http://blog.new-agriculture.com/blog/2014/11/2815.html
<転載開始>
すべての動植物にとって水は生命活動の原点となるものですが、実は想像以上に水には未解明なことが多く残されています。
例えば、実験室で水素と酸素を混合しても水は生成できませんし、殆どの物質が密度の大きい順に固体>液体>気体となりますが、水は、氷が水に浮くというように液体>個体となる、他の液体に比べて表面張力が極めて大きいなど、その性質は非常に特殊です。
植物にも微生物にも人間にも深く関わる「水」。その探求を通じて、自然の摂理に則った農業へのヒントを発掘していきます。今回は、水そのものの特性に着目していきます。
■水って何?
○共有結合
まずはH2Oの構成を見ていきます。右図のように、酸素原子には8個の電子、水素原子には1個の電子が存在します。
水素原子は電子1個を酸素に与え、酸素から電子1個をもらい、互いに電子を一つずつ共有することでしっかりと結び付きます。(これを共有結合と言います。)
この結合は原子間を結びつける結合の中では最も強力な結合で、約114.5kcalのエネルギーを持っています。
0℃の水1リットルを100℃の水に変化させるのに要する熱量が100kcalですので、それ以上のエネルギーをこの結合は持っています。水がとても安定した分子と言われる理由です。
○水素結合
さらに、水分子同士でも右図のように、ある水分子の水素原子とその他の水分子の酸素原子の間に引力が働いています。(これを水素結合と言います。)これは共有結合と比べるとかなり弱く、約4.5kcalのエネルギーを持つといわれています。
1個の水分子はその周りに近くの4個の水分子を引き寄せ、水や氷では相互に結びついて水分子の複雑なネットワークをつくっています。しかも常に同じ分子と結びついているのではなく、1秒間に1兆回もくっついたり離れたりしています。
逆に言えば水は常にH2Oであり、H+とOH-の状態にあると考えてもいいかもしれません。
○電荷の偏在
この緩い結合を生みだしているのは、どういう性質があるからでしょうか?
それは、水分子自体に存在する「電気的な偏り」です。ここはあまり認識されていない部分かもしれませんが、通常、水分子はへの字型でその角度は103.5°。への字の下の方(水素側)がプラス、上の方(酸素側)はマイナスに電気的な偏りが存在しています。
水分子は3つの原子からなる単純な物質ですが、このように分子そのものが電気的存在であり、それこそが水の秘密を解く鍵なのです。
■水の本質は「溶かす力」
○水の持つエネルギーとは?
水には酸でもアルカリでもないのに、多くの物を溶かすことができるという特性があります。
実際、河川などの自然水には2000もの物質が溶け込んでいるといわれています。
例えば、食塩を水に入れると溶けて見えなくなりますね。
これはNaCl→Na+ + Cl-という具合に、ナトリウムと塩素のイオン化が起こっているからですが、個体のまま食塩を溶かす(=分子同士orイオンの結びつきを切る)には3000度もの熱が必要です。しかし、水にはすぐに溶けます。つまり、それほどに水は大きなエネルギーを持っているという事です。
では、水のもつエネルギーとは何なのでしょうか?
一般的(高校化学レベル)には、水の持つエネルギーはその温度の高低を示します。生活実感レベルでもお湯には溶けやすいとか、たくさん溶けるといった感覚はイメージしやすいと思います。
しかし、先ほど水は電気的存在だと述べましたが、エネルギーという視点から見れば、水は熱だけでなく、電気としてもエネルギーを持っているということになります。
熱エネルギーの上昇は、分子がより早く動くようになるというイメージですね。それに対して、電気エネルギーは、電荷の偏りをもつ膨大な量の水分子同士が、分子自身の回転や原子や電子の振動、電荷の偏りを大きくすることによって水素のやりとりを増やしていくイメージです。水は地盤の圧力や電磁波等、様々な外部のエネルギーを受け、水自身の持つエネルギーを高めています。
■水の解離
では、エネルギーが高い水とはどのような状態になっているのでしょうか?
