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<転載開始>
Date:2017.01.11
数年前からじわじわと流行り始め、今ではすっかりおなじみの存在になったスーパーフード、キヌア。
カフェやデリなどでは、キヌアを使ったメニューをよく見かけるようになりました。
キヌアが体に良いのは有名ですが、どんな栄養があって、実際どのような効能があるのでしょうか?
そして簡単な炊き方や調理法などもお教えします。
キヌアについてよく知ると、きっと毎日でも取り入れたくなるはずです!
この記事の目次
7000年も前から存在していたミラクルフード、キヌア!
キヌアは南米コロンビア、エクアドル、ペルーなどのアンデス山脈一帯を原産地とする植物で、昔からアンデスの高地に住む人々に愛され、「母なる穀物」と呼ばれてきました。
主食として食べられていますが、ホウレン草やトンブリ、オカヒジキと同じアカザ科の植物です。
キヌア栽培の歴史はなんと紀元前5千年頃から!その頃、日本は縄文時代前期です。本当に長い間、人々の健康を支え続けてきたのですね。
キヌアは生命力が強く、農薬や肥料なしでも、標高2500メートル以上の高原地帯でも育つため、そこに暮らす人々の大切な栄養源となっています。
キヌアの実がなっているところです。とても綺麗ですね。
何そんなにすごいの?NASAも評価する、驚くべき栄養素!
キヌアはタンパク質、ミネラルや食物繊維を豊富に含み、栄養バランスに優れた食品です。
そして国際連合食糧農業機関(FAO)からも、その並外れた栄養価と多様な農業生態環境への適応能力が、世界の食料危機を救う重要な手段になり得ると評価され、2013年は「国際キヌア年」に指定されました。
キヌアって、そんなにも素晴らしいものなんですね!
ではキヌアと私たちが普段食べている精白米、100g(茹でる前)あたりの栄養素を比較してみましょう。
白米 | キヌア | |
---|---|---|
エネルギー | 356kcal | 368kcal |
タンパク質 | 6.1g | 14.12g |
脂質 | 0.9g | 6.07g |
炭水化物 | 77.1g | 64.16g |
食物繊維 | 0.5g | 7.0g |
鉄分 | 0.8mg | 4.57mg |
亜鉛 | 1.4mg | 3.1mg |
カリウム | 88mg | 563mg |
マグネシウム | 23mg | 197mg |
カルシウム | 5mg | 47mg |
ビタミンB1 | 0.08mg | 0.36mg |
ビタミンB2 | 0.02mg | 0.318mg |
ビタミンB6 | 0.12mg | 0.487mg |
葉酸 | 12μg | 184μg |
パントテン酸 | 0.66mg | 0.77mg |
ビタミンE | 0.1mg | 2.44mg |
- 生理周期によるホルモンバランスの乱れを整える
- 女性らしい体つきになる
- 肌・髪にもツヤが出る
- 更年期の症状改善
- 骨粗しょう症の予防
- 生理痛の改善
- 不妊の改善
- ビタミンB2・B6:皮膚・粘膜が保護され美肌に効果的、脂肪の燃焼を助ける
- 食物繊維:便秘解消、腸内環境改善、ニキビや肌荒れの改善
- ビタミンE:頭皮環境を整える、抗酸化作用で若返り効果
- カルシウム:骨密度低下の抑制、や乳がんの予防
- 鉄分:貧血の解消、生理痛の緩和、臓器の活性化
- リジン(コラーゲン生成に欠かせない必須アミノ酸):肌の再生、免疫力を高め、組織修復が早まります。
