https://earthreview.net/tougher-conscription-law-of-ukraine/
<転載開始>

兵役年齢の男性全員を動員へと
戦争の劣勢が明らかになると共に、ウクライナ政府は段階的に徴兵制の拡大を実施してきましたが、5月18日に可決されると見られる新しい「徴兵法」では、
「兵役に該当する年齢のほぼすべての男性が徴兵される」
ことになることを、英テレグラフが報じています。
ウクライナの徴兵に関しては、昨年 9月、従来は兵役を免除されていた「精神疾患、HIV患者の人々にも動員命令」を下しています。
その後は、ついに、手足や視聴覚に重大な身体的障害を持つ人たちに対しての徴兵さえ法律で可決されています。
・終末的動員…:ウクライナがついに「手足を失った人たちや片目の失明者などの重大な障害を持つ人たちを徴兵する」ために法案を改正
地球の記録 2023年12月26日
その後、ウクライナの若者たちたちには、必死で国外に逃亡しようとする人たちが増えていましたが、ウクライナの「障害を持つ配偶者がいる場合は徴兵が免除される」という法律を利用して、「障害を持つ女性たちへの結婚の申し込みが殺到している」ことが、今年報じられていました。
・泥沼のウクライナ:徴兵回避のために「障害を持つ女性と金銭を介して偽装結婚する」ことが国内で蔓延
地球の記録 2024年4月7日
まさに泥沼なのですけれど、ウクライナの若者たちにとって、絶対に勝つことのない戦争に参加させられるほど無為なことはないわけで(逆にいえば、次から次へとウクライナの兵士たちが失われているからこそ徴兵制がどんどん厳しくなっているという現実があり)、多くの若者たちが、いかに戦争を回避するか、あるいはウクライナから脱出するかを探り続けているようです。
そんな中で、「男性全員に徴兵」という新しい法律が施行することで、ウクライナからの若者たちの脱出の動きはさらに激しくなると見られます。太平洋戦争末期の日本を思い出す地獄が展開されようとしています。
新しい徴兵法について報じていた英テレグラフの記事をご紹介します。
徴兵法厳格化を前にウクライナの若者たちの「静かな生活は終わった」
‘Quiet life is over’ for young men of Ukraine ahead of tougher conscription law
Telegraph 2024/50/12
5月18日から厳格な徴兵法が導入されることに伴い、ウクライナ国防省は「君たちの静かな生活」は終わった、と若者たちに警告した。
国防省のドミトリー・ラズトキン報道官は、5月18日に新しい動員法が導入された後、ほぼすべてのウクライナ人男性が軍隊に徴兵されるだろうと述べた。
「前線で戦っている人たちもいれば、静かな生活を送っている人たちもいるというこの状況は、明らかに終焉を迎えつつある」とウクライナのテレビ局エスプレッソに語った。
ウクライナは法改正を急いでおり、兵役逃れに使われる抜け穴をふさぎながら、軍の新兵募集担当者に、男性を見つけて軍隊に強制的に入れる権限をさらに与えている。
ウクライナ政府は過去 6か月間、大幅な兵力と弾薬の不足に直面しており、専門家たちは、そのためロシアがウクライナ軍を最前線から押し戻すことを可能にしていると述べている。
新しい徴兵法は、男性の動員年齢を 27歳から 25歳に引き下げるほか、徴兵官に、徴兵拒否者の銀行口座の封鎖など拒否者を処罰する権限を与えることも盛り込まれている。
「ロシアのような敵を前に、国全体が動員される必要がある」とラズトキン報道官は語った。
新しい法律はまた、刑務所にいる受刑者にウクライナ軍への服務を初めて許可している。
ウクライナのデニス・マリウクサ法務大臣は今週 BBC とのインタビューで、最大 2万人の囚人が動員される可能性があると述べた。
ロシアによる自国の軍隊への囚人の配備との比較について尋ねられたとき、同氏は「もちろん、類似点はある」と述べた。
ロシアは数万人の受刑者を軍隊に動員し、前線での 6か月の遠征を生き延びた場合は恩赦を与えると約束している。
軍に動員された殺人犯や性犯罪者の多くが再び犯罪を犯し、地域社会を恐怖に陥れるために戻ってくるめため、この政策はロシアでは批判されている。
マリウクサ法務大臣は、戦争に志願した受刑者のみがウクライナ軍で戦うことを許され、暴力犯罪で投獄された者にはその資格はないと述べた。
<転載終了>
■■ウクライナを出たい男性たち……川を渡り山野を越え 書類を不法入手する人も 2023年11月26日
https://www.bbc.com/japanese/video-67528866https://www.bbc.com/japanese/video-67528866
ウクライナで徴兵を逃れるために国外に出た男性が2万人近くに上っていることが、BBCの取材でわかった。危険を冒して川を泳いだり、夜陰に紛れて歩いたりして、国境を越えている。さらには、あっせん業者を通じて役人にわいろを払い、兵役免除の証明書を入手する方法も横行している。
BBCは、ウクライナと国境を接する各国から不法入国者のデータを入手。昨年2月から今年8月末までにウクライナから不法入国した男性が、計1万9740人に上ることを確認した。ほかに、出国を試みたが当局に捕らえられた男性も2万1113人に上る。ウクライナ政府が認めた。
ウクライナでは昨年2月のロシアによる侵攻後、18~60歳の男性のほとんどが出国を禁止されている。だが、BBCが入手したデータからは、毎日数十人が出国していることがわかる。国外に出た男性らは、「(ウクライナの)みんながみんな、戦士というわけでは無い」などと話している。
調査報道チーム「BBC Eye Investigations」は、ウクライナとルーマニアの国境を警備する警備当局、モルドヴァの国境警備当局、ウクライナ与党幹部、ウクライナを脱出した男性たちに話を聞いた。さらには、出国希望者に方法をあっせんする業者についても取材した。
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