http://moriyama-law.cocolog-nifty.com/machiben/2018/10/post-eef1.html
<転載開始>
2018年10月 9日 (火)
驚くべきことは、書籍とネット以外の場では、ほぼ完全にISD条項の問題は無視され続けてきたことだ。いまだにメディアの無視は続いている。
僕が気づいた範囲で、表の場でISDSがまともに取り上げられたのは、1回しかない。
おそらく2013年だと思うが、NHKのニュース9のクルーが、カナダまで取材に行ってNAFTAのISDS条項の実態を報道しただけだ。
そして、メディアにおけるTPPに関する異論の排除は民主党政権時代から、すさまじかった。
TPP関連では、岩上安見さんが、特ダネでTPPの問題点に触れた途端に長く努められたゲストコメンテーターを外され、
同じく特ダネで、TPPの専門家として呼ばれた中野剛志氏が「TPPは、百害あって一利なし」と断言したために、以来、TPPの第一人者であるにもかかわらず、中野剛志氏の姿は二度とテレビで見ることができなくなった。
たまたま生放送で見ていて、小倉智昭の慌てぶりが半端でなかったのに強い印象を受けたものだ。
つくづく思うのは、日本の公法学者のふがいなさである。
NHKのカナダロケでは、正式にISDSを提起された訳ではないが、ISDSの影響をによって政府の政策や法規が変えられた例が少なからずあることを大学の研究者が研究していた。
ニュージーランドのジェーン・ケルシー教授はむろん、米国では憲法学会の大御所であるトライブもISDSについて反対の意見を表明している。
にも関わらず、NAFTAでISDSが葬り去られようとする今に至るまで、日本の公法学者はISDSについて沈黙を守っている。
極めてお寒い、おぞましい状態にある。
憲法や行政法の学者が、あるいは国際経済法以外の国際法分野の学者が、きちんと専門的な立場からISDSを批判すべきである。
日弁連も司法の独立が大切なことだと考えるなら、スタンスを明確にすべきである。
その思いは、今でも変わっていない。
思えば、たまたま韓国の知り合いから、韓国の法務省と最高裁が、ISDS条項の問題点を詳細かつ深刻に受け止めて、これを韓米FTAから除こうと必死に努力した模様を伝える内部文書を入手することができたこと、これを親しい方に翻訳してもらえたことが、僕が自信を持って、発信することができるようになった、全ての出発点だった。
法律のエリート集団が、主権侵害であり、あるいは韓国憲法に違反すると結論づけていることは、僕にとって、何よりの確信を与えてくれた。
当時はワード版でしかアップできなかったが、今はPDF化したものをホームページの左欄に挙げている。
パク・チュソン議員「投資家-国家紛争解決制度 国内法律機関等の検討」
ISD条項の罠2 外国投資家に国家を超える特権を与えるISD
ISD条項の罠 番外 TPPを慎重に考える会学習会(第44回)
2013年2月21日 7の代わり
番外 TPPは不平等条約と呼ばれる日が来るだろう
2013年3月13日
番外 オバマ大統領には何の交渉権限もない 日米首脳会談の想像を超える茶番劇
ISD条項の罠15 Metalclad-メキシコ ケーススタディ
ISD条項の罠17 翻訳されない「otherwise」 環境・健康保護の核心条項に仕組まれた罠
2015年5月7日
7番、14番、16番が欠番のようである。
まあ、それにしてもよく集中して書いたものだ。
この間にWTO最大の毒素条項であり、グローバリズムが普通の市民にとっていかに歪んだものであるかを端的に示すSPS協定の難解な条項も読み解こうとしていたのだから、我ながら、たかがマチベンが、よくもまあやってたものだと思う。
グローバリズム経済法の世界は、何もかもが、悪い意味で、想像を絶する驚きの連続だったので、つい深入りをしすぎた。
多分、庶民派の弁護士だから、企業論理に絡め取られず、批判的視点を維持できたのだと思う。
それにしてもISDSに対する、メディアの無視・隠蔽は、直面する日米FTAで、ISDがどう扱われるのか、最悪の事態しか想像させない。
トランプ「シンゾ-、俺はISDは要らねえ、と言ってるんだぞ」
シンゾ-「ドナルド、ISDはTPPの中においてですね、重要な、ということは核心的な原理、これなくしては自由とはいえない、TAGとはいえない、そういうものです。
」トランプ「分かってるのか。ハイエナどもが日本を餌食にするということだぞ」
シンゾ-「この道しかありません。堂々と、確信をもって、受けて立ち、餌食になります」
トランプ「そんなに言うなら、俺の好みではないが、入れさせてもらうか」
日本がISDSを推進し、渋るトランプを説得して、ISDSを日米FTAにおいて導入する。倒錯した未来が眼に浮かぶ。
この間、ISDの紹介では、新聞では、国連に常設された裁判所に訴える制度ととする新聞記事を複数目にした。
その後、誤報として訂正されただろうか。
メディアは、ISD条項と呼んでいたのをあるときを境に一斉にISDS条項が正式名称であるとして呼称を長いものに変えた。出所は国際経済法学者が、ISDSが正しいと断言したからだ。
グローバル資本にとって、権威あるピーターソン研究所が「ISD」と呼称していることを知って、騙されたとは思わなかったのだろうか。
ISDは1億円をハイエナ弁護士に払って、相手国政府を訴えることのできるグローバルな企業にとってしか、意味を持たない。
一般の市民から見れば、異形なものとしか言いようがないものだった。
だから、震源地であるNAFTAで姿を消すのだ。
米国では、米国州立法者協議会、米国州最高栽判事協会、州法務部長官協会、要するに州の3権を担う者の全てがISDSに反対していた。
スティグリッツやローレンス・トライブ(米国憲法学の大御所)らも厳しくISDSを批判している。
ニュージーランドやカナダの法学者もその専門分野で、ISDSに反対する活動を続けている。
たかがマチベン(2級国民である)に任せて、異様な沈黙を守る、日本の公法学者は、恥を知れ。
<転載終了>
このバーニー氏の例で分かるように、現時点で政治家で居られるということは、表面上では良いことを言い、善人のように見えても、相当悪に加担しているという事です。
西洋では政治学校のようなものがあり、演説、話し方、シンパチックな行動 etc.を学びます。
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