yocchan_no_blog3さんのサイトより
https://yocchan-no-blog3.blog.jp/archives/6549485.html
<転載開始>
パシフィック・パリセーズ地域で始まった山火事はロサンゼルス近郊に広がり、都市部を巻き込んで未曽有の大惨事となっている。消火活動は今も続いている。パシフィック・パリセーズという地名が日本の台所談議においてさえも頻繁に口にされる名詞となった。
この大惨事を通じて、米国においては極めて特定な意識が早くも社会現象となりつつある。それは「ウォーク思想」に対する反省であると言えよう。
ウィキペデイアの解説によると、「ウォーク(woke)」とは、アフリカ系米国人の一般的な米国英語である「目覚め」の同義語であって、1930年代以前からアフリカ系米国人に影響を与える社会的および政治的問題についての認識を指すために使用されてきた。2010年代からは、特に、人種的不公正や性差別、LGBTQの権利の否定、等、社会的不平等に対するより広範な認識を指すために使用されるようになった。「ウオーク」はアイデンティティ政策や社会正義を含む米国左翼の一部の思想、たとえば、米国における白人の特権や奴隷制に対する賠償、等、略語としても使われてきた。
ロサンゼルスの大規模火災はどうしてこんな大惨事になったのかという単純な問いかけが、今や、米国内の政治的イデオロギーにまで及ぶような気配を見せている。つまり、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム、ロサンゼルス市長のカレン・バス、ロサンゼルス消防署長のクリスティン・クローリー、等の責任問題が取り沙汰され、SNS上で熱い議論が展開している。この大規模火災の勃発によって、4年後の米大統領選における民主党の候補者として有力視されてきたギャビン・ニューサムの名前は完全に消えたとさえ噂されている。
ここに「ロサンゼルスの大規模火災はウォーク思想を壊滅させたか?」と題された記事がある(注1)。
本日はこの記事を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。

