浮世風呂さんのサイトより
http://blog.goo.ne.jp/yamanooyaji0220/e/04dce9b1906a20f422180fcec845e989
<転載開始>
全文入手…統幕から共産党へ流出した文書の「注目部分」

2015年09月03日  DailyNK

デイリーNKジャパンは3日、統合幕僚監部(統幕)が作成して共産党に流出し、共産党の仁比聡平(にひそうへい)氏が2日の参院特別委員会で提示した資料の全文を入手した。

資料は、河野(かわの)克俊統幕長が昨年12月17、18両日の訪米で、デンプシー統合参謀本部議長ら米軍・国防総省幹部7人と会談した内容を記載したもの。当時は法案の作成に向けた自民、公明両党の与党協議が始まっていない段階だった。

「離島をいかに奪回するか」

河野氏は、とくにオディエルノ陸軍参謀総長とのやり取りで安保法制について突っ込んだ発言をしており、直前の14日に投開票された衆院選に触れ「与党の勝利により、来年夏までには終了すると考えている」などと述べている。

ただ、一連の会談で話されたのは、安保法制の問題だけではない。

たとえばオディエルノ氏は、陸上自衛隊と米陸軍がともに強化できる分野として、「離島奪回に際し、いかに戦力を投入するかといったエア・アサルトについて議論」することの重要性に言及。「ストライカー部隊をいかに投入するか」など、戦術面のテーマについて積極的に発言している。

また、「オスプレイ導入は輸送能力向上の観点から重要であり、陸軍としてはオスプレイ等を使用した離島防衛などの防御要領について支援して参りたい」(オディエルノ氏)とする発言も見られる。

言うまでもなく、「離島奪還」「離島防衛」は自衛隊が中国の軍事力増強を念頭に重視しているものだが、米軍幹部がこれに積極的にコミットする姿勢を見せたものと言えるかもしれない。

一連の会談ではほかにも、日中関係やロシア軍の動向、北朝鮮のサイバーテロ、エボラ出血熱対策が話し合われている。

http://dailynk.jp/archives/51401?ky=yh906

◆オディエルノ陸軍参謀総長との会談(その1)

取扱厳重注意

別紙第1

オディエルノ陸軍参謀総長との会談結果概要

1 日時及び場所

平成26年12月17日(水)1630-1700 米国防総省

2 会談概要

河野統幕長 本日は時間をとっていただいて感謝する。海幕長を務めていたことから、これまでは海軍との交流が多かった。今回は陸軍とも関係を持つことができ喜ばしく思っている。

 米陸軍協会年次総会に岩田陸幕長が参加し、よい議論ができたと報告を受けた。今回は情勢認識等について議論できればと思う。

 14日に衆院選挙があり、与党が圧勝した。集団的自衛権や安保法制の議論は引き続き進捗するものと認識している。年内に改訂予定であったガイドラインは来年、安保法制の整備に合わせ発表することとなった。集団的自衛権の行使が可能になった場合は米軍と自衛隊との協力関係はより深化するものと考える。

オディエルノ陸軍参謀長 現在、ガイドラインや安保法制について取り組んでいると思うが予定通りに進んでいるか?何か問題はあるか?

河野統幕長 与党の勝利により来年夏までには終了するものと考えている。

 今回はデンプシー議長と日米同盟の深化等について議論するため訪米した。

 先日、日米共同方面隊指揮所演習を視察する機会を得、後方支援等の分野において内容が充実しており満足している。海軍種同士はこれまで連携があったが、陸軍同士も協力関係が強化されている。

 演習後、ブルックス太平洋陸軍司令官とのセミナーは充実したものであった。

オディエルノ陸軍参謀長 本日はお時間を取っていただき感謝する。岩田陸幕長とはよい関係を築いており、数ヶ月前に訪日した際は、陸上自衛隊の目標について説明を受けた。陸上自衛隊と米陸軍がともに強化できる分野と陸上自衛隊の能力強化をすべき分野について議論した。また離島奪回に際し、いかに戦力を投入するかといったエア・アサルトについても議論することができた。この分野が陸上自衛隊と米陸軍がともに能力を構築できる分野であると考えている。

 今回の演習のポイントはストライカー部隊をいかに投入するかというものであり、戦力をいかに展開させるかといった観点から重要な分野と考えている。戦力展開に係る日米協力の強さが関係国に対する良いメッセージとなる。

