https://ameblo.jp/ymhkobayasis/entry-12857863824.html
<転載開始>
首都東京には沖縄基地周辺と同様「横田米軍基地」が使用している泡消火剤を発生源とするPFAS水質汚染問題があります。
2024年4月4日付の東京新聞電子版TOKYO WEBの記事からのご紹介です。
<PFASを追う>東京都内28カ所で指針値超え 都が260カ所地下水調査
発がん性などが指摘されている有機フッ素化合物(PFAS(ピーファス))が各地で検出されている問題で、東京都は都内260カ所の地下水を対象にした調査結果を公表した。全体の約1割に当たる17区市の28カ所で、国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超過。立川市や渋谷区では、最大で暫定指針値の約6~12倍の値が確認された。(岡本太)
都は2021年から、島しょ部を除く全区市町村で、地下水に含まれるPFASの濃度を調べていた。当初は4年かけて調べる計画だったが、1年前倒しして完了した。
調査結果では、渋谷区で21年度に暫定指針値の6倍を超える1リットル当たり330ナノグラムを検出。立川市では23年度に約12倍の同620ナノグラムを記録した。
このほか最大値が暫定指針値の2倍を上回ったのは文京区、青梅市、府中市、国分寺市、国立市、狛江市で、多摩地域での検出が目立った。いずれもPFASの一種のPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の合計値。
都の担当者は調査結果について「高い値が出ている場所がいくつかあり、汚染の原因は複数とみられる」としている。
都は24年度にもう一度、260地点で調査を実施。高い値が出た場所やその周辺などについては、必要に応じて追加の調査をするとしている。
PFASは主にフッ素や炭素からなる化合物の総称で、自然界で分解されにくく、体内に入ると長期間残りやすい。焦げ付かないフライパンや食品包装のほか、泡消火剤など幅広く使われており、発がん性などの健康リスクが指摘されている。
<PFASを追う>東京都内28カ所で指針値超え 都が260カ所地下水調査:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
次に東京新聞の電子版 TOKYO WEBの2024年6月24日付の記事もご紹介します。
多摩地域のPFAS汚染「23区で起きたら対応違うはず」 なぜ東京都は米軍横田基地へ調査を要請しない
<7.7東京都知事選・現場から>
東京・多摩地域の水道水源の井戸が発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS)で汚染されている問題は、なぜ起きたのか。解明に向けた東京都の動きは鈍い。「都への怒りは大きくなるばかりだ」。
米軍横田基地(福生市など)から約2キロの場所に住む岡部由美子さん(70)=立川市=は、基地のフェンス越しに滑走路をにらみ、声を震わせた。
◆「孫の代まで汚染を残したくない」
PFASを含む泡消火剤の漏出が相次いだ横田基地は、井戸の汚染の有力な「容疑者」だ。都は約1年前から事態を把握しているが、基地への立ち入り調査を要請しないまま時間が過ぎていく。
岡部さんは昨年、市民団体「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」による血液検査を受けた。血中からは、米学術機関が「健康被害の恐れがある」とする指標の約2.5倍のPFASが検出された。
30代のころから脂質異常症と診断されてきた。PFASとの関連が指摘される健康被害と聞いて「体質のせいだと思っていたけど、もしそれがPFASのせいだとしたら許せない」と怒りが湧いた。「孫の代まで汚染を残したくない」と、都に汚染源の調査を望む。
防衛省は昨年6月末、都の問い合わせに、2010~12年に横田基地で泡消火剤の漏出事故が3件発生したと回答した。これを受けて都と基地周辺6市町でつくる連絡協議会は国に要望書を提出したが、立ち入り調査を求めたわけではなく「国の責任における地下水への影響調査」が主な内容だった。
◆「国の動向を注視する」に「危機意識ない」と批判
沖縄県の普天間飛行場、神奈川県の厚木基地、横須賀基地の米軍3施設では2020年以降、PFAS漏出に関して地元自治体が立ち入り調査を要請し、実現している。浜田靖一防衛相=当時=は横田基地に関しても「関係自治体から具体的な要請があればアメリカ側に働きかけていきたい」と述べていた。
それなのに、都は一貫して「国の動向を注視する」との態度だ。岡部さんは「なぜ動かないか。納得できる理由を一度も聞いたことがない」と首をひねる。「明らかにする会」事務局の根木山幸夫さん(77)は「都民の命と健康を守るために汚染源を究明するべき都の役割を果たしていない。問題に対する危機意識がないのではないか」と批判した。
都知事選で議論が深まっているようにも見えない。主要候補を支援するある都議は「一部の地域だけが関心を持つ政策はなかなか前面に出しにくい」と明かした。国分寺市でPFAS問題に取り組む杉井吉彦医師(73)は憤る。「PFASによる水道水汚染が23区内で起きていたら対応は違うはずだ。これは明らかに多摩地域の軽視だ」
