https://news.livedoor.com/article/detail/20028694/
<転載開始>
ジャガイモは、太陽に当たると芽や緑色の部分にソラニン、チャコニンなどの天然毒素がたまる。食べると食中毒の原因となるが、加熱しても毒性が失われにくく、この部分を取り除くしか方法がなかった。同チームはゲノム編集技術を使い、ジャガイモの遺伝子情報のうち、この毒素を合成するSSR2と呼ばれる酵素を機能しないようにして、毒素の含有量を大きく減らすことに成功した。
野外実験は茨城県つくば市の同機構の2アールのほ場で実施。4月下旬から8月上旬までの「春作」と、8月下旬から来年1月上旬までの「秋作」の2回行う予定。実際にジャガイモを収穫し、生育や収量などを詳しく調べる。
ゲノム編集ジャガイモと一般のジャガイモが交雑したり、他のジャガイモに交ざったりしないよう、管理を厳しくする。他のほ場とは20メートル以上の十分な距離を取り、漏れ出しを防ぐ構造の容器に入れて運び、不要になった収穫物は不活化して廃棄する。文科省は受理にあたり、こうした対策が妥当だと認めた。
ゲノム編集作物を販売・流通するには、野外実験の結果を踏まえ、農林水産省と厚生労働省への届け出が必要だ。日本では20年12月、血圧を下げる作用のあるガンマアミノ酪酸(GABA)の生成を抑制する遺伝子機能を壊し、GABAが通常よりも多く含まれるようにしたトマトが、国内初のゲノム編集作物として厚労省に受理された。
同チームは、毒素を含む芽がそもそも出にくいゲノム編集ジャガイモも研究している。実現すれば、発芽による劣化や廃棄を防ぎ、長期保存ができるなど、食品ロスの減少に貢献できるという。チームの村中俊哉・大阪大大学院教授(細胞工学)は「詳細にデータを取り、市場化を目指したい」と話す。ゲノム編集作物に詳しい大阪府立大の小泉望教授(植物分子育種学)は「ジャガイモは市場規模が巨大で需要が大きく、市場化されれば日本の農業を活気づけるだろう」と話している。【大迫麻記子/デジタル報道センター】
<転載終了>
https://news.livedoor.com/article/detail/20042072/
ヘレン・ブリッグス、科学担当編集委員
ヒトの細胞を含んだサルの胚が、研究施設でつくられた。15日付の米科学誌セルで発表された。これを受け、生命倫理をめぐる新たな議論が沸き起こっている。
この研究はアメリカと中国の合同チームが取り組んだ。米ソーク研究所のホアン・カルロス・イズピスア・ベルモンテ教授がチームを率いた。
科学者らは、ヒトの幹細胞をサルの胚に注入。成長を続ける胚を20日間研究した。幹細胞は、体のさまざまな部位に分化する能力をもつ。
異種の遺伝子型の細胞が混在している「キメラ」と呼ばれる胚は、これまでもつくられてきた。2017年にはベルモンテ教授も関わり、ヒトとブタのキメラ胚が世界で初めてつくられた。ヒツジの胚にヒトの細胞を加えた例もあった。
同教授によると、そうした研究は、移植用臓器の深刻な不足を改善する可能性がある。また、人間の初期段階の成長や、病気の進行、老化について理解を深めることにもつながるという。
「キメラの研究は、生命の最初期だけでなく最終期における生物医学研究を前進させるのにも、とても有用だ」
ベルモンテ教授は、研究は倫理的および法的なガイドラインに沿ったものだと話す。
「究極的には、私たちは人間の健康を理解し増進させるために、こうした研究をやっている」
倫理的な懸念
科学者の中には、今回の実験に懸念を表明する人もいる。今回つくられた胚は20日で破壊したが、それ以上研究を進めようとする人が出てくる可能性もあると訴えている。
また、ヒトとそれ以外のキメラをつくることの影響について、社会的な議論が必要だと主張している。
英イースト・アングリア大学医学部で生物医学倫理を教え、研究もしているアナ・スメイダー博士は、今回の実験が「重要な倫理的、法的問題」を突きつけていると話す。
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