本山よろず屋本舗さんのサイトより
http://motoyama.world.coocan.jp/
<転載開始>
当HPの掲示板でお馴染みの「エルディー」さんから、『大災害時に飲料水を得る方法』として詳細なレポートをいただきました。
訪問者の方々の参考になると思いますので、ここに掲載させていただきます。
なお、掲載終了後は、「未接種の部屋」「訪問者の情報」ページに移動させていただきます。
* * * * *
近所に湧水が無い人の場合はどうしたら浄水器に通せる比較的綺麗な水が得られるか検討して見ました。その結果、以下の方法が良いのではと思います。
1.雨水を貯める器を用意する
①たらい…雨の降る前に庭に置いておくだけで簡単に雨水を貯められます
先日、直径38㎝位のたらいで家庭菜園の畑に置いて試してみたら、1日の雨で約3.5L溜まりました。アマゾンでは16Lの42型のたらいが1,691円で売られています。但し、たらいの周囲に降った雨によって跳ねた泥や砂がかなり多くたらいに入ってくるので、たらいの下に大きめのビニールシートなどを敷いてたらいを置いた方が良い事が判りました。

②子供用プール…アマゾンで80㎝から160㎝位までの子供用プールが売られています。 直径100㎝のサイズで2,840円でした。これだと1回の雨で25~27L位、最大で100L以上貯められます。この子供用プールも雨で跳ねた泥や砂などの侵入を防ぐために、大きめのビニールシートなどを下に敷くと良いと思います。
これらの器で貯めた雨水をミヤサカ ポリタンク型非常用浄水器 MJMI02等の浄水器に入れて浄水すれば飲料水が得られます。アマゾンで27,000円、楽天で25,428円で売っていました。

ポリタンク型非常用浄水器 MJMI02 メガホーム社の蒸留水器メガキャット
私は蒸留水を作る装置(メガホーム社のメガキャット 39,990円)を持っているので、ライフラインの電気が復旧した場合は浄水器を通した水を蒸留装置で蒸留水を作って飲もうと思っています。
2.空気から水を作る装置を用意する
雨が降らない場合に水を得る方法として、ライフラインの電気が復旧して除湿器が使えると、湿度が高い日本では、簡単に空気から水が作れます。但し、通常の除湿器の熱交換器にはカビが生えていると思われるので、浄水器との併用が必須と思われます。新しい除湿器ならば、しばらくはカビの入って無い水が得られると思います。
シャープ 衣類乾燥 除湿機 CV-P71-W コンプレッサー 方式 で1日6.3Lの水が作れます。アマゾンで21,800円、価格comで最安値は20,200円でした。消費電力は175W/50Hzで、1時間当たりの電気代は約5円です。タンク容量が2.5Lなので1日3回位溜まった水を別の容器に移す必要が有ります。中国製のAnlaby 除湿機なら1日12L作れて16,830円です。

シャープ 除湿機 CV-P71-W Anlaby 除湿機
http://motoyama.world.coocan.jp/
<転載開始>
当HPの掲示板でお馴染みの「エルディー」さんから、『大災害時に飲料水を得る方法』として詳細なレポートをいただきました。
訪問者の方々の参考になると思いますので、ここに掲載させていただきます。
なお、掲載終了後は、「未接種の部屋」「訪問者の情報」ページに移動させていただきます。
* * * * *
近所に湧水が無い人の場合はどうしたら浄水器に通せる比較的綺麗な水が得られるか検討して見ました。その結果、以下の方法が良いのではと思います。
1.雨水を貯める器を用意する
①たらい…雨の降る前に庭に置いておくだけで簡単に雨水を貯められます
先日、直径38㎝位のたらいで家庭菜園の畑に置いて試してみたら、1日の雨で約3.5L溜まりました。アマゾンでは16Lの42型のたらいが1,691円で売られています。但し、たらいの周囲に降った雨によって跳ねた泥や砂がかなり多くたらいに入ってくるので、たらいの下に大きめのビニールシートなどを敷いてたらいを置いた方が良い事が判りました。
②子供用プール…アマゾンで80㎝から160㎝位までの子供用プールが売られています。 直径100㎝のサイズで2,840円でした。これだと1回の雨で25~27L位、最大で100L以上貯められます。この子供用プールも雨で跳ねた泥や砂などの侵入を防ぐために、大きめのビニールシートなどを下に敷くと良いと思います。
これらの器で貯めた雨水をミヤサカ ポリタンク型非常用浄水器 MJMI02等の浄水器に入れて浄水すれば飲料水が得られます。アマゾンで27,000円、楽天で25,428円で売っていました。
ポリタンク型非常用浄水器 MJMI02 メガホーム社の蒸留水器メガキャット
私は蒸留水を作る装置(メガホーム社のメガキャット 39,990円)を持っているので、ライフラインの電気が復旧した場合は浄水器を通した水を蒸留装置で蒸留水を作って飲もうと思っています。
2.空気から水を作る装置を用意する
雨が降らない場合に水を得る方法として、ライフラインの電気が復旧して除湿器が使えると、湿度が高い日本では、簡単に空気から水が作れます。但し、通常の除湿器の熱交換器にはカビが生えていると思われるので、浄水器との併用が必須と思われます。新しい除湿器ならば、しばらくはカビの入って無い水が得られると思います。
シャープ 衣類乾燥 除湿機 CV-P71-W コンプレッサー 方式 で1日6.3Lの水が作れます。アマゾンで21,800円、価格comで最安値は20,200円でした。消費電力は175W/50Hzで、1時間当たりの電気代は約5円です。タンク容量が2.5Lなので1日3回位溜まった水を別の容器に移す必要が有ります。中国製のAnlaby 除湿機なら1日12L作れて16,830円です。
シャープ 除湿機 CV-P71-W Anlaby 除湿機
「安眠のためのつまらないラジオ」に出ている堀田先生の話では、巨大地震に向けて、サバイバルのために貯めておいた雨水と除湿器の排水を検査機関に出して水質の分析してもらったそうです。

そうしたら、雨水は飲用にアウトの判定だったのですが、除湿器の水はぎりぎりセーフという結果だったそうです。そうすると、除湿器の水を浄水器を使って浄化すれば、雨水を溜めて浄水器を通すよりかなり良い飲料水が得られそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=qh_pM6m-lp8
「安眠のためのつまらないラジオ」の堀田先生は災害対策時の飲料水を確保する方法として発電機(ソーラーパネルタイプ)と除湿器と浄水器の3つをセットで用意することを推奨していました。
中国製と思われますが、アマゾンで160Wのソーラーパネルとリン酸鉄のリチウムイオン電池を内蔵した768Whのポータブル電源をセットにした製品が76,200円で売られていました。

EcoFlow ポータブル電源 ソーラーパネルセット RIVER2 Pro ソーラーパネル 160W 1枚 +リン酸鉄リチウムイオン電池 大容量 512Wh 充放電サイクル3,500回以上
この製品のポータブル電源はAC100Vの標準出力が800Wですので、除湿器だけでなく、かなり多くの家電製品を使用することが出来るので、アウトドアだけでなく、大災害時の非常用電源としても利用できるので準備しておきたい製品です。
3.川の水を汲んできて利用する
山奥の清流であればかなりきれいな水が得られますが、一般の人が住んでいる近くの川の水には生活排水や産業用排水が流れ込んでいるので、水道水を作っている浄水場のような水処理をしないと飲料水は得られません。
どうしても川の水しか手に入らない場合は、以下の処理をお勧めします。
①川の水の中に含まれているコロイド粒子や小さな汚れを凝集剤を混ぜて攪拌することで水と泥等を分離して、上澄みの水だけを取り出します。
この時通常の浄水場では凝集剤として硫酸アルミニウムかポリ塩化アルミニウム(PAC)を使用しているのですが、これらのアルミ系凝集剤を使用すると、水の中にアルツハイマー病の原因物質であるアルミニウムイオンが溶け込むので良くありません。
凝集剤としては鉄系の無機高分子凝集剤のポリ硫酸第二鉄(ポリテツ)か、高分子系の凝集剤を使用するようにして下さい。但し、鉄系の無機高分子凝集剤は業務用しか手に入らないので、非常に安価(ポリ硫酸第二鉄:ポリテツ 20kgで5,720円、楽天)で安全性が高いのですが、液体で、混ぜる量を間違えるとかえって水質が悪化するので難しい面もあります。
https://item.rakuten.co.jp/campaign365/4580374781058/
