「ジャーナリスト同盟」通信さんのサイトより
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52121297.html
<転載開始>
<刑事告訴は出来ない検察>
 「ともかく経済産業省内で別格の扱いを受けていた。東芝の裏金は政界だけではない。役所の中にまで深く浸透していた」ー。最近も元同省大臣秘書官の述懐を思い出してしまう。それは言論界にも、及んでいる。悪行の限りを尽くして、事実上、破たんしているような東芝である。それでも、刑事告訴の対象にならない。憲法の法の下の平等も、財閥・三井住友傘下の東芝には、東電同様に及ばない。日本国憲法も、その威力を発揮できない。東芝の裏金威力は、法律・憲法さえも押しつぶす。これも、内外の国民が気づかない日本である。本来は新聞テレビのトップ記事も、東芝には適用されない不思議な日本でもある。

<財閥主導の官僚社会主義統制の日本資本主義>
 戦後の勇気ある政治家の代表で知られた宇都宮徳馬は、いち早く日本の経済政策を「官僚社会主義経済」と分析する論文を発表している。戦前の財閥中心の官僚統制経済を引きずる、悪しき日本資本主義の戦後継承を見逃さなかった。

 それは歴史家・井上清のいう「独占資本」が貫徹される資本主義だ。霞が関官僚を通して推進される経済政策であって、本来の自由主義経済ではない。現在も独占資本・財閥の意思が、政府や議会を動かしている日本経済である。政府も官僚も、そして司法も、財閥の傀儡権力といっていい。これに言論界もひれ伏してしまっている日本である。
 この3年有余、それが極端に露出している。日本の危機でもある。
<粉飾決算の活字さえ禁止する言論統制>
 犯罪企業の東芝は、それゆえに刑事告訴から免れている。政府あげて犯罪企業を守っている。野党も手を触れようとしない。不条理が闊歩する永田町と霞が関だ。大手町のカネにコントロールされているためである。

 ここがわかると、日本が見えてくるはずだ。一連の極右の改憲軍拡路線は、その実、財閥の意思そのものである。彼らは北京で安倍批判をするが、東京ではその逆である。こんな手口にごまかされる日本研究者であってほしくない。

 古くは張作霖爆殺事件が教えてくれる。関東軍の仕業であることは、今日では自明のことであるが、関東軍を動かした元凶が財閥・三井であることを知る日本人も外国人もほとんどいない。
 不思議なことに戦後の日本では、財閥は存在しないことになっている。財閥という言葉も、活字にする学者・ジャーナリストもいない。日本共産党でさえも使っていない。おわかりか、繰り返すが、今の東芝の「粉飾決算」という事実を、新聞もテレビも粉飾決算と報道できない。例の「オリンパス」事件とは、扱いがまったく異なるのである。
 東芝は、政府・政治屋・官僚を操ってきた悪の元凶・財閥だからである。裏金の威力なのだ。この手口を海外でも活用している。日本研究を狂わせている元凶ともなっている。
<3億円民事訴訟でごまかせるか>
 粉飾決算は重罪である。企業失格である。株式市場から撤退する事態であるが、現実は株主が佐々木則夫ら経営陣に損害賠償をすることでケリをつけようとしている。3億円民事訴訟である。3億円は庶民には高根の花であるが、彼らからすれば裏金のごくごく一部でしかない。痛くもかゆくもないだろう。株主向けの演技の一つに過ぎない。

 そういえば、三井系の東京電力会長と東京・渋谷で殺害された、反原発の悲劇のエリート幹部女性社員との深い関係は、迷宮入り事件として処理されている。一時は、ネパール人を犯人にした警視庁と東京地検である。
 警察庁出身の亀井静香は「男女を交代させること以外は何でもできる」と言っていたが、目下、日本政府は必死で東芝擁護に懸命である。
<東芝隠しにあの手この手の政府>
 最近も、東芝が誇る米原発子会社・WHの軽く1000億円を超える損失処理を隠していた事実が、おそらくは内部告発で発覚、このことで室町という社長がおわび会見をした。
 昔なら切腹ものであろうが、この人物にとって株主向けの謝罪は、日常茶飯事のレベルなのであろう。まじめな社員はいたたまれないであろう。

 ここにきて、東芝の犯罪隠しに東京地検や証券取引等監視委員会が、活動を開始した。新たな事件発掘に動員されたのだ。
 前者は最後の相場師といわれた加藤高を逮捕して、市場に話題を提供している。後者は旧村上ファンドの元代表を、相場操縦の疑いで強制調査に乗り出した。東芝の粉飾決算を放任する当局が、株主の関心をそらす策略だと専門家はみている。
<不当な政府による株価操作>
 東芝の株価に興味などないが、さすがに上昇することは考えられない。佐々木が誇ってやまない原発企業のWHが、莫大な損失を出していたのだから。さらに公表されていない損失も露見するかもしれない。しかし、それでもゼロ円にならないだろう。
 なぜかならば、政府資金なる国民の資産投入で株価落下を食い止めているからである。これも重大な犯罪である。たとえそうだからと言って、東芝株の価値が永続することは考えられない。
 東芝の裏金の威力は、時間と共に価値が半減するからだ。官僚のすべてが、裏金に満足していないだろうから。正義の官僚も現れるだろう。
<正義の内部告発者に期待>
 財閥はその豊富な裏金・内部留保によって、野党にも保険をかけている。
 今の岡田・民主党の体たらくを見れば一目瞭然である。信用できない。それによって自公体制を救済している。いまの岡田・民主党では、政権交代が困難と言わざるを得ない。
 大嘘をついて8%消費税を強行した民主党と、これに賛同した自公を、国民は信用できない。まずは自己批判が求められる。民主党はまだ失格政党である。これがずっと続いてゆくのか、それとも?

 ともあれ東芝の内部告発者の勇気に感謝したい。社内にまともな人材が残っている証拠である。真の東芝改革・再生を図ろうとする人たちであろう。
<人間の命に向き合える企業家の東芝へ?>
 筆者は東芝経営の東芝病院(東京・大井町)で最愛の息子を、入院直後に看護されないまま、個室において事実上、殺害されてしまった。にもかかわらず、当時の佐々木・東芝は「適切な治療をした」と開き直った。
 その姿勢は、いまの室町になっても変わっていない。人間の命を軽視する東芝である。そこから見えてきた東芝は、企業家不存在の企業ということである。
 モノつくりには、消費者の利益を前提にした企業家の存在が不可欠である。東芝にはそれがない。東電福島原発3号機に限らない。テレビや冷蔵庫類に至るまで不良品が目立つようだ。

 内部告発者にいいたい。東芝にとって企業家の存在が必要不可欠である、という事実に着目してもらいたい。仮に再生することがあるとすれば、消費者に傾斜したモノつくりである。それは人間の命に向き合える企業家の誕生でもあろう。
2015年11月30日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

<転載終了>