本山よろず屋本舗さんのサイトより
http://motoyama.world.coocan.jp/
<転載開始>
 「大摩邇(おおまに)」さんのサイトに、キャリー・マディ医師の動画が載っていましたので、シェアさせていただきます。




(2022年7月31日)

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『長生きしたけりゃ小麦は食べるな』から


 私は、とんでもない勘違いをしていたかもしれない・・・。
 ちょっと大げさな表現になってしまいましたが、正直なところ、震撼としています。

 『小麦は食べるな!』(Dr.ウィリアム・デイビス著、日本文芸社)を読んだとき、私は外国産の小麦は食べないようにしようと決めました。
 小麦のグルテンの問題だけではなく、外国産の小麦(特にアメリカとカナダ)には、強力な発癌物質であるグリホサートが含まれているからです。
 それゆえ、小麦を食べるなら国産のものと決めていました。
 小麦は、古代から日本でも栽培されていたと思っていたし、何千年の歴史があれば、日本人の身体はそれに適応しているはずだと思っていたのです。
 ところがネットで調べてみると、たしかに小麦は古代からあったものの、玄米のほかに、大麦、蕎麦、粟、稗などの雑穀の一部として食べられていたとあります。
 つまり、小麦を食べる割合は現代人より圧倒的に少なかったのではないかと推測されます。
 一般庶民が多く小麦を食べるようになったのは、やはり明治期の文明開化からだといいます。
 それが現代となると、パン、ラーメン、パスタ、ビザ、うどん、蕎麦(つなぎとしの小麦)など、主食の米をしのぐほどの地位にのし上がってきました。
 実際のところ、金額ベースでは2014年に小麦は米を抜いて1位となり、主食と並ぶ地位についています。
 思えば私も、社会人になってからは、(自炊すると)米は洗って炊いてなど手間と時間が掛かるので、安易に外食でラーメンとか、パスタ、蕎麦などを食べるのが主流になり、圧倒的に小麦派となりました。
 もちろん当時の私は、小麦が身体に悪いなどとは微塵も思っていませんでした。
 しかし、(今から思えばですが)何となくけだるいなどの不定愁訴のようなものが慢性的になり、社会人になって数年後には花粉症に悩まされる事態となっていました。
 また、慢性的に下痢気みであり、これは胃腸の弱い家系に生まれた為だと納得していました。

 もし、これらの症状の原因が小麦だったとしたら・・・。
 これは大きな発見と同時に、私は数十年続いた不定愁訴や、花粉症から解放される可能性が出てきたことになります。
 また、もしかしたら若返ったりして・・・(なーん、ちゃって)。

 訪問者の方々の中で、以下の症状に悩まされているという方はおられるでしょうか。

・しつこい倦怠感がある
・朝から元気で出なくてなかなか仕事に向かえない
・ちょっとしたことにイライラしてしまう
・顔や手足がむくみやすい
・肩や背中がこっている
・昼食後(15~16時)によくぼんやりする
・夜になると目が冴えて寝つけない
・朝起きるのがつらくてなかなか起き上がれない
・お腹のまわりやお尻の脂肪が気になる
・風邪がなかなか治らない。いつまでも咳が続いてしまう
・肌荒れ(アトピー性皮膚炎)がひどい
・生理不順がひどい
・人名や昨日食べたものなどが思い出せない
・ネガティブな考えにとらわれてしまう

 これは、『長生きしたけりゃ小麦は食べるな』(本間良子著、アスコム)のp5から抜粋したものです。
 著者の本間良子医師は、上記の項目の3つ以上当てはまる人は、脱小麦を強くお勧めするそうです。
 私なんか、8~9個ぐらい該当してしまっています。

 ではまず、本の「はじめに」から、概要を抜粋して紹介させていただきます。


 ・・・<『長生きしたけりゃ小麦は食べるな』、p14~p29から抜粋開始>・・・

 「脱小麦」こそ最強の健康法である

 原因不明の疲れ、それはほとんど小麦のせいだった!

 あなたはいま、原因不明のしつこい疲れや、重くてだるい疲労感を抱えていませんか?
 「若いころと比べて、毎朝起きるのがつらくなった」
 「午後になると急に体がだるくなって眠くなる」
 「食べるとすぐにお腹が張って体が重い」
 そんな人がいまとても増えています。
 また、慢性的な便秘や下痢に悩まされたり、首や肩のこりがいつまでも取れなかったり、頭痛や腰痛、関節痛が続いたり……。ひどい肌荒れになることもあれば、女性なら、生理不順や重い生理痛に苦しんでいる人も多いことでしょう。
 ほかにも、ストレスに対処できなくて気分がイライラしたり、頭がぼーっとして集中力が続かなくなったりすることがあるかもしれません。
 そういえば、最近もの忘れがひどくて、記憶力も弱くなったような気も……。

 もちろん、それらの不快な症状の原因はさまざまです。
 加齢にともなって、自然と体調が変化していることもあれば、これほど目まぐるしく変化する時代ですから、ときにストレスがたまることもあるでしょう。
 とくに、2019年末に発生した新型コロナウイルスの感染拡大の余波は、いまも多くの場所で影響をおよぼしています。
 体はなんとか大丈夫だったとしても、心にストレスやダメージを受けた方も多いはずです。ただ、そんな不快な症状が気になって病院へ行っても、「とくに大きな異常はないですよ」といわれる人がほとんど。

 「お医者さんは大丈夫といっているし、気にしすぎることもないかな」
 そうして日々の不快感を、なんとなくやり過ごしている人がたくさんいます。
 でも、あなたのその不快な症状の原因が、実はあなたが毎日食べている「小麦」にあると知ったら、どうでしょうか?