 数ヶ月前、カリフォルニアにあるナショナル・トレーニング・センターにおいて小規模ながら陸上自衛隊と米陸軍が訓練を実施した。これは、相互運用性、情報共有、指揮統制機能の強化の観点から重要であると認識している。

 数年来の努力により海軍種間では相互運用性について向上が見られるが、陸軍種間では複雑な問題となっており、今まさに相互運用性の向上について取り組んでいるところである。この分野は我々が今後取り組むべき分野であると考えている。

河野統幕長 日米の取り組みだけでなく日米豪の連携強化についても取り組んでいるところである。米豪共同訓練(タリスマンセイバー)に自衛隊を派遣し、サザンジャッカルーにおいても派遣部隊の拡充をしたいと考えている。

 陸上自衛隊においては陸上総隊の設立や水陸両用部隊の設立等大きな改変の時期を迎えている。横須賀における米海軍、海上自衛隊の関係、横田における航空自衛隊と米空軍の関係がよい具体例であると認識しており、陸軍種間では座間が適当であると考えている。

オディエルノ陸軍参謀長 私も座間における連携が重要と考えており、ご支援いただいて感謝する。

 3カ国間での連携で言えば日米韓での連携も重要であると考えており、これに対する支援にも感謝する。日米韓陸軍同士での連携について、来春にミーティングを持つべく現在検討中である。

河野統幕長 北朝鮮の脅威については現在も存在しており、この観点から日米韓での連携が重要だと認識している。しかしながら日韓での防衛交流は滞っているので、米国を中心とした3カ国での協力について推進していきたいと考えている。

 北朝鮮の脅威という観点から申し上げると、経ヶ岬にTPY2レーダーが設置され本年末に運用を開始すると認識している。このレーダーの設置、運用について全面的に協力したいと考えている。

オディエルノ陸軍参謀長 日米2国間の話に戻ると、これまで陸軍種間では連携強化に取り組んでおり、これからも更なる強化に努めてまいりたい。このような取り組みが北朝鮮をはじめとする周辺国に対して良いメッセージとなると認識している。

 防衛交流や演習等あらゆることに取り組み、連携を強化することで北朝鮮、中国に対する良いメッセージとしていきたい。

河野統幕長 日中関係について申し上げたい。11月に開催されたAPECにおいて日中首脳会談が実現したことは日中関係の改善の第一歩と認識している。この首脳会談の中で日中海上連絡メカニズムの協議再開について確認された。しかしながら、日本側のアプローチに対して中国からは反応がない状況である。

 現在、東シナ海においては常時2~3隻の船舶が尖閣諸島周辺で活動しており、最近は40NM以内での活動も活発となってきた。我々はこのような中国の活動に対しては冷静に対応しているところではあるが、中国中央政府の統制が効いているのかと疑問に思う。
 これら活動において不測事態を避けるため多国間でCUESを活用し現場でのコミュニケーションを図っている。日米での連携は中国に対して有効な抑止力になっていると認識している。

オディエルノ陸軍参謀長 中国の活動に関して注視して頂き感謝する。中国に対しては外交、軍事等あらゆる手段を用い対応することが重要である。現在取り組んでいるガイドラインや安保法制作業についても有効な手段であると認識しており、引き続き見守っていきたいと考えいる。

河野統幕長 安倍政権の以前は防衛関係費は減少傾向にあったが、現在は増加傾向にあり、陸上自衛隊においてはV-22オスプレイ、AAV7を導入する。

オディエルノ陸軍参謀長 オスプレイ導入は輸送能力向上の観点から重要であり、陸軍としてはオスプレイ等を使用した離島防衛等の防御要領について支援して参りたい。

河野統幕長 貴官の協力に感謝する。

 エボラ対応のため連絡官をAFRICOMに派遣し、個人防護具をガーナに空輸した。引き続き、連絡官を通じ情報を収集させ、我々ができることを考えていきたい。

オディエルノ陸軍参謀長 現在2500名強の部隊を派遣している。共有できる訓練としては兵站と訓練が必ず必要となり、これらを充実させることが必要である。

河野統幕長 現在、エボラ対応として連絡官を派遣しているが、今後も常駐させたいと考えている。

オディエルノ陸軍参謀長 AFRICOMにおいては様々な活動を行っており人道支援のみならずテロ対策も重要となっている。過去数年間アフリカ方面で取り組みを実施し、94の活動を行ってきた。訓練やアドバイザー、能力構築支援が主であり、この分野において連絡官を通じ日本の支援を得られることは米側にとっても有益。日本の様々な形でのコミットメントに感謝。