ポリ硫酸第二鉄:ポリテツを用いた専門家の研究レポートが以下で見られます。従来のアルミニウム系の凝集剤より藻類除去性能に優れた面があり、かつ浄水中のアルミニウム濃度が増加しない特徴があります。日本の浄水場も早くこの凝集剤を使用してもらいたいものです。
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/1247/1/4-5_p129-132.pdf
量が少ない割にかなり高価(500gで5,720円)ですが、納豆のねばねば成分であるポリグルタミン酸にカルシウム化合物を添加したポリグル:「PGα21Ca」という凝集剤は粉体で安全性が高く、川の水の凝集剤としては良いと思われます。「PGα21Ca」は以下のサイトで購入できます。PGα21Caは、1グラムで10リットルもの水を凝集できるので、500gで5000リットルの水の凝集が出来る計算になります。
https://polyglu2011.cart.fc2.com/

ポリグル:PGα21Ca
②次に凝集剤で澄んだ水と底に沈澱したフロックを分けて、澄んだ水を別の容器に移して、浄水器に通して浄水を得ます。
この時にポリタンク型非常用浄水器 MJMI02を使用する場合は、フィルターの目が0.1μなので、細菌類は除去出来ますが、より小さいウイルスは除去できません。
③川の水を利用して飲用水を作る場合は、この浄水器を通した水を更に安全性を高める為に煮沸殺菌するか、殺菌剤として、あのMMSの原料である亜塩素酸ナトリウムか次亜塩素酸ナトリウムを数滴滴下してから飲料水として使用するようにした方が安全な飲料水が得られると思います。
亜塩素酸ナトリウム:NaClO2はアメリカで早くから水や食肉の殺菌剤として使用が認められていた食品添加物で、無味無臭で安全性が高く、長時間殺菌効果が持続する特徴があります。産陽商事が5%(50,000ppm)500mlの製品をアポロ消臭除菌剤という名称で2本セット2,200円、送料600円で販売しています。水の殺菌用には10~50ppm位の濃度になるように亜塩素酸ナトリウム溶液を薄めて使用します。10~50ppmの濃度の場合は5,000~1,000倍に薄めれば良いので、浄水器を通した水に適量滴下して攪拌後に飲用します。
亜塩素酸ナトリウムはクエン酸や塩酸と混ぜると二酸化塩素が発生し、それを水で薄めると、あのジム・ハンブルが発見した体内のウイルスや細菌も除去できる可能性が有る奇跡のミネラル:MMSを生成出来るのでお勧めです。日本でMMSの材料をセットで販売しているのは沖縄のOxidizersという会社です。
次亜塩素酸ナトリウム: NaClOはオーヤラックスという会社が水の衛生剤ピユアという製品を楽天で15ml入りで1,350円、送料531円で販売していました。この製品は登山家などが昔から登山中の飲料水確保時に殺菌用に利用していたようです。次亜塩素酸ナトリウムは不安定で科学的な性質が非常に強いので、殺菌効果が高いのですが、殺菌効果の持続時間が短く、塩素臭がして水の味が変わってしまう欠点があります。

アポロ消臭除菌剤 500g NaClO2 & クエン酸水 飲み水の衛生剤 「ピュア」
アポロ消臭除菌剤 アポロクオーツ
http://www.smokefree.co.jp/apolo200.html
NaClO2 & クエン酸水…日本でMMSの材料を販売しているサイトです
https://www.mms12.jp/index.php?%E5%95%86%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B
オーヤラックス 飲み水の衛生剤 「ピュア」
https://item.rakuten.co.jp/zacros/ec001pure1s15mlc0022q000100000/
(2024年6月4日)
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
5月19日、イランのライシ大統領の乗ったヘリが墜落し、大統領と外相が死亡したというニュースで、最初は濃霧による悪天候が原因ではないかと報道されていました。
しかしその後、ヘリは3機編隊で、別のヘリの乗組員は当日は視界は良かったと証言しているという報が流れ、私は、「いよいよ中東で本格的な戦争が始まるかもしれない……」と思うようになりました。
絵本作家の、のぶみさんは、幼い子供たちの胎内記憶や夢などの内容を伝える動画を出されていますが、イラン大統領死亡の報が流れた後、急に「戦争が始まる」と言い出す子供たちが増えたそうです。しかも、6月29日に始まると言った子供が複数いたそうです。
6月28日にイランの大統領選挙が行われることを子供たちは知らないでしょうから、これはとても興味深い話です。
6月29日以降、中東情勢に注目したいと思っています。
イスラエルのガザ侵攻で、イエメンの武装組織フーシ派による船舶への攻撃により、バブ・エル・マンデブ海峡はほぼ閉鎖状態だといいます。これが世界の物流に影響して、日本でも物の値段が上がるインフレの一因になっていると言われています。
加えて、イスラエルとイランの間で本格的な戦争が起これば、ホルムズ海峡が封鎖される可能性があり、もしそうなれば、世界で一番影響を受けるのは日本だと言われているそうです。
日本への原油の8割がホルムズ海峡を通って送られていることから、ホルムズ海峡は日本の生命線といえます。
また日本の食料自給率は(カロリーベースで)38%なので、世界からの物量が止まってしまったら、日本人の10人に6人は飢えることになります。
それゆえ、ネットではこの夏にも食料危機が起きるという人がいます。
たしかに、中東で戦争が勃発したら、日本は極めて危険な状況におかれることは間違いないでしょう。
今回の記事は、「食料危機の話」ですが、中東戦争のような外部要因だけではなく、実は国内でも食料危機が起きる下地が作られているという話です。
ここでちょっと気になる情報をお知らせします。
「沖縄おばば」さんの動画で言っていたのですが、日本の米問屋の85%が、計画していた米の入荷ができていないと言っているそうです。
これはすでに米不足が起きていることを意味します。
町のスーパーにはまだ米が豊富に売られているので、私たち一般の消費者には見えませんが、これからスーパーの在庫が無くなっていったとき、米問屋から米が入りにくくなり、米不足が表面化していく可能性があります(すでに米の値段はジリジリ上がっているそうです)。
平成の米騒動を憶えておられる方は多いと思いますが、米の不作により、タイ米が急遽輸入されたことがありました。
しかし令和の米騒動が起こったら、平成の米騒動など比較にならないほど深刻になると思います。
なぜなら、令和の米騒動ではタイ米の輸入のような措置がとれない可能性が高いからです。
なぜ、中東での戦争がなくても、日本で食料危機が発生する可能性があるのか。
まず、気候的な要因から触れていきたいと思います。
『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(森永卓郎、鈴木宣弘著、講談社新書)から抜粋して紹介させていただきます(図表は略します)。
・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p132~p133から抜粋開始>・・・
2023年夏の猛暑で壊滅的な打撃
2023年の夏は記録的な猛暑だった。その影響でいま、農産物の生産が減っている。
ニンジン、カボチャ、ジャガイモなどが水不足と暑さで打撃を受け、収量が落ちている。野菜だけでなく、米の被害も甚大だという。新潟県など、米どころでも不作に陥り、米の品質が落ちているそうで大きな問題になっている。
とくに北海道の被害が大きいようだ。ふだん、北海道の夏はそれなりに涼しいのだが、この記録的な猛暑で、北海道の酪農に多大な被害が出ている。猛暑で牛がパテてしまい、熱中症のような症状でエサが食べられなくなったり、死んでしまったりしたという。その結果、影響の大きいところでは8月の乳量が平年より3割も減ってしまったと聞く。全体平均でもおおよそ1割以上も生乳生産が減っているらしい。
農産物が不作となれば、価格が高騰し、消費者の懐を直撃する。と同時に、農家経営にとっても非常に苦しい状況が生まれる。
ウクライナ戦争の開始以降、農家は生産資材の値上がりに苦しんでいる。肥料、エサの価格は2倍近くに値上がり、燃料は5割高、その他の生産資材価格もどんどん値上がりしている。
だがその分を農産物の価格に簡単に転嫁できない構造がある。そのため農家の赤字が膨らんでいた。そこに猛暑と収量減が直撃したので、さらに赤字が膨らみ、農家経営が非常に苦しくなっている。
一般の消費者としても農産物の価格が上がり大変な状況だろうが、農家も大変な状況なのである。
・・・<抜粋終了>・・・