 毎朝食べている食パンや、昼ごはんに食べるうどん、パスタ、そばなどの麺類。間食に食べる菓子パンやスナック類。そして、夕食によく並ぶカレーやシチュー、ピザや餃子……。
 こんなごくありきたりのふだんの食事に、不快な症状の根本的な原因があるとなると、ちょっと驚きの事実ではないでしょうか。

 ほとんどの体の不調の原因は小麦にある

 小麦にはもうひとつ大きな問題があります。
 それは、小麦には、グルテンを構成するタンパク質のひとつ「グリアジン」が含まれていることです。このグリアジンは、小麦アレルギーなどを引き起こす物質として知られていますが、実は相当なやっかいもの。
 というのも、体の中には健康にとって重要な働きをする物質がたくさんありますが、グリアジンと構造が似た物質もあり、体のいたるところでエラーや炎症を引き起こしてしまうのです。
 いま、「炎症」と書きました。
 実は、あらゆる体の不調は、各部位が炎症することが原因で起こります。

 それこそ、腸が炎症すれば下痢や便秘になるし、脳や神経が炎症すれば認知症の原因となります。
 つまり、体内に炎症を引き起こす食べものこそが小麦なのです。

 あなたの食事は小麦の摂取許容量を超えている

 「でも、私は小麦アレルギーがないから大丈夫」
 そう思って、毎日小麦を食べている人はたくさんいます。
 いわゆる「小麦アレルギー」は、小麦を摂取すると、体の各所で敏感なアレルギー反応を起こす症状で、たしかにあてはまる人は多くはないかもしれません。
 しかし、私は「グルテン不耐症」の人は、日本にはたくさんいるのではないかと見ています。
 この症状は、小麦の消化・吸収がうまくいかず、体の中に炎症を引き起こしやすくなる症状のことです。
 生まれつきの遺伝的な要素も関係していますが、それよりも、小麦をたくさん摂りすぎているために、グルテンに敏感になってしまう人がたくさんいるのが現状です。
 要するに、体が許容できる範囲を超えた小麦を、知らず知らずのうちに食べてしまっているわけです。

 小麦はこんなに恐ろしい!

 私がクリニックで「脱小麦」の食事法を含めて治療しているのは、先に書いた「グルテン不耐症」の人を対象にしています。
 もちろん、わざわざ来院されるわけですから、患者さんは、自分がグルテンに敏感な体質だと、自覚している人もいます。
 でも、それはほんの一部の人。それ以外のほとんどの患者さんは、自分がグルテンに敏感だなんて、これまで考えたこともない人ばかりです。
 来院される患者さんは、長年にわたって漠然とした不快症状を抱えていて、やがてそれに耐え続けるのがつらくなってきた人たちです。

 患者さんの多くは、まずお腹がよく痛くなることや、便秘、下痢気味であること、吐き気があるといった消化器系の症状を訴えます。
 また、グルテンは頭痛や湿疹(しっしん)、不眠、しつこい疲労感などの全身性の症状を引き起こしやすく、これが進んでいくと、イライラやうつ症状といったメンタルに関する症状も出やすくなります。
 最近では、ADHD(注意欠陥多動性障害)や、子どもの学習障害のような症状もよく見られるようになりました。
 でも、そんな症状に長年悩まされてきた人が、私のクリニックで特別な医学的治療を施さなくても、多岐にわたる症状が驚くほど楽になっていきます。
 いったいどんなことをしたのでしょうか?

 食事から小麦を抜いただけです。

 そうして、あきらめかけていた本来の自分の健康な体を取り戻し、まったく新しい人生を手に入れた人を、これまでたくさん見てきました。
 お気づきでしょうか?

 いま私は「取り戻す」と書きました。
 そう、多くの人の体は、もともと健康でした。
 もちろん、特定の原因があって持病の治療を続けている患者さんはいます。
 その人たちは、引き続き治療を継続し、病気と戦う、あるいはうまく付き合っていかなければなりません。
 一方、いま原因不明のなんらかの不快症状に悩まされている人は、実は、ただ「余計なこと」をしているだけなのです。
 体にとって「余計なこと」さえやめれば、健康な体を取り戻すことは可能です。

 小麦の恐ろしさが語られない日本

 体にとって「余計なこと」にもいろいろあります。
 よくいわれるように、不規則な生活や運動不足、また化学物質をはじめとする環境的要因も挙げられます。
 しかし、私はその「余計なこと」の最たるものが、食生活の乱れだと考えています。
 そして、繰り返しですが、私たちが毎日食事で頻繁に食べている「小麦」にこそ、最大の原因があると考えているのです。
 そんな小麦の恐ろしさが、これまでなぜ声高に語られてこなかったのでしょうか?

