本山よろず屋本舗さんのサイトより
http://motoyama.world.coocan.jp/
<転載開始>
 今から11年前の当HPの記事ですが、『生活に必要なお金の話』(2011年6月16日)で、神秘家ドランヴァロ・メルキゼデクさんのお金にまつわる体験を紹介したことがありました。
 興味がある方はその記事を読んでいただきたいのですが、簡単に言うと、ドランヴァロさんが車のガソリンが無くて困っていたとき、ドランヴァロさんの前に忽然とりっぱなガソリン缶が出現したという話です。
 また、お金が底を尽きそうになったとき、カナダの森深く住むドランヴァロさんの処に、昔お金を貸した友人がわざわざ訪ねてきて、お金を返してくれた話です。それも2回たて続けに起こります。
 当時ドランヴァロさんは天使と会話でき、天使たちから生活費の面倒はこちらでみるから、瞑想を続けるように言われていたといいます。
 もちろんそうした特殊な状況にあったことは確かだと思いますが、私はこうした現象は、並木良和さんの「最適化の法則」を思い出させます。
 有名な「引き寄せの法則」は、意図する(願う、イメージする)ことで、望む現実を引き寄せることですが、「最適化の法則」は、意図する必要すらなく、自然にその人が最高(最適)の人生を歩むことができるように周りの環境が整っていくという現象です。
 ただし、この「最適化の法則」は誰にも起こることではなく、そのレベルのゾーンにいる人だけに起こる現象だといいます。
 そのゾーンに居る人とは、たとえばスピリチュアルのマスターのような存在だそうです。(こういう表現が適切かわかりませんが)平たく言うと、波動の高い人ということだろうと思います。
 この「最適化の法則」が起こったとしか思えない現象が、『地球人が知らないお金の話』(サアラ著、大和出版)に載っていたので、まずそれを紹介させていただきます。
 サアラさんが離婚した直後で、幼い子供3人をいかに育てるかという課題に直面した時期のエピソードです。
 ・・・<『地球人が知らないお金の話』、p109~p112から抜粋開始>・・・

 お金は必要なときに入ってくる

 私が最初にしつこく言われたのは、「お金に人生を決めさせない。今あるお金は気持ちよく使う」ということでした。
 これを自然に実践できるようになるためには、自分にとってもほんとうに必要なことであれば、必ずお金は必要なときに入ってくることを、信じるレベルではなく、自分にとっての真実として知るレベルまで、何度も経験を積む必要がありました。
 あるとき、友人がとても素敵な旅行の企画を立てていました。私はぜひとも参加したいと思ったのですが、当然そんなお金はありません。何しろ、冷蔵庫の中に鮭が一切れ、ホウレンソウが半把、牛乳、バター、卵数個しかない! そして財布には3000円、銀行は空。そんな状態で食べ盛りの子供もいるのですから、普通に考えたら旅行なんかとんでもありません。
 しかし、能天気な私は、この旅行は私に必要だから友人が誘ってくれたに違いないなんて考えながら、なんとなく使い古したボロボロの鞄を、さすがにもう処分しようと思って中身を確認していると、茶封筒が入っています。その中にはなぜか旅行に必要な23万円がきっちり過不足なく入っているではありませんか!
 貧乏な私がそんな大金を忘れるはずはありません。
 また、あるとき京都の大学に通う娘が、4月から使う教科書代を振り込んで欲しいと言いました。なんと教科書に10万円もかかると言うのです。そんなお金はなかったけれど、娘には、わかったとだけ伝えておきました。
 そして、なんとなく普段あまり開けることのない引き出しの整理をし始めました。すると古いノートの間から10万円出てきました。