- リボフラビン(ビタミンB2):柔らかい肌を作り、皮膚機能を活性化しシミなどを防ぐ
- 飽和脂肪酸 : 摂りすぎると中性脂肪やコレステロールを増加させ、高脂血症や動脈硬化をまねく。バター、ラード、牛脂など。常温で固まるのが特徴。
- 不飽和脂肪酸 : 血中の中性脂肪やコレステロール値を調節する働きがあるといわれ、ある程度積極的に摂取するべき脂肪。魚類やオリーブ油、ゴマ油、シソ油、グレープシード油など。常温で固まりにくく、体内でも液状を保つ。
- 血中の中性脂肪を下げる
- 血栓ができるのを防止する
- 高血圧を予防する
- アレルギー疾患を予防する
- 心臓血管系疾患、心筋梗塞を予防する
- 鬱症状の改善
- 血中コレステロールを減少させる
- 動脈硬化にともなう心筋梗塞・脳梗塞を予防する
- 高血圧・糖尿病など、生活習慣病を予防する
- ガンを抑制する
- 胃酸の分泌を調整して、胃の健康を守る
- キヌアだけで炊く場合:キヌア + キヌアと同量〜1.5倍の量の水
- キヌアと白米を混ぜる場合:お米1.5合 + キヌア0.5合 + 水2合
- サラダ
- スープ、シチュー
- カレー
- パスタ
- リゾット
- 納豆
- ビピンパ
- シリアル
- ハンバーグ
- 餃子
- ミートソース
- 麻婆豆腐
- そぼろ
- ピザのトッピングに
- タマゴサンド、ツナサンド
- マッシュポテト
- コロッケ
- 春巻き
- チャーハン
- 卵料理全般
- グラタン
- パンケーキ
- クッキー
- パン
- スープ、シチュー
- カレー
- リゾット
- ジャム
- フライの衣に
パッと見ただけでも、いかに優れているかわかりますね。キヌア100gでカリウムはキュウリ3本分、食物繊維はバナナ7本分にもなります!
たんぱく質は豊富なだけでなく、さらにそのアミノ酸スコアも高いんです。
脂質は少々高いですが、これは後述しますが良質の脂質なので、心配無用です。
なお、キヌアと同じくスーパーフードとして知られるアマランサス(アマランス)。こちらも栄養豊富で、栄養素はキヌアとほとんど同じです。違いはキヌアよりもビタミンB1、ビタミンB2、葉酸が少なく、鉄分、マグネシウム、カルシウムが豊富という点です。
しかしアマランサスは少し苦味があり、土のような香りがするため、どちらに挑戦するか迷われている場合は、クセがなくほとんど無味で様々な料理に応用が利くキヌアのほうが、日常に取り入れやすそうです。
ホルモンバランス、美肌、便秘など、女性のお悩みににぴったりの成分が満載!
ビタミン、ミネラルはもちろんのこと、栄養一覧には出てこない素晴らしい成分も含まれています。またダイエットや美容にうってつけな特徴もいろいろ!
女性ホルモンに効くフィトエストロゲン
フィトエストロゲンという言葉を聞いたことがありますか?
フィトエストロゲンは、女性ホルモンのように機能する外因性エストロゲンのことであり、植物エストロゲンとも呼ばれる。代表的なフィトエストロゲンには大豆イソフラボンや植物性リグナンがある。フィトエストロゲンのエストロゲン作用により、 乳がん予防効果や骨粗鬆症予防効果が期待されている。
大豆イソフラボンが女性ホルモンと似た成分を含んでおり、女性の健康をサポートしてくれるのは有名ですが、キヌアにもその機能があるのです。そのため、インディオの女性は強く健康的だと言われています。
女性におけるフィトエストロゲンの効能
このような効果に加えて、キヌアの場合は下記のような栄養素も豊富に含まれているおかげで、さらなる相乗効果も期待できます。
キヌアだけでこんなにたくさんの効果効能が得られるんですね!
