本山よろず屋本舗さんのサイトより
http://motoyama.world.coocan.jp/
<転載開始>
私がゲリースクールに通っていた2007年頃ですが、ゲリーさんは度々、エジプトのスフィンクスの地下の部屋が発見されるといったことを言っていました。
そして、その地下の部屋を探索するのは白人だと言っていました。
私が現時点で把握しているスフィンクスの地下の部屋を探索したという話は2つあります。一つは『[ザ・シーダーズ] 神々の帰還(下)』に載っているエレナ・ダナーンさんとソーハンが訪れた話です。
もう一つが、ルーマニア情報局が米軍の協力を得て地下施設を探索したという話です。
この話は、『エジプトの謎:第一のトンネル』(ラドウ・シナマー著、ヒカルランド)(注1)に詳しく載っていて、今回はその本の中から私が興味深かった話を紹介させていただこうと思います。
この本は、ルーマニア情報局に所属し、実際にスフィンクスの地下の部屋(チャンバー)に行って探索を行ったラドウ・シナマー氏が書いたものです。
この本に書かれたラドウ・シナマー氏の探検の2年前にルーマニアの探索チームは、すでに地下の部屋を訪れていてサンプルを持ち返って分析しています。
それゆえ、ラドウ・シナマー氏の数々の疑問に探索チームのメンバーが答えてくれます。
それまでの分析結果の一部を紹介すると、これまでの通説がひっくり返ることになります。
まず、一般的にスフィンクスが造られたのは4500年前と言われていますが、3万年以上前だといいます。
しかも、造ったのは人類ではなく、ETだったといいます。それも私たちの銀河ではなく、別の銀河から来たETだというのです。
というのも、地下の部屋にあったものは、現在の地球の科学技術をはるかに凌駕するテクノロジーが使われたものだったからです。
今回は、その中から2つほど、私が興味深かったものを紹介させていただきます。
一つは、反重力のサーフボードです。
1985年封切りの映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、主人公マーティが2015年の未来に飛んで、近所の悪ガキに追いかけられるシーンがありました。
その際、空中に浮かぶホバーボード(スケボーみたいなもの)で逃げるシーンがありましたが、地下の部屋で見つかったのは、それに似た反重力飛行ボードでした。
では、『エジプトの謎:第一のトンネル』から抜粋して紹介させていただきます。
(注1)
この本の原書は2007年にルーマニア語で発売されているので、ゲリーさんがスフィンクスの地下の部屋のことを言う以前に、探索されていたことになります。
http://motoyama.world.coocan.jp/
<転載開始>
私がゲリースクールに通っていた2007年頃ですが、ゲリーさんは度々、エジプトのスフィンクスの地下の部屋が発見されるといったことを言っていました。
そして、その地下の部屋を探索するのは白人だと言っていました。
私が現時点で把握しているスフィンクスの地下の部屋を探索したという話は2つあります。一つは『[ザ・シーダーズ] 神々の帰還(下)』に載っているエレナ・ダナーンさんとソーハンが訪れた話です。
もう一つが、ルーマニア情報局が米軍の協力を得て地下施設を探索したという話です。
この話は、『エジプトの謎:第一のトンネル』(ラドウ・シナマー著、ヒカルランド)(注1)に詳しく載っていて、今回はその本の中から私が興味深かった話を紹介させていただこうと思います。
この本は、ルーマニア情報局に所属し、実際にスフィンクスの地下の部屋(チャンバー)に行って探索を行ったラドウ・シナマー氏が書いたものです。
この本に書かれたラドウ・シナマー氏の探検の2年前にルーマニアの探索チームは、すでに地下の部屋を訪れていてサンプルを持ち返って分析しています。
それゆえ、ラドウ・シナマー氏の数々の疑問に探索チームのメンバーが答えてくれます。
それまでの分析結果の一部を紹介すると、これまでの通説がひっくり返ることになります。
まず、一般的にスフィンクスが造られたのは4500年前と言われていますが、3万年以上前だといいます。
しかも、造ったのは人類ではなく、ETだったといいます。それも私たちの銀河ではなく、別の銀河から来たETだというのです。
というのも、地下の部屋にあったものは、現在の地球の科学技術をはるかに凌駕するテクノロジーが使われたものだったからです。
今回は、その中から2つほど、私が興味深かったものを紹介させていただきます。
一つは、反重力のサーフボードです。
1985年封切りの映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、主人公マーティが2015年の未来に飛んで、近所の悪ガキに追いかけられるシーンがありました。
その際、空中に浮かぶホバーボード(スケボーみたいなもの)で逃げるシーンがありましたが、地下の部屋で見つかったのは、それに似た反重力飛行ボードでした。
では、『エジプトの謎:第一のトンネル』から抜粋して紹介させていただきます。
(注1)
この本の原書は2007年にルーマニア語で発売されているので、ゲリーさんがスフィンクスの地下の部屋のことを言う以前に、探索されていたことになります。
・・・<『エジプトの謎:第一のトンネル』、p251~p256から抜粋開始>・・・
思考で動く!? 反重力飛行ボード
この部屋の入ったとき私をギョッとさせたものが一つありましたが、私はすぐさまそこには行きませんでした。部屋全体に馴染むための時間を確保することが先決だったのです。部屋の中央からほんの少し右側で、基壇を降りて2メートルほど歩いたところに、サーフボードそっくりのものが空中に浮いていたのです。それは黄色の金属でできていました。おそらく金ではないかと思われます。多分その表面積は2平方メートルぐらいでしょう。細長い形状で厚さはおそらく3センチぐらい、非常によく研磨されていて、ある角度から見ると明るく輝いて見えました。上側を見ると、両側部と後部に10センチ、前部と思しき部分に50センチぐらいのスペースを残し、表面の他の部分が長方形の形状に彫り込まれていました。その唯一の装備品はピラミッド形状をした紺青色の水晶であり、前部の真ん中付近で両側部から対称的な位置に埋め込まれていました。このボードは数万年もの間、同じ位置に空中浮揚していたと思われます。
