https://ameblo.jp/namachocoponzu/entry-12789768550.html
遺伝はしません。
<転載開始>
こんばんは!生チョコぽん酢です。
さっそく本題ですが今朝ご依頼頂いた方は、本当に色々な奇跡が重なって私が担当することになったので記事にしたくて。
話は10年前に遡ります。
当時この仕事を始めたばかりの頃に、このご夫婦に出会いました。
奥さんのお母さんがアルツハイマー型認知症になって介護を必要としており、このご夫婦の家で面倒を見ていたのですね。
通院やショートステイの度に私を利用してくれていて、毎月何度も会うので、もうお互いに気兼ねなく話せる関係になっていました。
ご主人は社長さんなのですが、全然偉ぶらず気さくで本当にいい人。
奥さんもいつもニコニコしていて、礼儀正しくて、しゃべり方もおっとりしている感じの、本当に良い人。
典型的なオシドリ夫婦です。
ご主人は車が大好きで、いつも愛車で乗ってきて、奥さんと患者さんが私の車に乗る、みたいなのがお決まりの形でした。
そんなお付き合いが始まってから3年が過ぎたあたりで、患者さんが亡くなってしまって。
この仕事の寂しい点なのですが、患者さんが亡くなった段階で、関係が終わってしまうんですよ。
だからこそ、できれば長生きして欲しいのです、自分よがりかもしれないけれど、寂しいじゃないですか。
この素敵なご夫婦も例外ではなく、この時点で終わり。
その後は偶然道で声をかけてもらえることもありましたが、それも数年間で1回だけです。
去年の12月、ふと「あの素敵なご夫婦は元気にしているのかな」なんて思った後にすぐ、ご主人から電話がきました(←マジですからね)。
虫の知らせってすごいです本当に。
ご主人「(私)くん元気?結婚した?」
私「お久しぶりです!いえ独身で気楽にやってますよ」
「ああそうかそうか(笑)実は今嫁さんがコロナで入院しちゃってさ」
「えぇ?大丈夫だったんですか?」
「俺がコロナになって嫁さんに移しちゃって。」
「あーそうそう、実は嫁さんアルツハイマーになっちゃったんだよ。」
「えーーー;」
「車椅子やからまた退院の時(私)君にお願いしたいなーって思ってさ」
「わかりました」
大体こんな感じの会話でした。
でも結局体調が良くなくて退院が延期に。
だから先日「あれから連絡ないけど元気にしてるかなぁ、この前会いたかったなぁ」なんて思ってたら一本の電話が。
長年の付き合いがあるケアマネさんからでした。
CM「(私)さん2/17あいてる?お願いしたい人がいるんだけど」
私「あー多分大丈夫ですけどどんな内容ですか?」
詳細や住所を聞いてみると・・・
このご夫婦なのですよ。
ケアマネも事情を色々お話しようとしてくれましたが、
「その方、良く知ってます」と私から伝えて過去の経緯を説明したのでした。
すごい偶然。
もちろん、ご主人からの指名があったのではと勘ぐりましたが、違いました。
ご主人は疲れ切ってしまって「全部お任せします」ってケアマネに丸投げした感じなのです。
でも不思議と、ここまで軌跡が重なると、あまり驚きが少ないものです。
想像してみてくださいよ。
いくら私とケアマネが長い付き合いだからと言っても、ケアマネは毎回私に依頼しているわけではないし、例え私に依頼してきても毎回受けられているわけではないのです。
それどころか、所詮1人のケアマネが担当している患者さんなんて30人程度で、このご夫婦を担当する確率って奇跡の域で。
なんならこのケアマネの事務所と、このご夫婦の自宅は違う市区町村なので、このケアマネが担当することになったこと自体が奇跡の上の奇跡で。
当然他のケアマネが担当していたらエリアが違う私には連絡がこなかっただろうし。
そもそも虫の知らせ自体が奇跡だし。
奇跡、奇跡、奇跡
奇跡の域を超えていることに対して、奇跡と考える方が奇跡なのです。
奇跡なんてないんですよきっと。
なるべくしてなっているし、来るべくして来ている。
起こるべくして起こるし、なるようにしかならない。
これが、この世というものなのかもしれません。
ケアマネも私と同じ心境だったようで、不思議と「ええええええ」みたいなリアクションにはなりません。
お互いクリアな頭で搬送の打ち合わせをしました。
退院の話が延期になった後は、後日病院側が業者を手配して無事退院できたのですが、あまりにも認知症が進んでしまっているので、もう食事の支度がご主人には難しくなってしまったそうで、施設に入れる決断をされたそうですね。
それで、今朝対応してきました。
インターホン越しにご主人に挨拶します。
まだご主人は私だと気づいていません。
玄関を開けて対面時に
私「お久しぶりです、やっとお会いできましたねw」
と言ったら
ご主人「あれ?(私)君のところに行ったの?どうして?」
最初こそキョトンとした表情でした。
「実はあのケアマネさんとは付き合い長くてw偶然ご主人のお宅でした・・・」
「ああそうかそうか(笑)(私)君結婚した??」
「だからしてませんってw」
「ああそうかそうか(笑)」
冗談を言いつつも、不思議とご主人もそこまで驚かないですね。
昔話やらその後の話やらを、15分くらいしました。
「おばあちゃんの介護終わったら嫁さんこんなんなっちゃったよ」
見てみると、やはり認知症ですね、表情がないというか、中身がもう抜けてる感じです。
「やっぱり順番ですね」
「遺伝やなぁ」
「そうなんですか?」
「だっておばあちゃんもアルツハイマーやったでしょ?こいつの姉もアルツハイマーやし」
アルツハイマーってよく遺伝するものなのか、今調べてみたのですが、確かにそのような記述がいたるところに出ています。
1/2の確率と書いてますし、この奥さんの血筋でもそうですが、かなり高い確率で遺伝するみたいです。
今までこんな高い確率だなんて知りませんでした。
このご夫婦は、本当に献身的におばあちゃんの面倒を見ていらっしゃって、すごいなぁと思っていました。
それでやっと手が空いたのだから、ご主人自慢の愛車で2人で旅行したり、いっぱいリフレッシュしていて欲しかったのですが、実際にはその後すぐに奥さんもアルツハイマーになっちゃって。
ご主人は陽気に振舞ってますが、本当に苦労されているなと思いました。
癌もそうですが、この認知症についても、早く根本的な治療ができるようになるといいですね。
(私にとっては)くだらないことに莫大な予算を使うのではなく、癌や認知症を始め、多くの国民が実際に苦しんでいる事柄に投資して欲しいものです。
お偉いさん方はいつだって投資ではなく、すぐに結果を求めたがるし結果を作りたがる。
未来が先細っていくだけなのに、といつも思ってしまいます。
あぁ話が反れましたが、私がこの記事で言いたかったこと。
それは奇跡なんて、ただの人間独自の概念に過ぎないのかなって話です。
多少の軌跡なら「奇跡だぁぁぁぁ」みたいなリアクションになりますが、度を越してくると感動があまりないと思いませんか?
よく考えてみると私達1人ひとりがみんな奇跡の体験談を持っている時点で、奇跡なんてないじゃんってね。
そんなことを思った一日でした。
この現実はなるようにしかならないのかもしれません。
早いものでもう金曜日なのですね。
実は今週は結果的にめちゃくちゃ忙しくて、さっき相方と「今週の土日は休みにしよっかぁ」なんて話をしていました。
来週はどんなことが待っているのだろう。
土日は釣り具のメンテナンスをして、ドライブでも行こうかなぁ。
皆さんも素敵な週末をお過ごしくださいね。
おわり
<転載終了>



