るいネットさんのサイトより
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=302658
<転載開始>
先日電車待ちの際、反対側のホームを何気なく眺めて愕然とした・・・なんと9割程度の人達がスマホ画面に見入っていたのだ。
コンピューターゲームやスマホの拡大は、大衆無能化計画によるものではないかと思えてくる。

リンク より
********************************

 1983年に任天堂から「ファミリーコンピュータ」が発売されて以降、日本における家庭用ゲーム機のシェアは拡大を続け、1兆円産業とも言われる時期が続いた。2007年以降、出荷額は減少しつづけているが、その一方でスマートフォンが台頭し、ソーシャルゲーム、スマホアプリなどが取って代わろうとしている。電車に乗って周りを見回せば、スマホを持ち、アプリに熱中する大人たちがそこかしこに見受けられる。コンソールからスマホへとプラットフォームの変化はあれど、我々日本人にとってゲームは非常に身近な娯楽である。

 そんなゲームについて、脳に及ぼす悪影響が叫ばれ始めたのは02年。この年に刊行された『ゲーム脳の恐怖』(日本放送出版協会刊、現・NHK出版)で作者の森昭雄は、電子機器が人の脳に及ぼす悪影響を見出したと記し、以降、“ゲーム脳”なる言葉も一般的となったが、その信憑性については諸説あり、エセ科学であり脳波の計測方法にも問題があったなど言われている。主に家庭用ゲーム機やハイエンドPCの、美麗なCGによる暴力的な要素を含むゲームも、議論の対象となることが多く、こうしたゲームが悪影響を与えるという説もあれば、昨年9月には東京大学大学院の玉宮義之特任研究員、開一夫教授らが、暴力的ゲームがプレイヤーの行動に与える影響は短時間であると「Psychology」誌オンライン版に発表するなど、特定のジャンルにおける影響についても相反する意見がぶつかり合っている状況だ。

 ところが、昨年12月に出版された『インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで』(岡田尊司/文春新書)によれば、インターネットやインターネットゲームに依存している若者の脳にはやはり変化があるのだという。12年にある研究チームがMRIを応用して神経繊維の走行を調べることの出来るDTIという方法で脳の画像解析を行ったところ、その結果として「インターネット依存の被験者では、健常者照群に比べて、大脳皮質で神経ネットワーク統合性の低下が認められた」のだという。そしてこのような状態が「コカインや大麻、覚せい剤、ヘロインなどの麻薬中毒の患者で認められることが報告されており、この論文の筆者らは、インターネット依存の若者の脳では、麻薬中毒患者の脳に起きている事が起きていると、強く警鐘を鳴らした」という。作者は京都少年医療院で、少年の更生医療に関わったのち、岡田クリニックを開業した、精神科医である。

 その翌年である13年には、中国・安徽医科大学付属病院の研究チームが、インターネットゲーム依存のグループと、健常群のグループで脳の比較を行ったところ「インターネットゲーム依存群では、右眼窩前頭皮質、両側の島皮質で灰淡白の顕著な萎縮が認められ、その程度は、依存の強さと相関していた」ほか「外包とよばれる神経繊維の集まった領域で、神経繊維の統合性の低下が強まって」いたことも分かる。

こうした脳の変化をもたらす依存について、インターネット環境でプレイするオンラインゲーム(いわゆるネトゲ)によるものだけでなく、冒頭に挙げたスマホアプリによるものも作者は危惧している。

「このタイプのゲームは、従来型のゲームに比べて画面が単純で、あまり凝っておらず、内容もおとなしく、キャラクターの可愛さやパズル的な楽しみ、他のユーザーとの交流などに重きが置かれる。その手軽さから、これまであまりゲームをしなかったような層、女性や大人にも広がっている。電車で移動中や寝る前などの隙間時間に利用する人が増えている。
 しかし、ヒマ潰しのための利用は、意外に依存の入口ともなってしまう。レベルアップしたり、アイテムを手に入れたりという仕組みや、コミュニケーションが楽しめるソーシャルな要素は本格的なオンラインゲームと共通しており、手のあいたときに手軽にやれるというアクセシビリティの高さが依存性を高めやすい。依存性という点では、必ずしも楽観できない」

<略>

このようなインターネットやゲームに親しんでいる間、脳では何が起こっているのか。ロンドンのインペリアル・カレッジとハマースミス病院の研究者たちは1998年、PETという測定法を用いて、テレビゲームをするときに脳内で何が起きているかを世界で初めて報告した。それによると「8人のプレイヤーが50分間ゲームを行ったとき、ゲーム開始前と後で比べると、脳内の線条体と呼ばれる領域で、ドーパミンの放出が2.0倍に増えていた」のだという。

「ちなみに、同論文に引用されているデータでは、覚せい剤(0.2mg/kg)を静脈注射したときのドーパミンの放出増加は、2.3倍であり、ゲームを50分間プレイする事によって生じたドーパミンの放出増加2.0倍は、それにほぼ匹敵するものであった」(本書より)

 脳内では、覚せい剤を使用しているときと同様なことが起こっているのである。

********************************
以上

<転載終了>