私はその驚くべき物体に触れてみました。するとそれは少し傾きました。私が与えた圧力への対抗反応であることは明らかです。その反応に勇気づけられ、私はそれに腰掛けてみました。それは床から1メートルほどの高さに浮いていましたので、ちょっと高さのある椅子のような感じです。私の全体重をかけても空間におけるその位置は全く変わりませんでしたが、すぐさま私は、極めて微細で鈍い振動がその内部から発せられているのを感じ取りました。新たな発見に興奮した私は、仰向けに寝たりあるいは前かがみになったりして、さらにその物体に力を加えました。私の全体重をかけて押すと、それはわずかに傾くことが分かりました。最終的に私はその上に立ち上がり、勝ち誇ったように部屋の中を見渡しました。セザールはちょうど大尉二人との協議を終えたばかりでしたが、笑いながら私に向かって歩いてきて言いました。
「どれどれ! それが何のためのものか分かりますか?」
「移動のためのものだと思います。それ以外の用途は考えられません」と私は答えました。
「その通り。それは簡素な反重力式の乗り物です。バイクや徒歩で移動する代わりに、その黄金色のボードを使うのです。実のところ、私たちの分析の結果、表面外側4ミリメートルの厚さの部分だけが特殊な金の合金からできていて、その内側にもう一つの層があることが分かりました。それは厚さ約1ミリメートルで、未知の金属からできています。残りの部分は空洞のようです。もちろん、この複合品全体の主部品はそこに埋め込まれている水晶です」
基本的にこの物体の構造がそれほど複雑でないことが分かったものの、私はやきもきして尋ねました。
「オーケイ。それで、これはどのようにして使うのですか?」
セザールは、面白そうに私の表情を見ながら説明してくれました。このボードは構造の面では比較的簡素ですが、その使い方はかなり複雑なのだそうです。
「それは、前回の探索調査の際、私たちが多くの時間を割いて調べた事柄なのです。最初私たちは“何かが不足している、何か別の付属品があるに違いない”と考えましたが、しばらくしてから私は意識下で自問自答したのです--この飛行ボードを使う人間とその振動周波数の間には、水晶によって変調されたさらに微かな繋がりがあるのではないか、と。そして私は思い出しました。ここのすべてを創造した建造者たちにとって、彼らの驚異的なテクノロジーの中に純粋に人間的な要素である意識を含めることは、極めて簡単なことだったのです。私たちのこの世界では、意識は大部分心の状態や活動によって表現されます。その理由から私は、このボードに周波数を合わせて水晶の特定の振動に繋がろうとしたのです。私は自分の心を少しだけ水晶に集中しました。ただそれだけです。すると、ボードが即刻それに応じて、特定の仕方で振動し始めました。集中したままの私の心のカによって、その動きがたやすく指示されることが分かったのです」
私はためらいながら質問しました。
「そうしない場合はどうなりますか? ボードは床に墜落するのですか?」
「いや、墜落はしません。速度を下げた後、空中に停止します。それは“ボードが動き続けるためにはあなたが自分の思考を水晶に向けねばならない”という警告を伝えるこの上ない合図なのです。それはまた、あなたが望む速度を達成するための手段でもあります。この水晶は再構成されて、エネルギーの観点から特定の周波数に設定されたように思われます。それは、人間の心との交流の過程を容易にしてボードの動きを促進することを目的にしています。何にしても、このボードは地球で創られたものではありません」

・・・<抜粋終了>・・・
次は、部屋内の壁に敷き詰められた膨大な数の金属タブレットです。
これは膨大な宇宙の星々の歴史を記録したアーカイブのようなものだったようです。
・・・<『エジプトの謎:第一のトンネル』、p259~p266から抜粋開始>・・・
私は急いでトゥルージョとこコアラが仕事をしている左側の壁に向かいました。実際のところ、部屋のその部分は、そもそも最初から人目を引く個所でした。なぜなら、それは膨大な重層形状の集合体から構成されていたからです。それはまるで数多くの棚のある図書室のようであり、チャンバーの左側と後側の壁全部に広がっていました。さらに近づいたところ、各々の棚は直接石壁に彫り込まれていて、非常によく研磨されていることが分かりました。棚の高さは15センチほどで、壁全体から部屋の内側に伸びていました。棚は5つの区画に分かれていて、各々がより幅広の石柱によって分けられていました。しかし、即刻私の目を引いたのは棚の中身でした。そこには数千、あるいは数万もの金属タブレットが完壁な順序に配列していて、それらの間隔は1センチ以内のようでした。大規模な図書室というのが私の受けた最初の印象でしたが、すぐに私は、タブレットに碑文らしきものが何も入っていないことに気づきました。その表面は真っ平で、まるで鏡のように周りの情景を映していたのです。
トゥルージョとこコアラは、トンネル経由で持ち込んだ特注の箱に、それらのタブレットを積み込んでいました。最初の組の石棚の近くに行って注意深く観察したところ、タブレットの形と大きさはすべて同一であり最適な順序で完壁に配列している、ということが分かりました。ブセギ山脈地下の施設と同様、ほこりや汚れのようなものは皆無でした。あらゆるものが無菌で完全に清浄であり、極めて長い状態で配置されていたのです。私にとってそれは、そもそも最初から大変な驚きだったのですが、その後まもなく、石壁に植え込まれた半有機的被膜がほこりの堆積および肉眼で見える生物や微生物の増殖が起きないようにしている、ということに気付きました。建造後の経過年数は信じ難いほどの長さですが、まさにそれはこの推測の確かな裏付けとなっています。
