ワトソンさんより情報を頂きました。

エンジンとアイスクリームの共通点とは? 身近な物質の意外な歴史

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/081800424/

不凍液の用途はダイナマイトからアイスクリームまで

<リンク先より>

日用品などに使われる材料の由来を調べると、驚きの発見がある

2023.08.25

市販のアイスクリームを購入すると、保存料でもあるプロピレングリコールという不凍液が入っている可能性が高い。(PHOTOGRAPH BY KRISTA ROSSOW, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
市販のアイスクリームを購入すると、保存料でもあるプロピレングリコールという不凍液が入っている可能性が高い。(PHOTOGRAPH BY KRISTA ROSSOW, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
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 エンジンのオーバーヒートを防ぐ冷却水の主な成分は、アイスクリームにも入っていることがある。また、洗濯用洗剤に含まれるおなじみの鉱物はかつて、世界で最も暑い場所のひとつを265キロメートルも20頭のラバで運ぶ必要があった。そして、エジプトからペルーのマチュピチュまで、古代文明のころから金型で成形されており、複雑な道具や武器だけでなく、不朽の芸術作品を生み出していた素材を使った台所用品もある。

 歴史と密接に結び付いているこれらの物質が何かわかるだろうか? では、その答えを、解説とともにお届けしよう。

1) 不凍液の用途はダイナマイトからアイスクリームまで

 不凍液として知られるエチレングリコールは、もともとダイナマイトに使用されていた。安全な涼しい環境で爆薬をつくることができるためだ。

 初期の自動車エンジンは普通の水を冷却用に使っていた。夏に限っては、問題なく機能した。ただし、冬になると、水は凍ってしまう。それだけではない。凍結すると膨張するため、密閉されたエンジンにとって実用的ではなかった。

 自動車メーカーはメタノールというアルコールを水に添加し始めた。メタノールは冷却水の凝固点を下げるが、蒸発してエンジンを腐食させるため、やはり理想的ではなかった。そこで、自動車メーカーは、フランスの化学者シャルル・アドルフ・ビュルツが1856年に初めて合成したエチレングリコールに注目した。水に加えると、凝固点を下げるだけでなく沸点も上がるため、凍結と沸騰を同時に防いでくれる。自動車メーカーは1926年にこの有機物を採用し、現在も使い続けている。

 エチレングリコールは有用だが、毒性が強い。エチレンは自然界に存在する植物ホルモンで、エチレングリコールにはペットや幼児を引き付ける甘くフルーティーな味がある。そのため、メーカーによっては、誤飲を防ぐべく液体に苦みを加えている。(参考記事:「プラスチック食べる虫を発見、ごみ処理には疑問」

 別の化合物であるプロピレングリコールを使うメーカーもある。このタイプの不凍液は、歯磨き粉やアイスクリームにも使われるほど毒性が低い。

2) ホウ砂の存在は洗濯室にも万里の長城にも

 ホウ砂(ホウシャ)はサンスクリット語でチンカル、ティンカルとも呼ばれる無色の柔らかい鉱物で、何世紀にもわたって利用されてきた。チベットやカシミールの塩湖から採取され、9世紀からシルクロードを通じて取引されるようになった。

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<転載終了>