 ケチな人はお金にも人間関係にも豊かになれない

 このように、私にとっていつしかお金は降ってくるもの、湧いてくるものという感覚が自然と身についていきました。ですから、自分の魂がお金を与えてくれなければ、買わなくていい、もしくは行かなくていい、やらなくていいことです。なんて便利なんでしょう。自分で迷わなくていいわけです。
 そして、お金がなくても案外ちゃんと生きられるものなのですよね。なんだかんだと言って、贅沢はできなくても、子供たちもちゃんと育ってくれたし、毎日食べさせることもできました。
 大切なのは、エゴがきちんと魂に同意して、従えるかどうかのように思います。魂に従って素直に生きれば、生活に困ることはないのです。
 それでも、もちろん成長のために必要な困難は与えられますから、ドキドキしたりハラハラしたりすることもたくさんあります。何も悩みがなくなるなんてことはありません。むしろ理解できないことや、知ることが困難なことにたくさん悩みました。けれども、困難を乗り越えたときには、一回りも二回りも大きくなった自分が、さらに多くの可能性に向かって、誇りを持って晴れやかな気持ちで前進しています。
 イッチーはいつも言います。「ケチは大敵!」「人間はすぐにケチになるんだから、いつになったらその貧乏癖を返上するんでしょ」
 多くの人が贅沢はよくないことのように思わせられています。それと同時に、自分の労力も出し惜しみしています。これがまさに奴隷根性、貧乏癖だとイッチーは繰り返し言います。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 さて、サアラさんが言う「イッチー」とは誰でしょうか。
 市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)と呼ばれる霊的存在で、サアラさんにお金に関する教授をしてくれる存在とのことです。
 サアラさんは、親しみを込めてイッチーと愛称で呼んでいるようです。
 これを読まれて、「ああ、そんなゾーンにいる人だから、最適化の法則のようなことが起こるんだ。私のような普通の人じゃ無理ですよね・・・」と思われた方は多いかもしれません。
 全然、そんなことはありません。
 なにしろ普通の人間である私にも起こったのです。
 私は東京から長野に引っ越し、アルバイトも無くなり、日々の生活費でわずかな預金も無くなりかけていました。
 そんな時に歯が痛くなり、歯医者に診てもらったら、数十万円の治療費が掛かることがわかりました。それも1本ではなく、数本です。
 全部の治療費と長野から東京の歯医者に通う交通費を足すと、100万円近く掛かるかもしれない、という状況に追い込まれました。
 そんな状況のとき、突然まるで空からお金が降ってきたように、お金が入ってきたのです。もちろん、引き寄せの法則のように意図したこともありません。
 思ったのは、「やばいなあ~、お金無いんだよな~。また東京に出て仕事を探すしかないかなあ・・・、でも今はコロナで仕事ないだろうな・・・」といったことでした。
 そんな折、「100万円あげるよ」と言われたのです。
 100万円くれると言った人がこの記事を読む可能性もあるので、詳しい状況は書きませんが、まさしく天からお金が降ってきのです。
 ですから、「私には無理」とは絶対に思わないでほしいのです。
 ドランヴァロさんやサアラさんのような霊的能力の有る無しに関わらず、これは誰にも起こることです(何しろ普通レベルの私に起こったのですから)。
 私には、最終的に250万円ほどのお金が降ってきました。
 これで歯の治療の他に、懸案だった当面の生活費もなんとかなってしまいました。
 つまり、こうしたことは夢物語や仮想の話ではけっしてないのです。
 要はサアラさんが指摘するように、

「大切なのは、エゴがきちんと魂に同意して、従えるかどうか」

 です。
 別の言い方をすると、こうした話を心の底から信じられるかどうかです。
 「最適化の法則」を信じられない人、または信じられるけれども自分には起きないだろうと諦めている人には起きません(断言します)。
 なぜなら、「自分には起きない」と本人が決めているからです。
 宇宙は、本人が心の底から起きると信じていることを起こすと言われているからです。

 スピリチュアルに詳しい人で、瞬時に願いが実現するあの世と違い、願いが叶うのに長い時間が掛かるこの世を評して、“苦しみに満ちた世界”と表現する人がいます。
 不自由を体験する為に生まれてきたというのは、その通りだと思いますが、その人の人生をどのような姿勢で体験するかは、その人の選択です。
 人生は困難に満ちており、苦難を味わいながら生きていくものと信じている人は、そうした苦しみに満ちた人生を送るでしょう。一方で、楽に楽しく生きると選択した人は、楽で楽しい人生をおくるでしょう。どちらの人生も優劣はなく、貴重な体験です。
 この記事を読まれている訪問者の方は、どちらを選ばれるでしょうか。
 私は、楽で楽しい人生をおくりたい方です。

