気象予報士Kasayanのお天気放談さんのサイトより
http://blog.livedoor.jp/kasayan77/archives/45530323.html
<転載開始>
今日も台風21号の動向から。

気象庁予想進路図: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
Joint Typhoon Warning Center(接続不安定?): http://www.usno.navy.mil/JTWC/
米軍予想進路図: http://www.nrlmry.navy.mil/tc-bin/tc_home2.cgi?YEAR=2015&MO
気象庁、米軍の予想進路図は今日も安定して台風の西進を予想。
他国のモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を見比べても、もやは本土への直接の影響はないと思われます(気になる方は、以下のURLで確認してください)。
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
ただ・・・昨日の記事に書いたように、今週は冬の足音が聞こえてくる可能性が高くなってきました。

向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新のデータをチェックしても・・・
引き続き、東~北日本限定で、29日(火)をピークに、気温が平年を大きく下回ることが予想されています。
そこで29日(火)の空模様を、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってチェックしてみると・・・

北日本は西高東低 冬型の気圧配置。
上空約5500m付近には-25℃以下の寒気が流入し、地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)にも道北を中心に0℃以下の寒気が南下してくることが予想されています。
このため、北海道では高い山や峠道で降雪や積雪が予想されるわけですけど・・・
ちなみに、今回北海道付近に南下してくる寒気は・・・関東で南岸低気圧による雪が騒がれる時期の、関東周辺上空の寒気とほぼ同様の強さ。
冬の足音・・・という表現を使った理由をお分かりいただけると思います。
もちろん一時的・・・そして北日本限定のことですけど・・・今年の紅葉・・・この状態が繰り返されるようなら、記録的な速さで山を駆け下りてくるかも?
今年の夏・・・エルニーニョなのに暑いじゃないか!!という話がありましたが、その後残暑を通り越していきなり秋になったように・・・
今度の冬も・・・エルニーニョなのに暖冬にならず寒いじゃないか!!!という話題が盛り上がった後、いきなり暖冬が顕著になるような・・・かつて経験したことのないエルニーニョの冬になるかもしれませんね???(根拠は全くありません)。
ということで・・・ここからは今日の空模様。

例によってKasayanは、新潟県境の信濃町にある野尻湖畔の山小屋に来ています。
野尻湖畔もすでに紅葉が始まっていますが、まだまだ緑が優勢。
でもあと2週間もすれば、黄色や赤が緑にとって代わることでしょう。
ところで・・・この週末は台風21号の影響を受けるという当初の予報が大きく変化し、完璧ではないにしても「まずまずの天気」になったわけですが・・・
実はここ数週間、「オレンジ」という映画(予告サイトにリンク)の長野県ロケを、天気の面からお手伝いしていました(女房曰く、NHK連ドラ「まれ」の主役が主演しているらしいです)。
特にこの週末の天気については、エキストラを大量動員した運動会シーンのロケということで、ロケの延期の判断には胃が痛くなるほど悩んだのですが・・・
ギリギリのタイミングで、台風の予想進路が大きく変化し天気も好転・・・無事にロケが進んでいるようです。
もしこの映画をご覧になる機会がありましたら、運動会シーンの裏に、このブログと頭を抱えるKasayanの姿があったことを思い出してくださいね。
脇道にそれてしまったので・・・話を今朝の実況に戻して・・・・