 「脱小麦ってダイエット法でしょう?」
 そんな人もたくさんいます。もちろん、それは間違いではありません。
 小麦をやめることは、たしかにダイエットや、むくみの解消にも効果があります。これについては、のちに紹介しましょう。

 一介の医師である私は、自らの体験をもって「脱小麦」外来を開院し、「脱小麦」の大切さを訴える本を何冊も書いています。なぜなら、残念ながら、日本ではまだまだ小麦の恐ろしさについて広く認知されているとはいえない現状があるからです。

 小麦はよくないと気づきはじめた欧米人

 しかし、大変興味深いことに、欧米人のほうが小麦は体によくないと気づきはじめています。
 「欧米人はパン食でしょう? それでも平気なの?」
 「欧米人は日本人より、もともと小麦に強いのでは?」
 そう思われるかもしれません。
 でも、小麦が体によくないにもかかわらず、すべての欧米人が習慣で食べているわけではありません。
 実は、日常生活のレベルでも、欧米にはグルテンフリーの食品がたくさん販売されており、簡単に手に入れることができます。それこそ、パン屋ではグルテンフリーか、グルテンインかを自分で選ぶことができ、ピザ屋でも、生地の厚さと同じ感覚で、グルテンフリーの生地を選べるのです。
 また、近年では、グルテンフリーを含む食事の改善によって、世界最強のテニスプレイヤーとなったノバク・ジョコピッチ選手をはじめ、アスリートや著名人が「脱小麦」を実践し、その成果を広めていることも影響しているでしょう。

 ちなみに、欧米人の「グルテン過敏症」についての研究論文はたくさん発表されています。
 また、アメリカでは、グルテンに関する「自己免疫疾患(※)」の検査が気軽にできるため、自分が小麦を食べると体にどんな反応が現れるのか、簡単にわかるようになりました。

 ※ 自身の体内の細胞を異物と認識して、自己抗体やリンパ球がつくられ、自身の細胞を攻撃することで引き起こされる組織の障害や病変

 こうして、これまで小麦を食べていた人がずっと放置していた症状が広く知られるようになって、いま小麦をやめる人が増えているのです。
 つまり、むかしから慢性疲労の人もいるし、免疫疾患の人もいるし、うつ症状を抱えている人もいて、みんな一緒にされていたところ、グルテンの検査ができるようになったことで、「グルテン過敏症」という病名が付いたわけです。

 要するに、「小麦は体によくない」という事実に、最近になって欧米人は気づきました。欧米人だからといって、小麦に強いわけではないのです。
 そして、皮肉なことに……日本人はもともと小麦をたくさん食べる食習慣がなかったのに、ある時期から猛烈に食べるようになり、逆に欧米では小麦を食べるのをやめはじめている。
 それこそが、現状です。
 日本人は、パンやうどんやパスタが大好きで、週に何度もラーメンを食べる人もいます。
 また、たびたびスイーツブームが起きますが、スイーツはほとんど小麦と砂糖と「カゼイン」(乳製品に多く含まれるタンパク質)だけでできています。
 そして、女性の場合、小麦とカゼインを摂りすぎることで、「月経前症候群(PMS)」や月経困難症などになる人が、いまとても増えています。

 3週間の「脱小麦」で体の不調がみるみる改善する

 私のクリニックでは、まず患者さんに、大人なら3週間の「脱小麦」を実践してもらっています。
 なぜ、3週間も小麦を抜く必要があるかというと、まさに私の夫のように、大人の場合、小麦のせいだと気づかずに長いあいだ不快症状を抱えているため、子どもに比べてその症状が改善しにくい傾向があるからです(「おわりに」でくわしく触れています)。

 逆に、子どもの場合は、さすがに1、2日では効果は出ませんが、1週間でもやってみる価値はあります。
 私の息子と娘も、いまは小麦を食べずに生活しています。
 とくに激しい小麦アレルギーがあるわけではないので、給食などはふつうに食べて、家の食事や旅行などの外食だけ注意しています。
 学校によって対応は異なりますが、最近は子どものアレルギーについての意識が高まっているので、小麦に敏感な場合は、給食や課外活動でのメニューを替えてもらうことを、申し出てみるのもいいでしょう。
 また、子どもはパンが大好き。私のクリニックにも、「この子から小麦を抜いたら食べるものがありません……!」と訴える患者さんがたくさんいます。
 でも、クリニックに来る体の調子が悪い患者さんには、子どもも含めて、まず食事から小麦を抜いてもらっています。
 最初は、ずっと習慣のように食べていた小麦を抜くのは大変かもしれません。
 それでも、3週間小麦を抜いたあとの患者さんの姿は、私が「脱小麦」を推奨する、すべての理由を物語っているようです。

 小麦を抜くだけで、みなさん驚くほど体調が改善しています。

 そして、自分本来の健康な体を「取り戻す」ことができて、まったく新しい人生を歩まれています。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 本間医師は、3週間小麦を抜くという提案をされています。
 実は、私は(この記事を書いている時点で)小麦を抜いて1週間ほどです。
 それでも、はっきりわかる変化が私の身体に訪れています。
 まず、なんとなく気だるいという感覚がだいぶ和らぎました。さすがに、「絶好調!」というわけにはいきませんが、小麦を食べていた時期と比較すると、かなり元気がでてきた感があります。
 また、肌の質があきらかに改善しているのがわかりました。
 私は男なので、肌の質には普段から関心がないのですが、脱小麦を実践してから注意深く見ていたら、肌のシミなどが明らかに薄くなっているのがわかりました。顔をカガミで見ると、以前と比べて生気が出てきた感があります。
 肌の質などは、本人の見方次第でどうにでも言い様がありますが、はっきりわかったことは、脱小麦の食事を始めてから、下痢をしなくなったことです。
 私は、このところ無添加生活をするなど、食事には気をつけていたのですが、よく下痢をしていました。
 自然栽培米や有機のパスタなど、身体に良いと思われるものしか食べていないはずでした(パンや乳製品、甘いものはゼロ)。また、食事の量も、腹八分を目指して満腹にならないようにしていました。
 「それなのに何故? 身体に良いはずの食事をしているのに・・・」
 という思いでした。
 しかし、脱小麦の食事で下痢が無くなったことから原因がわかりました。
 食事の際に身体に自然に備わった毒物の排出機能として、緊急性が高いと、その場で吐いてしまいます。次の手段として、毒物を体内に取り込まないように、下痢で排出するといいます。
 私の場合は、腸に入ってきた小麦のグルテンを毒物として、排出していたのだと思います。
 私は明らかに、「グルテン不耐症」だったことがわかりました。
 ただし、グルテン不耐症の程度はかなり個人差があるのかもしれません。
 毎日、パン、ラーメン、カレー、パスタ、ピザを食べて、元気もりもりの人もいるのだろうと思います。私の場合は、人よりグルテン不耐症の程度が少々高い気がします。
 次に紹介するのは、本の第3章で、個別の症状を紹介します。
 訪問者の方々の中で、以下の症状に心当たりがある方がおられるかもしれません。