 さて次に、『地球人が知らないお金の話』に載っているサアラさんと西尾さんの対談を紹介させていただきます。
 西尾さんは、「FOTTO.TV」を主催されている方で、私はそのメルマガの一読者です。
 西尾さんは京都大学を卒業して日本興業銀行に就職されたという、いわいる一般的に言われるエリートです。そのエリート人生を捨てて、ネットビジネスを始めたという異色の経歴の持ち主です。
 その西尾さんとサアラさんのお金にまつわる会話がとても面白く、ここで紹介させていただきたいと思いました(少し長いですが)。
 西尾さんは家庭がある身の上で、大手銀行を辞め、エリートサラリーマンの座を捨てると決断します。サアラさんは、子供が育ちざかりのときに離婚し、身一つで子供たちを食べさせていかなければならなくなります。
 そうして点を前提に読んでいただければと思います。


 ・・・<『地球人が知らないお金の話』、p260~p281から抜粋開始>・・・

 無責任という霊的な責任が大事です

西尾 あとね、向いてないって思う人は結構いても、それはまさにこの本のテーマなんですけど、選択肢がないって思う人が多いと思うんですね。やめたいけど、じゃあお給料どうするのってなるでしょ。そのときに「あんた何言ってんのよ」「子育てどうするんですか」って奥さんに怒られるし。僕ぐらいの年齢になったらもう子供が成長してるから、だから50代がチャンスだと思ってるんです。30歳、40歳ぐらいで子供がまだ学校行ってたりするとね、社会的に「無責任だ」ってなるじゃないですか。「あんたのダンナは何考えてるんだ」ってなるでしょ。それも「俺は知らねえ」って言って、バンってやめちゃえるっていうのは社会的にいうと批判される行動ですよね。だから僕の場合、ある意味無責任だったんですよ。

サアラ いや、でも、その無責任っていう責任が大事な気がするんですよ。社会的には無責任であっても、人として自分自身に霊的な責任を負う、これが難しいんですよね。私もそうでしたね、この人生違うわって見切りをつけて離婚したときは、まだ子供が中学生と小学生二人だったんで、ある意味無責任なんですよ。何の保障もないまま子供を連れて出て、どうやって食べさせていくのか。保障は何もないまま、でもなんかかんか食べさせていきましたけど。無責任な行動を私もとったし、そういう意味では西尾さんと同じですね。

西尾 サアラさんはこの本にお金は湧いてくるとか書いてるじゃないですか。確かに窮地にも陥るんですよ、とっても山あり谷ありで。でも意外となんとかなるっていうのもあるんですよね。
 それとサアラさんがおっしゃってるテーマだと思うんですけど、魂ってものがあって、魂が肉体に宿って、要するに魂の目的に従って生きるっていうテーマがあったときに、そりゃもちろん当然ながら主人公は自分じゃないですか。だから自分が考えるか感じるか、脳で考えるのか、魂から命令が伝達されるのかわからないけれど、自分が主人公として生きている人たちの集合体が、やっぱりいい未来っていうか、いい宇宙につながっていくんだろうなっていう気がするんですけどね。だから僕は諸悪の根源は株式会社って制度じゃないかと思ってるんですよ。セルフイメージを会社に乗っ取られているんですよね。
 今は違うかな、僕らが入社した頃は、自己紹介で名刺を出すときに、例えば僕でいうと、何とか銀行の西尾ですって言うじゃないですか。セルフイメージが西尾よりも銀行のほうが強いんですよ。だからお前、何とか銀行でやってるんだからそんな変なこと外で言うなみたいなことを言われたし、俺はこう思うけど、銀行員としての僕はこう思わないといけないみたいな感じがありました。
 それから、反復が人生を変える、繰り返しが人生を変える、習慣が人生を変える、っていう成功哲学の教えがあって、だから毎日やれってことなんですけどね。毎日銀行に行って、毎日上司からあれやれこれやれって言われて、ある意味洗脳ですよね。奴隷的といいますか、会社が儲けるためにあなたはこう動くべきなんだみたいなことの刷り込みがなされるわけです。
 それはあなたが幸せに生きるためにこうやるべきだという感じではなくて、会社が儲かったらあなたに給料が払えるから、あなたもそれで間接的に幸せになるんだから会社の言うことを開けということで、直接的には会社の言うことを聞けと毎日言われちゃうわけですよね。そうすると自分が運転席に座ってないんですよ。自分が右にハンドル切りたくても、会社にまっすぐ行けと言われたら、もうしょうがないまっすぐ行こうってなっちゃってるじゃないですか。だから、ある意味このシステムの主人公は会社なんですよ、と僕は思うんですよね。