引き続き、太平洋沿岸に秋雨前線が停滞し・・・北海道方面には寒冷前線が接近中。
それぞれの前線に対応して、活発な降水域が観測されているわけですけど・・・
台風が北上せず、台湾方面に進んでいるので・・・本州付近では山東半島付近に張り出してきた高気圧の勢力が優勢・・・前線に近いエリアを除いて、「まずまずの空模様」になっているようです。
衛星の水蒸気画像を見ると・・・悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、南北に大きく3段階に分かれて北東進中。
北の上空の気圧の谷が、北海道に接近中の寒冷前線に悪天パワーを供給し・・・南の上空の気圧の谷が秋雨前線に悪天パワーを供給・・・日本海の上空の気圧の谷は、あまり悪影響を及ぼしていないようですが・・・
今日これからの空模様・・・こちらも気象庁が発表しているをGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、詳しくチェックしていきましょう。
上空の気圧の谷が抜けたところから天気は回復に向かうと思われますが・・・
今日、特に気になるのは、北海道を通過する上空の気圧の谷。
この時期として少々強めの-20℃以下の寒気を伴っていることがわかります(29日の前哨戦?)。
ということは・・・北海道では、この寒気が通過するタイミングで、大気の状態が不安定に?
また、-15℃以下の寒気が南下してくる東日本付近でも、大気の状態が不安定になることが考えられます。
で・・・このような空模様の骨格に対応して、地上では・・・下段の図・・・上空の気圧の谷が早々に東海上に抜ける太平洋沿岸では・・・秋雨前線の降水帯が弱まりながら南下する傾向。
西~東日本では晴天域が拡大してくるようですが・・・
-20℃以下の寒気を伴った上空の気圧の谷が通過する北日本・・・特に北海道方面・・・
こちらは、悪天パワーによって寒冷前線の雨雲が活発化・・・前線の通過とともに、ライン状の活発な降水帯が通過していくことが予想されています。
大気の状態も不安定になるでしょうから、活発な降水帯は落雷や突風を伴うおそれも。
なお、台風21号ですが・・・再び上段の図・・・台風の動きをブロックする上空の太平洋高気圧が沖縄~九州南岸付近に張り出してくる模様。
このため・・・下段の図・・・台風は北上することができず、引き続き台湾方面に、ノロノロと西進。
先島諸島付近では、長時間荒れ模様の天気が続くことが想定されます。
続いて、今日の雨の原料・・・暖かく湿った空気(暖湿気)の流れ込みの様子にも目を通しておきましょう。
秋雨前線の降水は活発化しますが、幸いなことに雨雲は海上主体。
午前中を中心に太平洋沿岸は雲が広がりやすく、にわか雨の降るところもありそうですが、前線の南下とともに天気は回復。
ただ、関東の東海上に形成される低圧部北側から流れ込む暖湿気と、-15℃以下の上空寒気、そして寒冷前線のシッポの影響を受けて、関東甲信の山沿いでは、にわか雨が考えられます。
また、北海道付近・・・太平洋側から流れ込む暖湿気は、南海上と比べればかなり弱いものですけど・・・上空に流れ込む寒気は-20℃以下の晩秋?初冬?の寒気。
大気の状態が不安定になるので、寒冷前線(黄色の点線)付近では、モクモクと雷雲が沸き上がることが考えられます。

SSIという大気の安定度の指数を見ても・・・
前線通過時、前線の前面を中心に大気がかなり不安定になる(オレンジ色)ことがわかりますよね。
といことで・・・最後は以上のチェックポイントを再確認しながら、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

紫色は下層雲。
必要なことはアニメ中に書き込んでおいたのでお読みください。
しかし・・・台風21号北側の雲と一体化した秋雨前線の降水帯・・・
北東風と南東風が収束して発生するわけですけど・・・非常にシャープですよね???
なお、先島諸島~沖縄方面・・・風雨が強まるのはもちろん、波も非常に高くなります。

今夜と明日夜の沿岸の波浪の予想ですが・・・9m超の高波が続く先島諸島付近・・・大きな被害がなければよいのですが・・・
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
<転載終了>
http://blog.livedoor.jp/kasayan77/archives/45530323.html
<転載開始>
今日も台風21号の動向から。

(予想進路図は生モノ。必ず以下のURLで最新の進路図を確認してください)
気象庁予想進路図: http://www.jma.go.jp/jp/typh/
Joint Typhoon Warning Center(接続不安定?): http://www.usno.navy.mil/JTWC/
米軍予想進路図: http://www.nrlmry.navy.mil/tc-bin/tc_home2.cgi?YEAR=2015&MO
気象庁、米軍の予想進路図は今日も安定して台風の西進を予想。
他国のモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を見比べても、もやは本土への直接の影響はないと思われます(気になる方は、以下のURLで確認してください)。
アメリカ気象機関(NOAA)GFSモデル: http://mag.ncep.noaa.gov/
アメリカ海軍 HP GFSモデル: https://www.fnmoc.navy.mil/wxmap_cgi/index.html?tab=global#global
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF): http://www.ecmwf.int/en/forecasts/charts/catalogue
ただ・・・昨日の記事に書いたように、今週は冬の足音が聞こえてくる可能性が高くなってきました。