「沖縄おばば」さんによると、中国の農業書で、今年の年回りは不作の年で、例年の収穫量の半分になると書かれているそうです。
この農業書は、予言書ではなく、中国の農業の長年の統計をとった統計書とも言えるものだそうです。
そうなると気になるのは、今年の夏は記録的猛暑となった去年のような暑さになるのか、それとも一転して冷夏になるのかです。
「のぶみチャンネル」さんの動画では、ある子供は、去年以上の猛暑となると言っていました。
子供たちの言うことが当たるかどうかわかりませんが、最悪の事態を想定しておく必要があるかもしれません。
2年連続で記録的猛暑とならないことを願うのみです。
次は、世界的な天候不順で農作物の収穫量が落ちていて、インドでは輸出規制が始まったことと、中国が世界中の穀物の爆買いをしているという話です。
・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p133~p135から抜粋開始>・・・
インドの輸出規制が与えたインパクト
2022年にはじまったウクライナ戦争は世界の食料供給に大きな問題をもたらしている。周知の通りウクライナは世界の一大穀倉地帯だが、戦争の影響でウクライナ産の穀物出荷に大きな制約が課せられている。ロシアはウクライナ産農産物の輸出をいったんは許可するとしていたが、その約束を反故にしてウクライナのオデッサ港を攻撃した。そのためウクライナ産の穀物を出荷できない状況がより悪化してしまった。
インドの対応が新たな問題となっている。インドは米の輸出量で世界1位、小麦の生産量は世界2位という輸出大国だったが、そのインドが輸出規制をはじめたのだ。小麦については2022年5月に輸出を禁止、米についても2023年7月に非バスマティ米の輸出を禁止した。
インドは世界の米輸出の4割を占める米輸出大国である。そのインドが輸出規制を導入したことの影響は計り知れない。この影響は米以外の穀物にも波及するだろう。
中国の影響も見逃せない。これは某商社の方から聞いた話だが、中国はいま膨大な量の穀物備蓄を進めており、世界中から穀物を買い集めているという。14億人を数える中国の国民が、1年半も食べていけるほどの途方もない量だという。ウクライナ戦争を受けた措置だろうが、対米関係の悪化と、近い将来の台湾有事をにらんだ動きとも考えられる。
この中国の行動もあって、世界の食料需給の逼迫は今後も続く見込みだ。
中国は備蓄を進めているが、日本はどうだろうか。
実は日本の食料備蓄量はかなり少ない。穀物全体でせいぜい1.5カ月分程度の政府備蓄しかない。米だけでもおよそ100万トンの備蓄量だが、これでは20日ほどしかもたないという試算もある。このような状況で有事の食料供給は本当に大丈夫なのだろうか(BS-TBS『報道1930』2022年6月22日放送を参照)。
・・・<抜粋終了>・・・
田舎の若者からすれば、東京は文化やファッションの中心だけでなく、経済・金融の中心地でもあり、「東京さ行って、一旗揚げるべ!」といった、あこがれの地です。
実際のところ、これまでのところ人口減少に悩む地方とは逆に、東京は人口が増加しています。
しかし著者の鈴木宣弘氏によれば、食料危機が起こったら、真っ先に飢えるのは東京や大阪のような大都市圏だといいます。
・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p135~p139から抜粋開始>・・・
最初に飢えるのは東京と大阪
日本の農業は少子高齢化が直撃しており、農家の平均年齢はいまや68.4歳(2022年)となっている。物価高に加え猛暑にも苦しむという農家には厳しい状況が続き、生産をやめてしまう方も増えているのが現状だ。
このまま農家の減少が進めば、当然日本の食料自給率は大きく低下する。前著『世界で最初に飢えるのは日本』でも紹介したが、農水省のデータに基づいて筆者が試算したところ、2035年の日本の食料自給率は、最悪のシナリオでは、米11パーセント、野菜4パーセントなど壊滅的な状況が予想されている。異常気象が続けて発生すれば、自給率はさらに低下するだろう。
猛暑で大きな打撃を受けた北海道は、日本の農業生産の中心である。
北海道の食料自給率は223パーセントもあり、日本国内に農産物を供給する「食料基地」の役割を果たしている。ジャガイモは約8割、ニンジンは約3割を北海道で生産している。
北海道が日本の食料供給を一手に担っている反面、東京の自給率は0.47パーセント、4捨5入するとゼロという状況だ。
北海道の農業が打撃を受け、大きく減産すればどうなるか。北海道からの食料供給に頼る東京はひとたまりもない。自給率がほぼゼロの東京と大阪は、国内の食料供給が不足すれば、一番最初に飢えることになる。
私は前著『世界で最初に飢えるのは日本』で、日本の真の自給率はきわめて低く、有事で輸入が止まれば、たちまち飢えてしまうと説いた。
それに加えて、日本で最初に飢えるのは東京と大阪だということをここに強調しておきたい。こと食料の面においては、大都市の生殺与奪の権は地方が握っているのだ。
世界の状況はまさに「有事」
ウクライナ戦争は収束の気配が見えない。その上、中東ではイスラエルとパレスチナの紛争が激化している。アルメニアとアゼルバイジャンの間にも武力衝突が起きているし、世界の緊張はますます高まっていると言える。
加えて、円安が進み、日本の「買う力」はどんどん衰えている。中国が大量の食料を輸入し、日本が買い負けるケースも目立っている。インドのように食料の輸出規制をはじめる国も現れ、世界の食料需給はかなり逼迫してきている。
その上、異常気象がもはや「通常気象」となりつつある。
猛暑でジャガイモ生産に打撃と述べたが、近年の異常気象でジャガイモ不足は日常茶飯事になりつつある。2021年から22年にかけて、やはり異常気象でジャガイモ不足が起こり、ポテトチップスが品薄になったが、覚えている読者もきっと多いだろう。
「食料なんて輸入すればいい」という時代は終わりつつあるのだ。
スーパーに行けば食料があり、飲食店に行けば料理が出る。かつてはそれが当たり前だったかもしれない。だが、今後も同じように食料を入手できると考えるのは間違いだ。
太平洋戦争の後、日本はひどい食料不足に陥った。とくにひどかったのは都市部である。
都市部に住む人々は電車を乗り継いで農村へと出向き、持参した着物を差し出して、どうか食べ物と交換してください、お願いしますと頭を下げ、なけなしのお米と交換してもらっていたのだ。たった80年ほど前の出来事である。
もうじき戦後80年といういま、そうした経験をもつ人も少なくなってしまったが、今後同じことが起こらないとは限らないだろう。
日本の食料自給率を高めるにはどうすればいいのか。都市部の人も真剣に考えるべきときが来ている。
「農家は大変だね」と他人事のように思っていると、いずれ東京の人たちも食料危機に苦しむことになろう。
2023年の猛暑と野菜不足を教訓に、対策を進めるべきではないだろうか。
・・・<抜粋終了>・・・
これまで日本の食料危機が起こる要因として、異常気象による収穫量の減少、海外からの輸入量の減少をあげてきました。
さらなる要因として、日本の政府・行政が農業・畜産をつぶすような政策をとってきたことが挙げられます。
mRNAワクチンによって日本人の人口減少を画策したように、意図的に農業を破壊し、日本人を減らそうとしているかのようです。
・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p139~p146から抜粋開始>・・・
酪農家がパタバタ倒れている
いま、日本の酪農が危機に瀕している。
前著『世界で最初に飢えるのは日本』でも触れたが、コロナ禍で生乳の需要が急減し、牛乳余りが起きた。一方、それまで生乳の増産を指示していた政府・農水省は一転して生乳の減産を目指すようになり、「牛を処分すれば補助金を出す」というひどい政策が実行されている。
これが酪農家の経営を大いに苦しめている。多くの酪農家が、政府・農水省の先導によって生乳の増産のために設備投資を行った。経営規模の大きな酪農家ほど積極的に設備投資を進めたのである。
だが、コロナ禍以降はそれが仇(あだ)となった。農水省の減産命令のために牛乳の売り上げが減少し、酪農家は設備投資の借金返済に苦しむこととなる。
一方、ウクライナ戦争以降の円安・物価高により、ガソリン価格をはじめ生産資材の高騰が起こっている。かといって酪農家が牛乳を値上げできるわけではないので、燃料や飼料の値上がり分は酪農家が負担するほかない。
その結果、酪農経営の赤字が拡大し、全国で酪農家がバタバタと倒れはじめている。
問題は酪農家の廃業にとどまらない。とくに、本書でもたびたび触れたように、2023年の猛暑で生乳生産も大きなダメージを受けた。山形では平年より2割も乳量が減少したという報告もある。(https://www.fnn.jp/articles/-/577989を参照)