自然界の水は、上空からは太陽光(電磁気)や宇宙線、地下からは岩盤層からガンマー線など様々なエネルギーを浴びて、水分子がプラス電荷(H+)とマイナス電荷(OH-)の極性に分かれます。
しかし、完全に分かれてしまうのではなく、水分子の片方の水素原子が酸素原子とバネで繋がれていて、そのバネが伸びているようなイメージです。そして、そのバネは分子同士の衝突によって、繋がる酸素原子が目まぐるしく入れ替わっているような状態になっています。
この状態を「解離」といいます。
解離度が高い水は、自然界にも存在し、ドイツのノルデナウや、奈良県の天川などがその代表例ですが、鉱物の電磁波や紫外線のエネルギーによって解離度が高くなっています。これらの水は難病を治癒する奇跡の水として知られており、解離度が高い水が人体にプラス作用をもたらすことが確認されています。これらの水の解離量は、1千万個の水分子のうち1個程度と言われていますが、それほどわずかな解離でも生体に大きな作用をもたらすということであり、エネルギーを蓄えているということでもあります。
照射されるエネルギーの強さに比例して解離する水分子が増え、結果、物をより多く溶かすことができるのです。
■水と生物・植物の関係
稲妻の多い年は稲が豊作になるという言い伝えもありますが、これも雷のエネルギーを水が受けて解離が促進されていると考えられます。
それにより、土に含まれる養分がより多く水に溶けて、植物の成長を促進しているのではないかという説明がつくかもしれません。
また、動物細胞のDNAは通常の状態では観察できず、細胞分裂のときだけ見えるというのも、この解離という視点から見ると面白そうです。
生物の細胞内は水が解離した状態になっているということから考えると、普段は解離度の高い水にタンパク質が溶けており、細胞分裂のときだけなんらか解離度を調整(低く)し、DNAを再合成している可能性も大いにあるのではないでしょうか。
■さらなる追求ポイント
●細胞膜に存在するアクアポリンには水を解離させる力があると考えられていますが、どこからそのエネルギーを生み出しているのか?
●解離度が余りに高い水は微生物の体細胞を破壊してしまっている可能性もあるのではないか?
●人体に対する作用と、微生物レベルでは効果が異なるのであれば、解離度の高非常に高い水で腸内細菌は死滅しないのか?
●植物に引き付けると、植物も細胞内に水を取り込み、栄養素を吸収している点では同じだとすれば、植物も水の解離を促す仕組みを持っているのではないか?
●それが根なのか細胞壁なのか?そもそも、生命が水を必要とするのはなぜなのか?
と、どんどん疑問や追求ポイントが湧いてきます。
ここまで見てきたように、エネルギーという観点から水をみていくと、化学的視点では見えてこなかった世界が広がっていきます。しかし、現代の科学では、水に溶けている物質ばかりが議論されています。
例えば、健康水は○○が解けているから体に良い…とか、○○が含まれた水だから△△のような成長反応が生まれるなどその議論は膨大ですが、そもそもその物質が溶けている水そのもの、あるいは水の持つエネルギーについてはほとんど追求されていないのが現状です。
大坪氏が書籍「水の科学」のなかで述べている“溶質論から溶媒論へ“という言葉には、これまでほとんど触れられることのなかった未知の領域にこそ可能性があることを示唆しています。そして、その本質はここまで述べてきたエネルギー論として、水を捉えていく事に他ならないのではないでしょうか。
(本記事の写真は、以下のサイトから写真をお借りしました。)
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/research_highlights/no_54/
http://www.campus.ouj.ac.jp/~hamada/Quantumch/subject/cq/chap14/pattern/cq98ep14.html
http://www.aichi-c.ed.jp/contents/rika/syotou/syo11/kyusui/kyusui.htm
<転載終了>