宇宙のマスコミ★ゾノンネット☆さんのサイトより
http://ameblo.jp/smash310vcon/entry-12174370124.html
<転載開始>
「米」へんに健康の「康」と書いて「糠(ぬか)」。漢字は形靈、言靈が宿ると言われますが、僕たちの先祖は昔から「米ぬか」が健康にいいと知っていたのでしょうね。

今日は日本の傳統文化である「糠漬け」の魅力や作り方についてお勉強してみます(^_^)

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▼日本人の知惠が生んだ醗酵食品「ぬか漬け」
玄米は胚乳、胚芽、ぬか層の三つに分かれます。

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白米にあたるのが胚乳で、胚芽やぬか層が米ぬかになります。
米ぬかは白米よりもずっと榮養が豊富と言われます。榮養豐かな「ぬか」を醗酵させ、旬の野菜を漬けて食べる。野菜を醗酵させることでうまみが増し、野菜の榮養価も高くなるようです。

旬の野菜を簡便に加工して食べる「ぬか漬け」は、日本人の知惠から生まれた素晴らしい醗酵食品です。


▼「ぬか床」のルーツ
「傳統的ないい状態のぬか床」がいつ庶民の間で広まったのかは定かではありません。よく言われているのは、江戸時代に玄米を精米し、おいしい白米ばかりを食べるようになって、江戸病、つまり脚氣が流行った時。

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先人たちはきっと、この榮養の寶庫(ほうこ)で、すばらしい醗酵食品としての”糠(ぬか)”に注目したのではないでしょうか。

そして、特に北部九州の氣候・風土とマッチして、百年單位にしたたかに生き延びて、現代に至ったのかもしれませんね。

小倉藩主・小笠原公が籠城の際に、非常食としてこのぬか床を奨励され、士族の家では殿様の命令ということで、母から娘、そのまた娘へと受け継がれ守られて來たという話もあります。

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また、嫁入りのさいに「嫁入り道具」の一つとして樽に入れたぬか床を「床(とこ)の閒(ま)」に飾ったから「ぬか床」と言ったという説もあります。家族の健康を氣づかい、良い嫁となる一つのステイタスになっていたのかもしれません。


▼「乳酸菌」って何?
ぬか漬けの滋味(じみ)と榮養の祕密はぬか床に生息する「乳酸菌」にあると考えられます。乳酸菌とは、糖を醗酵して、その半分以上を乳酸に變える細菌の総称です。  

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乳酸菌は糖を食べて、その代謝物として乳酸を生成します。乳酸菌のよく知られている例としては牛乳中で生育し、乳中のラクトースという糖を”乳酸”に変え、やわらかみのある温和な酸味をもつヨーグルトを作り出します。

そこから”乳”酸”菌”と呼ばれ、さまざまな榮養豊富な環境を好んで生息しています。最近では、自然栽培のお野菜など植物に棲息する乳酸菌が注目されています。

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▼腸内で働く乳酸菌
生活習慣病の予防に乳酸菌が注目されていますが、その理由の一つとして整腸作用があります。

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さらに、腸管の免疫系を適度に刺激して體の免疫力をアップさせたり、過剰な免疫反応であるアレルギー反応を軽減させたりという効果も科學的に實証されています。

とはいえ、乳酸菌の多くは摂取しても胃酸や胆汁酸などで死滅してしまいます。だから、乳酸菌單體(たんたい)で摂るというのはあまり意味がありません。

自然栽培の野菜などの腸内で腐敗せずに醗酵するクオリティの高い野菜・果物をぬかに漬けて美味しく食べる事が本質的には大切です。

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▼菌と共に生きる
このように、昔から日本人は自分の手で天然菌が生きている糠を触り、野菜などを「ぬか」に漬けて食べることで、皮膚には常在菌を、腸内には乳酸菌・酵母菌を飼って、菌と共に健康な人生を歩んで來ました。

乳酸菌には整腸作用があり、ぬか床は「東洋のヨーグルト」とも言われています。無農藥・無肥料自然栽培の「米ぬか」にはビタミン類やミネラル類が豐富に含まれていて、ぬか床に漬けることで野菜のビタミンB群は、生のときよりも5倍から10倍に増加します。


僕に「ぬか漬け」の魅力を敎えてくださった岡山の自然農家平松さんのお母様は90歳近くなのですが、食欲旺盛な方で、お菓子やコンビニ辨當などを一日三食たらふく食べていらっしゃいます。

添加物だらけですから普通だったら、病氣になってしまいそうなのですが、「ぬか漬け」だけは毎日しっかり食べていらっしゃるので、腸内細菌がどんどん不要な物をデトックスしてくれているのだそうです。だから、おばあちゃんはぴんぴんしていらっしゃいました。

