた。写真の白い部分は空洞、灰色の部分には神経細胞が集まっている。

 40代後半のこの事故処理員の場合、空洞を表す白い部分が脳の中心に大きく広がり、脳全体が萎縮している。同年代の健康な人の脳と比べてみると、神経細胞が詰まっている灰色の部分がはるかに少なく、神経細胞が死んでしまったことを示している。

 神経細胞の死滅は放射能によって引き起こされたのだろうか。

 キエフ脳神経外科研究所では、放射能による被曝で神経細胞の死滅が起きるかどうか、ラットを使って実験している。チェルノブイリ原発事故で放出されたものと同じ種類の放射性物質をエサに混ぜてラットに与える。1ヶ月間このエサを食べ続けることで、ラットは人間に置き換えれば事故処理員とほぼ同じ量の被曝を受けることになる。1ヶ月後、ラットの脳の神経細胞にどのような変化が起きているのか、顕微鏡で詳しく調べる。

 被曝したラットの神経細胞は、輪郭がはっきりせずぼやけて見える。被曝していないラットと比べてみると明らかな差が見られ、神経細胞が死滅したことを示している。

 キエフ脳神経外科研究所 アレクサンドル・ビニツキー教授:
 「死亡した事故処理員の脳を解剖したところ、放射性物質が蓄積していました。脳は放射能に対する抵抗力が強いという定説は覆ったのです。脳の破壊が、様々な精神症状や身体の病気の原因だったのです。作業中に大量に吸い込んだ放射性物質が脳にまで入り込み、まるでミクロの爆弾のように神経細胞を破壊していったと考えられます」

 ビニツキー教授の考えはこうだ。事故処理員たちが作業中に大量に吸い込んだ放射能が、血液によって脳の中にまで運び込まれる。そして、放射線を周囲の神経細胞に浴びせながら、少しずつ破壊してゆくのだ。

 破壊された神経細胞は元に戻ることはない。体の中に入った放射能が多いほど、脳の破壊が進み、やがて脳の機能が失われてゆく。脳の最も外側が破壊されると、知的な作業ができなくなったり記憶力が低下する。

 特に影響を受けやすいのは視床下部や脳幹など中心部で、ここが破壊されると、食欲や性欲が失われたり、疲労感や脱力感に見舞われる。また、内臓の働きが悪くなったり、手や足の動きをうまくコントロールできなくなるなど身体全体に影響が出る。いずれも事故処理員によくある症状だ。

 この冬、ウラジミルさんの病状はさらに悪化していた。簡単な計算も間違えるようになり、一人では買い物もできなくなってしまった。


『「終わりなき人体汚染~チェルノブイリ原発事故から10年~」
 (NHKスペシャル、1996年4月26日放送、NHK制作)の書き起こし』より抜粋転載

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