私は自分の前にあったタブレットを一つ取ろうとしたのですが、それは全く動きませんでした。再度トライしたのですが結果は同じでした。そこで、同じことをしているトゥルージョの仕方を見たところ、彼はうまくタブレットを取って、それをニコアラ大尉に渡していました。そしてニコアラは、タブレットを特注の箱の重層状に配列された溝にきちんと並べていたのです。私のやり方と異なり、トゥルージョは、タブレットを壁の外側に真っすぐ引っ張っていました。すると、タブレットが滑らかに動いたのです。私も同じようにしたところ、タブレットはすぐさま棚から外れました。さらにじっくりと観察したところ、石の棚には表面が黒色のマークが付いていました。おそらくそれが磁性を帯びていて、タブレットが垂直以外の方向に取り外されないようにしている、と思われます。トゥルージョが少しばかり学問的に説明してくれました。
「かけられた力の傾きは、タブレットを外すための表示と同じ方向であることが必要です。別の方法でそれを動かすことはできません。どのようにしてこれが成し遂げられたのか--この点は現時点ではまだ解明されていません」
何一つ理解しないまま、私はタブレットのすべての面を入念に観察しました。それは銀色に輝くシガレット・ケース(巻きたばこ)にとてもよく似ていました(長さ約12センチ・厚さ7~8ミリ)その下側、つまり棚の溝から抜け出る部分には、平行に彫られた2本の細長い孔がありましたが、それが唯一タブレットにある際立ったしるしでした。当惑した私は、棚に並んでいる途方もない数のタブレットを見渡しました。それらの用途は一体何なのでしょうか? それらによって非常に大きな図書室が形成されていますが、それらに蔵されている情報はどのようにして読み取られるのでしょうか? 私はニコアラに、その点について説明してくれるように頼みました。
「私たちは前回の探索調査の際、数十個のタブレットを調査研究のために持ち帰りました。それらの主成分はプラチナですが、ジルコニウムやランタンも含まれています。また、これらとは別に、記憶媒体として必須の元素も使われているのですが、それは元素周期表に入っていないのです。私の独断的な意見ですが、これらのタブレットは非常に価値のある情報貯蔵庫であり、地球および宇宙の歴史の異なった時代の情報が記録されています。それは極秘の情報です。今回私たちは、前回の探索調査の際に持ち帰ったタブレットの大部分を元の棚に戻すために持ち運んできました。それらは厳密な目録に基づいています。私たちは棚におけるそれらの収納場所を変えようとしたのですが、それは不可能でした。なぜなら各々のタブレットがその元の位置を完壁に覚えているからです」
好奇心をそそられた私は、一つのタブレットを棚の空いた溝に挿入しょうと試みました。しかし、ちょうど同じ極の磁石同士が互いに反発するように、その溝はタブレットを拒絶したのです。他のいくつかの溝への挿入もトライしたのですが、結果は同じでした。最終的にそのタブレットが最初に収納されていた溝への挿入を試みたとき、それは即刻溝に適合してピタッと安定したのです。私はニコアラに尋ねました。
「オーケイ。しかし、タブレットに記録されている情報は、どのようにして読み出されるのですか?」
「それを可能にする方法はまだ分かっていません。論理的に考えると、暗号化された情報を読み出す装置があるはずなのです。結局のところ、偶発的な手違いが起きるまで、それらしきものは見つかりませんでした。実は、その探索調査の過程で、隊員の一人が誤ってタブレットの表面を垂直方向に押してしまったのです。すると、突如としてホログラフィー映像がタブレット前方の地表の高さに投影されました。それはかなり高さのあるダイナミック(動的)な映像で、宇宙の一角にある星雲の一時的な回転の過程を映し出していました。それがどのようにして作成されたのか、私には分かりません。あたかもそれは、非常に長い時間をかけて星雲の活動をゆっくりと撮影してから、その映像を高速で再生したかのようでした。それによって、星雲の活動すべてを大局的に理解することができます。私たちは全員その場所に留まり、約2時間そのホログラムを見ました。しかし、それはいつまで経っても終わりそうになかったのです。
結局のところ、米国の研究者たちは、ひとつのタブレットからホログラフィー情報を取り出すための許容可能なインターフェースを間に合わせで作ることになりましたが、それに1年以上の時間が必要でした。そのホログラフィー映像は、中断することなく再生した場合でも、終了するまでに大体2日間かかります。それはまさに驚くべきことです。途切れることなく見た場合でも、この部屋にあるすべてのタブレットの映像を見終えるためには、数百年あるいは数千年もの時間を費やさねばなりません。私の知る限り、現在米国の研究者たちは、このホログラフィー映像を早送りして見る方法を探し求めています。もしもこれが不可能であれば、無作為抽出が残された唯一の方法でしょう」
あらためて私は、このチャンバーの記録保管庫である石の棚を見渡しました。私個人としては、ホログラフィー投影室にある装置の方が望ましいと思います。それは双方向性のシステムであり、より簡単に情報を取り出すことができるからです。直感的に私は思いました。この神秘の部屋は全く違う目的のために建造され、それに必要な装備が整えられたに違いありません。それは別館の如きものですが、それでもやはり極めて重要です。宇宙の記録保管庫としての役割は別として、神秘の部屋の真の目的は何なのでしょう? 情報・テクノロジーの真の貯蔵所であるこの地下のチャンバーは、3万年以上前に地球外文明の人々によって建造されましたが、それは一体どんな理由からなのでしょうか?