河野統幕長 本日は時間をとっていただき感謝

オディエルノ陸軍参謀長 こちらこそ有益な意見交換に感謝

(了)

http://dailynk.jp/archives/51397?krkj=51522

◆共産党に流出の「統幕文書」全文(その2)…ダンフォード海兵隊司令官との会談

取扱厳重注意

別紙第7

ダンフォード海兵隊司令官との会談結果概要

1 日時及び場所

平成26年12月18日(水)1400-1430 米国防総省

2 会談概要

ダンフォード海兵隊司令官 会談に先立ちアーリントン墓地において献花をして下さり感謝申し上げる。日本のパワフルなメッセージが発出できたものと思料。そして貴殿という友人ができたことを嬉しく思う。

河野統幕長 昨日の夕食会でお話ししたが本日は何点か議論したい。

 現在自衛隊では水陸両用能力に取り組んでおり、今回のキーンソード(日米合同軍事演習)においても離島奪回訓練を実施した。防衛力整備においてもAAV7(水陸両用強襲車)やオスプレイの導入を決定したところである。

 海上自衛隊においては水陸両用戦に供する艦を建造する予定であり、航空自衛隊においては対地攻撃能力の向上を目標とし、陸上自衛隊においては水陸機動旅団を創設することになる。

 今後もアイアンフィスト、ドーンブリッツには積極的に参加する、引き続き支援をお願いしたい。(アイアンフィスト=陸自と米海兵隊の合同演習、ドーンブリッツ=米軍主導の多国間水陸両用訓練)

ダンフォード海兵隊司令官 沖縄にはⅢ MEF(第3海兵遠征軍)が展開しており、ウィスラー司令官よりオスプレイの運用要領や水陸両用戦についての助言を受けることができると考える。私は過去に、1日陸海軍(原文ママ)の両用戦を学んだので愛着を感じているところ。

河野統幕長 沖縄県知事選時にはリバティーポリシーの実施、地域情勢に配慮して頂き感謝する。結果として普天間移設反対派の知事が就任したが、辺野古への移設問題は政治レベルの議論であるので方針の変更はないとの認識である。安倍政権は強力に推進するであろう。(リバティーポリシー=米兵の夜間外出禁止などの勤務時間外行動指針)

ダンフォード海兵隊司令官 沖縄には3回勤務をしているので地元の状況については良く認識している。この様な問題には忍耐が必要であり状況が好転するまで待つことも必要である。しかしながら、安倍総理は移設を現行計画どおり実施し、沖縄の基地負担を減じる努力をしていくと理解している。

河野統幕長 衆院選挙においては安倍政権与党が圧勝した。安倍首相のリーダーシップによりこのような問題も進展していくものと認識している。

ダンフォード海兵隊司令官 本日、ウィスラー中将とVTC(テレビ会議)を実施するが、強固なREINFORCEMENT(強化、増援)を太平洋で実施すると言うつもり。ウィスラー中将、トゥーラン中将とも連携を強化して欲しい。

河野統幕長 辺野古への移転やキャンプハンセン、キャンプシュワブでの共同使用が実現すれば、米海兵隊と自衛隊との協力が一層深化すると認識している。これにより沖縄の住民感情も好転するのではないか。

ダンフォード海兵隊司令官 北朝鮮の政治状況如何?

河野統幕長 現在、北朝鮮は金正恩体制であり、一見安定している様に見える。しかしながら、何の実績もない金正恩の妹を政府の要職へ配置したり、まだ確定していないがソニーピクチャーズへのサイバー攻撃といい余裕のない性格と見ている。一見安定しているようで脆いのではないか。不測事態が起きる可能性は否定できない。

ダンフォード海兵隊司令官 北朝鮮は中国と距離を置いているように見えるが?