ダイエットに最適!キヌアは血糖値を上げない、低GI値食品
精白米に比べてキヌアは約半分の糖質量。それだけでも健康効果がありますが、更にキヌアは食べた時にも血糖値が上がりにくい、低GI値食品なのです。
GI値とは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食後の血糖値の上昇度を示す指標のこと。つまり、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示しています。
低GI食品とは、この血糖値の上昇を招きにくい、つまりは太りにくい食品なんです。
WHO(世界保健機関)からも、低GI値食品が肥満や糖尿病のリスクを低減させるというレポートが出され、世界の食品メーカーはさまざまな研究を行い、低GI食品の供給を進めています。
ブドウ糖を100とした場合、この数値が60以下であれば、血糖値の上昇はゆるやかで安心な食材、61~70の場合は要注意食材として空腹時を避けるなどの工夫が必要、71以上の食材は血糖値を急激に上げる厳重注意食材です。
ほとんどの野菜や肉類、ナッツなどは低GI値なのですが、主食、穀類は総じてGI値が高い傾向にあります。
主な主食のGI値
厳重注意食(71以上) | 食パン91、じゃがいも90、白米84、うどん80 |
---|---|
要注意食材(61〜70) | 胚芽米70、とうもろこし70、そうめん68、スパゲティ65 |
安心食材(60以下) | ライ麦パン58、玄米56、全粒粉パン50、キヌア35 |
なんとキヌアは超安心の35!!
これには、キヌアの豊富な食物繊維が深く関係しています。食物繊維のはたらきで、糖分の吸収を穏やかにしてくれるのです。
脂質イコール悪ではありません。キヌアの脂質はどんどん摂りたい、良い脂質!
先ほど、キヌアは白米に比べて脂質が多めですが、良質の脂質なので問題ないと述べました。キヌアに含まれる脂質のほとんどがリノレン酸、オレイン酸といった不飽和脂肪酸。身体にとって、なくてはならないものなんです。
不飽和脂肪酸は、血液をサラサラにしてくれる!
脂質は、大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられ、それぞれの性質はまったくといっていいほど違います。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違い
一般的に油は身体に悪いなどと言われているのは飽和脂肪酸のほうですね。もちろんその中にも必要な栄養素はありますが、摂りすぎは禁物です。
不飽和脂肪酸は、体内でも固まりにくく、血管にこびりつくこともありません。中性脂肪やコレステロール値も正常に保ってくれる、強い味方なのです!
中性脂肪を下げるα-リノレン酸(オメガ3)!
身体に必要なのに体内では合成できず、食品からとらなければならない油の成分を必須脂肪酸といいます。リノレン酸はそのうちのひとつです。
リノレン酸の健康効果
リノレン酸は外から摂り入れるしか方法がないので、積極的に摂取したいものなんです。
悪玉コレステロールをやっつけてくれる、オレイン酸(オメガ9)!
オレイン酸は、余分なコレステロールを運び出してくれる善玉コレステロールを減らさずに、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールだけを減らす働きがあります。
地中海地域の人々が、たくさん食べ、ワインをよく飲むにもかかわらず心疾患が少ないのは、オリーブオイルのおかげという話を聞いた事がありませんか?
その健康効果も、オリーブオイルがこのオレイン酸を豊富に含むからなんです。
オレイン酸の健康効果
また、オレイン酸は美肌にも一役買ってくれます。皮脂を構成している脂肪の中で、最も大きな割合を占めるのがオレイン酸なのです。オレイン酸は、皮膚を柔らかくする効果があるので、お肌のごわつきや小じわなどを抑制・改善してくれます。
油が多いと太る!というのは間違いで、このように積極的に摂取するべき脂肪もあるのです。キヌアはそれらを豊富に含んでいるんですね。
炊くと大きく膨らむから、カロリーを抑えながら少量でも満足!
生の白米を炊くと、どのくらい体積が増えるかご存知ですか?正解は、2.2倍。100グラムの白米は、炊飯されると220グラムになるという計算です。
では、キヌアはどうでしょうか?なんと、5倍にもなるんです!白米の2倍以上ですね。
つまり、100グラムあたりのキヌアとお米のカロリーは同じくらいでしたが、これは炊く前の状態の話なので、実際に炊いた状態で見ると、キヌアの体積は白米の2倍以上になるということ。
ということは、生の状態なら、キヌアはお米の半分の量で、同じ体積になる。つまり炊きあがってお茶碗によそった同じ量のお米とキヌアでは、キヌアのカロリーはお米の半分ということです。
キヌアはよく水分を含むので、炊いたキヌア100グラム中、70グラムが水分になるんです。
お腹はいっぱい、カロリーは抑えられ、お財布にも優しい!良いことずくめです!