膨大な量の宇宙情報の保存がこの神秘の部屋の目的である、と私は考えていましたが、さらに“この部屋に至るトンネルは、三次元物質世界と精妙なエネルギーの世界の中間に存在するがゆえに、とても奇妙な性質を持っている”という事実を加えたいと思います。もしかしたら、気の遠くなるような長い時間の経過からこの記録保管庫を保護するために“トンネルをこのような中間の世界に存在させる”という選択が為されたのかもしれません。私はこの点に関する意見を2人の大尉に求めました。しかしながら「確かな回答を持っている人は誰もいないけれども、タブレットに収納されている情報に大きな期待がかかっている」というのが彼らからの返事でした。
一つのタブレットの表面を不規則に押していたとき、私は何かを始動させたように感じました。金属タブレットが微かに燐光を発し、すぐさま私の背後にホログラフィー映像が出現したのです。その映像は私の背よりも高さがあり、その投影面積は大体3平方メートルぐらいでした。それは不安定な状態にある銀河星雲の映像であり、より高い基準点から眺めているため、ホログラフィー映像の左下寄りの部分に現れていました。アンドロメダ銀河のような渦巻き状ではなく不規則な形をしており、その周囲は星雲や恒星をほとんど含まない漆黒の宇宙空間だったのです。
その真っ黒な闇を見たとき、私はゾッとして、まるで胃が空っぽになったような感じがしました。あたかもそれは、あらゆるものを飲み込んでしまう無限の力を持った怖い存在であるかのようでした。あまり明瞭な感じではなかったものの、その星雲は非常に大きなストレスを抱えているように思われました。時折、星雲の異なる個所で力強い発光が見られましたが、それは星雲内部の巨大な爆発のようでした。それらが超新星の爆発であることは間違いありません。しかし、たとえこの映像が再生された宇宙時間という尺度で考えたとしても、その爆発の数は多すぎるように思われました。その映像に何らかの間違いがあることは確かでした。同じ強度の光点が、星雪のほとんど全体にあまりにもたくさん見えたのです。
トゥルージョとこコアラも作業を中断し、あっけにとられたようにホログラフィー映像を見ていましたが、セザールは、部屋の入り口のすぐ外でアイデンと話をしていました。微かな感情的な重みのようなものがホログラフィー映像に対応してもたらされた--この点が一層はっきりしてきました。より具体的に言うと、私はその映像からパニック・苦しみ・内面の葛藤のような感じを受けたのです。あたかも事態が制御不能に陥ったかのように、その星雲には何らかの大きな混乱が生じていました。それは、宇宙の生涯における壮大な出来事を暗号化したもののようですが、それには極めて明確な意味があるのではないか、と恩いました。どういうわけか私は一つの星雲の死を目撃したようですが、明らかにそれは激烈な終焉でした。もしかしたら私は、その一連の壮大な出来事の引き金となった恐ろしい要因を見つけることができたかもしれません。疑いようもなくそれは、数百万年あるいは数千万年続いたことでしょう。しかし私は、タブレットを再度押すことによって、その情報の伝達を終了させることにしました。自分の心を穏やかにする必要があったのです。
・・・<抜粋終了>・・・
ラドウ・シナマー氏は、メンバーにこの部屋を造った存在について尋ねます。
・・・<『エジプトの謎:第一のトンネル』、p256~p259から抜粋開始>・・・
私はゴクリと唾を飲み込みました。神経が高ぶるのが分かりましたが、やっとのことでセザールに疑問をぶつけることができました。それは長い間私の心の中にあったのです。私にはその問いに対する答えが分かっていて、その証拠も充分あったのですが、遺憾ながらそれを投げ掛ける勇気に欠けていました。
「教えてください。このチャンバー・トンネル等すべてを建造した人々--彼らは外宇宙からやってきたのですか?」
しばらくの間、私たち二人は無言のままでした。その間、あらゆるものがその機能を停止したように感じられましたが、そのあとセザールが、私の目を真っすぐに覗き込みながら明確に答えてくれました。
「彼らが非常に進化した地球外文明の人々であることはほぼ確実です。彼らは我々人類のために役立ちたいと願っています。とにかく、有史以前の時代、地球の人口は現在とは全く違っていたでしょうし、地質構造も異なっていたことでしょう。当時の状況を現在と比較することはほとんど不可能です。あの時代、種々の問題への対処は全く違った仕方でなされていたものと思われます」
私は率直に質問しました。
「彼らは未知の惑星系から来たのですか? 影の政府と協力している異星人は彼らなのですか?」
「いや、とんでもない! 一種の協定を米国と結んだ地球外文明の人々と、彼らは全く異なります。その相違は、我々人類とジャワ原人・北京原人の間の違いほど大きいのです。さらに厄介な点は、彼らが、我々の銀河系ではなく、もっとはるかに遠い星系からやってきたことです。それは間違いなく天文学者の恒星目録に載っていると思いますが、私はまだ確実にそれを特定できていません」
私は慌てて言いました。
「ちょっと待ってください。どうしてそれが分かったのですか? 彼らの身元・素性を裏付けるものは全く残されていない、と聞いていますが--」
「それは本当ですが、その一方、私たちはこの装置を発見しました」
そう言ってセザールは、半透明・半円筒形装置が設置された基壇を指さしたのです。それは全く予期せぬ答えであり、私には何のことかさっぱり分かりませんでした。
「オーケイ。しかし、それはホログラフィー投影室にあった半円筒形装置の複製ですよね。その意図や目的はあなたにも分からなかったので、とりあえずあなたはそれを“精神活動増幅器”と推定した。私はそのように理解しています」