 ・・・<『長生きしたけりゃ小麦は食べるな』、p126~p153から抜粋開始>・・・

 原因不明の体の不調のほとんどは、小麦が引き起こしている

 --慢性的な疲労、倦怠感、肩こり、背中の痛み--

 小麦を食べると多くの不快症状が襲いかかる!

 あなたがいま感じているしつこい疲れや不快な症状は、元をたどれば、あなたがふだん食べている「小麦」によって引き起こされています。
 そして、小麦に含まれるグリアジンが体に悪影響をおよはしている張本人。
 ここまで、そうお伝えしてきました。

 第3章では、小麦を食べ続けると体にどんな症状が現れるのか、具体的な症例ごとに紹介します。

 「え、これはすべて小麦のせい!?」
 そう驚いてしまうほど、小麦が不快な症状のほとんどに関係していることがおわかりになると思います。
 そして、ここにあげた症例のいくつかに、実は多くの人があてはまっているのでは? と、私はクリニックでの臨床経験から考えています。

 もちろん、小麦だけですべての症状が引き起こされるわけではありません。なぜなら、症状の原因は複合的なものだからです。
 それでも、そのうち小麦が悪影響をおよはしている割合が多いのも、またれっきとした事実だということを忘れないでください。

 【症状】慢性疲労・倦怠感

 原因不明のしつこい疲れ、朝起きられない

 朝、なかなか起きることができない。
 がんばって起きても体がいつまでも重たい感じがする。
 しつこいだるさが日中ずっと抜けない。
 すぐに疲れてぼんやりしてしまう。

 そんな疲労や倦怠感は、日によって、多かれ少なかれ誰しもが感じています。
 でも、それが慢性的になっていたら要注意。その原因には、やはり小麦が関係しています。
 「がんばれない」というのは、いい換えれば、副腎(ふくじん)が疲労を起こしているということ。体内の各部位が炎症を起こし、副腎からコルチゾールがたくさん出すぎてしまっているのです。
 結果、「ただただ疲れる」状態になってしまうのです。
 そんな気だるい朝に、副腎をとりあえず一瞬でも働かせるのにもっとも楽なのは、いったいどんな食事でしょうか?
 それは、砂糖がかかった甘いパンと、ミルクや砂糖が入ったコーヒーのような、血糖値を一気に上げてくれる食事です。
 「ドーナツと熱いカフェラテがなければ、一日がはじまらない」
 この本を読まれている人の中にも、そんな人がいるかもしれません。
 少しややこしいですが、コルチゾールが出ると血糖値が上がりますが、血糖値が上がってもコルチゾールは上がります。
 そのため、朝から甘いものを「食べたい」と感じる人は、すでに副腎が疲労気味。また、そのような食事をするからこそ、ますます疲れてしまう悪循環におちいるのです。

 いまは、カフェやコンビニで朝から簡単に食事ができるので、むかしに比べて、総じて副腎疲労になりやすい環境が揃っています。
 しかも、コーヒーにはカフェインが含まれているため、体のだるさや疲れを一時的にごまかすことができてしまう。
 副腎疲労の人は、コーヒーやコーラを何杯も飲むような傾向があります。
 そんな状態だから、しつこい疲れや倦怠感にいつまでも悩まされるし、慢性的な不快症状から、冷え症などの新たな症状も現れてくるのです。

 【症状】肩こり・背中の痛み

 首、肩、背中がまるで板のようにカチコチに

 小麦によって体内に炎症が引き起こされると、その炎症の火消しのためにコルチゾールが分泌され、やがて副腎疲労の状態になっていきます。
 また、炎症が引き起こされた部位は筋肉が硬くなり、緊張を引き起こしやすくなります。
 その理由は、筋肉を硬くしないと炎症やストレスと戦えないからです。
 そうして必然的に筋肉が硬くなって、肩こりなどがひどくなっていく仕組みです。

 そんなとき、体の中では、戦うためのホルモン「カテコールアミン」が過剰につくられています。
 カテコールアミンは、戦うホルモンの総称で、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンなどが含まれるもの。そして、このカテコールアミンもまた、小麦などによって腸内環境が悪くなったときに過剰につくられてしまうのです。
 カテコールアミンが分泌されると、交感神経の働きが高くなって、自律神経のバランスが崩れていきます。
 すると、つねに筋肉が緊張して硬くなってしまう……。

