YocchannoBlog2's Blogさんのサイトより
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<転載開始>

731日、6機のF-16戦闘機がオランダからウクライナへ持ち込まれ、その一部はリビウ市の上空で撮影されている。近い将来、デンマークからもF-16が送り込まれる予定であるという。ソーシャルネットワーク上で得られる情報によると、F-16 戦闘機は核ミサイルも搭載可能であると報じられている。実際に核弾頭ミサイルがウクライナへ持ち込まれるのかどうかは分からない。対ロ戦争において西側がウクライナへ供給してきた兵器は多岐にわたる。西側が供給できる武器としては、このF-16をもって大詰めを迎えた感が強い。

ここに「救いの神はいない:F-16戦闘機はゼレンスキーにとってはスタイナーの反撃部隊となる」と題された記事がある(注1)。

(訳注:「スタイナーの反撃部隊」とはウィキペデイアによると、ナチスドイツで実際に構想された部隊のこと。ベルリンの戦いの際、1945421日にヒットラーは紙の上に反撃部隊を編成し、スタイナーに指揮をとらせる構想を書いた。だが、この部隊は貧弱過ぎるとしてスタイナーに拒否された。こうして、ヒットラーの最後の望みは絶たれた。)

本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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救いの神はいない:F-16戦闘機はゼレンスキーにとっては「スタイナーの反撃部隊」となる_f0435460_22585556.jpg

Photo-1© AP Photo /NYOTK

最近ウクライナに到着したF-16は戦場の現実を変えることはなく、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がロシア軍を押し返すことができるNATO兵器を見つけるという終わりのない探求の最終章を告げるものである。

ウクライナでの紛争を通じて、紛争の継続を主張する人々は次にウクライナに到着する西側の兵器を絶えず指摘し、最終的にNATOの技術がロシアのそれよりも優れていることを実証しようとした。まずは、ジャベリン・システムである。その後、ブラッドレー戦闘車両、レオパルト戦車、レオパルトII戦車、HIMARSATACMSと続き、そして最後にはエイブラムス戦車となった。

「今は、F-16であるが、次に続くさらに強力なものはない」とベテランのジャーナリストであるネボイサ・マリックは、木曜日(81日)、スプートニクの番組、「断層線」で語った。「まさに、これは米国とNATOを戦争に引きずり込もうとしているだけなのだ。そうすれば、彼らは実際に撤退はしないというコミットメントを強化することになる。だが、残念ながら、これはあたかもその列車(武器の供給)の終点のようなものだ。」

これまでゲームチェンジャーと言われて来た西側の兵器はロシア側がそれぞれに対して効果的な対抗策を持っていたため、流れを変えることはできなかった。NATOがウクライナに喜んで与えることができる唯一残る兵器はF-16戦闘機である。1年前に約束されていたこの戦闘機システムのためのウクライナ人パイロットの訓練には予想よりもはるかに長い時間がかかった。F-16がついに到着した今、ウクライナは実際にはほんの一握りの戦闘機を受け取っただけである。以前、ゼレンスキーはウクライナの空を守るためには数百機の戦闘機が必要になると述べていた。

 

関連記事:'TheOnly Answer is to Destroy Them': How Russia Plans to Handle Ukraine'sWestern-Supplied F-16s: By Sputnik, Aug/01/2024

 

F-16が何の目的に使用されるかは不明であるが、ウクライナはすでに防空に使用していると主張している。だが、ロシアが前線で大きな効果を発揮している滑空爆弾に対抗するために使用されるのではないかと推測される。問題は、滑空爆弾はF-16搭載のミサイルよりも大幅に安価であり、ロシアは国内で製造することができるのに対し、ウクライナの場合は、F-16がかなり長く生き残れると仮定しても、さらなるミサイルの供給を期待し、到着を待たなければならないことだ。

「問題は、ロシアが射程の長い、非常に効果的なスタンドオフミサイルを持っているため、(ウクライナのパイロットは)ロシア機にロックオンするために接近し、彼らがあまり経験のない米国製のミサイルで撃ち落とす必要があるということだ。ただし、これは十分な量のミサイルが提供されていればの話であって、実際にどうなるかは分からない」とマリックは説明した。

以前、ウクライナはMiG-29に依存していたが、それらは事実上全滅してしまった。「MiG-29の多くは空中戦や防空システムによって撃墜されたのではない。空軍基地が弾道ミサイルや巡航ミサイル、無人機に攻撃されたため、基地で潰されたのである」とマリックは付け加え、F-16は「攻撃を受けたことがない」滑走路を必要とするが、ロシアがウクライナ全土で攻撃を行っているため、ウクライナではそういった基地は不足していると指摘した。