向こう一週間の気温傾向(平年差)の最新のデータをチェックしても・・・
引き続き、東~北日本限定で、29日(火)をピークに、気温が平年を大きく下回ることが予想されています。
そこで29日(火)の空模様を、気象庁が普通の天気予報(短期予報・週間予報)の作成に用いているGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使ってチェックしてみると・・・

北日本は西高東低 冬型の気圧配置。
上空約5500m付近には-25℃以下の寒気が流入し、地上付近(地形の影響を受けにくい上空約1500m)にも道北を中心に0℃以下の寒気が南下してくることが予想されています。
このため、北海道では高い山や峠道で降雪や積雪が予想されるわけですけど・・・
ちなみに、今回北海道付近に南下してくる寒気は・・・関東で南岸低気圧による雪が騒がれる時期の、関東周辺上空の寒気とほぼ同様の強さ。
冬の足音・・・という表現を使った理由をお分かりいただけると思います。
もちろん一時的・・・そして北日本限定のことですけど・・・今年の紅葉・・・この状態が繰り返されるようなら、記録的な速さで山を駆け下りてくるかも?
今年の夏・・・エルニーニョなのに暑いじゃないか!!という話がありましたが、その後残暑を通り越していきなり秋になったように・・・
今度の冬も・・・エルニーニョなのに暖冬にならず寒いじゃないか!!!という話題が盛り上がった後、いきなり暖冬が顕著になるような・・・かつて経験したことのないエルニーニョの冬になるかもしれませんね???(根拠は全くありません)。
ということで・・・ここからは今日の空模様。

例によってKasayanは、新潟県境の信濃町にある野尻湖畔の山小屋に来ています。
野尻湖畔もすでに紅葉が始まっていますが、まだまだ緑が優勢。
でもあと2週間もすれば、黄色や赤が緑にとって代わることでしょう。
ところで・・・この週末は台風21号の影響を受けるという当初の予報が大きく変化し、完璧ではないにしても「まずまずの天気」になったわけですが・・・
実はここ数週間、「オレンジ」という映画(予告サイトにリンク)の長野県ロケを、天気の面からお手伝いしていました(女房曰く、NHK連ドラ「まれ」の主役が主演しているらしいです)。
特にこの週末の天気については、エキストラを大量動員した運動会シーンのロケということで、ロケの延期の判断には胃が痛くなるほど悩んだのですが・・・
ギリギリのタイミングで、台風の予想進路が大きく変化し天気も好転・・・無事にロケが進んでいるようです。
もしこの映画をご覧になる機会がありましたら、運動会シーンの裏に、このブログと頭を抱えるKasayanの姿があったことを思い出してくださいね。
脇道にそれてしまったので・・・話を今朝の実況に戻して・・・・