 「背中にまるで板が入っているようで、痛くてつらい」

 そんないい方をするほど、カチカチにこってしまう人はたくさんいます。
 また、「パソコンのせいで肩こりがひどくなった」と訴える人も多いのですが、これもまた副腎疲労になっている可能性があります。
 ただし、副腎疲労だから肩がこるのか、実際に肩に過剰な負担がかかり、炎症があるから副腎疲労が進んだのか、見分けるのが難しい面があるのも事実。
 たとえば、鼻炎や副鼻腔炎などの場合は、炎症が起きた部分を筋肉が守ろうとして緊張し、それによって肩こりになる人もいます。
 いずれにせよ、小麦によって腸内環境が乱れると、首や肩、背中のこりや痛みが引き起こされる場合が多くなるのは、たしかなことです。

 炎症した腸から、毒素が全身をめぐる

 -関節炎、気管支炎などの感染症、便秘-

 【症状】関節炎

 足腰のあちこちが痛くなる

 「年を取るごとに、足腰のあちこちがひどく痛むようになって……」
 そんな、膝などのつらい関節炎に悩む人もたくさんいます。
 とくに女性の場合は、年を取ると多かれ少なかれ、関節軟骨がすり減っていく「膝関節症」という症状が現れます。見た目は別に悪くなく、手術するほどでもないから様子を見ていたら、どんどん痛みがひどくなっていく……。体重や膝の骨のせいだと勘ちがいして、根本的な治療をしないこともよくあります。

 しかしながら、こうした関節炎にも小麦が影響を与えています。
 小麦をたくさん食べると腸が炎症し、腸内にカビが増えていくことは先に書きました。そのカビが多い状態によって、「シュウ酸」と呼ばれる物質がつくられ、結晶化していきます。イメージとしては、関節のあたりに、クリスタルの物質がたくさんたまってしまうような感じです。

 シュウ酸がたまると、体はダメージを受けるため、結局は疲労感となって現れます。なぜなら、シュウ酸は、カルシウムやマグネシウムといった、体に必要なミネラルをくっつけてしまうからです。
 カルシウムを取られてしまえば、体内のカルシウムレベルが下がり、とくに女性は、骨組織までリスクを抱えることになります。また、「腎結石(じんけっせき)」を引き起こす可能性も高まります。
 同じように、マグネシウムを取られてしまえば、筋肉が硬くなっていきます。すると、筋肉が骨を動かしたり支えたりしているので、足腰のあちこちが痛くなる症状が出てくるわけです。
 ほかにも、発達のトラブルや、イライラなどの行動異常、頭痛、目の痛み、繊維筋痛症(せんいきんつうしょう)などとの相関性があきらかになっています。

 ただし、シュウ酸は、動物性脂肪(肉、魚、卵、乳製品など)や、野菜(ほうれん草、たけのこなど)を多く含まれており、シュウ酸を減らす食生活をすると、かえって必要な栄養が不足して体調を崩しかねません。
 そこで、食べものからシュウ酸を抜くよりは、やはり小麦を食べないことで、まず腸の炎症を防ぐことがとても大切なこと。
 腸内のカビを減らすことで、シュウ酸が増えない状態をつくることが必要なのです。

 【症状】気管支炎などの感染症

 風邪をひくと咳がいつまでも止まらない

 「風邪をひいたあと、1、2カ月も咳が続いて止まらない」
 「日中は大丈夫でも、寝ようと体を横にした途端に咳き込んでしまう」

 そんな人もかなり増えているようです。体内に炎症が広がって免疫力が低下すると、風邪などの感染症にかかりやすくなることは想像できるかと思います。
 ただ、最近は風邪をきっかけに、そのあと咳がいつまでも止まらないという人が増えているのです。
 これは、副腎が疲れていることで、上気道感染症が長引きやすくなるのがおもな原因のひとつ。
 それこそ、ひどい場合には数カ月も空咳(からせき)が続いたり、鈍く重い音がする咳に変わっていき、肺炎になってしまったりする場合も珍しくありません。

 このような慢性的な気管支炎などの感染症は、一見、小麦とは関係がないように思えるかもしれません。
 しかし、繰り返し書いているように、「炎症」という観点から見ると、あきらかにひとつながりの症状だとわかります。
 もちろん、体の免疫力自体が低下しているわけですから、小麦中心の食事になることによって、ビタミンやミネラルが不足するなど、ふだんの食生活の偏りからくる栄養不足が影響しているのはいうまでもありません。

 【症状】便秘

 慢性的な便秘で気分までふさぎがちに……

 腸については、第1章で、小麦がいかに腸内粘膜を傷つけて、炎症を引き起こし、副腎疲労をもたらすかについて書いてきました。
 このように、腸が免疫機能に果たす役割は大きいものですが、もうひとつ腸には重要な役割があります。

 それは、毒素の排出です。

 体内にある毒素の、実に7~8割は便から排出しています。
 そのため便秘になると、腸内にいつまでも毒素がたまってしまう状態になります。
 毒素がたまっていけば、腸内が炎症し、やがて「腸もれ」になってしまう。そうして、頭痛やむくみ、アレルギーなどの症状へとつながっていきます。