こんな状況にもかかわらず、政府は牛乳生産量の抑制をまだ続けると言っている。牛乳を搾るとペナルティとして脱脂粉乳の在庫を買わせるという方法まで用いて、強権的に生産を抑制しているのが現状である。なんと、その一方で、バターが足りないとしてバターの緊急輸入をしはじめた。
・・・(中略)・・・
「牛乳不足」と「牛乳余り」を繰り返す理由
牛乳は需給調整が難しい農産物だが、日本は近年、牛乳の需給調整に失敗し続けている。
政府による「酪農いじめ」の結果、国内の生乳生産が不安定化し、今度は一転して「牛乳不足」に陥りつつある。「牛乳不足」と「牛乳余り」が交互に発生するのは明らかに政府の失策である。
すでにバターの在庫は不足ぎみになっており、政府はバター輸入枠を拡大した。国内の酪農家に「牛を処分すれば補助金を出す」と言って乳製品の生産量を減らしておきながら、減った分は外国から輸入して補っている。 国内農家を苦しめながら、外国の農家に補助金を出しているも同然だ。
「牛乳不足」と「牛乳余り」を繰り返す最大の原因は、国が需要を作らないことにある。
生乳の生産量を増やすと同時に、政府が一定量を買い上げる仕組みを作るべきだった。需要の「出口」があれば、コロナ禍でも「牛乳余り」にはならなかったし、酪農家の経営はもっと安定していたはずだ。
民間と違って、国は多額の予算を使うことで、「需要」を創出できる。
国が財政出動によって需要を作ることで、経済を回していくというのは、ケインズ経済学では当然の考え方だ。だが日本では政策決定にその考え方が取り入れられることがほとんどない。
近年、日本では格差の拡大もあって食べたくても食べられない人が増えている。子ども食堂を利用する家庭がどんどん増えているのが日本社会の現状だ。
日本でも「フードバンク」の仕組みを作り、そうした人々に食料を届けるべきだ。そうすれば困っている人も助かるし、農家にとっては余剰農産物の出口になる。
アメリカをはじめ、他国ではこうした取り組みが当たり前となっている。国内外への援助物資を、農産物の需給調整に活用しているのだ。こうした政策をなぜ日本政府はやらないのか。これこそ政府が本来責任を持ってやるべき政策のはずだ。
「牛乳余り」になると、よく「バターなどの加工品に回せ」という意見が出る。
牛乳は特殊な農産物で、生乳を加工してバターにしたり、また逆に脱脂粉乳やバターに水を加え、「還元乳」として再度出荷したりと、非常に複雑な流通形態を持っている。
仮に牛乳余りでバターの生産を増やすと、バターと同時に脱脂粉乳も作ることになるので、脱脂粉乳の在庫も急増する。ただ昨今は少子化の影響によって脱脂粉乳の需要が少ないので、バターをたくさん作り、脱脂粉乳の在庫が増えると、メーカーが困ってしまう。こうした問題があるので、牛乳の需給調整はとても難しいのだ。
ただ、それも政府が介入すればいいだけの話とも言える。脱脂粉乳が余るなら政府が一定量を買い上げ、国内外への支援物資に使えばいい。少子化対策にもなるし、需給調整にもなるわけだ。
だが政府がやっているのは、牛乳が余ってきたので、補助金を出すから牛を処分しろという政策だ。これではいつまでたっても需給が悪化するだけだろう。
子牛が生まれて、牛乳を搾れるようになるまで、だいたい3年以上はかかる。牛乳余りだから牛を減らすといっても、効果が出てくるの3年後とか、もっと先の話だ。そのころには気候も変わって、逆に牛乳不足になっている可能性もある。
政府の支出を増やすことなく、供給側、農家の取り組みだけで需給を調整しようとするから失敗する。政府の指示と生産量の変化の間には時間のずれがあるからだ。その間、農家は政策に振り回され、経営難に苦しむことになる。
牛乳に限らず、農産物は簡単に供給量を調整できない。どうしても作りすぎたり、逆に不作になることがある。だから需要側での調整が重要になるのだが、政府はアメリカの顔色を窺い、責任を農家に押し付けてばかりいる。
台湾有事への備えが叫ばれるいま、農産物の生産基盤を強化すべきときのはずだ。
食べるものがなくなれば戦争どころではない。政府は農家のせいにするのをやめて、食料生産の強化に努めなければならない。
・・・<抜粋終了>・・・
私には、政府・行政は意図的な「酪農家つぶし」をやっているように見えてしまいます。
2023年は、鳥インフルエンザの被害で鶏卵不足がおき、値段が高騰しました。
今年は、それに米不足が加わるかもしれません。
・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p146~pから抜粋開始>・・・
「鶏卵不足」に「米不足」が追い打ち
2023年には鶏卵の不足と価格高騰が大きな話題となった。
鶏卵は他の農産物と同様にウクライナ戦争をきっかけとした生産資材の高騰の影響で値上がりしていたが、2022年末ごろから日本国内で鳥インフルエンザの被害が相次いだことで、供給不足が発生した。
2023年7月ごろ鶏卵の価格はピークをつけ、その後は沈静化しつつあるが、冬にかけて鳥インフルエンザの流行シーズンとなるため、再び鶏卵価格が上昇することも考えられる。
異常気象が続き、鳥インフルエンザのような病気の発生頻度が高まっている。また、鶏卵の供給を拡大しようとすると、どうしても過密な環境で飼育することが増える。結果として、より病気感染が広まりやすくなっている。
ちなみにニワトリのヒナはほぼ全量を輸入に頼っている。また、エサとなるトウモロコシはほぼ100パーセントが輸入だ。もともと日本の鶏卵業界にはこうした脆弱性がある。
鶏卵のほかに心配なのは米の不足だ。2023年の猛暑で米にも影響が出ている。米どころの新潟県では一等米の割合が41パーセントと、例年より20ポイントも下回ったという(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230929/k10014211271000.htmlを参照)
例年より等級が落ちるということは、買い取り価格が落ちるということだ。収量低下で米不足が心配される以上に、農家収入への打撃が大きな問題となるだろう。
世界を見ても米の収量は落ちているようだ。アメリカでは近年カリフォルニア米の不作が伝えられている。代わりに日本からの米輸出が増えているという。カリフォルニアでは水不足が慢性化し、そう簡単に農産物を増産できなくなっていると聞くが、その影響もあるのだろう。
オーストラリアのような農業大国でも、米が塩害によって作れなくなってきており、輸出をやめてしまっているという。
農業を潰し国民を飢えさせる「ザイム真理教」
世界的に農産物の需給が逼迫する中、日本国内の生産量を増やすしかない。そのためには田んぼの維持が必要不可欠のはずだ。
しかし、政府の方針はまったく逆である。国内では米が余っているので、「手切れ金」を出すから田んぼを潰せと言っている。思考があまりにも短絡的過ぎるのではないか。
主食を自給することは安全保障の第一歩だ。国内に田んぼがあるから米を作れる。田んぼは共同作業を通じて地域コミュニティの構築に一役買っており、日本の文化にも多大な影響を及ぼしている。しかも田んぼには治水効果があり、洪水を防止してくれてもいる。日本政府はこうした田んぼの機能にもっと目を向けるべきではないか。
田んぼを潰せと言っているのは財務省だ。森永卓郎先生も言っておられたが、財務省という官庁はとにかく短絡的な発想しかしない。米が余っているなら田んぼはやめろ、金がもったいないと、そういう意見しか言わない。
農業予算は財務省の標的になっている。他の予算にくらべて、農業予算の減少幅があまりにも大きいことはすでに述べた。1970年には1兆円近くあった農水予算は、いまでも約2兆円に過ぎない。総予算に占める割合もかつては12パーセントあったのが、いまは1.8パーセントしかない。一方で防衛予算は2024年度概算要求で7兆円を超えてきている。
予算規模だけを見ても、食料の問題がどれほどないがしろにされているかがわかるだろう。
台湾有事になれば日本人の9割が餓死する
日本の農業は風前の灯火である。農家の平均年齢は68.4歳。フランスの農家の平均年齢は51.4歳であることを考えると、これがいかに異常な数字かがわかるだろう。
この状況を放置すれば、日本の農業は消滅しかねない。平均年齢から推測してあと10年もたない可能性すらある。
しかも、農家経営は年々厳しくなっている。円安・物価高による生産コストの上昇で離農者が増えていけば、あと5年ぐらいで日本の農家は消滅してしまうかもしれない。
こんな危機的な状態にもかかわらず相変わらず、国はなにもしない。
このような状況で、台湾有事が起きればどうなるか。
