社会科学者の随想さんのサイトより
http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1061350962.html
<転載開始>
 【鉄壁である「バカの壁」構築作業はたいそう順調であるが,国民生活の最低保障や国家まつりごとでの安寧とは縁遠い安倍政治,その見当違いの体たらくを実証する一現象】

 【安倍晋三の自己満足のために起立・拍手させた疑似熱烈(白熱?)議会の姿は,まるでどこかの共産主義・独裁国の様子を,それも中途半端に猿まねした光景である】

 【メデタサもここまで来れば,極楽的に安楽死の兆候である】



 ①「起立・拍手,若手に指示? 首相演説中 自民『自然発生的』と説明」(『朝日新聞』2016年9月28日朝刊4面)

 安倍晋三首相の所信表明演説中に自民党議員らが立ち上がって拍手した問題で,野党が〔9月〕27日の議院運営委員会理事会で抗議した。自民は「適切ではなかった」と認め,首相に伝えることを約束。野党側には「自然発生的だった」と説明したが,議場内では「指示」が飛び交っていた。

 自民議員らが一斉に起立・拍手したのは,26日の衆院の所信表明演説で首相が海上保安庁や警察,自衛隊をたたえたときだ。衆院の規則違反ではないが,日本では慣例でない行動で,議事進行が遅れた。大島理森衆院議長もその場で注意。佐藤 勉議運委員長は記者団に「自然発生的とはいえ,けっしていいことではない」と述べた。
 補注)本ブログは2014年8月13日の記述で,こういう指摘をしたことがある。その記述では「天皇陛下万歳」が話題であった。

 「2013年4月28日のある式典に参加した平成天皇が退席・辞去するさい『万歳三唱』をしたのが,安倍晋三とその一族郎党であった。天皇は『迷惑であるという表情』さえ顔に浮かべることができない立場であって,そのときの彼の表情は読みとれなかった。しかし,そのときの天皇夫婦の心中に発生した気持は,おそらく『煮えくりかえっていたもの』であったはずである。

2013年4月28主権回復記念式典画像
  出所)2013〔平成25〕年4月28日に開催された「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」,http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/201304/28shuken.html
2013年4月28日記念式典
  出所)「同上式典」で万歳三唱をゲリラ的に発した様子(その犯人は安倍晋三が主導者だったと目されている),http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

 しかし,このたびの国会演説における起立と拍手は,その安倍晋三自身に向けられていたのだから,これは,さぞやたまらなくうれしい議会場の様子であったと,安倍君の心中を拝察する。こういう事象は,ごくふつうに考えると,独裁国家や実質で独裁的な政権を維持している社会主義国家体制の政治模様であれば,しばしばよく発生するものである。このことは細かい説明なしにすぐ理解してもらえるはずである。

 今時の国会で「起こされたこの種の事象」に喜んでいるようでは,幼稚さを上手に反映しているとはいえても,まともな1人前の国家模様の様子とはみなせない。安倍晋三君の「幼稚で傲慢」なナルシズムを満たすために国会が開催されているのではない。起立・拍手した若手議員の奴隷的な服属根性も当然のことながら,とてもではないが,非常にいただけない半人前以前の迎合主義である。最近の国会議員,とくにインフレ的に議員数の多い自民党の選良たちに,その選良さをみいだすことじたいが,このごろでは困難になっている。

 〔記事本文に戻る→〕 だが,関係者によると,演説前の26日午前,萩生田光一官房副長官が,自民の竹下亘・国会対策委員長ら幹部に,「(海上保安庁などのくだりで)演説をもり立ててほしい」と依頼。このとき,萩生田氏は起立や拍手までは求めなかった。

 午後,首相の演説が始まると,自民国対メンバーが本会議場の前の方に座る若手議員に萩生田氏の依頼を一斉に伝えた。当該のくだりで「拍手してほしい」と伝えられた若手もいれば,「立って拍手してほしい」と聞いた若手もいた。

