Be inspired!さんのサイトより
http://beinspiredglobal.com/%e3%80%8c%e3%83%95%e3%82%a1%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%bb%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%83%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e7%97%85%e6%b0%97/
これもキチガイ医さんのTwitterにでていたものです。
<転載開始>
(Photo by Xavier Lacot)

(Photo by Xavier Lacot)

「気温20℃超え」がすっかり当たり前となるくらい、暖かくなった東京。
 
街には重いコートを脱ぎ捨てて軽やかな春服を楽しむ人が溢れ、ショーウィンドーは鮮やかなパステルカラーの洋服で彩られる季節となりましたが、そんな楽しいショッピングの際によく見かける「洋服のタグや値札」
 
あなたは気に留めたことがありますか?
「MADE IN CHINA」「Tシャツ \1,999」「2枚で半額」
 
洋服店に溢れるこれらの表示には、実は「あなたが知りえない“ストーリー”」が隠されているのです。
 
 
たった1枚のTシャツに隠された“ストーリー”

(Photo by Sebastian Dario)

(Photo by Sebastian Dario)

マイアミで購入した1枚たった$6のTシャツ。
 
そのTシャツが「一体どこでどのように作られて、自分が今それを手にしているのか」
 
ジョージタウン大学教授のリボリ氏が、1枚のTシャツに隠された真実に迫った『あなたのTシャツはどこから来たのか?』という本の中では、「MADE IN CHINA」とタグ付けされたTシャツが、夜明けから日没まで課される女性たちの重労働の元で生み出されている事実を明らかにしています。
 
ただ問題なのは、「そのTシャツが劣悪な労働環境で働く人によって作られている」ということだけではないのです。
 
我々が「MADE IN CHINA」とタグ付けされた商品を手にした際に本当に知るべきこと。
 
それは「その商品は中国の人だけではなく、世界のあらゆる途上国の人たちの犠牲の元に作られている」という事実なのです。
 
 
タグは全てを語らない

(Photo by Kristina Wilde)

(Photo by Kristina Wilde)

リボリ氏によると、Tシャツに記載されている「MADE IN ◯◯」という国名は“その製品が縫製された場所のみ”が表記されるそうなのです。
 
つまり、そのTシャツがインドで染色され、カンボジアでプリントされようとも、縫製された場所が中国であれば「MADE IN CHINA」と記載されるだけなのです。
 
 
その1枚に、何人の“人生”が巻き込まれているのか?

(Photo by David Barnas)

(Photo by David Barnas)

そのような事実を知って考えるべきこと。
 
それは、「その1枚のTシャツを作るために、一体何人の貧困に喘ぐ人々の人生が関わっているのだろう?」ということではないでしょうか?
 
先日、フェアトレードに関する意識啓発を促すカナダの非営利団体「Canadian Fair Trade Network」がこのような広告を制作しました。 “The label doesn’t tell the whole story.(ラベルでは全ての物語を語りつくせません。)”というメッセージが加えられたこの広告には、本来「MADE IN ◯◯」と簡潔に表記されるタグ部分に「カンボジアの9歳の少年がその商品を作るために強いられる過酷な生活」を詳細に記載しています。
 
この広告は、洋服に何気なくついているタグに隠された「様々な人々の人生の痛み」を訴えているのです。
 
 
縫製工場よりも“売春”が良い

(Photo by ken fager)

(Photo by ken fager)

このように世界各国を経由して、様々な人の手をかけて製造される、Tシャツ。
 
そのTシャツが、「1枚たった\1,999」や「2枚で半額」で手にする事ができる状況は、異常であると思いませんか?
 
我々がそのような破格の値段で洋服を手にできる代償に、カンボジアでは「縫製工場よりも“売春”の方が良い」と考える女性が後を絶たないそうです。
 
こちらの記事によると、カンボジアでは「お金のない親に売りに出された少女が、ほとんど賃金も与えられず、半ば監禁状態で性労働を強制させられている現実」があるそうです。
 
しかし、そのような女性たちを国が保護し新たな“健全な仕事”として縫製工場での労働を与えると、彼女達の生活は「売春をしていた時よりも、一層貧しい生活」になってしまうそうなのです。
 
 
グロバリゼーションの落とし穴

(Photo by NYU Stern BHR)

(Photo by NYU Stern BHR)

グローバリゼーションによって、世界はより近くより密接に連携するようになった一方で、ヒト・カネ・モノの全てが国を超えて移動した結果、「富める国はより富み、貧しい国はより貧しくなる」という構図を作ってしまったように思います。
 
そしてその状況を端的に示すのが、このファストファッション産業における“搾取”です。
 
「ファストファッションによって巨万の富を生む先進国の大企業」と「服をいくら作っても、生活は苦しくなる一方の途上国労働者」
 
この“世界規模での弱いものイジメ”の構図は、グロバリゼーションの一つの落とし穴なのかもしれません。
 
 
「ファスト・ファッション」という病気

(Photo by thinkretail)

(Photo by thinkretail)

“狂った安さ”を売りにしたファストファッション産業に加担しないために、我々は洋服の製造過程を正しく理解し、その上で“適切な対価”を支払うべきではないでしょうか?
 
現在ニューヨークには、「ジーンズの医者」と呼ばれる、一つのジーンズを長くはき続けるためにあらゆる技術を施してくれる“職人”がいるそうですが、これは「一つの洋服ができあがるまでにあらゆる人々の手がかかっている」という事実を考えたら、当たり前の行為なのかもしれません。
 
 
私たちが「安い安い~!」と群がる1枚のTシャツ。
 
その“たった1枚のTシャツ”に、様々な国のあらゆる人々の人生が関わっていることを知った以上、もうあなたは、簡単に洋服を捨てることはできないはずです。

<転載終了>