河野統幕長 中国とのパイプ役であった張成沢が処刑された以降、中国との距離はあるようだ。一方でロシアとの連携を強化しようとしている傾向がある。

 現在ロシア空軍のTU-95爆撃機の日本周辺空域での活動、バルト艦隊や黒海艦隊の太平洋における活動も活発化しており、自衛隊としてこれを警戒している。

 我々は北方領土問題を抱えているため、西側諸国と同調しつつロシアとの最低限の関係は維持していきたいと考えている。

ダンフォード海兵隊司令官 ロシアはバック トゥー ザ フューチャーだ。

河野統幕長 貴官はアフガンでの勤務が長いと認識しているがISILの状況はどうか?

ダンフォード海兵隊司令官 デンプシー議長とウィニフィルド副議長との間で話があったが、アフガニスタンの状況はパキスタンにおけるタリバンとの関係が深い。パキスタン、アフガニスタン、イラクの状況はそれぞれ個々の問題を有しているが、対処としては共通のものもあると認識している。それは各国の部隊の能力を構築することであり、これが米軍としての焦点である。

 政治状況としてはアフガニスタン、イラクの大統領が交代し、現時点において事態は好転しているものと考える。アフガニスタンにおける政権交代当初は我々の努力の効果を下げるものであった。イラクにおいてはマリキ政権時よりも今の方が色々とやりやすくなっている。いずれにせよ、個々の問題に対処するため、政治、経済、軍事面での取り組みをバランスよく長期的に実施する必要がある。イラクでの教訓を生かした政治体制整整備(原文ママ)も重要となる。大統領声明のとおり、イラク、パキスタンへの米国の支援はそれぞれの国、自らが上手くやっていくこと、すなわちガバナンスの構築に重点が置かれているものである。

 アフガニスタンにおいては民衆に希望を与えることが重要であり東京会合はこの役割を果たしている。

河野統幕長 衆院選で安倍政権与党が圧勝した。今後は集団的自衛権の議論が進み、集団的自衛権の行使が可能となった場合は自衛隊の役割も拡大することができ、自衛隊と米軍の協力も進化するものと確信している。

ダンフォード海兵隊司令官 水陸両用の訓練、ドーンブリッツやアイアンフィストにおいて、水陸両用の能力、相互運用性は高まった。今後は政治的な法解釈の枠組みが整備されることで真の意味で役割が拡大すると考える。MV-22、AAV7への協力はおしまない。

河野統幕長 オスプレイ、AAV7の話に戻ると、貴官の権限ではないとは思うが、日本としてはオスプレイのリージョナルデポ(地域整備拠点)についても日本に置いて頂きたいと考えている。

ダンフォード海兵隊司令官 岩田陸幕長からも書簡を頂いており、国防長官にも報告している。日本は主要な候補となっていると認識している。

 来年1月に硫黄島における日米イベントがあり日本に立ち寄る予定である。東京に行くことが出来れば是非、貴官にも会いたいと考える。本日はお越しいただき感謝する。

(了)

http://dailynk.jp/archives/51416?krkj=51397

◆共産党に流出の「統幕文書」全文(その3)…ワーク国防副長官との会談

取扱厳重注意

別紙第3

ワーク国防副長官との会談結果概要

1 日時及び場所

平成26年12月18日(水)1030-1100 米国防総省

2 会談概要

河野統幕長 本日は時間をとっていただき感謝する。今回は統合幕僚長就任にあたりデンプシー議長に表敬するため訪米した。

ワーク国防副長官 お会いできて光栄である。

河野統幕長 現在、ガイドラインの見直し作業に取り組んでいる。この点に関してOSD(国防長官室)の日本部長ウィンターニッツ氏の貢献に感謝する。

ワーク国防副長官 ガイドラインの見直し作業は進展しており、私だけでなくヘーゲル長官や我々の政治チームも10月の中間報告には満足している。現在は4月の作業完了を期待している。

河野統幕長 我々も集団的自衛権行使に関する閣議決定がなされたことから、改訂されたガイドラインには期待している。

 今回は現在検討中である法制をガイドラインの見直し作業と同調させる必要があることから延期となったと認識している。先日の衆議院選挙においける(原文ママ)与党の勝利により政治はさらに安定し、これら作業も進展するであろう。

 ガイドライン見直し後は自衛隊と米軍の協力はより深化するものと認識しており、これらの連携強化についてはデンプシー議長とも議論したいと考えている。

ワーク国防副長官 今回の勝利について安倍首相にお祝い申し上げる。これは我々にとっての助けになるだけでなく、安保法制の検討中である日本にとっても良いことであると認識している。