 指示が伝わったのは前方に座る当選回数が1,2回の議員ら。このため,後方の中堅・ベテラン議員のなかには「自然発生」と受け止めた人もいた。なかほどに座る当選3回の小泉進次郎氏は記者団にいった。「あれはない。ちょっとおかしいと思いますよ。自然じゃない」。とはいえ,自身も驚いて立ち上がってしまったという。

 首相は27日夜,東京都内で若手議員らと会食。出席者によると,起立・拍手の話題に触れて,自衛隊員らへの「敬意」の拍手だったから野党議員も座って拍手すれば良かったとの趣旨の話をした。起立・拍手をめぐっては2009年の民主党政権時,鳩山由紀夫首相に民主議員が立ち上がって拍手した例があるが,演説の終了直後だった。
北朝鮮2016年党大会画像
  出所)2016年5月14日の,金 正恩第1書記を軍代表に推戴した朝鮮人民軍の代表会画像,全員が拍手しているが,これをさぼったらただちに抹殺されるかもしれないのが北朝鮮の掟,http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2016/04/14/0300000000AJP20160414004000882.HTML

 ②「『朝日新聞』「天声人語」と『日本経済新聞』「春秋」の寸評を対照させると……」(いずれも2016年9月28日朝刊1面掲載のコラム)

 ① でとりあげたごとき,実にばかばかしいが,考えようによって空恐ろしい光景は,早速,『朝日新聞』1面のコラム「天声人語」と『日本経済新聞』1面のコラム「春秋」で,つぎのように批評されていた。

 1)「〈天声人語〉起立・拍手の光景」(『朝日新聞』2016年9月28日朝刊)

 同調圧力という言葉がある。空気を読んでまわりの行動にあわせるよう,強いられることをいう。就職活動で黒いスーツを着る,ママ友に話をあわせる,カラオケでみながしっている曲を選ぶ……。おとといの衆院本会議でも,それらしい光景があった。

 ▼ 安倍晋三首相が所信表明演説で領土などを守る決意を述べたあと,海上保安庁,警察,自衛隊に「いまこの場所から,心からの敬意を表わそうではありませんか」と呼びかけた。自民党議員たちが一斉に立ち上がって拍手を始め,首相も壇上から手をたたいた。

 ▼ 映像をみて首をかしげた方もおられよう。議長から「ご着席を」との注意があり,生活の党の小沢一郎代表から「北朝鮮か中国共産党大会みたい」との声が出た。

 ▼ 多くの職業のなか,なぜこの人たちだけをたたえるのか釈然としない。あの場で議員たちは,気持ち悪いと思いながらも圧力を感じて起立したのだろうか。あるいは,ためらいや疑問もなく体が動いたのか。

村上誠一郎画像 ▼ 自民党衆院議員の村上誠一郎氏が近著で嘆いている。首相に意見をいえる土壌が党から失われつつあり,「不自由民主党」といっていいかもしれないと。自民党の政治家が「みずからの頭で物事を考え分析することができなくなっていく」とも心配している(『自民党ひとり良識派』)。
 出所)右側画像は,http://www.asyura2.com/14/senkyo167/msg/587.html

 ▼ 首相は以前,自分は「行政府の長」というべきところを「立法府の長」と間違えたことがある。議員1人ひとりがコマのように動かされるだけなら,あながち誤りといえなくなる。(引用終わり)

体制翼賛会欲しがりません勝つまでは画像 --戦争中に体制翼賛会という「戦時体制用の1党独裁組織」が組まれたことがあった。 

 いまどき,「海上保安庁,警察,自衛隊に『いまこの場所から,心からの敬意を表わそう』」と,わざわざ所信表明演説のなかで安倍晋三が強調し,しかもそのくだりで,自民党の揃いも揃った「おバカな1・2年生議員の起立と拍手」を事前において,実質に強いていたらしい様子は,芝居じみている。
 出所)右側画像は,http://withnews.jp/article/f0150731000qq000000000000000G0010401qq000012294A