そもそもコンビニ辯當(べんとう)とか社會毒入れるのやめよう、という意見もあるかとは思うのですが、現代は放射能や電磁波などそうも言っていられない状況で、どうしてもデトックスが必要になってきます。
 
だからと言ってデトックスサプリなんかに頼っていては短期的には症状が改善しても、長期的には問題先送りになってしまいます。

だから、素材の質がよい「ぬか漬け」を毎日食べていくことで、デトックスを頑張ってくれる腸内細菌を育てることが大事だと思います。

「ぬか漬」で腸内細菌が育てば、クスリやサプリ、機能性食品に賴らずとも、あとは體が勝手に、多少毒物が入ろうが、バランスを取ってくれます。「ぬか漬」は日本國が誇る日本人の健康を守る福音なのです。

二十一世紀は傳統食の時代。日本人が動物性脂肪をとりすぎると病氣になりやすい民族だということは醫學的にも分かってきています。

傳統食ならすべて素晴らしいというわけではありませんが、榮養バランスの良さ、日本人の體質に合っていること、そして何よりも、自然栽培の農作物や天然醸造の醗酵食品の中で生きる菌が腸内細菌の榮養となって「無から有の榮養素を作り出す」元素転換の仕組み。

やはり日本の伝統食は素晴らしいと言えるでしょう。皆様も日本の傳統や文化をもう一度見直して、「ぬか漬け」作りにチャレンジしてみませんか(^_^) 

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*ぬか床の作り方
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▼ぬか床を作る
ぬか床を作る材料は、生ぬか、鹽(しお)昆布の出し汁、唐辛子が基本。生ぬかは、できれば
無農藥・無肥料栽培の自然栽培米からとれた、新鮮で香りのよいものを使ってください。  

ぬかは精米してから3日以上たつと酸化しはじめます。家に精米機がない場合は、米屋さんなどで精米したての生ぬかを調達します。必ず、ご自分の舌で美味しいかどうかを確かめてから購入してください。

新しくぬか床を作る時は既にぬか床を作っている靈止(ひと)から、熟成したぬか床を分けてもらうのがベストです。熟成ぬか床には既に乳酸菌や酵母菌が豐富に含まれていますから、新しいぬか床の発酵が容易になります。熟成ぬか床が手に入らない場合は、「捨て漬け」作業が必要になります。


<新床の材料> キュウリ2~3本を漬ける場合
①熟成ぬか床がある場合
・生ぬか・・・1kg
・熟成ぬか床・・・500g以上
・だし汁(昆布だし)・・・1.1ℓ
・鹽(しお)・・・70g(天日鹽がベスト。菌はケミカルを嫌うので化学鹽は論外)
・唐辛子(粗く刻む)・・・2~3本分

②熟成ぬか床がない場合
・生ぬか・・・2kg
・だし汁(昆布だし)・・・2.2ℓ
・鹽(しお)・・・140g
・唐辛子(粗く刻む)・・・4~5本分


<作り方>
①だし汁は冷ましておく。だし汁を除いてその他の材料をボウルに入れる。
②だし汁を加える。
③ボウルの中でまんべんなく混ぜ合わせる。ぎゅっと握ったときに、指の間に水分がにじむくらいがちょうどいいです。
④容器に移す。手の平で押して中の空氣を抜き、表面を平らにして、容器を密閉する。
⑤表面に白い膜(産膜酵母)が張ったら混ぜ、張ったら混ぜを何度も繰り返しながら、夏場は1か月前後、冬場は3か月前後を目安に寝かせ、黄金色になるまで熟成させる。


▼捨て漬け
熟成ぬか床が手に入らない場合は、野菜を漬ける前に、「捨て漬け」が必要になります。捨て漬けというのは、新しく作ったぬか床に、くず野菜を漬ける作業のことです。
 
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新床に、ぬかのうまみを引き出させ、乳酸菌や酵母の活動を促すために行います。1グラムに十億單位という乳酸菌が活発に働く状態になるには、半年前後はかかります。


▼容器
ふたがきちんとできるものなら、かめでも、ほうろうでも、プラスチック製の密閉容器でも、なんでもかまいません。においがもれずに、小バエや雑菌が入らないものがいいでしょう。

一番長持ちするのは「かめ」です。

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手をぬか床に入れずに撹拌(かくはん)できる市販のぬか漬け専用容器もありますが、自分の手でぬか床を混ぜないと、じかに菌を感じ取れないので、あまりおすすめできません。
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*野菜の下処理
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菌や微生物は農藥や肥料などのケミカルで不自然なものを物凄く嫌います。だから、ぬか漬けには無農藥・無肥料の自然栽培の旬な野菜を使うことが大原則です。下処理の仕方、漬ける時間は野菜によって異なります。大切なのは野菜のアクやえぐみを取ってから漬けることです。