 今回はエボラ熱対処に関して安倍首相から尽力していただき、日本は最大のドナーとして連絡官派遣等の貢献に感謝する。連絡官派遣については継続することが適当ではないかと考えている。

河野統幕長 エボラ熱は未だ収束していないが、エボラ熱対処後も連絡官派遣を継続したいと考えており、連絡官を通じ情報を収集、我々のできることを検討して参りたい。また、自衛隊は海賊対処を実施しているが、ジブチは海賊対処のみならず、他の活動における拠点にしたいと考えている。さらには防衛駐在官の増派も検討しており、AFRICOM(アメリカ・アフリカ軍)との連携を強化したい。

ワーク国防副長官 自衛隊はこの1年来、防衛能力向上のための様々な取組をしてきた。このような努力の継続のため予算的な制約はあるか?

河野統幕長 これまでの10年間においては防衛予算は減少傾向にあったが、安倍政権になってからは増加傾向にある。中国の活動が活発化していることを踏まえると今後も防衛予算は増える傾向にあると考える。このような流れの中でF-35、E-2D、グローバルホーク、オスプレイの導入が決まった。

 これらの取り組みは日米の相互運用性の向上につながるものであり、日米同盟の強化に資するものである。

 また、今回F-35のリージョナルデポ(地域整備拠点)が日本に決まり、貴官をはじめとする関係者に感謝するとともに、本件は相互運用性向上のために重要な決定であると認識している。オスプレイのリージョナルデポについても日本に置いて頂けるとさらなる運用性の向上となる。

ワーク国防副長官 その件についてはまだ私まで報告がされていない。オスプレイ導入に関して日本国民の不安は低減されただろうか?

河野統幕長 以前に比べ低減されたように思う。

ワーク国防副長官 オスプレイは海兵隊の装備の中ではもっとも安全性の高いものである。しかしながら初期の事故により不公平な評価を受けることとなり残念である。

河野統幕長 オスプレイに関しての不安全性を煽るのは一部の活動家だけである。

 ヘーゲル長官が交代することとなり、予算の厳しい中で米国のリバランス政策は継続するのか?

ワーク国防副長官 これは絶対に変わらないものである。大統領も防衛費、非防衛費を問わず予算の強制削減は不適切であると考えている。このような状況の中、大統領は予算を追加したという経緯がある。

 来年2月に2015年度の予算が決定するが、その予算の内容としては太平洋における能力強化のための予算の全てが含まれている。

 冷戦後、重要な4つの分野、すなわち在韓米軍基地、岩国基地、FRF(普天間代替施設)、グァム移転問題における予算については100%確保されており、計画通りに進捗すると考える。特にグァム移転に関する予算は議会からの制約が解除されたことは大きな変化であった。

 このようなことからも議会もリバランス政策を支持しているということであり、国防総省としてもリバランス政策指示の姿勢を継続していく。

河野統幕長 沖縄知事戦(原文ママ)では普天間移設反対の候補者が当選した。普天間移設問題は地方の問題ではなく国の問題であり、安倍政権として立場を変えないものと認識している。

 本日は時間をとっていただき感謝する。

ワーク国防副長官 最後に付言させていただきたい。これまで何度も強調してきたことであるが、尖閣問題は5条事態(日米安保条約第5条に当てはまる事態)の対象であると大統領の他、ヘーゲル長官も明示しているところである。現在の政権が継続する限りこのコミットメントは変わるものではなく日米同盟の強化につながるものであると認識している。

 今日は有意義な議論ができた。感謝する。

(了)

http://dailynk.jp/archives/51484?krkj=51416

◆共産党に流出の「統幕文書」全文(その4)…スイフト米海軍作戦部幕僚部長との会談

2015年09月06日 DailyNK

取扱厳重注意

別紙第5

スイフト海軍作戦部幕僚部長との会談結果概要

1 日時及び場所

平成26年12月18日(水)1130-1200 米国防総省

2 会談概要

河野統幕長 太平洋海軍司令官に就任するとのことであり、お祝い申し上げる。太平洋海軍に貴官が、太平洋軍司令官にハリス大将が就任するということで最強の布陣であると認識している。

 今後、イージス艦が2隻、横須賀に入港し、ジョージワシントンの後継としてロナルド・レーガンが就役すると認識している。本件は中国に対しての抑止力になると認識している。これに関し、国内的には問題はないもと(原文ママ)考えている。