健康効果をちゃんと出すには、1日にどのくらい食べればいいの?
栄養満点のキヌア、1日にどのくらい食べれば健康効果があるのでしょうか。
何か特定の疾患を治すために食べる!といったものではないので、決まった分量はありません。どんな食べ物もそうですが、たまに大量に食べるのではなく、毎日少しの量を継続したほうが健康効果は高くなります。
15年以上キヌアの研究を続けている、大阪市立大学名誉教授で日本キヌア協会会長でもあるの小西洋太郎先生によると、ブラジルの研究では30日間、1日20g(茹でる前の分量)のキヌアを食べると血中コレステロールと中性脂肪の低下が認められたそうです。
茹でる前で20gということは、茹でた後で100g。ふつうのご飯がお茶碗1杯で150gなので3分の2ほどです。ちなみによくある3つパックのヨーグルトのサイズが、1つ100gです。
こんな無理のない量で脂肪が低下するなんて、すごいですね!
一番簡単な調理法は?保存はできる?レシピは?
キヌアはただ茹でるだけでOKなうえ、匂いも味もクセがないので、とても応用のきく食材!
ここでは簡単な茹で方と、応用調理のパターンをいくつかご紹介します。
炊飯器で簡単に炊く方法
炊飯器を使って炊くのが、一番簡単な方法と言えそうです。
あとはスイッチオンで完了です!
料理酒があれば大さじ1加えるとより一層柔らかい風味になります。キヌアは固めならプチプチ、柔らかめならふわっと炊き上がります。お好みで水の量を調節してみてください。
鍋で茹でる方法
こちらは特に計量の必要はありません。鍋にキヌアと水を入れ、フタをして強火にかけます。沸騰したら弱火にして、10~15分茹でましょう。
まわりに輪のように見える白いひげが浮いてきて、半透明になったらOKです。茹で上がったら、ザルにあけてお湯を切って、完了です!
何日もつの?冷凍保存はできる?
茹でたものはタッパーやジップロックなどの密閉容器に入れ、冷蔵庫で2~3日保存が可能です。
冷凍なら2~3週間ほど保存できます。小分けにして、使う分だけ解凍しましょう。解凍は自然解凍でも、レンジでチンしても、お鍋に入れても大丈夫です。
いつもの料理の出来上がりに加えるパターン
茹でたキヌアをいつものメニューに足すだけの、一番簡単な方法です。買ってきたものでも簡単に加えることができるのがキヌアのいいところ!
カフェなどで一番ポピュラーなのは、なんといってもサラダですね。普段のサラダにそのまま入れたり、写真のように、細かくカットした野菜や豆などの具材だと、よく絡んでより食べやすくなります。
キヌアはクセがないので、どんなテイストにも合います。例えばこんなものにも、加えてみましょう。
また、ランチはコンビニ派の方でも、キヌアだけ持参すれば、サラダにのせたり春雨スープに入れたりパスタにからめたりなどするだけで、ぐんと栄養アップすることができます!
作る時に茹でたものを混ぜるパターン
先に茹でておいたものを、調理の際に混ぜて使います。
ひき肉や卵を使った料理や、作る時に混ぜ込めるようなメニューであれば、ほとんどのものに応用できます!
作る時に生のまま混ぜるパターン
10分以上煮込むようなものなら、具材と一緒に生のまま入れればバッチリです。また、フライやフリッターの際に、パン粉の代わりに使うこともできます!
工夫次第でいくらでも応用が効くキヌア、毎日食べるのにもぴったり!
これだけ色々なものに使えれば、毎日食べるのにもまったく苦労しなさそうですね。
どんな健康法でもそうですが、単発ではあまり意味がなく、毎日続けることが大切です。キヌアなら無理なく続けられるのではないでしょうか。
今日からキヌアを取り入れて、ヘルシーな食生活にワンランクアップしてみましょう!
<転載終了>