「確かにその通りです。2年前の時点では、ホログラフィー投影室にある半円筒形装置の目的は分かりませんでした。しかし、この装置は私たちの身長に合わせて作られているのです」
私はそれを早く知りたくてうずうずしていましたが、その様子を愉快そうに見ていたセザールが言いました。
「それはタイムトラベル装置です」
私は身体がゾクッとしました。すでに私は自分の全存在でもって、本質的な歴史上の真実を見いだせる可能性は数えきれないほどたくさんある、と考えていました。私たちの先の未来における真実さえも--。そうしていいはずなのです。あまりにも興奮したせいで、私の口から次々と質問が飛び出しました。そして私は、その各々に対する即答を期待していたのです。この驚くべき新事実と比べると、神秘の部屋にある他のどんなものも、突如としてその重要性が失せてしまいます。セザールは、私の子供じみた振る舞いをおかしそうに見ていましたが、何とか私を落ち着かせてくれました。
「これは極めて先進的なテクノロジーに基づいています。その助けにより私は、すでに数回タイム・トラベルを達成しました。それらについてあなたに話しましょう。しかし、まずは、このミッションを完遂させねばなりません。また、アイデンに手を貸すことも必要です。それまでの間あなたは、まだ残っている調査を済ませ、それから私たちの仕事を手伝ってください」
そう言ってセザールは二人の大尉に目を向けました。極めて重要なことがもうすぐ明らかになる--それは私にとてつもない満足感を与えてくれました。
・・・<抜粋終了>・・・
この『エジプトの謎:第一のトンネル』は、『[ザ・シーダーズ] 神々の帰還(下)』で紹介されていたものです。
私は興味が湧いて、買って読んでみたのです。
その結果の印象としては、これは空想の冒険小説ではなく、本当の話ではないかと思えたのです。
こうした秘密が表に出てくる時代になったのではないか、という気がします。
この本に関して、『エジプトの謎:第一のトンネル』の編集者であるピーター・ムーン氏にマイケル・サラ博士がインタビューしている動画が紹介されていたので紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=sPI0m-ac-x0
マイケル・サラ博士がインタビューしているぐらいなので、けっして空想科学小説の類ではないだろうと思います。
(2023年12月16日)
<転載終了>
思考で動く!? 反重力飛行ボード
この部屋の入ったとき私をギョッとさせたものが一つありましたが、私はすぐさまそこには行きませんでした。部屋全体に馴染むための時間を確保することが先決だったのです。部屋の中央からほんの少し右側で、基壇を降りて2メートルほど歩いたところに、サーフボードそっくりのものが空中に浮いていたのです。それは黄色の金属でできていました。おそらく金ではないかと思われます。多分その表面積は2平方メートルぐらいでしょう。細長い形状で厚さはおそらく3センチぐらい、非常によく研磨されていて、ある角度から見ると明るく輝いて見えました。上側を見ると、両側部と後部に10センチ、前部と思しき部分に50センチぐらいのスペースを残し、表面の他の部分が長方形の形状に彫り込まれていました。その唯一の装備品はピラミッド形状をした紺青色の水晶であり、前部の真ん中付近で両側部から対称的な位置に埋め込まれていました。このボードは数万年もの間、同じ位置に空中浮揚していたと思われます。
私はその驚くべき物体に触れてみました。するとそれは少し傾きました。私が与えた圧力への対抗反応であることは明らかです。その反応に勇気づけられ、私はそれに腰掛けてみました。それは床から1メートルほどの高さに浮いていましたので、ちょっと高さのある椅子のような感じです。私の全体重をかけても空間におけるその位置は全く変わりませんでしたが、すぐさま私は、極めて微細で鈍い振動がその内部から発せられているのを感じ取りました。新たな発見に興奮した私は、仰向けに寝たりあるいは前かがみになったりして、さらにその物体に力を加えました。私の全体重をかけて押すと、それはわずかに傾くことが分かりました。最終的に私はその上に立ち上がり、勝ち誇ったように部屋の中を見渡しました。セザールはちょうど大尉二人との協議を終えたばかりでしたが、笑いながら私に向かって歩いてきて言いました。
「どれどれ! それが何のためのものか分かりますか?」
「移動のためのものだと思います。それ以外の用途は考えられません」と私は答えました。
「その通り。それは簡素な反重力式の乗り物です。バイクや徒歩で移動する代わりに、その黄金色のボードを使うのです。実のところ、私たちの分析の結果、表面外側4ミリメートルの厚さの部分だけが特殊な金の合金からできていて、その内側にもう一つの層があることが分かりました。それは厚さ約1ミリメートルで、未知の金属からできています。残りの部分は空洞のようです。もちろん、この複合品全体の主部品はそこに埋め込まれている水晶です」
基本的にこの物体の構造がそれほど複雑でないことが分かったものの、私はやきもきして尋ねました。
「オーケイ。それで、これはどのようにして使うのですか?」
セザールは、面白そうに私の表情を見ながら説明してくれました。このボードは構造の面では比較的簡素ですが、その使い方はかなり複雑なのだそうです。
