https://ameblo.jp/ymhkobayasis/entry-12876865374.html
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■リモートセンシング
リモートセンシングとは「物を触らずに調べる」技術のことで、科学および技術的な用語で、衛星や飛行機、ドローンなどから地表や地球以外の天体の表面を観測する技術を指すことば。
リモートセンシングは、環境監視、資源探索、気象予測などの分野で広く利用されている。
人工衛星に専用の測定器(センサ)を載せ、地球上の海、森、都市、雲などから反射したり、自ら放射する電磁波を観測することを衛星リモートセンシングと呼ぶ。
この技術は、環境問題、災害、国土管理、農林水産など様々な社会課題の解決に寄与すると期待されている。
リモートセンシングとは? | 一般財団法人リモート・センシング技術センター
リモートセンシングに対して、「直接観測」とは研究者や技術者が現地に行き、サンプルを採取したり、直接目視や計測器を使ってデータを収集を行うものを指す。
地球以外の天体については、無人探査機が持ち帰ったサンプルによる研究などがなされている。
■サンプル研究としてのイトカワの例
地球に接近する地球近傍小惑星(地球に近接する軌道を持つ天体)のうち、アポロ群に属する小惑星イトカワに対して、日本のJAXAが2003年に打ち上げた探査衛星「はやぶさ」が2005年にイトカワに到着、2010年6月13日に地球に帰還してサンプルを持ち帰ったサンプルリターンの例などがあります。
キュレーションセンターでの回収後、試料の一部を初期分析に提供し、詳細科学分析が行われ、この成果は、米科学誌「サイエンス」から特集号として発表されています。
中村智樹(東北大)他
S型小惑星と普通コンドライト隕石を直接結び付ける証拠詳細な鉱物学的研究の結果、小惑星イトカワはLL4〜LL6コンドライト隕石に類似した物質でできていることが判明。同時にイトカワの起源と形成過程に関する重要な知見が得られた。
イトカワの母天体の大きさは現在の10倍以上と考えられ、中心部分の温度は約800℃まで上昇、その後ゆっくりと冷え、その後、大きな衝突現象が起き、再集積したものが現在のイトカワになったと考えられる。
はやぶさとイトカワ | 地球外物質研究グループ|宇宙科学研究所
JAXA|小惑星イトカワの素顔に迫る-「はやぶさ」科学的観測の成果-
「月のサンプル」リターン
これまで、NASAの「アポロ計画」やソ連の「ルナ計画」によってサンプルリターンされたものは全て「月の表側」から探査機が持ち帰ったものでした。
■「アポロ計画」
アポロ11号から17号までのミッションでは、月の表面から採取された岩石や土壌のサンプルが地球に持ち帰られたとされています。
当時の技術において、実際にはアポロ計画で月面の有人探査は行われていなかったことを、当の飛行士が晩年にはっきり証言しています。
アポロ計画では有人ロケットの最初の事故で3名の宇宙飛行士が犠牲となったあとは、試行錯誤の上、全て無人探査であったと思われますが、その変遷について、わかりやすくまとめてあるサイトがこちら↓
月面着陸から50年、1号〜17号までアポロミッションを振り返る | Business Insider Japan
アポロ11の実像 | eternalturquoiseblue(旧kamakuraboy)
■「ルナ計画」
ソ連の発表の方が、米国の欺瞞に満ちた発表よりも実際のところ、正直な内容であったように思われます。
詳細については別記事で。
■「嫦娥計画」
中国も米国のアポロ計画やソ連のルナ計画から44年ぶりとなる2020年12月17日に、月探査機「嫦娥5号」が月の表面から1731グラムの月の土壌をサンプリングして地球に持ち帰ることに成功した、と発表しています。
中国の月面探査機が帰還 44年ぶりにサンプル持ち帰る - BBCニュース
■「月の裏側」の研究成果?