 会社は人を幸せにしないパケモノ

西尾 ラグビー精神を語る言葉に、One for All, All for Oneというのがあります。人はみんなのために、みんなは一人のためになどと訳されます。みんなチームのことを考えるが、それと同等に一人ひとりも重要だ、くらいの意味だと思いますが、今の会社というシステムは、この後者が欠けていて、前者に偏っていると思います。
松下幸之助とか本田宗一郎がいた頃はなんか夢があってね、電球作ろうとか、車が走るとかとか結構よかったような気がするんだけど、今はディープステートかなんかわかんないけど、とにかくバブルが崩壊して、銀行が傷んじゃって公的資金とか入れたりなんかして、竹中平蔵とかが会社の目的は利益を出すことなんだって言って、あれね、あれですごく変わったんです。
 会社っていうのは利益を追求するべきであって、もっと具体的に言うと、ともかく株価を上げることが求められるようになりました。株価を上げるために経営者はいるんだぞ、と。だからある意味株主に経営者は雇われているイメージで、社長よりも株主のほうが偉い。
 あの頃から証券アナリストとかめっちゃ偉そうにしだして、決算説明会っていうのもあって、例えば昔ながらの大きな会社で社長がバーっと説明するじゃないですか、そうすると50代ぐらいの偉そうなアナリストが質問して、「それ、株主のこと考えてやってんですか」とか、「どれぐらいのリストラするんですか」とかね、社長とかにガンガン聞くんですよ。「私たちは社員のこと考えてるんであって、株主のためにやっていません」とバンって言うと、次の日は株価暴落ですからね。
 だから明らかにあのとき変わったんですよ。バブルが崩壊して日本が傷んだときに外人投資家とかが出てきて、株がうわーって買われて、株価を上げろ株価を上げろっていうことになった。それで味を占めたから、今も続いてますよ。利益を追求することが正しい。利益のためには従業員をリストラしろと、従業員をいじめて、利益を上げていく。一部の優秀な人はいいんだけど、それ以外の大多数はほとんどお給料が上がらないわけじゃないですか。

サアラ それはもう外人投資家のためにやらされているようなもんですよね。

西尾 そう、だから会社での職制が高い人も実はそんなに儲けているわけでもなくて、だから会社というパケモノですよね、なんとなく。利益追求システムというバケモノが跋扈(ばっこ)してるから、意外とほとんどの人間は幸せではないんだよね。

サアラ 何が利益なのかっていう、そこがもう間違ってるんですよね。本来だったらそこに参加している一人ひとりの社員なりの生活の質が向上することが利益だっていう考えが根本的に必要じゃないですか。だけど会社が金儲けするということだけが利益になってるでしょ。だからお金っていうものに絶大なる価値をつけている。これはもうお金信仰ですよね。

西尾 僕ね、正しいかどうかわからないんですけど、一番最初に日本で株式会社を作ったのは、坂本龍馬の亀山社中ですか? 司馬遼太郎の本に書いてあった気がしたんですけど。あれが日本で最初の株式会社、ということはつまりサアラさんが書いてた明治維新で日本は、資本主義に乗っ取られてっていう話がある。そことも歴史的には一致してきますよね。渋沢栄一が出てきて、株式会社を山ほど作ったじゃないですか。株主が偉いっていうシステムが日本でも生まれたわけですよね。でもただ日本的な従業員を大切にするマインドもあったから、日本なりにいいシステムだったんだけど、バブル崩壊して完全にそれでやられて、今は、もうそういう新資本主義っていうんですかね、株主が偉い資本主義になっちゃって。得をしているのは、一部の株主じゃないですか、外資系とか。

サアラ 所有という概念を持ち込んできてからが、全部が崩れたんですよね。株主っていうのはオーナーってことじゃないですか。そのオーナーズシップみたいな考え方が世の中を完全に狂わせてしまった。オーナーが一番偉い、持ち主が偉い。所有権というのが一番有益な権利だっていう考え方がそもそも根本的に間違いをおかしてしまうんですよね。それが奴隷の始まりじゃないですか。こいつは俺の持ち物だってやってしまう。だから会社というバケモノにとっては会社を持っているオーナーと社員たちは奴隷の関係ですよ。雇われているというふうに考えると、その言葉はきれいだけど、そうではない。所有されてるんですよね。
 そこに気がついた人が立ち上がるべきタイミングだと思って、私はこの本を強く推したいんですけど、人間は怠惰だから今困っていなければ、まあいいかってなるんですよね。そこがすごく恐ろしいなと思うんですけど。