戦争がはじまると海外からの食料輸入が止まる可能性が高い。そうなると、東京に住む人の食べ物が真っ先になくなるだろう。
日本のカロリーベースの食料自給率は2023年最新の数字で37.6パーセントだが、これはあくまで見た目の数字でしかない。畜産のエサは8割が輸入だということは、この数字に考慮されているが、前述の通りニワトリのヒナもエサもほぼ全量を輸入している。
肥料の輸入が止まり、使用できない場合、仮に収量が半分になると仮定すると、それだけで日本の「実質」の自給率は22パーセントに低下すると考えられる。
さらに、米も含めた種の輸入も止まるという最悪の想定では、日本の自給率は9.2パーセントにまで低下してしまう。
本書の冒頭でラトガース大学の研究を紹介した。もし核戦争が発生し貿易が止まった場合、ほとんどの日本人は餓死することになる。
核戦争でなくとも、食料輸入が止まるだけで、9割以上の日本人が餓死する。それが自給率9.2パーセントの意味である。
そもそも世界的に食料の需給が逼迫する中、日本が食料を自給せず他国から輸入していることには倫理的な問題がある。もっと国内生産を増やす余地があるのに、他国から買うことで、貧困国の食料事情に悪影響を与えているかもしれない。
2021年2月に放送された『NHKスペシャル』で、こういうシーンがあった。
ワイン1本の生産にかかる水の量は、南アフリカのスラム街の人たちが使う2週間分の水の量と同じだという。日本人はそれを大量に輸入している。つまり、日本人が気軽にワインを楽しむことで、スラム街の人々から貴重な水を奪っているのである。
同じことは穀物や牛肉の輸入にも言える。
「食料なんて輸入すればいい」が許されない時代になってきている。
・・・<抜粋終了>・・・
こうした食料危機が迫っている中、私達のような一般庶民にできることはなんでしょうか。
ありきたりですが、まずは食料の備蓄です。
あと、もし可能ならば、食用の植物を育てることです。都会であってもプランターはできます。
私は今年、ミニトマト、きゅうり、人参、ミニコーン、オクラ、ジャガイモなどを植えました。とはいえ、プランターで収穫できる量はわずかです。
しかし、自宅の中で食べられる野菜が育っている姿は、精神を落ち着かせる効果があるのではないかと思うのです。
食料危機がおきてスーパーの棚から食材が消えたとき、多くの人々はパニックに陥るでしょう。
しかし、自宅の中に豊かに実っている野菜があったら、少なくともパニックに陥ることはないはずです。また私は、『食べる野草と薬草』という本も買いそろえました。
いろいろと他にもやれることはたくさんありそうです。

手前の2つの鉢は、種類の違うミニトマトです。
種を植えてから、なかなか芽が出なかったので心配したのですが、やっと芽が出てきました。
奥は、ブラジル原産の薬草、マンジェリコンです。
寒い茅野では育たないかと思ったのですが、元気に育っています。
(2024年6月1日)
<転載終了>
そうしたら、雨水は飲用にアウトの判定だったのですが、除湿器の水はぎりぎりセーフという結果だったそうです。そうすると、除湿器の水を浄水器を使って浄化すれば、雨水を溜めて浄水器を通すよりかなり良い飲料水が得られそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=qh_pM6m-lp8
「安眠のためのつまらないラジオ」の堀田先生は災害対策時の飲料水を確保する方法として発電機(ソーラーパネルタイプ)と除湿器と浄水器の3つをセットで用意することを推奨していました。
中国製と思われますが、アマゾンで160Wのソーラーパネルとリン酸鉄のリチウムイオン電池を内蔵した768Whのポータブル電源をセットにした製品が76,200円で売られていました。
EcoFlow ポータブル電源 ソーラーパネルセット RIVER2 Pro ソーラーパネル 160W 1枚 +リン酸鉄リチウムイオン電池 大容量 512Wh 充放電サイクル3,500回以上
この製品のポータブル電源はAC100Vの標準出力が800Wですので、除湿器だけでなく、かなり多くの家電製品を使用することが出来るので、アウトドアだけでなく、大災害時の非常用電源としても利用できるので準備しておきたい製品です。
3.川の水を汲んできて利用する
山奥の清流であればかなりきれいな水が得られますが、一般の人が住んでいる近くの川の水には生活排水や産業用排水が流れ込んでいるので、水道水を作っている浄水場のような水処理をしないと飲料水は得られません。
どうしても川の水しか手に入らない場合は、以下の処理をお勧めします。
①川の水の中に含まれているコロイド粒子や小さな汚れを凝集剤を混ぜて攪拌することで水と泥等を分離して、上澄みの水だけを取り出します。
この時通常の浄水場では凝集剤として硫酸アルミニウムかポリ塩化アルミニウム(PAC)を使用しているのですが、これらのアルミ系凝集剤を使用すると、水の中にアルツハイマー病の原因物質であるアルミニウムイオンが溶け込むので良くありません。
凝集剤としては鉄系の無機高分子凝集剤のポリ硫酸第二鉄(ポリテツ)か、高分子系の凝集剤を使用するようにして下さい。但し、鉄系の無機高分子凝集剤は業務用しか手に入らないので、非常に安価(ポリ硫酸第二鉄:ポリテツ 20kgで5,720円、楽天)で安全性が高いのですが、液体で、混ぜる量を間違えるとかえって水質が悪化するので難しい面もあります。
https://item.rakuten.co.jp/campaign365/4580374781058/
ポリ硫酸第二鉄:ポリテツを用いた専門家の研究レポートが以下で見られます。従来のアルミニウム系の凝集剤より藻類除去性能に優れた面があり、かつ浄水中のアルミニウム濃度が増加しない特徴があります。日本の浄水場も早くこの凝集剤を使用してもらいたいものです。
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/1247/1/4-5_p129-132.pdf
量が少ない割にかなり高価(500gで5,720円)ですが、納豆のねばねば成分であるポリグルタミン酸にカルシウム化合物を添加したポリグル:「PGα21Ca」という凝集剤は粉体で安全性が高く、川の水の凝集剤としては良いと思われます。「PGα21Ca」は以下のサイトで購入できます。PGα21Caは、1グラムで10リットルもの水を凝集できるので、500gで5000リットルの水の凝集が出来る計算になります。
https://polyglu2011.cart.fc2.com/
ポリグル:PGα21Ca
②次に凝集剤で澄んだ水と底に沈澱したフロックを分けて、澄んだ水を別の容器に移して、浄水器に通して浄水を得ます。
この時にポリタンク型非常用浄水器 MJMI02を使用する場合は、フィルターの目が0.1μなので、細菌類は除去出来ますが、より小さいウイルスは除去できません。
③川の水を利用して飲用水を作る場合は、この浄水器を通した水を更に安全性を高める為に煮沸殺菌するか、殺菌剤として、あのMMSの原料である亜塩素酸ナトリウムか次亜塩素酸ナトリウムを数滴滴下してから飲料水として使用するようにした方が安全な飲料水が得られると思います。
亜塩素酸ナトリウム:NaClO2はアメリカで早くから水や食肉の殺菌剤として使用が認められていた食品添加物で、無味無臭で安全性が高く、長時間殺菌効果が持続する特徴があります。産陽商事が5%(50,000ppm)500mlの製品をアポロ消臭除菌剤という名称で2本セット2,200円、送料600円で販売しています。水の殺菌用には10~50ppm位の濃度になるように亜塩素酸ナトリウム溶液を薄めて使用します。10~50ppmの濃度の場合は5,000~1,000倍に薄めれば良いので、浄水器を通した水に適量滴下して攪拌後に飲用します。
亜塩素酸ナトリウムはクエン酸や塩酸と混ぜると二酸化塩素が発生し、それを水で薄めると、あのジム・ハンブルが発見した体内のウイルスや細菌も除去できる可能性が有る奇跡のミネラル:MMSを生成出来るのでお勧めです。日本でMMSの材料をセットで販売しているのは沖縄のOxidizersという会社です。
次亜塩素酸ナトリウム: NaClOはオーヤラックスという会社が水の衛生剤ピユアという製品を楽天で15ml入りで1,350円、送料531円で販売していました。この製品は登山家などが昔から登山中の飲料水確保時に殺菌用に利用していたようです。次亜塩素酸ナトリウムは不安定で科学的な性質が非常に強いので、殺菌効果が高いのですが、殺菌効果の持続時間が短く、塩素臭がして水の味が変わってしまう欠点があります。
アポロ消臭除菌剤 500g NaClO2 & クエン酸水 飲み水の衛生剤 「ピュア」
アポロ消臭除菌剤 アポロクオーツ