 しかし,その割りには,意図的に安倍晋三風の軍国主義体制強化のためを想定していて,これに必要な「暴力装置群」=「海上保安庁,警察,自衛隊」を,異様にヨイショしている。安倍晋三の言動を観察していると,いつ戦争になってもいいように,つまり,自衛隊などを有事動員できるようにするための意識改変を試みているつもりである。

 安倍晋三は「戦争と平和」の双方問題にかかわっているのが一国の最高指導者の立場であることを失念している。あるいはまた,その最重要な核心論点を初めから全然判っていない。積極的平和主義が安保関連法の主旨になるといったごとき,「意味不詳である戦争督戦用概念」がとても大好きなのが安倍晋三君の精神構造である。

 だいたい,安保関連法は日本のためのアメリカとの軍事同盟関係を定めたものではなく,「日本国防衛相自衛隊3軍の位置づけ」を,アメリカ軍の三下・下請け軍に位置づけているのだから,自衛隊員にすればはた迷惑どころではない,たいそうに押しつけられている概念である。いままでの自衛隊に関して国民・市民・庶民が抱いている「ふだんの姿」は,こういうものであった。
    被災支援のスペシャリストともいうべき自衛隊員が,さらに多く被災地に派遣されるとのこと。自衛隊員の方々の活躍により,熊本,大分の復興が一日も早く進むことを願います。
 註記)http://grapee.jp/168086
 安倍晋三がそもそも「戦後レジームからの脱却」を唱えるさい,在日米軍基地の除去=完全撤退を不可欠の前提条件にしえないままで,それを強調することほどみごとに愚昧なことはない。

 「戦後ジレーム」というものの本体は,日米安保条約体制の制約のもとで,アメリカのくびきにつながれている,換言すれば「対米に従属している現在日本の状態」をも意味するのだから,その〈脱却の実現〉など,もともととうてい不可能である。その意味では,実体としては「うつろな目標」を,その「連語レジーム」に関して唱えているに過ぎない。一言でいえば「戦後レジームの否定と脱却」とは絵空事。

 したがって,安倍晋三が「海上保安庁,警察,自衛隊に「いまこの場所から,心からの敬意を表わそう」という文句は,その前に,安保関連法のもとでは「アメリカさんのために働かざるをえない気の毒な彼らに対して敬意を表わそう」というべきなのが,より正しい表現である。
犬の散歩と子供
 安倍晋三君の発想は,日本国の首相としてみるに,完全に自家撞着を惹起させている。いうなれば,リードを付けられた犬が,その手綱を握っている主人の「そのまた主人がオレだ」だと,虚空に向かい「吠えていう」のと,なんら変わりない。まるでカリカチュア。
出所)左側画像は,http://gifmagazine.net/post_images/464813(画面 クリックで 拡大・可)
 
 2)「春秋」(『日本経済新聞』2016年9月28日朝刊1面)
 
 カンヌやベネチアなど国際映画祭の名物は「スタンディング・オベーション」だといわれる。作品にエンドマークが浮かんで一編が終わるや,客席から割れるような拍手。しかもみんなが立ち上がり,その喝采の嵐はなかなかやむことがない,という華やかな光景だ。

 ▼ 2013年にカンヌで審査員賞を得た是枝裕和監督の「そして父になる」は,スタンディング・オベーションが10分間つづいた。もっともこの程度は珍しくなく,2004年にカンヌで最高賞に輝いた「華氏 9 11」(マイケル・ムーア監督)が上映されたときは,じつに25分間に及んだそうだ。こうなると拍手も大仕事である。

 ▼ そこへいくとこちらは20秒間ほどだからおとなしいものだが,ちょっと異観ではあった。おととい,衆院本会議での安倍首相の所信表明演説の最中に自民党議員が一斉に起立して拍手を送りつづけたのだ。首相が警察や自衛隊の活躍に触れ「敬意を表わそう」と呼びかけたのに応じたわけだが,議長が着席を促す騒ぎだった。