▼そのまま漬けれるもの
キュウリ、ニンジン、ダイコン、キャベツ、ピーマン、カブ、セロリ、オクラ、ミョウガなどは下処理せずにそのまま漬ける事ができる野菜です。食べない部分を切り取り、水洗いして、適當な大きさに切って、ぬか床に入れます。

▼鹽(しお)でもんで漬けるもの
ミズナ、ツルムラサキ、カブ葉、ダイコン葉などの葉物野菜は、鹽(しお)もみをして、水分とアクを出してから漬けます。葉物以外に、ナス、細めのゴボウ(太いものはゆでて漬ける)、ツワブキ、菜の花など、比較的やわらかい野菜も同様です。

▼とぎ汁でゆでて漬けるもの
カボチャ、ゴボウ、ブロッコリー、ジャガイモ、タケノコ、フキ、カリフラワーなどのかたい野菜や、アクの强い野菜は、ゆでてから漬けます。固さが残るくらいまで半ゆでにし、冷水に浸して冷ましてからぬか床に漬けます。
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*ぬか床に漬ける
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下処理した野菜を、ぬか床に漬けていきます。野菜全體が埋まり、空氣にふれないようにするのがポイントです。また、野菜同士がくっつかないように漬けましょう。

野菜が全て入ったら、ぬかを上からたたいて空氣を抜き、表面を平らにならし、まわりを綺麗にふき、密閉します。

漬け時間は、夏はやわらか野菜で6~7時間程度、ニンジンなどかたい野菜は16時間程度、冬はその2~3倍の時間がかかります。

ぬか漬けがいちばんおいしいのは、ぬか床から出してすぐのタイミングです。「出して、洗って、すぐにかじる」これが最高の味です。
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*毎日の手入れ
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ぬか床の適温は20~25℃。靈止(ひと)が快適に過ごせる環境と同じです。リビングの片隅など、直射日光の當たらないところで保管しましょう。

夏場の暑い時期や冬場の寒い時期はエアコンのある部屋に置いて温度調節し、醗酵を促してください。夏場の30℃以上になる時は、冷蔵庫の野菜室に入れたほうがいいでしょう。

1週間ほど外出する時は、空氣を抜いて冷蔵庫内の冷たいところ(5℃以下のチルド室が最適)に置くと、冬眠に入った状態になり醗酵を止めることができます。その後、室温に戻せば4~5時間で復活します。

ぬか床は基本的に、1日1回程度かき混ぜましょう。こうすることで、乳酸菌の異常醗酵を抑え、乳酸菌の數を調整することができます。2~3日混ぜないでいると、表面が地割れしたように盛り上がり、白い膜が張りますが、これは酵母ですから、ぬか床に混ぜ込んでも問題ありません。

正しい混ぜ方は天と地をひっくり返し、眞(ま)ん中は混ぜないこと。そして、混ぜ終わったら表面をたたいて空氣を抜き、ぬか床を平らにし、空氣に触れる面を少なくして酸化を防いでください。
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*たしぬかの方法
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ぬか床の水分が多くなりすぎたときは、生ぬかと鹽(しお)と唐辛子を新たに加えて水分を調整します。これを「たしぬか」と言います。  

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たしぬかの材料の生ぬかは酸化しやすいので、入手したらすぐに鹽と唐辛子を加えて酸化を防ぎます。配合は、生ぬか1キロに對(たい)して鹽(しお)70グラム、唐辛子少々です。たしぬかを作ったらかならず冷蔵庫で保管してください。

水分が多いかどうかを調べるには、熟成ぬか床を片手で1つかみ取って、ぎゅっと握ってみましょう。指と指の閒から水分がにじみ出る感じならベストの状態です。それより多いなら、たしぬかが必要です。

鼻をツンとつくようなにおいがする時は、たしぬかの入れ過ぎで、水がたりない時です。その時は、水を加えればよくなります。逆に水が多すぎると腐敗臭がします。この場合、生ぬかをたしてやります。とにかく、おいしくない香りは危険です。

たしぬかをした後は温度などの条件を整え、しばらくはぬか床をかき混ぜずにじっくりと見守り、乳酸菌が増えるのを待ちましょう。ぬか床の白い膜(産膜酵母)が張ったら、乳酸菌が増えたサインです。


(参考文献)下田敏子著「ぬか床づくり~母から子へ伝えたいスローフード」 

(著者略歴)
下田/敏子。1949年福岡県生まれ。「ぬか床 千束」店主。77年にぬか床料理の食事処「千束」を開店。20年前からぬか床の通信販賣をスタート。「ぬか床110番」として、顧客のぬか床診断や電話相談などに応じるほか、各地でぬか床の講習會を行うなど、傳統的ぬか床を世に廣めることに情熱を注ぐ。


<転載終了>