月の裏側の研究はこれまで、主に「リモートセンシング」で行われてきましたが、今年、中国の月探査機「嫦娥6号」が、6月25日に月の裏側から約1935.3グラムのサンプルを携えて無事帰還しと報じられ、その第1回目の研究成果が11月に科学雑誌などで発表されたそうです。
1989年6月4日の「天安門事件」から35年目の日の目前に当たる今年の6月2日、中国の月探査計画の一環とされる嫦娥計画の第三段階の月探査機「嫦娥6号」が月面裏側への軟着陸に成功したと報じられ、その後6月25日に嫦娥6号は無事に月の裏側のサンプルを持ち帰ったと報じられていました。
月の裏側のサンプルの研究成果として、第1回の研究成果が『ネイチャー』と『サイエンス』のオンライン版で発表されたようです。
それは 「月の裏側では火山活動が14億年以上継続した」という驚くべき内容のものでした。
嫦娥6号が持ち帰った一つの高アルミニウム玄武岩の細片は、月の裏側に42億年前にクリップ(マントルの特定成分が集まった物質)の豊富な領域があることを意味し、火山活動が存在したことを明らかにした。
このことは、月の裏側では火山活動が少なくとも14億年は継続し、マントルの源域がクリップ物質に富む状態から欠乏する状態への転換を経たことを示している。
嫦娥6号の月サンプル研究成果が初公開 月の裏側では火山活動が14億年以上継続 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
「嫦娥6号」が持ち帰った月の裏側のサンプルの配布申請が間もなく開放 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
■大気がほとんどない月の環境
月面には大気がほとんどないため、表面温度は「月の赤道」では、ひなたで約127℃、日陰ではマイナス173℃という極端な温度差があると指摘されています。仮に月面に基地を作ることを考えた場合、この極端な温度から機械やコンピューター、人間を守る必要があるという大きな問題があるのだ、と。
但し、NASAの科学者らはが月探査機Lunar Reconnaissance Orbiter(LRO)によって11年以上にわたり観測したデータから、月面には約200のピット、つまり穴があり、その内部が約17℃という、快適とも言える温度に保たれていることを発見した、とも報じられています。
月の表面にピットが初めて発見されたのは2009年のことで、JAXAの月周回衛星「かぐや」による成果だった。かぐやが発見した穴は直径約65m、深さは80~90mもあり、内部には非常に大きな溶岩トンネルもあるとみられている。それらは将来の有人月探査における基地の建設候補地になっている。
NASAは約200あるというピットのうち、約16か所は溶岩洞窟が崩壊してできたものだと考えている。NASAゴダード宇宙飛行センターのLROプロジェクトサイエンティスト、ノア・ペトロ氏は「月の穴は、月面における非常に魅力的な特徴のひとつだ」としている。
溶岩トンネルは地球上でも火山地域で見られる。溶けた溶岩が冷えた溶岩の地下に流れ込んで形成された洞窟だ。科学者はLROが備える、Divinerと呼ばれる赤外線放射計を用い、月の「静かの海」にある深さ100m、サッカーのピッチほどの広さの円筒形ピット内の温度を調べた。
その結果、ピット内の日陰になる部分の温度は1日中ほとんど温度変化がなく、約17℃に保たれる事がわかったという。そして、このピットの中で横方向に洞窟が拡がるのであれば、そこもやはり同じように快適な温度を保っていると考えられる。
今回NASAが発表した論文の共著者のひとりで、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教授のデヴィッド・ペイジ氏は「月の長期的な植民地化および探査にとって、穴は望ましい生息環境を提供するかもしれない」とコメント。将来の有人月探査に向けて、「人類は洞窟で地球上での生活を進化させたが、月での生活でも望ましい生息環境になるかもしれない」と述べている。
月表面の「穴」は意外と快適?約17℃で一定、居住に適する可能性 | Gadget Gate
参考
「アルテミス計画」 | eternalturquoiseblue(旧kamakuraboy)
<転載終了>