 働かなくても食べていける社会にしよう

西尾 江戸時代に五人組とかあったじゃないですか。五戸で構成された組の一戸でも悪いことしたら連帯責任だという仕組みだから、人に迷惑かけられない、悪いことはできない、といったシステムですけど、今もちょっと似てますよね。自分だけ抜けようと思ったら家族に迷惑かけるし、奥さん怒るし、みたいな図式があって、自分だけわがままなことできないシステムになっちやってますよね。

サアラ そのために婚姻制度を作りましたからね。

西尾 そう、だから結婚もそうなんですよ。

サアラ 男の人が自分の責任を放棄するって一番難しいじゃないですか。家族に対する責任を放棄するっていうことが。だけどもうこれは社会のためだと思ってやってほしいと思うんですよ。何を言われようと、新しい社会を作るために俺は立ち上がるんだってやってほしいなと思うんですよ。
 いつまでもこの理不尽なゼロサムゲームを絶対続けられないじゃないですか。
 まずとにかく働くっていう概念をなくしていく。働かなくていいためのAIだったり、新しいテクノロジー、量子コンピューターなどを、どんどんどんどん立ち上げていくっていうことが必要だなと思います。その両輪が成立してないと、うまくマインドが変換できない、奴隷マインドのまんまで。
 プロセスとしてよく言われるのが、一定金額を支給するベーシックインカムの導入はどうかっていう話なんですが、ダメなんですよこんなの。結果お金を使うし、お金に頼るだけですから。牛耳ってる人たちは変わらないわけですよ。じゃあお金じゃなくて仮想通貨はどうかって、そんなもの作っても、みんな同じでしょう。そういうことじゃなくて、本当にお金から卒業するっていうことがどういうことなのかを理解して、お金を持たなくていいところへシフトさせていく必要があるんです。

 夢は、「年収10億、貯金ゼロ!」

西尾 マスコミとかもお金がないことへの不安を煽りましたね。老後2000万円問題って話があるじゃないですか。

 サアラ 西尾さんが夢にかかげている「年収10億、貯金ゼロ」、これすごくいいですよね。

西尾 僕はね、お金儲けは悪いとは思ってなくて、ちょっとやってみたいなっていう。今もう大したお金儲けしてないんですけど。たまたま YouTube の学校に明日行くんですけど、その裏のテーマは「10億円を作ろう」なんです。それを実際に実現している人たちが教えてくれるので、可能性としてはあるかなと思うんですけど。3年ぐらいで10億ぐらいの売り上げにしてみるかという遊び半分ですよ。そのときに、貯めるんじゃなくて全部使って年収10億だけども貯金はゼロをやってみたいなってありますね。
 結局お金が悪いっていうよりも、貯め込むことのほうが悪いっていう。流れている川は太いにせよ細いにせよ、流れているのはいいことなのに対し、貯め込んじゃうと腐るじゃないですか。だから江戸時代よく言われた、有り金は全部使えとか宵越しの金は持たないとか、あれは結構正しいですよね。入ってきた分は全部使っちゃえってことをみんなが思えば、みんなハッピーなんじゃないかなと。

サアラ 絶対そうなんですよね。この本の中でも書きましたけど、貯めようとするから、水と同じで流れてるものなのに、よけいに調和が崩れていくわけですよね。

西尾 血液と一緒ですね。大動脈か毛細血管か知らないけど、とにかく流れてたら健康なんですよ、人間って。滞ったら脳梗塞とかそういうのになるじゃないですか。だから将来の不安を考えずに今あるものを全部使っちゃえってサアラさんのメッセージ、そういうことですよね。それは勇気がいること、みんながそれを一斉にやったら、すごいことになります。