「それは、前回の探索調査の際、私たちが多くの時間を割いて調べた事柄なのです。最初私たちは“何かが不足している、何か別の付属品があるに違いない”と考えましたが、しばらくしてから私は意識下で自問自答したのです--この飛行ボードを使う人間とその振動周波数の間には、水晶によって変調されたさらに微かな繋がりがあるのではないか、と。そして私は思い出しました。ここのすべてを創造した建造者たちにとって、彼らの驚異的なテクノロジーの中に純粋に人間的な要素である意識を含めることは、極めて簡単なことだったのです。私たちのこの世界では、意識は大部分心の状態や活動によって表現されます。その理由から私は、このボードに周波数を合わせて水晶の特定の振動に繋がろうとしたのです。私は自分の心を少しだけ水晶に集中しました。ただそれだけです。すると、ボードが即刻それに応じて、特定の仕方で振動し始めました。集中したままの私の心のカによって、その動きがたやすく指示されることが分かったのです」
私はためらいながら質問しました。
「そうしない場合はどうなりますか? ボードは床に墜落するのですか?」
「いや、墜落はしません。速度を下げた後、空中に停止します。それは“ボードが動き続けるためにはあなたが自分の思考を水晶に向けねばならない”という警告を伝えるこの上ない合図なのです。それはまた、あなたが望む速度を達成するための手段でもあります。この水晶は再構成されて、エネルギーの観点から特定の周波数に設定されたように思われます。それは、人間の心との交流の過程を容易にしてボードの動きを促進することを目的にしています。何にしても、このボードは地球で創られたものではありません」

・・・<抜粋終了>・・・
次は、部屋内の壁に敷き詰められた膨大な数の金属タブレットです。
これは膨大な宇宙の星々の歴史を記録したアーカイブのようなものだったようです。
・・・<『エジプトの謎:第一のトンネル』、p259~p266から抜粋開始>・・・
私は急いでトゥルージョとこコアラが仕事をしている左側の壁に向かいました。実際のところ、部屋のその部分は、そもそも最初から人目を引く個所でした。なぜなら、それは膨大な重層形状の集合体から構成されていたからです。それはまるで数多くの棚のある図書室のようであり、チャンバーの左側と後側の壁全部に広がっていました。さらに近づいたところ、各々の棚は直接石壁に彫り込まれていて、非常によく研磨されていることが分かりました。棚の高さは15センチほどで、壁全体から部屋の内側に伸びていました。棚は5つの区画に分かれていて、各々がより幅広の石柱によって分けられていました。しかし、即刻私の目を引いたのは棚の中身でした。そこには数千、あるいは数万もの金属タブレットが完壁な順序に配列していて、それらの間隔は1センチ以内のようでした。大規模な図書室というのが私の受けた最初の印象でしたが、すぐに私は、タブレットに碑文らしきものが何も入っていないことに気づきました。その表面は真っ平で、まるで鏡のように周りの情景を映していたのです。
トゥルージョとこコアラは、トンネル経由で持ち込んだ特注の箱に、それらのタブレットを積み込んでいました。最初の組の石棚の近くに行って注意深く観察したところ、タブレットの形と大きさはすべて同一であり最適な順序で完壁に配列している、ということが分かりました。ブセギ山脈地下の施設と同様、ほこりや汚れのようなものは皆無でした。あらゆるものが無菌で完全に清浄であり、極めて長い状態で配置されていたのです。私にとってそれは、そもそも最初から大変な驚きだったのですが、その後まもなく、石壁に植え込まれた半有機的被膜がほこりの堆積および肉眼で見える生物や微生物の増殖が起きないようにしている、ということに気付きました。建造後の経過年数は信じ難いほどの長さですが、まさにそれはこの推測の確かな裏付けとなっています。
私は自分の前にあったタブレットを一つ取ろうとしたのですが、それは全く動きませんでした。再度トライしたのですが結果は同じでした。そこで、同じことをしているトゥルージョの仕方を見たところ、彼はうまくタブレットを取って、それをニコアラ大尉に渡していました。そしてニコアラは、タブレットを特注の箱の重層状に配列された溝にきちんと並べていたのです。私のやり方と異なり、トゥルージョは、タブレットを壁の外側に真っすぐ引っ張っていました。すると、タブレットが滑らかに動いたのです。私も同じようにしたところ、タブレットはすぐさま棚から外れました。さらにじっくりと観察したところ、石の棚には表面が黒色のマークが付いていました。おそらくそれが磁性を帯びていて、タブレットが垂直以外の方向に取り外されないようにしている、と思われます。トゥルージョが少しばかり学問的に説明してくれました。
「かけられた力の傾きは、タブレットを外すための表示と同じ方向であることが必要です。別の方法でそれを動かすことはできません。どのようにしてこれが成し遂げられたのか--この点は現時点ではまだ解明されていません」
何一つ理解しないまま、私はタブレットのすべての面を入念に観察しました。それは銀色に輝くシガレット・ケース(巻きたばこ)にとてもよく似ていました(長さ約12センチ・厚さ7~8ミリ)その下側、つまり棚の溝から抜け出る部分には、平行に彫られた2本の細長い孔がありましたが、それが唯一タブレットにある際立ったしるしでした。当惑した私は、棚に並んでいる途方もない数のタブレットを見渡しました。それらの用途は一体何なのでしょうか? それらによって非常に大きな図書室が形成されていますが、それらに蔵されている情報はどのようにして読み取られるのでしょうか? 私はニコアラに、その点について説明してくれるように頼みました。
「私たちは前回の探索調査の際、数十個のタブレットを調査研究のために持ち帰りました。それらの主成分はプラチナですが、ジルコニウムやランタンも含まれています。また、これらとは別に、記憶媒体として必須の元素も使われているのですが、それは元素周期表に入っていないのです。私の独断的な意見ですが、これらのタブレットは非常に価値のある情報貯蔵庫であり、地球および宇宙の歴史の異なった時代の情報が記録されています。それは極秘の情報です。今回私たちは、前回の探索調査の際に持ち帰ったタブレットの大部分を元の棚に戻すために持ち運んできました。それらは厳密な目録に基づいています。私たちは棚におけるそれらの収納場所を変えようとしたのですが、それは不可能でした。なぜなら各々のタブレットがその元の位置を完壁に覚えているからです」
