とある民間救急ドライバーの日常さんのサイトより
https://ameblo.jp/namachocoponzu/entry-12874142437.html
<転載開始>

 TODAY'S
 
本当にこれは倫理的な病院なのだろうか?(身体拘束の話)

 
こんにちは!生チョコぽん酢です。

先日、とある救急病院から別の病院への転院搬送がありました。

患者さんは60代の女性で、脳梗塞の対応後の転院とのことで向かいます。

実際にお会いしてみると、完全に寝たきり状態。

目は開くものの意思疎通は全くできず、一応片麻痺らしいのですが、ほぼ全麻痺と同じ状態に見えます。

身動きもとれず、言葉も話せず、経鼻栄養で生命機能を維持している状況でした。

患者さん自体は見慣れた光景ではあるものの、付添いのご家族さんの目を見たら、普段とは違う何かを感じます。

家族の目が真っ赤だったのです。

恐らく長い期間涙を流していたのでしょう。

微力ですが少しでも精神的ケアができればと思い、言葉を選びながら会話をしていたのですが、

やはり中々にヘビーな内容だったのでブログに書こうと思いまして。

出発地点の救急病院をA病院、転院先の病院をB病院としますと、

今回はA病院からB病院の転院搬送なわけですが、実は元々B病院にご入院中の方だったようなのです。

患者さんはB病院に、全然違う治療の為に一時的に入院となったわけですが、
入院時点では多少の認知こそあったものの、会話もできるし元気に歩行もできる状態で、ほぼ健常者だったそうなのですよ。

ご家族も特に心配をせずそのまま過ごしていたそうなのですが、入院して少ししてB病院から電話が来たそうです。

B病院「転倒して肩を骨折してしまいました

家族はそんなこともあるよねと、一旦は相手を信頼してその場をやり過ごしたそうですが、

少しの間過ごしていると、再びB病院から電話がなりました。

B病院「転倒して肋骨を折ってしまいました

またか・・・。

流石に家族は言ったそうです。

家族「あまりに怪我が続きますし、本人の安全の為に身体拘束をお願いします

しかし病院にはきっぱりこう言われたそうです。

B病院「人間を拘束するのは絶対にしてはいけないことです。当院では一切の身体拘束をお断りします

って。

入院時にB病院の方針について聞いた時は、印象は悪いどころか"倫理的な病院"となりますが、
 
このような事故があったにも関わらず、身体拘束を断られた事で、さすがに違和感を覚えたようです。

そこからはもう怪我の電話ラッシュ。

しまいには別の部屋に入って他の入院患者さんに迷惑をかけてしまっただとか、認知症まで急激に悪化している。

もう何が何だか分からない状況に陥ってしまったそうな。

最終的に脳梗塞になってしまい、A病院に救急搬送されてしまい、今にいたるとのことでした。
 
B病院には脳梗塞で入院していたわけではないですからね。
 
そりゃ泣くわ。

以前に現場での身体拘束について記事にしたことがありましたね。

これです。

 

この記事ではなぜ病院では身体拘束されるのか?について書いていますが、

ここで書いたように、病院には病院なりの仕方のない現実もあったりします。

私自身も病院から身体拘束を依頼されればします。

それは倫理的にできません」なんて断るのはカッコイイかもしれませんが、

バスカテやCVなんか抜去されたらもう、大惨事になりますからね。
 
認知症や酷めの精神疾患があると、普通に起こりうることなのです。
 
でもこれについては、意見が分かれる部分かもしれないと思うのですよ。
 
生チョコさんは自分が拘束されたら嫌じゃないの?」という問いには、
 
少なからず私はMっけがあるので若い看護師さんに縛って頂けるのならという気持ちはあるものの、やっぱり1日中となると違いますよ、嫌です。
 
誰だって嫌ですよね。
 
Iさんみたいに、身体拘束で死ぬことだってあるわけですし。
 
 
ここのB病院の「身体拘束は倫理的に駄目。言語道断。当たり前。」というスタンス。

確かに言っていることは立派です。

でもね、そんな事を言い出したら、極端な例になりますが、警察が犯人に手錠すらかけられませんよね?

殺人犯を檻に入れることすら倫理的な問題が出てきますよ。
 
だから私なりの答えをまとめると、何事も時と場合による、そして

理想と現実とのはざまは、現場で働く人の匙加減に任せるほかないのです。

こういう部分って医療や介護以外でも至る所に存在しています。

だから国民性だったり、モラルが高い日本においては、諸外国と比べたらどんなことでも安心感があったわけじゃないですか(今は微妙ですが)。
 
それを何でもかんでもゼロか100の二元論で考え始めている時点で、やはり日本人の知能は下がってきているのだと思います。

少なくとも、簡単な治療の為に一時的に入院していた人が、数ヶ所も骨折したあげく、

脳梗塞で延命処置しなければ生きられない体になって帰ってきている事に対して胸を張るのは違うと思うのです。

■最後に独り言

でね・・・もっと根本的な部分になるのですが、私は思うのですよ。

本当に早期発見だったのか

って。

この患者さん、もう脳の半分以上が機能停止してしまっています。

B病院で様子がおかしくなり、即A病院に救急搬送されたという話のようですが、

そもそもB病院で何度も何度も転倒して骨折をしていた段階から、脳梗塞を起していたのではないですか?ってね。

脳梗塞って発見が早ければ早いほど治療手段があるのですよ。

本当の早期発見なら麻痺なんて殆ど残らずに日常生活に戻れる場合だってあります。

でも発見が遅ければ遅い程、血液が固まってしまい手の施しようがなくなるのです。

何が言いたいのかって、脳梗塞の症状が見て取れるはずなのですよ。

そしてここは自宅ではなく入院病棟。

脳梗塞の症状を医療のプロ集団全員が、見落としていたって事になるわけじゃないですか。

突然こんな酷い状態の脳梗塞を起こしたとは考えづらいといいますか。

もちろんこれはたられば話であり、私の想像上の話です、可能性の話。

ですが経験上、何となくそんな気がしてならないのでした。
 

この件で改めて思うのが、本質的には医療は本当に偉大ですが、現在の医療は肥大化しすぎており、どうにも末期といいますか、

以下の抗がん剤の話もそうですが、本来の医療とは何か違った側面が大きくなりすぎて来てしまっているような、
 

考えてみれば今の社会そのものもそうですよね。

 

あらゆるものが肥大化して、表面上の体裁や理想ばかりに尽力して、

 

でも内面はズタボロ、本質は置いてけぼり、みたいな。

 

そんな気がしてならないのでした。
 
よろしければこの抗がん剤の話も合わせてご参考ください。

 

 

以上となりますが、身体拘束については本当に難しい問題です。

 

みなさんはどのように感じましたか?

 

もし思うことがあれば、よかったらコメントに残してみてください。

 

 

おわり


<転載終了>