サアラ そうです、ほんとにそれはそう。市杵島比売命がね、あるお金は全部使えって言うんですよ。貯めるなって。これ基本ですよね。

 儲けにならない仕事を税務署は理解できない

サアラ ちょっと話は変わりますけども、うち税務署が入って、すごい勉強になった。お金の本書こうと思ったらいきなり税務署が入ったんですよ。
 それですごく思ったのは、結局私のやってることも、言ってることも税務署からしたら意味不明なんですよ。というのは私がお金になんないことばっかりやってるわけです。会社はお金儲けが正しい道だし、義務なわけです。そして、たくさん儲けてたくさん税金を納めることが、優秀な国民というわけです。だから、経費ばかり使って純利益が少ないのは経営者としても、国民としても失格なんですよね。
 でも、イッチーはいつも言うんです。お金はどうやって獲得するかを考えてはいけない、使い方だけを考えなさいって。だから、私はお金遣いがめちゃくちゃ荒いんです。それから、目の前の人に何かを提供して、そこからお金を得ようなどと考えてはいけない。逆にお金を渡した人から何かをしてもらおうと考えるのもダメ。お金の循環の輪は大きければ大きいほどいいのだそうです。だから、今私が西尾さんにご飯をご馳走したからといって、西尾さんが新しいチャンスを与えてくれるとか、誰か素敵な人を紹介してくれるとか、お礼に美味しいワインをくれることなんかをまったく期待する必要がないわけなんです。巡り巡って、いつか誰かがその代わりに私にチャンスをくれたり、美味しいワインをご馳走してくれたりするということが、必然として起きるはずだと、イッチーは教えるんですね。だから、目先の小さなことにがつがつしなさんなって何度も言われました。
 でも本来、人間同士の関わりって、そんなもんじゃないじゃないですか。いつもお金勘定をしてるわけじゃないですよね。私はもともと人の相談を受ける仕事をしていましたが、今でもこの人こんな大事なプロセスでちょっとしたアイディアが必要じゃないかと思ったら、口に出して言うじゃないですか。その都度お金を請求したりしないです。人との関わりにおいては、それ大事じゃないですか、っていうことがもうわかんない人がとても多くなってますよね。
 ところで、銀行をおやめになったあとは、いかがだったのですか?

 退職金も遺産も使い果たして…

西尾 結局銀行をやめてよかったのかっていう話ですけど、やっぱりいろいろ大変なことは多いですよ。一つは人間関係が変わるから。
 僕も銀行をやめてすぐに離婚したわけじゃないんです。二人で相談して頑張ろうねって言ってやめたんだけど、やめることによって見える未来が変わってくるし、交流関係も人間関係が変わってくるじゃないですか。そうすると元の前提で、大学卒業して会社に入ってずっと平穏無事に安定的にいって子育てして幸せな家庭作って、みたいなことを夢見て結婚したのに、なんか夫が破天荒なことやりだしてしまった。ネットワークビジネスの人たちって、金持ちになろうみたいな話で会社員とは全然違う。そもそもが全然噛み合わないですよね。そうこうしているうちにやっぱり離婚、となったんですよね。
 だから結局、一歩を踏み出しましょうっていうふうに言っていても、踏み出したなりにそういう変化は起こると思いますね。それをいいと思うか不幸と思ってやらなきやよかったって思うかはわからないけども、そういうふうになるとは思いますよ。それが一つです。
 もう一つがお金の問題ですよね。僕はさっきも言ったように会社ではまあまあ頑張ってたほうだとは思います。ネットワークビジネスも営業みたいなもんだから俺がやったらできるに違いないと思ったんですけど、全然できなかったですね。
 これを売ってこいって言われて努力して売るみたいなことはできるんですけど、ネットワークビジネスっていうのは巻き込まないといけないんですよね。自分が一人で努力するんじゃなくて、ネットワークの自分の下部につながる人たちとの間にムードを作るっていうのかな。基本的にはネットワークを大きくしてみんなで金儲けしようみたいな話で、お前も幸せにならないかみたいな働きかけをして、ボスにならないといけない。成功している人たちはそれを簡単にやっているから、あんないいかげんそうな人ができたら、優秀な僕はできるに違いないって思うけど、カリスマ的なムードを持って巻き込める人じゃないとダメなんですよ。
 僕は自分で地道にはやるけど、巻き込めるタイプじゃないから、自分がコツコツやっても誰もついてこないみたいな感じでした。巻き込んで、ネットワークを100人とか1000人にしないとダメなんですよ。それが僕は向いてなかったっていうかね。すごい真面目だから努力してやったんですよ。それで10万とか20万ぐらいの月収はありましたけど、100万とかにはならなかったです。
 そんなんで家族もいるから食いつぶしていくわけじゃないですか。退職金とか一時金でもらった企業年金も使い果たしてもうほんとに後がないというとこまで行ったときに、オヤジが死んだんで数千万円というお金がパーって入ったんですよね。それを僕はバカだから全部投資、それも完全な詐欺だったんですけど、月利2%とか3%とかいう投資話に入れて、投資先が隠れちゃって有り金全部パーですよ。持っていた神楽坂のタワーマンションも売って、性懲りもなく売った金をまた投資に入れて、全部パーで結局全部なくなっちゃって。
 それで奈良に行ったんです。借りていた住まいの十何万かの家賃がもう払えなくなって、たまたま友達が奈良で農業始めたっていうんで行ってみたら、御所というすごい田舎で、神楽坂と同じような間取りのマンションが家賃3万6000円でした。「ごめんもう金全部なくなったから俺引っ越すわ」って、今のパートナーに言ったら、これも僕はちょっと驚いたんだけど、彼女も一緒に行くって言ったんです。結構セレブな人だから、奈良のド田舎なんて絶対来ないと思っていたんですよ。
 大して収入もないですし、仕事も農業でちんたらやっていたけど。その間、 FOTTO.TV でサアラチャンネルやらせてもらってたから、夜行バスで月に1回東京に行って、収録させてもらってました。収入なんて月収で20万とかそんなもんじゃないですか。