スイフト海軍作戦部幕僚部長 空母の交代については日本の協力に感謝する。できる限りスムーズな移行が出来るよう尽力したい。また日米合同での出港行事をサンディエゴで実施したいと考えている。空母の運用を支障なく実施するためにも日米で世界にアピールしたいと考えている。
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取扱厳重注意

別紙第5

スイフト海軍作戦部幕僚部長との会談結果概要

1 日時及び場所

平成26年12月18日(水)1130-1200 米国防総省

2 会談概要

河野統幕長 太平洋海軍司令官に就任するとのことであり、お祝い申し上げる。太平洋海軍に貴官が、太平洋軍司令官にハリス大将が就任するということで最強の布陣であると認識している。

 今後、イージス艦が2隻、横須賀に入港し、ジョージワシントンの後継としてロナルド・レーガンが就役すると認識している。本件は中国に対しての抑止力になると認識している。これに関し、国内的には問題はないもと(原文ママ)考えている。

スイフト海軍作戦部幕僚部長 空母の交代については日本の協力に感謝する。できる限りスムーズな移行が出来るよう尽力したい。また日米合同での出港行事をサンディエゴで実施したいと考えている。空母の運用を支障なく実施するためにも日米で世界にアピールしたいと考えている。

河野統幕長 尖閣周辺での状況は貴官が第7艦隊司令官時代よりも厳しいものとなっている。中国の船舶が2~3隻活動しており、接続水域にも近付いている。第一義的には海上保安庁の対応となっているが、領海に侵入する場合は海上自衛隊による対処となる。引き続き冷静に対応し、CUES(海上衝突回避規範)を活用し不測事態を回避するように指示している。

スイフト海軍作戦部幕僚部長 私は艦長として状況が緊迫しているのならどの様な形であれ、上級司令官の指示に従いCUESでなくても、使える手段を使用してコミュニケーションを図る必要があると考えている。

河野統幕長 CUESでさえ返答があったりなかったりする状況である。これまでの傾向としてはシニアの艦長であるソブレメンヌイ級の大型艦はこちらの問いかけに答えないようである。

スイフト海軍作戦部幕僚部長 中国海軍により運用される尖閣対応の艦長は厳選された者であると考えている。

 我々は日米でCUESを使用したコミュニケーションについての経験、知見を共有すべきであると考えている。地域全体でのコミュニケーションの問題を全体的に把握する必要があると考える。

河野統幕長 ロシアの活動について話をしたい。ロシアはTU-95の日本周回飛行やバルト艦隊や黒海艦隊の太平洋での活動が活発化している。ベトナムはカムラン湾を給油のために使用させている模様。

スイフト海軍作戦部幕僚部長 海上自衛隊はルーマニア、ウクライナとの演習を黒海で実施するのか?

河野統幕長 そのような計画はない。

スイフト海軍作戦部幕僚部長 この質問をした理由はロシア問題はヨーロッパ、地中海、カスピ海に渡る広域の活動として捉える必要があると考えているからである。

 尖閣の問題も、尖閣だけの問題として捉えるのではなく中国の問題として捉える必要がある。個別的に問題を捉えるのではなく全体として問題を捉えることで、他国の状況を踏まえて協力することが必要となってくる。個別的に問題を扱うと孤立してしまう可能性がある。すでに中国の潜水艦2、3隻がインド洋に進出していることも全体として捉える必要がある。

河野統幕長 安倍政権において中国の力による現状変更は認めないという認識のもと、フィリピン、ベトナム等 ASEAN諸国と協力しているところである。

スイフト海軍作戦部幕僚部長 インドは南シナ海での演習の際にベトナムをはじめとする様々な寄港を実施している。この様に戦略的な寄港を実施すべきではないか。

河野統幕長 現在日本は海賊対処のために海上部隊をジブチに派遣している。派遣の際には戦略的な寄港を実施している。

スイフト海軍作戦部幕僚部長 シンガポールやクアラルンプールなど経路上にない港にも寄港し、メッセージを発出すべきではないか。

河野統幕長 対外的なメッセージのためにそのような戦略的寄港は行っている。

 時間となってしまった、太平洋海軍司令官の交代式の際にハワイで会えるのを楽しみにしている。

(了)

http://dailynk.jp/archives/51522?ky=yh906

<転載終了>