 ▼ 野党からは「北朝鮮か中国共産党みたいな感じだ」という非難も出た。そこまでいうのは大げさとはいえ,安倍さんが権勢をきわめる自民党の,いまの空気をあらわしていよう。こういう雰囲気のなかで政権におごりはなきや。映画祭では,盛んなスタンディング・オベーションが作品の評価に結びつかぬことも多いと聞く。(引用終わり)

 --安倍晋三に対するスタンディング・オベーションは,それがきわめて作為的であった割りには,北朝鮮や中国共産党のそれよりはだいぶ品質が落ちるものであった。日本経済新聞「春秋」の書き手は,『朝日新聞』の天声人語に比較するにだいぶ控えめであり,かつ遠慮気味に安倍晋三を批評している。

 「安倍さんが権勢をきわめる自民党の,いまの空気を現わしていよう。こういう雰囲気のなかで政権におごりはなきや」とやんわりに批判しているが,まったくそのとおりであることは,国民・市民・庶民の立場からも当然のように出ている反応である。

 日本経済新聞「春秋」を担当するような書き手の存在が,ますます安倍晋三を増上慢にさせることになっている。
 
 3)『スポニチ』(2016年9月27日)が報道した「所信表明演説する安倍首相」に関する記事からも引用しておく。

スポニチ2016年9月27日安倍晋三画像 第192臨時国会が〔9月26日,召集された。安倍晋三首相が衆院の本会議でおこなった所信表明演説の最中に,自民党議員がスタンディングオベーションする “珍事” があった。 -中略-  

 政治評論家の浅川博忠氏は「40年以上政治を取材しているが,こんなことは初めて」と驚きを隠さない。スタンディングオベーションを促した安倍首相の狙いについて「衆参両院で改憲に前向きな議員が3分の2となるなど,自民一強という自信からくる余裕の表れ。東京五輪で現職という夢を実現すべく,長期政権にまい進するというアピールでもある」と分析した
 註記)http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/09/27/kiji/K20160927013429680.html
 出所)同上。

 4)「汚染水漏れ 東電社長らを告発 公害処罰法違反疑い」(『東京新聞』2016年9月2日)という報道があって,こう伝えていた。

 「地下水汚染を無策のまま放置し,もはや手が付けられなくなっている。悪質な犯罪というほかない」。東京電力福島第1原発の汚染水問題で,法人としての東電と幹部を公害犯罪処罰法違反容疑で福島県警に告発した福島原発告訴団は〔9月〕3日,東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し,東電を厳しく批判した。
 註記)http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2013090302100025.html

 これに関していおう。この東電福島第1原発事故現場における地下水汚染水漏れ問題に対して,ぬけぬけと「アンダー・コントロール」だ,

 “The situation is under control.  It has never done and will never do any damage to Tokyo.” だ

といってのけた御仁が,ほかならぬ安倍晋三首相自身であった。そうであったならば,安倍晋三のいまの立場も「悪質な犯罪というほかない」点に通じる場所にいるはずである。この安倍に対するスタンディング・オベーションが必要だとすれば,それはこの破廉恥な基本姿勢そのもののついての〈非難の逆・拍手〉である。
『朝日新聞』2013年9月13日朝刊東電汚染水漏れ記事
 この画像資料(画面 クリックで 拡大・可)は,2013年9月14日『朝日新聞』朝刊1面を写しているが,これからすでに3年が経過した。この件「アンダーコントロール」は,『安倍晋三の嘘』として世紀に記録されるべき迷言となっている。つまり,“The situation is out of control.  It has certainly done and will surely do any damage to Tokyo.”
 出所)画像は,http://blogs.yahoo.co.jp/moritakeue/10107302.html?from=relatedCat



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