 自分が思うことを発信していきませんか

西尾 生活ができなくなって奈良に逃げて、それで生活コスト抑えて、何とか生き延びるっていうモードに入って、でも奈良にいたのは結局2年ぐらいなんですよ。農業をやって、85歳の社長さんのお手伝いしながらちょっとお給料をもらいながら、その間も FOTTO.TV は続けて、もう7年続けています。1回も外さず1分もずれずに、月曜日の朝9時に毎週配信してます。
 無料のメルマガ登録をやって、登録者0人から始まって、それが今5700人ぐらいになっています。奈良にいる間も月に1回は夜行バスで来て、サアラさんにインタビューさせていただいて、それを編集して4つに切って毎週出すみたいな感じをずっと続けていたんですよね。
 農業は一時的なもので、 FOTTO.TV を続けて、無料、有料と会員を増やしていく中で少しずつ収入も安定してくるという戦略っていうか、計画がありました。ただ一気にバンっといかないから、広告費とか使ってないので、ちょっとずつ地味に一歩ずつ収入を上げていくってことで、奈良にいる途中ぐらいから少しずつ軌道に乗り始めたっていうのはあるかもしれないです。今住んでいる湘南に戻ってきてから、少しずつだいぶいい感じにはなりました。
 じゃあ会社をやめてどうしたらいいですかっていう話をすると、僕の場合はネットワークビジネスやったんですけど、今僕は、情報発信がお金に変わるような、そういうシステム、そういう世の中になっていくんじゃないかなって気がするんですよ。今までは情報発信と言えばテレビ局とか新聞社の仕事で、ある意味情報の独占じゃないですか。あれは僕は異常な事態だと思います。情報を独占して全部洗脳しているわけじゃないですか。いろんな人が発信した中でいいと思うものが選ばれていくというのがほんとうに民主的なことだと思うんですけど、情報を寡占しちゃっているわけだから。
 YouTubeとかできてきたから、そこはもう民主化できるシステムはあるんですよね。あとはそうふうにやろうと思う人が何人いるかだけです。昔はユーチューバーっていったら、なんか変なことする人がバズるみたいな感じだったんだけど、普通の情報をちゃんとみんなが発信していくという世の中の流れになっていけば、主体性を自分が持って、自分が思うことを自分で発信するってことをやり始めれば、それは時間かかるかもしれないけど、僕はお金に換えるってことができると思う。
 だから情報発信を始めればいいんじゃないかなと思いますね。ただし、それには1年とか2年とか、場合によっては5年とかかかるわけだから、サラリーマンの人はすぐに会社をやめても、やめなくても、どちらにしても、自分が主体的にそれを始めていくことです。やり方はいっぱいありますよね。