好奇心をそそられた私は、一つのタブレットを棚の空いた溝に挿入しょうと試みました。しかし、ちょうど同じ極の磁石同士が互いに反発するように、その溝はタブレットを拒絶したのです。他のいくつかの溝への挿入もトライしたのですが、結果は同じでした。最終的にそのタブレットが最初に収納されていた溝への挿入を試みたとき、それは即刻溝に適合してピタッと安定したのです。私はニコアラに尋ねました。
「オーケイ。しかし、タブレットに記録されている情報は、どのようにして読み出されるのですか?」
「それを可能にする方法はまだ分かっていません。論理的に考えると、暗号化された情報を読み出す装置があるはずなのです。結局のところ、偶発的な手違いが起きるまで、それらしきものは見つかりませんでした。実は、その探索調査の過程で、隊員の一人が誤ってタブレットの表面を垂直方向に押してしまったのです。すると、突如としてホログラフィー映像がタブレット前方の地表の高さに投影されました。それはかなり高さのあるダイナミック(動的)な映像で、宇宙の一角にある星雲の一時的な回転の過程を映し出していました。それがどのようにして作成されたのか、私には分かりません。あたかもそれは、非常に長い時間をかけて星雲の活動をゆっくりと撮影してから、その映像を高速で再生したかのようでした。それによって、星雲の活動すべてを大局的に理解することができます。私たちは全員その場所に留まり、約2時間そのホログラムを見ました。しかし、それはいつまで経っても終わりそうになかったのです。
結局のところ、米国の研究者たちは、ひとつのタブレットからホログラフィー情報を取り出すための許容可能なインターフェースを間に合わせで作ることになりましたが、それに1年以上の時間が必要でした。そのホログラフィー映像は、中断することなく再生した場合でも、終了するまでに大体2日間かかります。それはまさに驚くべきことです。途切れることなく見た場合でも、この部屋にあるすべてのタブレットの映像を見終えるためには、数百年あるいは数千年もの時間を費やさねばなりません。私の知る限り、現在米国の研究者たちは、このホログラフィー映像を早送りして見る方法を探し求めています。もしもこれが不可能であれば、無作為抽出が残された唯一の方法でしょう」
あらためて私は、このチャンバーの記録保管庫である石の棚を見渡しました。私個人としては、ホログラフィー投影室にある装置の方が望ましいと思います。それは双方向性のシステムであり、より簡単に情報を取り出すことができるからです。直感的に私は思いました。この神秘の部屋は全く違う目的のために建造され、それに必要な装備が整えられたに違いありません。それは別館の如きものですが、それでもやはり極めて重要です。宇宙の記録保管庫としての役割は別として、神秘の部屋の真の目的は何なのでしょう? 情報・テクノロジーの真の貯蔵所であるこの地下のチャンバーは、3万年以上前に地球外文明の人々によって建造されましたが、それは一体どんな理由からなのでしょうか?
膨大な量の宇宙情報の保存がこの神秘の部屋の目的である、と私は考えていましたが、さらに“この部屋に至るトンネルは、三次元物質世界と精妙なエネルギーの世界の中間に存在するがゆえに、とても奇妙な性質を持っている”という事実を加えたいと思います。もしかしたら、気の遠くなるような長い時間の経過からこの記録保管庫を保護するために“トンネルをこのような中間の世界に存在させる”という選択が為されたのかもしれません。私はこの点に関する意見を2人の大尉に求めました。しかしながら「確かな回答を持っている人は誰もいないけれども、タブレットに収納されている情報に大きな期待がかかっている」というのが彼らからの返事でした。
一つのタブレットの表面を不規則に押していたとき、私は何かを始動させたように感じました。金属タブレットが微かに燐光を発し、すぐさま私の背後にホログラフィー映像が出現したのです。その映像は私の背よりも高さがあり、その投影面積は大体3平方メートルぐらいでした。それは不安定な状態にある銀河星雲の映像であり、より高い基準点から眺めているため、ホログラフィー映像の左下寄りの部分に現れていました。アンドロメダ銀河のような渦巻き状ではなく不規則な形をしており、その周囲は星雲や恒星をほとんど含まない漆黒の宇宙空間だったのです。
その真っ黒な闇を見たとき、私はゾッとして、まるで胃が空っぽになったような感じがしました。あたかもそれは、あらゆるものを飲み込んでしまう無限の力を持った怖い存在であるかのようでした。あまり明瞭な感じではなかったものの、その星雲は非常に大きなストレスを抱えているように思われました。時折、星雲の異なる個所で力強い発光が見られましたが、それは星雲内部の巨大な爆発のようでした。それらが超新星の爆発であることは間違いありません。しかし、たとえこの映像が再生された宇宙時間という尺度で考えたとしても、その爆発の数は多すぎるように思われました。その映像に何らかの間違いがあることは確かでした。同じ強度の光点が、星雪のほとんど全体にあまりにもたくさん見えたのです。