引き続き、太平洋沿岸に秋雨前線が停滞し・・・北海道方面には寒冷前線が接近中。
それぞれの前線に対応して、活発な降水域が観測されているわけですけど・・・
台風が北上せず、台湾方面に進んでいるので・・・本州付近では山東半島付近に張り出してきた高気圧の勢力が優勢・・・前線に近いエリアを除いて、「まずまずの空模様」になっているようです。
衛星の水蒸気画像を見ると・・・悪天パワー(地上の低気圧や雨雲を活発にするチカラ)を持った上空の気圧の谷(赤の点線:偏西風の南側への蛇行域)が、南北に大きく3段階に分かれて北東進中。
北の上空の気圧の谷が、北海道に接近中の寒冷前線に悪天パワーを供給し・・・南の上空の気圧の谷が秋雨前線に悪天パワーを供給・・・日本海の上空の気圧の谷は、あまり悪影響を及ぼしていないようですが・・・
今日これからの空模様・・・こちらも気象庁が発表しているをGSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、詳しくチェックしていきましょう。
(図をクリックすると注釈の書き込みのない原図が拡大します)
まずは上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・実況でチェックした3つの上空の気圧の谷は、今夜にかけて、いずれも東海上に抜ける模様。上空の気圧の谷が抜けたところから天気は回復に向かうと思われますが・・・
今日、特に気になるのは、北海道を通過する上空の気圧の谷。
この時期として少々強めの-20℃以下の寒気を伴っていることがわかります(29日の前哨戦?)。
ということは・・・北海道では、この寒気が通過するタイミングで、大気の状態が不安定に?
また、-15℃以下の寒気が南下してくる東日本付近でも、大気の状態が不安定になることが考えられます。
で・・・このような空模様の骨格に対応して、地上では・・・下段の図・・・上空の気圧の谷が早々に東海上に抜ける太平洋沿岸では・・・秋雨前線の降水帯が弱まりながら南下する傾向。
西~東日本では晴天域が拡大してくるようですが・・・
-20℃以下の寒気を伴った上空の気圧の谷が通過する北日本・・・特に北海道方面・・・
こちらは、悪天パワーによって寒冷前線の雨雲が活発化・・・前線の通過とともに、ライン状の活発な降水帯が通過していくことが予想されています。
大気の状態も不安定になるでしょうから、活発な降水帯は落雷や突風を伴うおそれも。
なお、台風21号ですが・・・再び上段の図・・・台風の動きをブロックする上空の太平洋高気圧が沖縄~九州南岸付近に張り出してくる模様。
このため・・・下段の図・・・台風は北上することができず、引き続き台湾方面に、ノロノロと西進。
先島諸島付近では、長時間荒れ模様の天気が続くことが想定されます。
続いて、今日の雨の原料・・・暖かく湿った空気(暖湿気)の流れ込みの様子にも目を通しておきましょう。
(図をクリックすると注釈の書き込みのない原図が拡大します)
強い暖湿気(水色の濃いエリア)の流入は秋雨前線の南側まで。秋雨前線の降水は活発化しますが、幸いなことに雨雲は海上主体。
午前中を中心に太平洋沿岸は雲が広がりやすく、にわか雨の降るところもありそうですが、前線の南下とともに天気は回復。
ただ、関東の東海上に形成される低圧部北側から流れ込む暖湿気と、-15℃以下の上空寒気、そして寒冷前線のシッポの影響を受けて、関東甲信の山沿いでは、にわか雨が考えられます。
また、北海道付近・・・太平洋側から流れ込む暖湿気は、南海上と比べればかなり弱いものですけど・・・上空に流れ込む寒気は-20℃以下の晩秋?初冬?の寒気。
大気の状態が不安定になるので、寒冷前線(黄色の点線)付近では、モクモクと雷雲が沸き上がることが考えられます。

SSIという大気の安定度の指数を見ても・・・
前線通過時、前線の前面を中心に大気がかなり不安定になる(オレンジ色)ことがわかりますよね。
といことで・・・最後は以上のチェックポイントを再確認しながら、解像度の高いMSMモデル(スーパーコンピューターによるシミュレーション)を使って、今日~明朝の空模様を、具体的にイメージしておきましょう。

(スマホ版のブログではアニメが動きません。PC版に設定してご覧ください)
紫色は下層雲。
必要なことはアニメ中に書き込んでおいたのでお読みください。
しかし・・・台風21号北側の雲と一体化した秋雨前線の降水帯・・・
北東風と南東風が収束して発生するわけですけど・・・非常にシャープですよね???
なお、先島諸島~沖縄方面・・・風雨が強まるのはもちろん、波も非常に高くなります。

今夜と明日夜の沿岸の波浪の予想ですが・・・9m超の高波が続く先島諸島付近・・・大きな被害がなければよいのですが・・・
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県天気予報(マークの予報 天気分布をチェック): http://www.jma.go.jp/jp/yoho/
気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/
(マークの予報は府県天気予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
府県週間天気予報(マークの予報): http://www.jma.go.jp/jp/week/
(マークの予報は府県週間予報の括弧内(テロップ番号)をマーク表示したもの)
専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2
<転載終了>