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<転載開始>
1.「胸が張り裂けそうだ!」2.「これは複雑だ!」3.「でもトランプが!」4.「いつの日かそこが平和になるよう心から願っている!」5.「私は二国家解決を支持する!」
ケイトリン・ジョンストン
2024年2月2日
ガザに関し本当の立場をとらずに済むように欧米リベラル派がしばしば口にする五つのたわごと以下に挙げよう。
1.「胸が張り裂けそうだ!」
2.「これは複雑だ!」
3.「でもトランプが!」
4.「いつの日かそこが平和になるよう心から願っている!」
5.「私は二国家解決を支持する!」
これらについて少し話そう。
「胸が張り裂けそうだ!」
ガザで起きていることが、いかに「悲しく」「悲痛」か語るのがリベラル派は大好きだが、それは、ある種自然災害や、実に悲しい悲劇のように、政府が積極的に助長するのではなく、受動的に目撃しているものだ。それで、彼らの税金と暗黙の了解のもと、彼らの名のもとで行われていることに対し、実際意味ある政治的立場をとらずに、自分の進歩的、人道的感情を表現するのを可能にしている。
現実には、ガザでの大量虐殺は悲しいものでも、悲痛なものでも、悲劇的なものでもない。そうした言葉は病気や事故の時に使うものだ。誰かが悪意で殺害された時、重いため息をついたり、涙を流したりせず、我々は殺人者を起訴する。ガザに爆弾の雨が降っているのは今日不幸な天気だからではなく、アメリカ合州国と同盟諸国の全面的支援を受けて、大量虐殺の意図でそれら爆弾をイスラエルが投下しているためだ。これは無意味な空涙ではなく、怒りと罰が必要な犯罪なのだ。
「これは複雑だ!」
いや、そんなことはない。アパルトヘイト政権が他の人々と同じ権利や処遇を受けない民族集団を抑圧し虐待してきたが、今や連中は巨大強制収容所に閉じ込められた人々に爆弾を投下している。もし他の民族が4ヶ月間、彼らに爆弾の雨を降らせる中、ガザに閉じ込められているのがユダヤ人だったら、自分が見ているものを世界中のリベラル派が認め、それを何と呼ぶか苦労しないはずなのだ。
「でも、トランプが!」
バイデン支持者に、この大統領がガザで一体何をしているか激しく責め立てると、やがて彼らはドナルド・トランプがいかにひどいか、くどくど話し始めるだろう。あたかもトランプが酷いので、積極的大量虐殺を支持する堕落を打ち消されるかのように。あるいは、あたかも積極的ジェノサイドを支持するのは学生の債務免除か何かより多少上回る許される犯罪であるかのように。
自分が信じていることや、持っているとされる価値観とガザを調和させる方法がないので、大統領が中東で行っている恐ろしい現実に直面すると、民主党員は砂に頭を突っ込み、できるだけ大声で「トランプが!!」と叫ぶ以外選択肢がない。アメリカが支援する大量虐殺の最中、民主党大統領が再選を目指して出馬するほど民主党の本質を暴露するものはない。
「いつの日かそこが平和になるよう心から願う!」
「悲劇的だ!」というのと同様、これは意味ある政治的立場を空虚な感情的たわごとに置き換えて、リベラル派が表明する価値観やイデオロギーに沿った適切なことを言ったという誤った印象を作り出す。
平和を望んでいると言いながら、平和をどう実現したいか言うのを拒否するのでは、あなたが支持すると称する「平和」が一体何を意味するのかわからない。イスラエルがガザを爆撃し瓦礫と化し、生存者をシナイ砂漠の難民キャンプに追いやったとしても、戦争はもう起きないのだから、それを「平和」と呼ぶことは可能だ。イスラエルがガザ住民全員を殺害しても爆弾はもはや落ちてこないのだから、彼らはそれを「平和」と呼ぶことが可能だ。10月6日の現状に戻ることさえも「平和」ではなく、10月7日を生み出した虐待状況に戻るだけのことだ。
即時停戦や交渉による合意について語らずに「平和」を望むと言うのは、イスラエルが十分やったと判断するまで、していることを続けて欲しいと言っているに過ぎない。
「私は二国家解決を支持する!」
「二国家解決」は、機能的には、イスラエル・パレスチナに対して本当の立場をとっているふりをするため、リベラル派が精神的にチェック印をつける心理的な四角形□にすぎない。独自の軍事的・国家的主権を持つパレスチナ国家という概念に、イスラエル指導者連中は公然と唾を吐き吐きかけるが、そのようなことを実現する政治的手段はない。それは、イスラエルという欧米が支援する専制的権力構造に対し、リベラル派が実際反対の立場をとらずに、個人的に政治的に満足できるようにする概念的構築物に過ぎない。
現実には、イスラエルが虐待的アパルトヘイト民族国家であるのをやめ、イスラエルと同盟諸国がパレスチナ人に莫大な賠償金を支払うまで、そして過去の全ての過ちが正されるまで平和はあり得ない。これは完全に可能だが、それはイスラエル・パレスチナの現状を現在の状態から全く似ても似つかないものにするという目標に向けた、極めて大規模な取り組みだ。「二国家解決」という空虚な概念に単に知的に賛成するだけなら、よりリベラルな心理的隔離に過ぎない。
ガザについて本当の立場を取るのを避けるためリベラル派が良く口にする他のたわごとで「 何か、どこか反ユダヤ主義だ!」とか「ネタニヤフと少数の極右野郎が事態を悪化させているだけだ!」というのも、リベラル派が認知的不協和の圧倒的重さを避け、世界観を劇的に再構築せよという現実からの益々大きな要求に抵抗するため色々騒ぎ立てるせいだ。
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