多摩地域のPFAS汚染
各地でPFASが高濃度で検出され、都水道局の水源井戸40カ所が取水を停止した。市民団体が住民の血中のPFAS濃度を調べた結果、取水を停止した7市内の住民の67%が米国で「健康被害の恐れがある」とされる指標を超えていた。米軍横田基地では2010~23年、泡消火剤などの漏出事故が計8回発生しており、汚染との関連が疑われている。
多摩地域のPFAS汚染「23区で起きたら対応違うはず」 なぜ東京都は米軍横田基地へ調査を要請しない:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
日本での対応と違い、米本国の米軍基地では、PFAS汚染についての積極的な情報公開とクリーンアップ作戦を展開してきたようです。
アメリカ本国では「既に浄化を終えた」PFAS汚染 在日米軍基地では調査を制限 日本政府はいつ住民を守るのか
◆日米地位協定」があるから現場を自由に調べられない
普天間飛行場や嘉手納基地の周辺では、高濃度のPFASが検出されている。原因は、以前から基地内で使用される泡消火剤などだと指摘されてきた。しかし、日米地位協定によって米軍の許可なしに立ち入り調査はできず、明確な汚染源の特定には至っていない。
PFASとは、発がん性が疑われる有機フッ素化合物の総称。代表的なものとしてPFOS(ピーフォス)、PFOA(ピーフォア)が挙げられる。耐熱性に優れ、高温でも泡が壊れにくく、米軍は航空機火災時の泡消火剤などに使用してきた。人体への有害性が指摘され、世界的に規制強化が進んでいる。国は20年、PFOSとPFOAの合算値で1リットル中、50ナノグラム以下とする暫定目標値を定めた。
同年4月には、泡消火剤約14万リットルが普天間飛行場から流れ出し、川から大量の泡が舞い上がった。この流出事故では、日米地位協定の環境補足協定に基づき、県などが基地内に立ち入り調査を行った。
ただ、環境補足協定では「事故(漏出)が現に発生した場合」などに立ち入りの手続きを行うと定めている。機会が限られており、過去に沖縄の米軍施設に日本側の調査が入ったのは、20年の流出時を含めて2件だけ。県は米軍施設にこれまで計4回の立ち入り調査を申請したが、いずれも実現していない。
(中略)
基地由来の汚染物質は、PCBやトリクロロエチレンなどの発がん性物質、航空用燃料、洗浄剤など多種にわたる。これらは土壌を汚染して地下水に漏れ出し、(米本土の)マーチ(基地)周辺でも生活用水として利用されてきた。
ただ、沖縄基地などの在日米軍基地と異なっていたのは、国内法や国防総省の計画に基づき、クリーンアップが行われていたこと。
マーチでは84年ごろから土壌調査が始まり、地下燃料貯蔵タンクや廃棄物埋設所など44カ所の汚染源を特定。
取水をやめて、周辺住民に瓶詰の水を配布していた。
地下水脈は見えず、土壌の質によって速度や深度が異なる。複雑な水の流れを「見える化」したのは、基地内外の約250カ所に設けられた観測用井戸のネットワークだ。水流が矢印で詳細に記された基地の地図から「住宅地へどう流れていくか一目瞭然だった」
さらに着目したのは積極的な情報公開だった。
住民への意見聴取やファクトシート(概況報告書)発行、新聞報道を通じ、汚染状況と作業の進行を広報し、安心感を与えていた。
米国では2000年代に入り、化学工場に対する集団訴訟などで、PFASが問題化。マーチでも10年代にPFASが見つかり、既に浄化を終えたという。(後略)
アメリカ本国では「既に浄化を終えた」PFAS汚染 在日米軍基地では調査を制限 日本政府はいつ住民を守るのか:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
米政府、飲料水のPFAS基準厳しく 日本の1割未満の新規制 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
「日米地位協定」などを盾にとり、情報公開を拒まれることを認められるような話ではないので、横田米軍基などの全ての在日米軍基地に対し、住民への情報開示と、率先してのクリーンアップ作戦の展開を行うよう、首長も国ももっと強く働きかけるべきと思います。
国民を守る気のない政府ですから、自治体の首長にこそ、住民を思う気持ちと正義感をもって、基地に働きかけるような、嘗ての石原慎太郎東京都知事と同様の「強い」リーダーが必要だと思います。
参考:
「故石原慎太郎氏の功績 横田米軍基地の軍民共用化、尖閣防衛や公会計でも影響力」(高橋洋一氏) | eternalturquoiseblue(旧kamakuraboy) (ameblo.jp)
国内各地で米軍基地を汚染源として自然界で分解されない有害物質PFASが検出 | eternalturquoiseblue(旧kamakuraboy) (ameblo.jp)
日米安保の実態についての田母神俊雄氏と故石原慎太郎東京都知事の対談動画 | eternalturquoiseblue(旧kamakuraboy) (ameblo.jp)
<転載終了>