http://www.smokefree.co.jp/apolo200.html
NaClO2 & クエン酸水…日本でMMSの材料を販売しているサイトです
https://www.mms12.jp/index.php?%E5%95%86%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B
オーヤラックス 飲み水の衛生剤 「ピュア」
https://item.rakuten.co.jp/zacros/ec001pure1s15mlc0022q000100000/
(2024年6月4日)
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食料危機の話
5月19日、イランのライシ大統領の乗ったヘリが墜落し、大統領と外相が死亡したというニュースで、最初は濃霧による悪天候が原因ではないかと報道されていました。
しかしその後、ヘリは3機編隊で、別のヘリの乗組員は当日は視界は良かったと証言しているという報が流れ、私は、「いよいよ中東で本格的な戦争が始まるかもしれない……」と思うようになりました。
絵本作家の、のぶみさんは、幼い子供たちの胎内記憶や夢などの内容を伝える動画を出されていますが、イラン大統領死亡の報が流れた後、急に「戦争が始まる」と言い出す子供たちが増えたそうです。しかも、6月29日に始まると言った子供が複数いたそうです。
6月28日にイランの大統領選挙が行われることを子供たちは知らないでしょうから、これはとても興味深い話です。
6月29日以降、中東情勢に注目したいと思っています。
イスラエルのガザ侵攻で、イエメンの武装組織フーシ派による船舶への攻撃により、バブ・エル・マンデブ海峡はほぼ閉鎖状態だといいます。これが世界の物流に影響して、日本でも物の値段が上がるインフレの一因になっていると言われています。
加えて、イスラエルとイランの間で本格的な戦争が起これば、ホルムズ海峡が封鎖される可能性があり、もしそうなれば、世界で一番影響を受けるのは日本だと言われているそうです。
日本への原油の8割がホルムズ海峡を通って送られていることから、ホルムズ海峡は日本の生命線といえます。
また日本の食料自給率は(カロリーベースで)38%なので、世界からの物量が止まってしまったら、日本人の10人に6人は飢えることになります。
それゆえ、ネットではこの夏にも食料危機が起きるという人がいます。
たしかに、中東で戦争が勃発したら、日本は極めて危険な状況におかれることは間違いないでしょう。
今回の記事は、「食料危機の話」ですが、中東戦争のような外部要因だけではなく、実は国内でも食料危機が起きる下地が作られているという話です。
ここでちょっと気になる情報をお知らせします。
「沖縄おばば」さんの動画で言っていたのですが、日本の米問屋の85%が、計画していた米の入荷ができていないと言っているそうです。
これはすでに米不足が起きていることを意味します。
町のスーパーにはまだ米が豊富に売られているので、私たち一般の消費者には見えませんが、これからスーパーの在庫が無くなっていったとき、米問屋から米が入りにくくなり、米不足が表面化していく可能性があります(すでに米の値段はジリジリ上がっているそうです)。
平成の米騒動を憶えておられる方は多いと思いますが、米の不作により、タイ米が急遽輸入されたことがありました。
しかし令和の米騒動が起こったら、平成の米騒動など比較にならないほど深刻になると思います。
なぜなら、令和の米騒動ではタイ米の輸入のような措置がとれない可能性が高いからです。
なぜ、中東での戦争がなくても、日本で食料危機が発生する可能性があるのか。
まず、気候的な要因から触れていきたいと思います。
『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(森永卓郎、鈴木宣弘著、講談社新書)から抜粋して紹介させていただきます(図表は略します)。
・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p132~p133から抜粋開始>・・・
2023年夏の猛暑で壊滅的な打撃
2023年の夏は記録的な猛暑だった。その影響でいま、農産物の生産が減っている。
ニンジン、カボチャ、ジャガイモなどが水不足と暑さで打撃を受け、収量が落ちている。野菜だけでなく、米の被害も甚大だという。新潟県など、米どころでも不作に陥り、米の品質が落ちているそうで大きな問題になっている。
とくに北海道の被害が大きいようだ。ふだん、北海道の夏はそれなりに涼しいのだが、この記録的な猛暑で、北海道の酪農に多大な被害が出ている。猛暑で牛がパテてしまい、熱中症のような症状でエサが食べられなくなったり、死んでしまったりしたという。その結果、影響の大きいところでは8月の乳量が平年より3割も減ってしまったと聞く。全体平均でもおおよそ1割以上も生乳生産が減っているらしい。
農産物が不作となれば、価格が高騰し、消費者の懐を直撃する。と同時に、農家経営にとっても非常に苦しい状況が生まれる。
ウクライナ戦争の開始以降、農家は生産資材の値上がりに苦しんでいる。肥料、エサの価格は2倍近くに値上がり、燃料は5割高、その他の生産資材価格もどんどん値上がりしている。
だがその分を農産物の価格に簡単に転嫁できない構造がある。そのため農家の赤字が膨らんでいた。そこに猛暑と収量減が直撃したので、さらに赤字が膨らみ、農家経営が非常に苦しくなっている。
一般の消費者としても農産物の価格が上がり大変な状況だろうが、農家も大変な状況なのである。
・・・<抜粋終了>・・・
「沖縄おばば」さんによると、中国の農業書で、今年の年回りは不作の年で、例年の収穫量の半分になると書かれているそうです。
この農業書は、予言書ではなく、中国の農業の長年の統計をとった統計書とも言えるものだそうです。
そうなると気になるのは、今年の夏は記録的猛暑となった去年のような暑さになるのか、それとも一転して冷夏になるのかです。
「のぶみチャンネル」さんの動画では、ある子供は、去年以上の猛暑となると言っていました。
子供たちの言うことが当たるかどうかわかりませんが、最悪の事態を想定しておく必要があるかもしれません。
2年連続で記録的猛暑とならないことを願うのみです。
次は、世界的な天候不順で農作物の収穫量が落ちていて、インドでは輸出規制が始まったことと、中国が世界中の穀物の爆買いをしているという話です。
・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p133~p135から抜粋開始>・・・
インドの輸出規制が与えたインパクト
2022年にはじまったウクライナ戦争は世界の食料供給に大きな問題をもたらしている。周知の通りウクライナは世界の一大穀倉地帯だが、戦争の影響でウクライナ産の穀物出荷に大きな制約が課せられている。ロシアはウクライナ産農産物の輸出をいったんは許可するとしていたが、その約束を反故にしてウクライナのオデッサ港を攻撃した。そのためウクライナ産の穀物を出荷できない状況がより悪化してしまった。
インドの対応が新たな問題となっている。インドは米の輸出量で世界1位、小麦の生産量は世界2位という輸出大国だったが、そのインドが輸出規制をはじめたのだ。小麦については2022年5月に輸出を禁止、米についても2023年7月に非バスマティ米の輸出を禁止した。
インドは世界の米輸出の4割を占める米輸出大国である。そのインドが輸出規制を導入したことの影響は計り知れない。この影響は米以外の穀物にも波及するだろう。
中国の影響も見逃せない。これは某商社の方から聞いた話だが、中国はいま膨大な量の穀物備蓄を進めており、世界中から穀物を買い集めているという。14億人を数える中国の国民が、1年半も食べていけるほどの途方もない量だという。ウクライナ戦争を受けた措置だろうが、対米関係の悪化と、近い将来の台湾有事をにらんだ動きとも考えられる。
この中国の行動もあって、世界の食料需給の逼迫は今後も続く見込みだ。
中国は備蓄を進めているが、日本はどうだろうか。
実は日本の食料備蓄量はかなり少ない。穀物全体でせいぜい1.5カ月分程度の政府備蓄しかない。米だけでもおよそ100万トンの備蓄量だが、これでは20日ほどしかもたないという試算もある。このような状況で有事の食料供給は本当に大丈夫なのだろうか(BS-TBS『報道1930』2022年6月22日放送を参照)。
・・・<抜粋終了>・・・
田舎の若者からすれば、東京は文化やファッションの中心だけでなく、経済・金融の中心地でもあり、「東京さ行って、一旗揚げるべ!」といった、あこがれの地です。
実際のところ、これまでのところ人口減少に悩む地方とは逆に、東京は人口が増加しています。
