日々予め幸せさんのサイトより
https://note.com/jinniishii/n/n627f1c109041
<転載開始>

 豪雨の一夜が明けて外へ出ると、家の裏の斜面が崩落し、水路が埋まっていました。その後水は我が家の庭を流れていったようですが、家はかろうじて無事でした。

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 家の隣の沢岸が崩落し、田んぼが半分くらい消えているのには驚きました。


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 さらにうちの集落に通じる橋と道はいずれも半分崩落して車が通れませんでした。

 徒歩と自転車で崩落した道を越えると、他の集落は道が完全に崩落していたり土砂に埋まっていたり、家の敷地を川が流れていたり、大変な被害です。(そうした被害写真はマスコミがさんざん流しているようなので挙げません)

 昨日までは想像もしなかった風景になっています。
 水害、昨日まで何処かで起こったのをニュースとして聞いていました。
 一夜にして自分が体験しました。

 この経験から、今日は水害への備えを残された時間別に考えてみます。

残り時間0 水を貯める

 今回のように夜中の水害の場合、すでに大雨が降り、避難することもできない、状況もわからない、となることもあります。
 真っ暗な中、崩落した道を車で走れば落っこちて流されます。歩行も危険です。
 よほど土砂災害のリスクがはっきりした場所以外は、もはや家の2階以上で夜を明かすしかありません。
 その際、やっておくべき最重要なことは可能な限り多くの水をくんでおくことだと思います。水害というと水が多い害なのに、一番不足するのは水です。水道、下水道とも使えなくなることがあります。断水は何日も続くことがあります。
 飲み水も、トイレを流すのも、何かを洗うのも、水をくんでおかなければできなくなります。
 ポリタンク、ペットボトル、風呂桶、なんでもいいから水をくんで、可能なら2階にあがりましょう。

残り時間1時間 避難の選択

 まだ明るく、避難場所へ安全に行ける状況だとわかっているなら、避難するかどうかを考えます。
 自分の家の場所と河川・崖・斜面との関係、地盤などから判断します。

 人は避難しないで2階で過ごすとしても、駐車場の冠水が予想されるなら車だけでも避難させておく必要があります。
 車は水害で最も流され、被害を受ける物の一つです。
 (👇田んぼの真ん中に流された車)

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 今回、うちの駐車場も冠水しましたが、その夜は車が無かったので、車は被害を受けずに済みました。

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 我が家は崖の上にあるので冠水などするはずないと思っていたのですが、家より高い崖の反対側からすれば低いのでちょうど水の流れ道になります。水の流れが滞れば水が溜まるのだと考えてみれば当たり前のことを思い知りました。

残り時間2時間 食糧を確保する、米を炊く

 買い出しに行くなどして食糧を確保します。
 電気も止まる可能性大です。水も電気もかかる米は前もって炊いておく必要があります。
 味噌・塩・缶詰・鰹節や海苔など乾物、卵、納豆など、栄養豊富で、調理がいらず、少しくらい冷蔵庫が止まっても大丈夫な食品を備えましょう。

 米は炊いて冷凍しておきましょう。(レンチンできなくても、ガスや自然解凍など様々な方法で食べられます)

 食糧備蓄は水害前だけではなく、今後、食糧危機、地震、噴火、戦争、感染症などあらゆる危機に備えてしておくべきです。

 今回、実は私は前日まで水害を全く想定していませんでした。しかし食糧危機や戦争を想定して備蓄があったので、3日間買い物に行けなくてもなんとか食べられています。(しかし備蓄食糧は想像以上のスピードで減っていくことを実感。いろんな作業でエネルギー消費して食欲増す!多めに備えるべし

残り時間1日 水路を掃除する

 今回、うちの庭や駐車場が冠水したのは、家周囲の水路(U字溝)がつまって溢れたからでした。豪雨が降ってからの土砂崩れで埋まったのは仕方ありませんが、その前から水路にいろいろ溜まっていて流れが悪くなっていれば、それだけ溢れやすくなります。
 台風など、数日前から豪雨が予想される場合は、前もって家周囲の水路を綺麗にしておきましょう。水路内の土砂は可能な限り取り除き、引っ掛かりとなる周りの植物は刈りましょう。

 水路は普段から流れを良くしておくことが大切です。私の地域では、冬は豪雪となり、春は雪解け水に乗って水路に様々なゴミが溜まるので、春の水路掃除(えざらい)は年中行事です。

残り時間3ヶ月 斜面を強くする植物を植える

 家の周りに斜面がある場合、豪雨の時に斜面が崩れてくることがあります。斜面が崩れないようにするには基本的には大規模な土木工事が必要ですが、個人でできることとして、斜面に崩落を防ぐ植物を植えることです。

 私は家の前で斜面になっている道の脇に近所の草むらに自生していたミントを移植して増やしていました。ミントはとても強く網目状に根を張るので、土砂の流れを防いでくれます。
 今回、ミントが生えた部分は全く崩れることはありませんでした

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 一方、崩れたところはミントを植えていなかったところでした。
 ミントは私は香りも葉の見た目も好きですが、あまりに繁殖力が強く背もけっこう高くなるので増えすぎて困ることもあります。お好みで他の種もご検討ください。

 またこうした植物で防げるのは表層の土砂崩れであって、深層崩壊は止めることができません。

残り時間1年 住む場所を考える

 水害が起こるかどうかは場所によります。
 河川・崖・斜面・ダムとの関係、地盤、周囲との標高差、これまで水害が起こったかどうか、そうしたことを考えてそもそも水害が起こらないところに住むのが最も確実な対策といえるでしょう。

 またオール電化の家はリスクが高すぎます。なるべく電気・ガス・薪などエネルギーを分散できるほど災害に強いでしょう。
 またカセットコンロや電池、発電機などを備蓄しておくのも良いでしょう。

残り時間10年 治水

 根本的に水害を防ぐには、大規模な治水事業が必要になります。
 この地域での水害は、これが初めてではありません。私の村は1967年にも大水害に見舞われました。

 逆にそういう歴史があるからこそ、水害への備え(ダム)が充実していると思われていました。
 ところが近年の全国での水害の多さは、ダムの逆効果も原因の一つと言われています。
 その代表ともされる数年前の倉敷の水害。

 その時、自分の村の村議会議員に「この村は大丈夫か?」と尋ねると
「うちは利水ダムじゃなくて治水ダムだから大丈夫」
 と言っていました。ぜんぜん大丈夫じゃありませんでした

「想定外に雨が多かったから」「ダムが無かったらもっとひどいことになっていた」
 という言い訳は
「なんちゃら株は感染力が強いから」「マスク・毒チンがなかったらもっとひどいことになっていた」
 と言うのと一緒です。

 これまで行ってきた対策ではダメだと、やり方を変えなくてはならないと、現実が物語っているのです。

 ところが、マスク・毒チンなどの感染対策同様、ダメな対策が延々と続けられ、本当に有効な対策は無視される。
 全国で毎年のように起こる水害を見ていると、ダメな対策をする利権、被害がでた方が儲かる利権、その構造は医学界も土木建築界も同じなのかもしれません。

 かつて武田信玄や伊達政宗ら戦国武将は、治水によって領民の信頼を得、後世にまで名を残しました。
 現在の東京ことかつて江戸の街は、湿地帯であったのを徳川家康が利根川の流れを変えたことによって生まれました

目先の金より、そうした名を残す国造りが今の日本にできるか?

水害対策も感染対策も、私たちの志で決まるでしょう。


<転載終了>