 また、便秘になると、気分もふさぎがちに。
 「今日も便通がないと思うと気分が悪くて、体も重いし、なんとなく落ち込んでしまって……」
 そんな患者さんも多いのですが、これは、便が出ない不快感からくる「気持ちの問題」だけではありません。
 実は、便として排泄されなかった毒素が、体内をまわり、やがて脳にまで到達するからです。
 第4章でくわしく説明しますが、それによってしつこい倦怠感や、うつ症状までも引き起こしていきます。

 副腎が疲労すると、どんどん太っていく

 -肥満・メタボむくみ、高血糖、高血圧・低血圧、不眠・睡眠障害-

 【症状】肥満・メタボ

 疲れれば疲れるほど体重が増えていく

 疲れれば疲れるほど、体重が増えることがあるのはご存じですか?
 これは、「脂質異常症」と呼ばれる症状で、一見ストレスから食べすぎてしまって体重が増えると思いがちですが、これにも副腎疲労が関係しています。

 実は、コルチゾールのおおもとの材料は「コレステロール」です。
 コルチゾールをつくるには、コレステロール値を高くしなければつくることができないため、副腎疲労になると、それに伴ってコレステロール値は高くなってしまう。要するに、コレステロールがない限りコルチゾールをつくれないので、副腎疲労気味の人は、脂っこいものが好きになるわけです。
 いい換えれば、血糖値を瞬間的に上げてくれるものが好きになるということ。
 そうして疲れが取れない限り、ラーメンやスイーツがやめられなくなって、体重がどんどん増えていきます。すると、腸内環境が悪いまま体重だけが増えていくので、どんどん疲れやすい体になってしまうという流れです。
 これは、一見やせているように見える人にもあてはまる場合があります。
 「毎日仕事が忙しくて、つい夜食にお菓子やラーメンを食べてしまう」
 そんな人はとくに、慢性的なストレスに対処しようとおのずと脂質過多になっていることがあり、「やせているのにお腹だけほっこり出ている」という症状がよく見られます。

 また、人間の体には、飢餓(きが)になるリスクを避けるために、エネルギーを蓄積するメカニズムが働いています。でも、これだけ食が豊富な時代の現代人にとって、飢餓になるリスクはほんのわずかなもの。ただ、実際には飢餓でなくても、体内に炎症がある状態を体は危機的状況ととらえてしまうのです。
 すると、エネルギーをあまり使わないまま体内にためる状態になり、男性の場合はお腹まわりに、女性の場合はお腹まわりとお尻と太腿に脂肪がついていきます。
 このように、さまざまな理由から、小麦を食べていると疲れやすくなり、それに伴って体重も増えていくのです。

 【症状】むくみ

 水を飲んだだけで太ってしまう!?

 「せっかくダイエットをしてカロリーを減らしているのに、食べものどころか、水を飲んだだけでも太ってしまう!?」

 こんな症状にも、副腎疲労が関係しています。
 副腎疲労のときに出るコルチゾールは、体内の水分が多かろうが少なかろうが、目の前の危機、つまり炎症と戦わなくてはなりません。
 そのため、人間の体は危機に際して、本来なら排出するような水分でも、「貴重な水分をなるべく体内に蓄積しよう」と働きます。
 すると、当然体はむくみやすくなり、そのぶん体重も増えてしまいます。
 無理なダイエットで腸内環境を悪くしたり、ストレスをためたりしていると、かえってやせにくくなる理由はここにあります。

 逆にいうと、炎症と戦う必要がなくなり、水分を蓄積せず使うようになると、自然とむくみは取れていきます。
 私のクリニックでは、「脱小麦」の食生活と副腎疲労の治療を続けるなかで、10キロ以上やせる人がたくさんいます。
 その原因もまた、体内の炎症なのです。

 【症状】高血糖

 血糖値が乱れて糖尿病のリスクも高まる!

 副腎疲労になると、コルチゾールの分泌や、交感神経の働きが活発になります。
 すると、たとえ食事をしなくても、体は「戦うか逃げるか」という臨戦態勢になって「血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)」を上げていくことになる。
 また、体には糖質が不足すると、糖ではない物質から「糖質(グルコース)」をつくり出す「糖新生」という代謝経路があり、この作用によっても糖を高くしていきます。
 加えて、そもそも血糖値が高い状態は細胞の炎症につながり、腸内環境をさらに悪化させていきます。
 つまり、小麦を食べ続けていると、糖尿病になるリスクがどんどん高まっていくということです。

 先に、疲れた副腎をとりあえず働かせるのに楽な食事は、甘いパンやドーナツに、甘いコーヒーという例をあげました。
 つまりそれは、わかりやすくいうと、血糖値を一気に上げてくれるような小麦中心の食事のことです。
 食べものを食べると血糖値が上がるのは、ふつうのこと。
 血糖値が上がると、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌され、糖分をエネルギーに変えて細胞に運びます。

 しかし、過剰にコルチゾールが出るような食事をすると、一気に血糖値が上がり、上がった血糖値に伴って、またコルチゾールが上がるという悪循環に入っていきます。
 すると、その次は急上昇した血糖値を下げるために、インスリンが一気に分泌されて、急激に低血糖の状態へと落ちていきます。
 これが、食事性の「反応性低血糖」という症状。
 「昼食を食べたあと、なんとなく体がだるくなって……」
 そんな人は多いですが、重い低血糖症になると、脱力や冷え、震えなどの症状が現れ、最悪の場合は、昏睡にいたることもあります。
 まるで、血糖値のジェットコースターみたいにアップダウンが激しくなり、血糖値が乱れてしまうのです。
 高血糖になるだけでなく、小麦は血糖値の乱れの原因にもなるので注意しなければなりません。