しかし著者の鈴木宣弘氏によれば、食料危機が起こったら、真っ先に飢えるのは東京や大阪のような大都市圏だといいます。
・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p135~p139から抜粋開始>・・・
最初に飢えるのは東京と大阪
日本の農業は少子高齢化が直撃しており、農家の平均年齢はいまや68.4歳(2022年)となっている。物価高に加え猛暑にも苦しむという農家には厳しい状況が続き、生産をやめてしまう方も増えているのが現状だ。
このまま農家の減少が進めば、当然日本の食料自給率は大きく低下する。前著『世界で最初に飢えるのは日本』でも紹介したが、農水省のデータに基づいて筆者が試算したところ、2035年の日本の食料自給率は、最悪のシナリオでは、米11パーセント、野菜4パーセントなど壊滅的な状況が予想されている。異常気象が続けて発生すれば、自給率はさらに低下するだろう。
猛暑で大きな打撃を受けた北海道は、日本の農業生産の中心である。
北海道の食料自給率は223パーセントもあり、日本国内に農産物を供給する「食料基地」の役割を果たしている。ジャガイモは約8割、ニンジンは約3割を北海道で生産している。
北海道が日本の食料供給を一手に担っている反面、東京の自給率は0.47パーセント、4捨5入するとゼロという状況だ。
北海道の農業が打撃を受け、大きく減産すればどうなるか。北海道からの食料供給に頼る東京はひとたまりもない。自給率がほぼゼロの東京と大阪は、国内の食料供給が不足すれば、一番最初に飢えることになる。
私は前著『世界で最初に飢えるのは日本』で、日本の真の自給率はきわめて低く、有事で輸入が止まれば、たちまち飢えてしまうと説いた。
それに加えて、日本で最初に飢えるのは東京と大阪だということをここに強調しておきたい。こと食料の面においては、大都市の生殺与奪の権は地方が握っているのだ。
世界の状況はまさに「有事」
ウクライナ戦争は収束の気配が見えない。その上、中東ではイスラエルとパレスチナの紛争が激化している。アルメニアとアゼルバイジャンの間にも武力衝突が起きているし、世界の緊張はますます高まっていると言える。
加えて、円安が進み、日本の「買う力」はどんどん衰えている。中国が大量の食料を輸入し、日本が買い負けるケースも目立っている。インドのように食料の輸出規制をはじめる国も現れ、世界の食料需給はかなり逼迫してきている。
その上、異常気象がもはや「通常気象」となりつつある。
猛暑でジャガイモ生産に打撃と述べたが、近年の異常気象でジャガイモ不足は日常茶飯事になりつつある。2021年から22年にかけて、やはり異常気象でジャガイモ不足が起こり、ポテトチップスが品薄になったが、覚えている読者もきっと多いだろう。
「食料なんて輸入すればいい」という時代は終わりつつあるのだ。
スーパーに行けば食料があり、飲食店に行けば料理が出る。かつてはそれが当たり前だったかもしれない。だが、今後も同じように食料を入手できると考えるのは間違いだ。
太平洋戦争の後、日本はひどい食料不足に陥った。とくにひどかったのは都市部である。
都市部に住む人々は電車を乗り継いで農村へと出向き、持参した着物を差し出して、どうか食べ物と交換してください、お願いしますと頭を下げ、なけなしのお米と交換してもらっていたのだ。たった80年ほど前の出来事である。
もうじき戦後80年といういま、そうした経験をもつ人も少なくなってしまったが、今後同じことが起こらないとは限らないだろう。
日本の食料自給率を高めるにはどうすればいいのか。都市部の人も真剣に考えるべきときが来ている。
「農家は大変だね」と他人事のように思っていると、いずれ東京の人たちも食料危機に苦しむことになろう。
2023年の猛暑と野菜不足を教訓に、対策を進めるべきではないだろうか。
・・・<抜粋終了>・・・
これまで日本の食料危機が起こる要因として、異常気象による収穫量の減少、海外からの輸入量の減少をあげてきました。
さらなる要因として、日本の政府・行政が農業・畜産をつぶすような政策をとってきたことが挙げられます。
mRNAワクチンによって日本人の人口減少を画策したように、意図的に農業を破壊し、日本人を減らそうとしているかのようです。
・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p139~p146から抜粋開始>・・・
酪農家がパタバタ倒れている
いま、日本の酪農が危機に瀕している。
前著『世界で最初に飢えるのは日本』でも触れたが、コロナ禍で生乳の需要が急減し、牛乳余りが起きた。一方、それまで生乳の増産を指示していた政府・農水省は一転して生乳の減産を目指すようになり、「牛を処分すれば補助金を出す」というひどい政策が実行されている。
これが酪農家の経営を大いに苦しめている。多くの酪農家が、政府・農水省の先導によって生乳の増産のために設備投資を行った。経営規模の大きな酪農家ほど積極的に設備投資を進めたのである。
だが、コロナ禍以降はそれが仇(あだ)となった。農水省の減産命令のために牛乳の売り上げが減少し、酪農家は設備投資の借金返済に苦しむこととなる。
一方、ウクライナ戦争以降の円安・物価高により、ガソリン価格をはじめ生産資材の高騰が起こっている。かといって酪農家が牛乳を値上げできるわけではないので、燃料や飼料の値上がり分は酪農家が負担するほかない。
その結果、酪農経営の赤字が拡大し、全国で酪農家がバタバタと倒れはじめている。
問題は酪農家の廃業にとどまらない。とくに、本書でもたびたび触れたように、2023年の猛暑で生乳生産も大きなダメージを受けた。山形では平年より2割も乳量が減少したという報告もある。(https://www.fnn.jp/articles/-/577989を参照)
こんな状況にもかかわらず、政府は牛乳生産量の抑制をまだ続けると言っている。牛乳を搾るとペナルティとして脱脂粉乳の在庫を買わせるという方法まで用いて、強権的に生産を抑制しているのが現状である。なんと、その一方で、バターが足りないとしてバターの緊急輸入をしはじめた。
・・・(中略)・・・
「牛乳不足」と「牛乳余り」を繰り返す理由
牛乳は需給調整が難しい農産物だが、日本は近年、牛乳の需給調整に失敗し続けている。
政府による「酪農いじめ」の結果、国内の生乳生産が不安定化し、今度は一転して「牛乳不足」に陥りつつある。「牛乳不足」と「牛乳余り」が交互に発生するのは明らかに政府の失策である。
すでにバターの在庫は不足ぎみになっており、政府はバター輸入枠を拡大した。国内の酪農家に「牛を処分すれば補助金を出す」と言って乳製品の生産量を減らしておきながら、減った分は外国から輸入して補っている。 国内農家を苦しめながら、外国の農家に補助金を出しているも同然だ。
「牛乳不足」と「牛乳余り」を繰り返す最大の原因は、国が需要を作らないことにある。
生乳の生産量を増やすと同時に、政府が一定量を買い上げる仕組みを作るべきだった。需要の「出口」があれば、コロナ禍でも「牛乳余り」にはならなかったし、酪農家の経営はもっと安定していたはずだ。
民間と違って、国は多額の予算を使うことで、「需要」を創出できる。
国が財政出動によって需要を作ることで、経済を回していくというのは、ケインズ経済学では当然の考え方だ。だが日本では政策決定にその考え方が取り入れられることがほとんどない。
近年、日本では格差の拡大もあって食べたくても食べられない人が増えている。子ども食堂を利用する家庭がどんどん増えているのが日本社会の現状だ。
日本でも「フードバンク」の仕組みを作り、そうした人々に食料を届けるべきだ。そうすれば困っている人も助かるし、農家にとっては余剰農産物の出口になる。
アメリカをはじめ、他国ではこうした取り組みが当たり前となっている。国内外への援助物資を、農産物の需給調整に活用しているのだ。こうした政策をなぜ日本政府はやらないのか。これこそ政府が本来責任を持ってやるべき政策のはずだ。
「牛乳余り」になると、よく「バターなどの加工品に回せ」という意見が出る。
牛乳は特殊な農産物で、生乳を加工してバターにしたり、また逆に脱脂粉乳やバターに水を加え、「還元乳」として再度出荷したりと、非常に複雑な流通形態を持っている。
仮に牛乳余りでバターの生産を増やすと、バターと同時に脱脂粉乳も作ることになるので、脱脂粉乳の在庫も急増する。ただ昨今は少子化の影響によって脱脂粉乳の需要が少ないので、バターをたくさん作り、脱脂粉乳の在庫が増えると、メーカーが困ってしまう。こうした問題があるので、牛乳の需給調整はとても難しいのだ。
ただ、それも政府が介入すればいいだけの話とも言える。脱脂粉乳が余るなら政府が一定量を買い上げ、国内外への支援物資に使えばいい。少子化対策にもなるし、需給調整にもなるわけだ。
