新発見。BLOGさんのサイトより
http://shinhakken-blog.seesaa.net/article/453204318.html
<転載開始>
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恐竜の時代から地球に存在していた樹木。木は地球の歴史とともに地中界に根をはって住み続け、地球の大地を知り尽くしている生物です。

あまり知られていなかった樹木は、驚くことに木々同士で会話し合い、時に助け合う地中の社会が存在していたことが分かりました。

これはスピリチャルな幻想でも仮説でもないです。生態学者のスザンヌ・シマードが30年間カナダの森を研究して、木々はお互いに会話をしている大発見をしました。それは有名なTEDで全世界に配信され世界で注目されました。

驚きの地中界ネットワーク。これが木の社会だ。


スザンヌ氏は、森の中のカバノキ、モミ、ヒマラヤスギの三種類の木を実験対象とし、この木をビニール袋で覆いました。

そして、カバノキに放射線と似た炭素ガス14を袋に入れ、モミに別の炭素ガス13を入れたところ、それぞれお互い炭素を交換し合い炭素を補っていたことが分かったのです。

つまり、苗木などが炭素不足の時は一方の木が必要炭素をカバーする為に自分の炭素を送るのです。この実験結果で樹木たちは地中に張り巡らされた根を通じ、会話をしてお互い依存し合って生きていることが証明されました。

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↑この地下の樹木社会には、何百キロもの菌糸体が存在しています。

山や森林を歩くとよく見るキノコは代表ですが、キノコなどの菌糸体は地中で樹木の根に繁殖して情報ネットワークが作られているのです。

同じ種類の樹木間だけでなく、カバノキやモミの木など異なる樹種間も繋ぎ、まさに地下のインターネットのように菌糸体ネットワークを使って木々同士がチャットや情報交換をしていたのです。

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↑また、面白いことに木も皆同じ役割ではなく、人間社会でもあるようにネットワークのハブとなるような情報を把握し相手に伝えたり、世話役をする「母なる木」の存在が分かりました。(濃い緑の丸がハブとなり情報伝達を広げていく)

リサーチによると、一つの森のエリア内には1本の古い「母なる木」が存在し、何百もの木々と繋がっていることが発見されました。

「母なる木」は、まだ若い低木の世話(子育て)をするためにたくさんの炭素を送るそうです。その結果、母なる木の近くにいる苗木の生存率は4倍に上がることが証明されています。

また、ある実験で母なる木の側に苗木を植えると自分の子と認識することが確認されました。

母は子供のために地下の菌糸ネットワークを広げ始め、子に炭素がしっかり行き渡るようにし、同時に子供も根が伸ばせるようスペースを作ってあげると言うのです。

また、感動なのは、母なる木が傷つき死にかけると、自分の菌糸体ネットワークを最大限使って次世代を担う子供たちに炭素や防御信号などを送り生命維持のための伝達をしていることも分かったのです。

森は、単なる木の集まりではなく、人間社会と同じように社会共同体や家族のコミュニティを作り、会話を交わしながら強く生きるために依存し合っていたのです。

もはや単なる「木」とは思えなくなってきましたね(笑)


木の住む社会に人間が土足で踏み込む結末とは?


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そんな木の社会など関係ない!と言わんばかり、人間社会の都合だけで太古から地球に住む生命体の樹木はいとも簡単に破壊されまくっています。表現は荒いですが、もはや「殺されている」という表現の方が正しいかもしれません。

スザンヌ氏は訴えます。
❝ 森は母なる木の存在とともにお互いが交流をしながら、自分達の共同体である森ができています。森の再生能力を高めるのは、多くの母なる木の存在があるからなのです。

それも知らずに母なる木が人間の手により伐採されたら森は元に戻れなくなります

こうした森林破壊(大量殺戮)は、水循環にも悪影響を及ぼし、野生動物の生殖環境を乱し、温暖化の原因を作り、気候変動が起き、結果として残っている樹木にも立ち枯れが増える最悪の環境循環となっています ❞


最近、世界中で頻繁に起きている異常気象もこうした人間による自然破壊の影響が大きいと考えられそうですよね。

最後にスザンヌ氏は人間たちに提案をしました。
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❝ 気候変動など深刻な地球環境問題を克服するために森林を強化させていかなければなりません。森林のコミュニティシステムは、自分達の自己回復力(再生力)があるのです。

人間と同様に自然治癒力を持つ森林の回復力を活かすには、その地域地域の森の管理の仕方が重要となります。

その為に原生林を残さなくてはなりません。原生林には、「母なる木」が存在し、その遺伝子と菌根ネットワークの宝庫です。

従って、原生林の伐採は極力減らさなくてはなりません。その伐採も太古から受け継がれてきた「母なる木」は生かし続けなくてはなりません。

そうすれば、母なる木からたくさんの次世代の若い木に生き抜くための知恵が伝わり、木同士の助け合いによって強い森林の再生力が生まれるのです。

強い再生力には、母なる木を生かし様々な種や遺伝子が備わる森でなければなりません ❞


死にかけている森たちが息を吹き返すには、免疫力の強い自然治癒力のある体質にするための自然保護に人がもっと真剣にとりくまねばならないんですね。

このスザンヌ氏の発見は、木の生命を痛烈に感じる内容だと思いませんか?

地球に住む人間は、木の住む社会に土足で踏み込み好き勝手に殺戮するのではなく、地球の自然ともっと共生していかないと、とんでもない地球、人類の終わりがやってくる気がしてなりません。

(参考:TED「森でかわされる木々の会話 原題: How trees talk to each other」より


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