 【症状】高血圧・低血圧

 立ち上がると目の前が真っ白でクラクラする

 副腎疲労になると血圧も乱れていきます。
 小麦を食べて腸内環境が悪化すると、肩こりの症状でも触れた「カテコールアミン」が体で過剰につくられます。
 カテコールアミンが分泌されると、交感神経の働きが高くなって自律神経のバランスが崩れていきますが、副腎疲労の状態では、それに対処するコルチゾールの分泌が追いつきません。
 結果的に、心拍がドキドキしたり、ふらふらしてめまいがしたり、ぼーっとしたあとに急に眠くなったりするような症状が現れます。
 さらに、もっと副腎が疲れると、結果として血圧コントロールがうまくいかなくなって血圧を保てなくなり、低血圧気味になります。
 「立ち上がると目の前が真っ白(黒)になってクラクラした」
 そんな症状を訴える人は意外と多く、「ちょっと貧血気味なのかも」と済ましてしまう人も多いのですが、これは「起立性低血圧症」という病気なのです。
 動悸はもとより失神をともなうこともあり、食事や運動をはじめ、根本的な生活習慣の見直しが必要になります。

 【症状】不眠・睡眠障害

 夜中にいつも目が覚めてしまう

 「夜中によく悪い夢を見たり、睡眠が浅くてふと目が覚めたりしてしまう……」

 こんな睡眠状態が続くと疲れも抜けないので、枕を替えたり、寝る前にスマホの光を見ないようにしたりと、工夫している人はたくさんいるでしょう。
 でも、一見、食事とは関係なく思える症状にも、小麦が関係している場合があります。
 なぜでしょうか? 夕食に小麦などの血糖値が上がりやすい食べものを食べると、血糖値が急激に上昇し、その後また急下降していきます。
 このとき、副腎が健康なら血糖値をコントロールできますが、副腎疲労の状態ではうまく対処できず、逆に脳から「カテコールアミン」が過剰に出てしまうからです。
 結果として、睡眠中に覚醒しやすい状態になっていきます。

 さらに見逃せないのは、睡眠不足になると、腸のぜん動運動が起こりにくくなること。ぜん動運動は睡眠中によく起こるため、結果として便秘になりやすくなり、毒素が体にたまっていくのです。
 もちろん、「寝る3時間前からは食事をしない」といったような生活習慣で、ある程度は緩和できるでしょう。
 しかし、小麦などの血糖値を上げる食べものは睡眠障害も引き起こすという事実を、ぜひ知っておいてください。

 更年期障害がひどくなるのも、小麦が原因だった

 -更年期障害、性欲の減退、アレルギー・アトピー性皮膚炎-

 【症状】更年期障害

 体力の気力もなくなってただただ疲れる

 ホルモンの優先順位の箇所でも紹介しましたが、副腎は性ホルモンのバランスに関係しています。
 副腎疲労がひどくなると、更年期障害や、女性なら「月経前症候群(PMS)」などを引き起こしてしまうのです。

 そもそも、更年期障害と副腎疲労の症状は似ています。
 とくに女性の場合は、加齢によって更年期に入ると、卵巣から分泌される女性ホルモン「エストロゲン」「プロゲステロン」が急激に低下していきます。
 これらのホルモンが低下すると、ほてりや発汗、体力の低下や抑うつ症状といった、典型的な更年期障害を引き起こしていきます。

 ただ、人間の体は、卵巣の機能低下を代替する機能が備わっています。
 それが、副腎です。
 卵巣の代わりに、副腎がエストロゲンとプロゲステロンの分泌を担ってくれるのです。

 でも、このとき、副腎が疲労していたらどうなるでしょうか?
 更年期に入ったら、もう副腎に頼るしかないのに、副腎が分泌する性ホルモンが少なすぎて、更年期障害がもっとひどくなってしまうのです。
 もう少しくわしく説明すると、体内の炎症などで副腎が疲れていると、副腎は材料のコレステロールから、「火消し」のためのコルチゾールをつくるのを優先し、性ホルモンをつくる分まで使ってしまうのです。
 結果として、副腎疲労の人は、更年期障害をさらに悪化させてしまいます。

 もちろん、副腎が疲労していると、男性も更年期障害になります。
 男性も更年期になると、精巣から分泌される男性ホルモン「テストステロン」が減少し、副腎へとバトンタッチされるからです。
 ただし、男性は女性ほどホルモンが急激に低下しないので、更年期障害の症状はゆるやかに現れる傾向があります。
 それでも気分が落ち込んだり、五十肩をはじめ筋肉が痛んだり、やる気が下がったり、記憶力や計画性が衰えてものごとを考えにくくなったりするような症状が増えていくことを覚えておきましょう。

 【症状】性欲の減退

 面倒になって性的な関心を持てない

 副腎が疲労すると、重い更年期障害までいかない場合でも、性欲は低下していきます。
 なぜなら、先に副腎疲労になると、男性はテストステロン、女性はエストロゲンの分泌が低下すると書きましたが、このふたつのホルモンの前に分泌される「DHEA]というホルモンの分泌自体が減ってしまうからです。
 つまり、DHEAが減ると、そこから男女両ホルモンをつくれなくなってしまうということです。
 すると、性的なものにあまり興味が持てなくなり、ただただ疲れてしまうといった性欲の低下につながることに。
 「性欲が衰えたのは年齢のせいかな……?」
 そう感じる人がいますが、たしかに気持ちの面はあるものの、身体的には、疲れや炎症が原因で、性ホルモンが分泌されなくなっているからなのです。