だが政府がやっているのは、牛乳が余ってきたので、補助金を出すから牛を処分しろという政策だ。これではいつまでたっても需給が悪化するだけだろう。
子牛が生まれて、牛乳を搾れるようになるまで、だいたい3年以上はかかる。牛乳余りだから牛を減らすといっても、効果が出てくるの3年後とか、もっと先の話だ。そのころには気候も変わって、逆に牛乳不足になっている可能性もある。
政府の支出を増やすことなく、供給側、農家の取り組みだけで需給を調整しようとするから失敗する。政府の指示と生産量の変化の間には時間のずれがあるからだ。その間、農家は政策に振り回され、経営難に苦しむことになる。
牛乳に限らず、農産物は簡単に供給量を調整できない。どうしても作りすぎたり、逆に不作になることがある。だから需要側での調整が重要になるのだが、政府はアメリカの顔色を窺い、責任を農家に押し付けてばかりいる。
台湾有事への備えが叫ばれるいま、農産物の生産基盤を強化すべきときのはずだ。
食べるものがなくなれば戦争どころではない。政府は農家のせいにするのをやめて、食料生産の強化に努めなければならない。
・・・<抜粋終了>・・・
私には、政府・行政は意図的な「酪農家つぶし」をやっているように見えてしまいます。
2023年は、鳥インフルエンザの被害で鶏卵不足がおき、値段が高騰しました。
今年は、それに米不足が加わるかもしれません。
・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p146~pから抜粋開始>・・・
「鶏卵不足」に「米不足」が追い打ち
2023年には鶏卵の不足と価格高騰が大きな話題となった。
鶏卵は他の農産物と同様にウクライナ戦争をきっかけとした生産資材の高騰の影響で値上がりしていたが、2022年末ごろから日本国内で鳥インフルエンザの被害が相次いだことで、供給不足が発生した。
2023年7月ごろ鶏卵の価格はピークをつけ、その後は沈静化しつつあるが、冬にかけて鳥インフルエンザの流行シーズンとなるため、再び鶏卵価格が上昇することも考えられる。
異常気象が続き、鳥インフルエンザのような病気の発生頻度が高まっている。また、鶏卵の供給を拡大しようとすると、どうしても過密な環境で飼育することが増える。結果として、より病気感染が広まりやすくなっている。
ちなみにニワトリのヒナはほぼ全量を輸入に頼っている。また、エサとなるトウモロコシはほぼ100パーセントが輸入だ。もともと日本の鶏卵業界にはこうした脆弱性がある。
鶏卵のほかに心配なのは米の不足だ。2023年の猛暑で米にも影響が出ている。米どころの新潟県では一等米の割合が41パーセントと、例年より20ポイントも下回ったという(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230929/k10014211271000.htmlを参照)
例年より等級が落ちるということは、買い取り価格が落ちるということだ。収量低下で米不足が心配される以上に、農家収入への打撃が大きな問題となるだろう。
世界を見ても米の収量は落ちているようだ。アメリカでは近年カリフォルニア米の不作が伝えられている。代わりに日本からの米輸出が増えているという。カリフォルニアでは水不足が慢性化し、そう簡単に農産物を増産できなくなっていると聞くが、その影響もあるのだろう。
オーストラリアのような農業大国でも、米が塩害によって作れなくなってきており、輸出をやめてしまっているという。
農業を潰し国民を飢えさせる「ザイム真理教」
世界的に農産物の需給が逼迫する中、日本国内の生産量を増やすしかない。そのためには田んぼの維持が必要不可欠のはずだ。
しかし、政府の方針はまったく逆である。国内では米が余っているので、「手切れ金」を出すから田んぼを潰せと言っている。思考があまりにも短絡的過ぎるのではないか。
主食を自給することは安全保障の第一歩だ。国内に田んぼがあるから米を作れる。田んぼは共同作業を通じて地域コミュニティの構築に一役買っており、日本の文化にも多大な影響を及ぼしている。しかも田んぼには治水効果があり、洪水を防止してくれてもいる。日本政府はこうした田んぼの機能にもっと目を向けるべきではないか。
田んぼを潰せと言っているのは財務省だ。森永卓郎先生も言っておられたが、財務省という官庁はとにかく短絡的な発想しかしない。米が余っているなら田んぼはやめろ、金がもったいないと、そういう意見しか言わない。
農業予算は財務省の標的になっている。他の予算にくらべて、農業予算の減少幅があまりにも大きいことはすでに述べた。1970年には1兆円近くあった農水予算は、いまでも約2兆円に過ぎない。総予算に占める割合もかつては12パーセントあったのが、いまは1.8パーセントしかない。一方で防衛予算は2024年度概算要求で7兆円を超えてきている。
予算規模だけを見ても、食料の問題がどれほどないがしろにされているかがわかるだろう。
台湾有事になれば日本人の9割が餓死する
日本の農業は風前の灯火である。農家の平均年齢は68.4歳。フランスの農家の平均年齢は51.4歳であることを考えると、これがいかに異常な数字かがわかるだろう。
この状況を放置すれば、日本の農業は消滅しかねない。平均年齢から推測してあと10年もたない可能性すらある。
しかも、農家経営は年々厳しくなっている。円安・物価高による生産コストの上昇で離農者が増えていけば、あと5年ぐらいで日本の農家は消滅してしまうかもしれない。
こんな危機的な状態にもかかわらず相変わらず、国はなにもしない。
このような状況で、台湾有事が起きればどうなるか。
戦争がはじまると海外からの食料輸入が止まる可能性が高い。そうなると、東京に住む人の食べ物が真っ先になくなるだろう。
日本のカロリーベースの食料自給率は2023年最新の数字で37.6パーセントだが、これはあくまで見た目の数字でしかない。畜産のエサは8割が輸入だということは、この数字に考慮されているが、前述の通りニワトリのヒナもエサもほぼ全量を輸入している。
肥料の輸入が止まり、使用できない場合、仮に収量が半分になると仮定すると、それだけで日本の「実質」の自給率は22パーセントに低下すると考えられる。
さらに、米も含めた種の輸入も止まるという最悪の想定では、日本の自給率は9.2パーセントにまで低下してしまう。
本書の冒頭でラトガース大学の研究を紹介した。もし核戦争が発生し貿易が止まった場合、ほとんどの日本人は餓死することになる。
核戦争でなくとも、食料輸入が止まるだけで、9割以上の日本人が餓死する。それが自給率9.2パーセントの意味である。
そもそも世界的に食料の需給が逼迫する中、日本が食料を自給せず他国から輸入していることには倫理的な問題がある。もっと国内生産を増やす余地があるのに、他国から買うことで、貧困国の食料事情に悪影響を与えているかもしれない。
2021年2月に放送された『NHKスペシャル』で、こういうシーンがあった。
ワイン1本の生産にかかる水の量は、南アフリカのスラム街の人たちが使う2週間分の水の量と同じだという。日本人はそれを大量に輸入している。つまり、日本人が気軽にワインを楽しむことで、スラム街の人々から貴重な水を奪っているのである。
同じことは穀物や牛肉の輸入にも言える。
「食料なんて輸入すればいい」が許されない時代になってきている。
・・・<抜粋終了>・・・
こうした食料危機が迫っている中、私達のような一般庶民にできることはなんでしょうか。
ありきたりですが、まずは食料の備蓄です。
あと、もし可能ならば、食用の植物を育てることです。都会であってもプランターはできます。
私は今年、ミニトマト、きゅうり、人参、ミニコーン、オクラ、ジャガイモなどを植えました。とはいえ、プランターで収穫できる量はわずかです。
しかし、自宅の中で食べられる野菜が育っている姿は、精神を落ち着かせる効果があるのではないかと思うのです。
食料危機がおきてスーパーの棚から食材が消えたとき、多くの人々はパニックに陥るでしょう。
しかし、自宅の中に豊かに実っている野菜があったら、少なくともパニックに陥ることはないはずです。また私は、『食べる野草と薬草』という本も買いそろえました。
いろいろと他にもやれることはたくさんありそうです。

手前の2つの鉢は、種類の違うミニトマトです。
種を植えてから、なかなか芽が出なかったので心配したのですが、やっと芽が出てきました。
奥は、ブラジル原産の薬草、マンジェリコンです。
寒い茅野では育たないかと思ったのですが、元気に育っています。
(2024年6月1日)
<転載終了>
じゃぶじゃぶ生乳捨ててないでバター作ればいいのに
とか思うんだけど… 以外と金かかるもんなの?
genkimaru1
が
しました