https://news.livedoor.com/article/detail/27522260/
<転載開始>
「親が定年退職後に実家の農業を継ぐことが決まっており、親孝行したいと思っていた。とはいえ、農協に野菜を作って出荷しても利益は残らないので、自分で高く野菜を売れるのではないかと思い参入した」(黒田さん、以下同)
淡路島で玉ねぎづくりに関わるようになった黒田さん。畑違いな分野に参入して感じたのは農業に関する情報の少なさだ。
「農業に参入しない理由は情報量が圧倒的に少ないことだ。また、農業は儲からない、大変というイメージが強すぎる。本当は売り方ややり方次第ですごく良い仕事になる。自然に触れて土に触ったら心が穏やかになり、吸収するものも多い。SNSで農業の楽しさを発信することで、イメージも変わるのではないか」
現場の魅力を発信できず、ネガティブなイメージが根強く残り、若者が集まらないという悪循環に挑戦する黒田さんは、SNSを駆使して販路を広げるなど、若者ならではの行動力で農業の可能性を広げている。
「自分のサイトがあり、毎週関西を中心に配達もしている。また、60店舗ほどの飲食店に直接販売し、東京や地方にも発送している」
黒田さんは周辺の農家からも作物を買い取り、独自のルートで販売。味の向上やブランディング次第で一生懸命作った野菜が価格としてちゃんと評価される仕組みを確立している。
「見せ方ややり方次第で収入は全然変わる。野菜を作るだけが農業ではない。私のように販売をメインに発信することに需要があると感じている」
◼︎「農家は儲からない」は本当?
「農家は儲からない」というイメージは正しいのか?
実は米の価格が高騰する中、倒産・廃業する米農家は年々増えており、今年の1月から8月は過去最多ペースとなっている。また、「令和4年農業経営体の経営収支」をみると、水田作の農業所得が減少していて、令和4年は年間でわずか1万円の所得しかなく、労働時間で割ると時給9.9円相当だという。
こうした背景には、コロナ禍による外食産業の停滞やウクライナ侵攻による資材費高騰などがあるが、資材費の高騰を受けて価格を上げようにも消費が減少しているため価格が変えられない、などの事情がある。
こうした日本の農業の現状について、The HEADLINE編集長の石田健氏は「減反政策の継続など、需要と供給のバランスを見ながら弾力性を持って運営できなかった点は大きな要因だ。そもそも国土が狭い日本では効率性を上げなければ海外に勝つことはできず新規就農者も増えないだろう」と分析。
さらに石田氏は黒田さんの“戦略”について「自分で販路を広げるなど本当に素晴らしい。このように経営がうまい方はどんどん出てくるだろう。ただ、大規模経営や地域全体として活性化できるかというと別の話になり、どうしても農協に買い切ってもらうことで安定した収入を得る形になる。それがなければ不作などに生活が左右されてしまうからだ」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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