 もちろん、DHEAは体にとって大切なもの。
 しかし、体に炎症があったり、強いストレスがかかったりすると、副腎はそれに対処することを優先し、コルチゾールのほうを大量に分泌します。
 「生きるか死ぬか」に関わるコルチゾールのほうが、やはり性ホルモンより優先されるわけです。

 ちなみに、性欲の減退を感じたときに、栄養剤や薬などを飲んで対処しようとする人もいるかと思います。
 でも、本当の原因は、ホルモンバランスが根本から崩れているから。
 そのため、性ホルモンの分泌をよくするにも、まず副腎の疲れを取り除くことが必要なのです。

 【症状】アレルギー・アトピー性皮膚炎

 どれだけステロイド剤を塗っても治らない!

 コルチゾールには、免疫機能を調整する働きがあります。
 ただし、これは適切な量のコルチゾールが分泌されている場合に限ったことです。副腎疲労になると、コルチゾールが過剰に分泌されたり、その後分泌が少なくなったりして、免疫機能がどんどん低下してしまいます。
 そして、コルチゾールが十分に分泌されなければ、花粉症やアトピー性皮膚炎などの「アレルギー」をさらに悪化させることになる。
 そもそも、なぜアトピー性皮膚炎になるかといえば、皮膚に「もれ」があるからです。腸の炎症によって「腸もれ」になると、毒素や異物が全身をめぐり、それが皮膚にも入り込んで炎症を起こし、アトピー性皮膚炎などになります。
 本来、皮膚にはバリア機能があり、なにかが簡単に染み込むような組織ではありません。
 しかし、タイトジャンクション(注1)がゆるんでいると、そこから毒素や異物が入ってしまい、アレルギーを起こしやすくなってしまいます。
 「例年より花粉が少し増えただけで、比較にならないほどの症状でつらい」
 「食器用洗剤を使うと、すぐに手が真っ赤に荒れてしまう」
 そんな症状が現れることで、皮膚がどんどん敏感になっていくのです。

 いずれにせよ、小麦によって、結果的に皮膚が「もれ」てしまうとアレルギーになるし、小麦によって副腎が疲れると、免疫がアレルギーを抑えることもできなくなります。
 外部からどれだけステロイド剤を投入してもなかなか治らない原因は、まさに小麦による副腎疲労にあるといえるでしょう。

 ・・・<抜粋終了>・・・

(注1)タイトジャンクション
 本来、腸の細胞と細胞の間はしっかりと閉じられており、この状態を「タイトジャンクション」というそうです。
 しかし小麦を毎日大量に食べていると、小麦のグルテンを構成するグリアジンが「ゾムリン」を分泌するといいます。そうなると、腸の細胞と細胞の間が開きっぱなしになり、腸内の毒物が体内に漏れ出してしまうといいます。この状態をリーキーガット(腸もれ)というそうです。


 私は東京から長野に引っ越して、外食はゼロになり完全自炊となりました。
 それゆえ、脱小麦の食事は簡単に始められました。
 以下の変更を行いました。

 小麦粉 → 米粉
 うどん、そーめん → 米麺
 小麦のパスタ → 米粉のパスタ
 二八蕎麦 → 十割蕎麦
 (注2)

 (注2)
 参考として、ウィリアム・デイビス医師は、グルテンを摂らないだけでなく、グルテンフリー食品も食べないようにと言っています。
 コーンスターチ、米でんぷん、ジャガイモでんぷんで作られた食品は、小麦食品より血糖値を高めてしまうといいます。
 今後の私の課題です。


 上記のように原材料を替えただけで、脱小麦が完成しました。
 それゆえ、食事を変えるストレスはゼロでした。
 私はカレーもカレー粉から作っているので、問題ありませんでした(市販のカレールウには小麦が入っています)。
 一つ気になる調味料として、醤油があります。
 スーパーで片っ端から調べてみたのですが、売っている醤油にはすべて小麦が含まれていました。
 イオンに行ってみると、小麦を使わないグルテンフリーの醤油が売っていました。
 ネットで調べると、醤油にはゲルテンはあまり多くないという記述もあり、本間医師も調味料に関しては気にしていないと言っており、あまり気にしなくていいのかもしれません。

 問題は外食です。
 東京に出たときは、外食せざるを得ません。
 東京に出た際の外食の楽しみの一つは王将の餃子だったのですが、諦めざるを得なくなりました。
 でも、餃子そのものは諦める必要はありません。近くのスーパーに米粉をつかった餃子の皮が売っていました。ただし、添加物としてPH調整剤が含まれているので私は使えません。
 そのうち、米粉で餃子の皮を作ってみようと考えています。

 やはり、外食する際は脱小麦は大きな制限を受けるのは避けられないようです。
 あるいは、外食の場合は小麦OKにしてしまうというのも手かなと思います。
 心がけることとして、和定食を中心とする。中華料理屋に行ったら、中華丼とかチャーハンを頼む。立ち食い蕎麦屋に行ったら、おにぎりとか丼物を頼めばいいかなと考えています。

 私にとって外食の楽しみより、体調の回復の方がはるかに価値があります。
 1週間でこれほど効果が出るなら、3週間後にはどうなっているでしょうか。
 朝勃ちギンギンになっているとか・・・(失礼しました!)。


(2022年7月30日)

<転載終了>