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本日、私はカリフォルニアでESGの危険性についてプレゼンを行った。(訳注:ESGは環境、社会、ガバナンス[企業統治]を表わす)
共著者のW・デビッド・プレスコットと私はウェストレイクのビジネス関係者たちと会い、新著「Creative Destruction: How ESG Mandates Are Destroying Capitalism, Costing You Money, and Wrecking America」について話し合った。
会場に入りつつ、私はこの講演をすることに不安を感じていた。
ESGは左派にも右派にも関わるべき事柄であるのに、メディアは巧みにそれを保守的な主張に変えてしまった。しかし、実際にはそうではなく、ESGは私たち全員に影響を及ぼす。
これは中国における社会信用システムの西洋版であり、企業を対象としている。狡猾な官民パートナーシップを通じて、ブラックロックのようなリヴァイアサン規模の企業は小規模な企業に自分たちの言いなりになるよう強要する。あるいは、他のことを強要する。
抵抗も受けずに放置されると、ESGは企業を破壊する武器として利用され、資本を遮断し、銀行へのアクセスを奪うことになるであろう。ちょうど中国の社会信用スコアが市民を社会から締め出し、生活を破壊するのと同じように。
残念ながら、ビジネス指導者たちにこのESGに関するメッセージを伝えることは危険である。それはあなたが目覚めた暴徒によってキャンセルされるかも知れないからだ。少なくとも、私はそう思っていた。
これは今日の会議で観察した後のことではない。
私たちの話をインタラクティブにするために、デイビッドと私はガバナンスを表わす「G」が企業を制御するためにどのように使用されているかを皆さんに体験してもらいたかったのだ。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが賞賛したように、ESGの推進者は特性の内容によって人々を判断するのではなく、特定の人々を特定の取締役に就くよう強要する。彼らの才能や能力に基づくのではなく、彼らが制御することができない不変の特性によるものである。
このアイデアを実際に示すために、次のようなグループ演習を行った:
あなたはペプシのCEOであると想定していただこう。あなたの理想の取締役会には飲み物や軽食について専門的な知識を持った人たちやフォーチュン100社の財務分野でさまざまな経験を持つ人など、多様な考え方や専門的な知識の持ち主が含まれている。ある日、投資家から「取締役会に過小評価されている人たちをもっと入れる必要がある。さもなければ、ESGスコアが下がって会社に損害を与える」と言われる。
これらの人たちはより多くの意見を表明する必要があって、次の4つのカテゴリが含まれる:
     ▪ 高校中退者
     ▪ 反資本主義者
     ▪ ジャンクフードに反対する運動家
     ▪ 金融犯罪の元受刑者
あなたの取締役会には4つの空きスポットがある。ふたつの空席にはこれらのカテゴリーから選出しなければならない。さもなければ、あなた自身が交代となる。これらの4つのカテゴリーから誰を選ぶか?また、その理由は何か?
こういった質問をすると、このグループ演習の参加者は怒り出して、私たちに反感を覚えるのではないかと私は心配していた。だが、そのような状況は起こらなかった。
それどころか、マロリーと称する人物はグループ演習の参加者仲間にこう言った。「私はこのウォーク思想には完全にうんざりしている。ロサンゼルスが燃え尽きようとしている!次は私の家かも知れない。あなたが消防士である場合、あなた以外にはいったい誰が飛行機に乗って消火活動をするというのか?あなたの代名詞は何なのか?私は単に有能な消防士が欲しいだけだ。消防士の仕事をしてくれる人物が欲しいだけだ。」
もちろん、実際にはマロリーはグループ演習の質問に答えたわけではない。彼女はそうする必要がなかった。彼女の率直な答えは彼女がESGの愚かさを理解していることを見事に証明していたのである。米国の学校や企業、教会、娯楽産業、等を捕らえた「ウォーク」という心のウィルスは皇帝が新しい服を着た瞬間を思い起こさせる(訳注:「皇帝の新しい服」という表現は私に「裸の王様」のストーリーを想起させるが、どうだろうか?)。
ロサンゼルスのバス市長は無能な失敗者であること、そして、ギャヴィン・ニューサム州知事は言うまでもなく、主流のメディアにおいても明らかな証拠が積み重なるにつれて、これらの「指導者たち」は裸の詐欺師であることは明白だ。何年もの間、彼らは新型コロナ感染症のパンデミックにおける都市閉鎖を含めて、ウオーク思想の流行をもたらすことに時間を費やしてきたが、自分たちの本来の仕事は怠って来た。
今、カリフォルニア州の最重要資産であるロサンゼルスが炎に包まれている。鶏たちはねぐらに戻って来た。嘘を見抜くことができるのはマロリーだけではない。
セレブたちも登場する。
サラ・ミシェル・ゲラーといった女優らはバス市長のようなロサンゼルスのトップの職員に反旗を翻している。女優でプロデューサーでもあるサラ・フォスターはXに次のように書いた。つまり、「私たちはカリフォルニアで最も高い税金を払っている。私たちの消火栓は空っぽだった。私たちの周りの植生は生い茂り、茂みは刈り取られてはいなかった。部族の指導者(訳注:ニューサム州知事)が魚(訳注:ワカサギ)を救いたかったため、私たちの貯水池は知事によって空っぽになっていた。私たちの消防署の予算は市長によって削減された。しかしながら、皮肉なことには、麻薬中毒者たちは麻薬を手に入れている。」「[バス市長、ならびに、ニューサム知事、]あなた方は辞職だ!あなた方の極左政策はわれわれの国家を台無しにしてしまった。そして、われわれの党もだ。」
ウォークという心のウィルスがあまりにも長い間蔓延し、生活やキャリアを破壊し、人間関係に害毒を与え続け、米国社会を内部から腐らせてしまった。批評家たちを沈黙させ、議論を抑圧するために使われてきたのだ。
2025年の今、われわれは計り知れない破壊や恐ろしい悲劇という有害な美徳のシグナルがもたらした結果を目の当たりにしている。真実は何かと言えば、不平等や不公正が現実に存在しているということだ。われわれが取り組まなければならない手ごわい課題が存在する。しかし、カラー革命を標榜するネオマルクス主義者たちは人類の善良な性格に付け込んで、新世界秩序、つまり、「グレートリセット」の到来を告げてきた。
だが、彼らは失敗した。
米国は目覚めつつある。世界も目覚めつつある。本当の危険を理解するために、われわれの国家がこれほどに恐ろしい、非常に恐ろしいものを経験しなければならなかったということは心痛にたえないことである。
当面、私の心はロサンゼルスの人々や彼らが愛する人たちのすべての方々に向けられている。あなた方はわれわれの祈りの中にいる。そして、われわれはこの出来事を公正に処するためにでき得る限りのことをしなければならない。皆が一緒になって。そして、最終的な解決として。
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これで全文の仮訳が終了した。
パシフィック・パリセーズの火事は数多くの資産価値の高い家屋を灰燼に帰した。この地域の消火栓に水を供給する筈であった「サンタ・イネス貯水池」が注目されていたので、この貯水池に関する情報を少し付け加えておきたい:
壊滅的な山火事がこの地域を引き裂いたとき、パシフィック・パリセーズの重要な水源であるサンタ・イネス貯水池が空っぽで使えなかったことが明らかになったことから、怒りが沸騰している。1億1千700万ガロンの容量を持つサンタ・イネス貯水池はロサンゼルスやサンタモニカ、マリブで何千棟もの家屋や建物を破壊した壊滅的な火災と戦っている消防士に水圧を維持する上で重要な役割を果たすことができた可能性がある。(出典:Pacific Palisades Reservoir Found Empty and Offline During Firestorm Catastrophe - 117 Million Gallons Could Have Saved the Day: By Jim Hᴏft, Gateway Pundit, Jan/10/2025)

初期の時点で消火栓から十分な水を得ることができていたならば、大規模火災には至らなかっただろうと言い切ることは必ずしも易しくはない。だが、少なくとも、重要な要素であったであろうことは議論の余地がない。地方自治体当局は火災シーズンの前に貯水池の水を張っておくことがどうして出来なかったのか?この極めて基礎的な疑問に当局はどう答えるのであろうか?
今後、様々な関連情報が掘り出されることであろう。引用した記事の表題が述べているように、今回のロサンゼルスの大規模火災が果たしてウォーク思想を壊滅させたかどうかに注目して行きたい。

参照:
注1:Did the LA Fires Kill Wokeism?: By Michael Ashley, THE GREAT WAKEUP, Jan/11/2025

<転載終了>