 そうすれば老後の資金は必要なくなる

サアラ すぐにお金にしたいんだったら、リアルで講演とかすればいいんですよ。並行して Facebook でも、SNSを使ってでも、 YouTube でもいいけれども、何かを無料でやりつつ、リアルの講演会やセミナーを並行して有料でやれば、リアルの場合は割とすぐにお金になります。人さえ集客できればね。
 やっぱり「風の時代」「水瓶座の時代」って、自分の独自性を活かしていく時代って言われているので、おっしゃる通り自分の考えを持って、自分独自の考え方とか自分の思っているイメージとかアイディアっていうものをどんどん発信してシェアリングしていけばお金になっていくっていうのはわかりますよね。

西尾 独自の考えがなかったとしても、逆に言うとね、鶏と卵の関係で、まず発信してしまう。そうすれば自分の考え方が見えてきます。

サアラ そう。発信するのは自分の考えじゃなくてもいいと思うんですよ。西尾さんみたいに、あ、こいつは面白いなっていう人を登壇させればいい。

西尾 僕は、自分が自分の番組に顔を出しだしたのは最近で、それまでは一切出ていませんでしたから。出てくださっているサアラさんや池川明先生たちをいいと思うから、 FOTTO.TV をやってるわけで、代弁してくださっているっていうか、僕の考え方とマッチしている。

サアラ そうなんですよね。この人面白いなとか、これいいなって自分が賛同できる人を引っ張ってくればいいっていう。そういうことをやり始めた人は結構多いと思いますし、この人いいなと思う人もそれぞれがみんな違うでしょうから、ファンがついてくれればね、自分の独自の世界を展開してるようなものなんで、いいと思いますよね、そのやり方はね。

西尾 そうするとこの活動は定年とかないので、死ぬまでずっとそれやればいい話だから、別に老後の資金何百万っていうのは、関係なくなるんですよ。

サアラ ですよね。ほんとにそう思いますよね。老後っていう言葉がいらなくなりますよね。老後はないんですよ。ずっと何かこう生産的、創造的なことをやり続けるのが人間の本来の宿命なので、なんかもう引退とかいう考え方もおかしいし、生きてる限りは何かを創造し続ける必要がありますよね。
 でもなんか奈良に行ったのはすごい必然って感じですよね。

 一回手放さないと新しい流れは入ってこない

西尾 今56歳なんですけど、振り返ってよかったなと思うことは二つあります。
 一つは思い切って会社をやめたことはほんとによかった。今会社にいたら僕は病んでると思います。もう一つは、ほんとにお金はなくしてよかったですね。結構大きなお金持ってたんですよ。あのままうまい具合に上手にやりくりしていたら、つまらないですよね。もちろん奈良にも行ってないし。守りに入って無難に過ごしたってつまらないじゃないですか。サアラさんも使ってしまえって書いていますよね。僕は意図的に使ったんじゃなくて、ぶっ飛ばしちゃったわけですけど、本当によかったって思いますよ。なくさないと新しい流れは入ってきません。

サアラ 一回なくさないとほんとの人生スタートできないような感じがしますよね。私も離婚したときはきれいさっぱり何もなくなりました。だから人間としてのエゴの部分だけでは生きられないということを、もうひしと感じて、おそらく西尾さんも同じだと思うんですけど。自分のエゴ、人間としての人格の部分と、霊的な部分とのコミットメントの道が始まるんですよね。そこがきちんとコミットメントし始めると、お金はなぜか降ってくるし、湧いてくるんですよ、不思議なことに。
 奴隷マインドであるお金のシステムに組み込まれているうちは、もうほんとに霊的とはほど遠いじゃないですか。自分という認識がないわけですから。その霊的なところとつながるという目的においても、一つのイニシエーションとしてお金を手放すってことが、どうしても必要になってくると思うんですよ。お金がある以上、やっぱりマインドが隷属的になるので、一回手放すというプロセスを誰もが踏むような気がしますね。
 なんかいいお話ですよね。それを体験された西尾さんのこのストーリー。本当にとても参考になるいいお話でした。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 おお!、年収10億で貯金ゼロは、いいですね~。
 がっぽり稼いで、全部スパーっと使っちゃうというのを、ぜひやってみたいものです。
 そういえば船瀬俊介さんは、「カネは病院に払うな、芸者に払え!」と言っていました。
 私はこの人生で一度も芸者遊びをやったことはありませんが、がっぽり稼いで、全部女性に貢ぐというのをやってみたいものです、アハハ…。


(2022年3月5日)

<転載終了>