トゥルージョとこコアラも作業を中断し、あっけにとられたようにホログラフィー映像を見ていましたが、セザールは、部屋の入り口のすぐ外でアイデンと話をしていました。微かな感情的な重みのようなものがホログラフィー映像に対応してもたらされた--この点が一層はっきりしてきました。より具体的に言うと、私はその映像からパニック・苦しみ・内面の葛藤のような感じを受けたのです。あたかも事態が制御不能に陥ったかのように、その星雲には何らかの大きな混乱が生じていました。それは、宇宙の生涯における壮大な出来事を暗号化したもののようですが、それには極めて明確な意味があるのではないか、と恩いました。どういうわけか私は一つの星雲の死を目撃したようですが、明らかにそれは激烈な終焉でした。もしかしたら私は、その一連の壮大な出来事の引き金となった恐ろしい要因を見つけることができたかもしれません。疑いようもなくそれは、数百万年あるいは数千万年続いたことでしょう。しかし私は、タブレットを再度押すことによって、その情報の伝達を終了させることにしました。自分の心を穏やかにする必要があったのです。
・・・<抜粋終了>・・・
ラドウ・シナマー氏は、メンバーにこの部屋を造った存在について尋ねます。
・・・<『エジプトの謎:第一のトンネル』、p256~p259から抜粋開始>・・・
私はゴクリと唾を飲み込みました。神経が高ぶるのが分かりましたが、やっとのことでセザールに疑問をぶつけることができました。それは長い間私の心の中にあったのです。私にはその問いに対する答えが分かっていて、その証拠も充分あったのですが、遺憾ながらそれを投げ掛ける勇気に欠けていました。
「教えてください。このチャンバー・トンネル等すべてを建造した人々--彼らは外宇宙からやってきたのですか?」
しばらくの間、私たち二人は無言のままでした。その間、あらゆるものがその機能を停止したように感じられましたが、そのあとセザールが、私の目を真っすぐに覗き込みながら明確に答えてくれました。
「彼らが非常に進化した地球外文明の人々であることはほぼ確実です。彼らは我々人類のために役立ちたいと願っています。とにかく、有史以前の時代、地球の人口は現在とは全く違っていたでしょうし、地質構造も異なっていたことでしょう。当時の状況を現在と比較することはほとんど不可能です。あの時代、種々の問題への対処は全く違った仕方でなされていたものと思われます」
私は率直に質問しました。
「彼らは未知の惑星系から来たのですか? 影の政府と協力している異星人は彼らなのですか?」
「いや、とんでもない! 一種の協定を米国と結んだ地球外文明の人々と、彼らは全く異なります。その相違は、我々人類とジャワ原人・北京原人の間の違いほど大きいのです。さらに厄介な点は、彼らが、我々の銀河系ではなく、もっとはるかに遠い星系からやってきたことです。それは間違いなく天文学者の恒星目録に載っていると思いますが、私はまだ確実にそれを特定できていません」
私は慌てて言いました。
「ちょっと待ってください。どうしてそれが分かったのですか? 彼らの身元・素性を裏付けるものは全く残されていない、と聞いていますが--」
「それは本当ですが、その一方、私たちはこの装置を発見しました」
そう言ってセザールは、半透明・半円筒形装置が設置された基壇を指さしたのです。それは全く予期せぬ答えであり、私には何のことかさっぱり分かりませんでした。
「オーケイ。しかし、それはホログラフィー投影室にあった半円筒形装置の複製ですよね。その意図や目的はあなたにも分からなかったので、とりあえずあなたはそれを“精神活動増幅器”と推定した。私はそのように理解しています」
「確かにその通りです。2年前の時点では、ホログラフィー投影室にある半円筒形装置の目的は分かりませんでした。しかし、この装置は私たちの身長に合わせて作られているのです」
私はそれを早く知りたくてうずうずしていましたが、その様子を愉快そうに見ていたセザールが言いました。
「それはタイムトラベル装置です」
私は身体がゾクッとしました。すでに私は自分の全存在でもって、本質的な歴史上の真実を見いだせる可能性は数えきれないほどたくさんある、と考えていました。私たちの先の未来における真実さえも--。そうしていいはずなのです。あまりにも興奮したせいで、私の口から次々と質問が飛び出しました。そして私は、その各々に対する即答を期待していたのです。この驚くべき新事実と比べると、神秘の部屋にある他のどんなものも、突如としてその重要性が失せてしまいます。セザールは、私の子供じみた振る舞いをおかしそうに見ていましたが、何とか私を落ち着かせてくれました。
「これは極めて先進的なテクノロジーに基づいています。その助けにより私は、すでに数回タイム・トラベルを達成しました。それらについてあなたに話しましょう。しかし、まずは、このミッションを完遂させねばなりません。また、アイデンに手を貸すことも必要です。それまでの間あなたは、まだ残っている調査を済ませ、それから私たちの仕事を手伝ってください」
そう言ってセザールは二人の大尉に目を向けました。極めて重要なことがもうすぐ明らかになる--それは私にとてつもない満足感を与えてくれました。
・・・<抜粋終了>・・・
この『エジプトの謎:第一のトンネル』は、『[ザ・シーダーズ] 神々の帰還(下)』で紹介されていたものです。
私は興味が湧いて、買って読んでみたのです。
その結果の印象としては、これは空想の冒険小説ではなく、本当の話ではないかと思えたのです。
こうした秘密が表に出てくる時代になったのではないか、という気がします。
この本に関して、『エジプトの謎:第一のトンネル』の編集者であるピーター・ムーン氏にマイケル・サラ博士がインタビューしている動画が紹介されていたので紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=sPI0m-ac-x0
マイケル・サラ博士がインタビューしているぐらいなので、けっして空想科学小説の類ではないだろうと思います。
(2023年12月16日)
<転載終了>