一部の親ウクライナ評論家は、ウクライナが必然的に敗北につながったのは西側の不作為であり、西側がより多くのブラッドレー、より多くのレオパルト、より多くのHIMARS、より多くのエイブラムスを送り込み、しかも、それらをより迅速に送り込んでいたならば、不利を克服するのに十分だったであろうと主張しているが、それも無謀であるとマリックは主張している。

「(西側諸国は)いかなる時点であっても提供するべき武器を十分に持ってはいなかった。そこが問題であった。彼らは武器を提供することができなかった。物流網もなかった。もし彼らが1週間ですべての物資をウクライナに送ろうとしたら、ロシア側はウクライナが防衛手段を持ってはいないミサイルを持っているため、それらは国境で破壊されてしまうであろう。」

 

関連記事:Ukraine, West Doubt F-16s to ChangeSituation on Battlefield - Reports: By Sputnik, Jul/28/2024

 

西側はこれ以上与える兵器を持ってはおらず、ウクライナには兵器を操作する兵士もいない。ウクライナに残された唯一の選択肢は和平を訴えることだ。

「しかし、ゼレンスキーが公言した目標は基本的に彼が2年前に提案した和平計画の下でNATOを団結させることであって、それは本質的にロシアが降伏し、我々が勝つというものであったから、彼らは拒否しているのである。この案は馬鹿げており、そんなことは決して起こらない」とマリックは述べ、ゼレンスキーが自分の妄想を早く諦めれば、ウクライナの人々は死ぬのを早く止めることができると指摘した。

202311月にさかのぼると、ゼレンスキーの最も親しい同盟者の一部は、米国のメディアに、ウクライナの完全な勝利について彼らの指導者の信念は「不動であり、救世主に近い」と語り、彼の最も親しい側近の一人は「彼は妄想している」とまで言った。われわれには選択肢はない。われわれは勝っているわけではない。でも、そのことを彼に言ってみてくれ。」

「彼は誇大妄想を抱いている。誰もが、彼自身の側近でさえもがこれを確信しているようだ」とマリックは説明し、ゼレンスキーは大統領になる前は俳優であり、彼の首席補佐官は映画プロデューサーだったと指摘している。

「彼らにとってはすべてがテレビ番組なのだ。彼らは並行現実に、まさに、文字通り並行現実に生きている。われわれは西洋の政治家たちは孤立していると考える。なんてこった、彼らはこいつらに何も期待してはいない。そして、彼らはこの並行宇宙に住んでおり、そこではすべてがうまく行き、すべてが順調に運び、スタイナーの反撃によって解決されると見ている。そして、あの有名な2004年の映画「ダウンフォール」でのバンカーの場面にあるように、シュタイナー攻撃は起こらないと彼に言おうとする将軍はウクライナには一人もいない。もう、ウクライナには軍隊はないのだ。」

「ウクライナが降伏すれば、戦争は終わるだろう」とマリックは主張した。「これについては、私の言葉を引用していただいても結構だ。」

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これで全文の仮訳が終了した。

もしもこの引用記事の指摘がウクライナにおけるNATOの対ロ代理戦争の大局を正しく伝えているとするならば、軍隊がほぼなくなったウクライナにはロシアに勝利する可能性はもうない。西側諸国は、当の本人が生きる力をほぼ使い果たしてしまったにもかかわらず、点滴だ、酸素吸入だと言って、瀕死の重傷者を何とか生き永らえさせているだけである。西側にとってはウクライナが戦争を続けることが目的化してしまった。このような愚行を続ければ、ウクライナは、間もなく、植物人間になってしまうかも知れない。

汚職によって甘い汁を吸ってきたゼレンスキーと彼の側近らは、おそらく、この現実を見て、そして、不可避的にやってくる将来の荒廃の姿を垣間見て(もしも現実を見る機会があって、それを見ようとする意志があるならばの話だが)、2年間ほど続いたかっての甘い生活が懐かしくて仕方がないのではないだろうか。

ゼレンスキーは2022年末にタイム誌によって「パーソン・オブ・ザ・イヤー」として英雄扱いされたが、今年の年末には歴史の中で「ルーザー・オブ・ザ・イヤー」として名を残すことになるかも・・・ 

悪い冗談は別にして、ここでもっとも重要な点は軍事的にはすでに勝敗が決まっているロシア・ウクライナ戦争を一日でも早く終わらせ、ウクライナの完全崩壊を防ぐことにあると思う。

 

参照:

注1:No DeusEx Machina: F-16s Will Become Zelensky’s ‘Steiner Counterattack’ Moment: By IanDeMartino, Sputnik, Aug/02/2024


<転載終了>