マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2025/02/post-7dd158.html
<転載開始>
2025年2月14日
Moon of Alabama

 冷戦後のアメリカ覇権は、ロシア・中国同盟に対抗されれば維持できない。アメリカ外交政策の泥沼には、この問題にどう対処すべきかの共通意見がない。

 ある派閥は覇権は維持できないと主張している。彼らはロシア、中国、アメリカ三大国は互いに争うのを避け地球をそれぞれの利害関係地域に分割する多極世界を受け入れるべきだと主張している。国境では小規模衝突が続くだろうが概ね平和が保たれるだろう。

 二番目の派閥は、中国と対決する前にロシアを倒してアメリカ覇権を維持したいと考えている。ヒラリー・クリントンとジョー・バイデンはロシアを攻撃することでこの方向へ向かっていた。

 三番目の派閥は、中国との紛争を始める前にロシアと中国を分離させ、それによりロシアを無力化(あるいは同盟国にさえする)することが、より良い方法だと考えている。

 トランプ政権は明らかに第三の選択肢に向かっているが、第一の選択肢の可能性も念頭に置いている。

 ここ数日行われた巧妙に演出された出来事は大きな狙いを念頭に置いた作戦であることを示している。

 ウクライナのNATO加盟を認める恫喝という、ウクライナ和平にとっての最大の障害を取り除くことからトランプは始めた。たが、その脅威は依然うごめいている。  
マーク・ルッテNATO事務総長とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領記者会見- NATO、2024年10月3日

 マーク・ルッテNATO事務総長:まずNATOと加盟について。ご存じのとおり、今年7月にワシントンで開催された前回のNATO首脳会議で、ウクライナの加盟への道は不可逆だと同盟諸国は合意した。これは重要なことだ。

 そして、ウクライナがNATO正規加盟国になる日が来ると私は考えている。そうでないと考える方がいるなら、この問題に関しロシアには投票権も拒否権もないと補足する。
中断:  
ヘグゼス、ウクライナのNATO加盟を否定- CNN、2025年2月12日

 トランプ:ウクライナがNATOに加盟し全ての領土を取り戻すのは現実的ではない-ロイター、2025年2月12日
揺れ:  
ルッテ事務総長:和平協定の一環としてウクライナはNATO加盟を約束されたことはない- MSN、2025年2月13日

 ウクライナのNATO加盟はあり得る、と米当局者が語る ロイター、2025年2月14日

 木曜日、アメリカはウクライナのNATO加盟や2014年以前の国境への交渉による復帰の可能性を排除していないとアメリカ高官は述べたが、これはウクライナ戦争終結に向けた和平交渉の可能性を前にしたアメリカ国防長官の今週の発言と矛盾している。

 ウクライナのNATO加盟の可能性をアメリカが排除したかどうかの質問に「現時点では、それはまだ検討中だ」とドナルド・トランプ大統領のウクライナ担当副特使ジョン・コールは答えた。ミュンヘンでのロイター通信とのインタビューで、ウクライナが2014年以前の体制に戻る可能性もまだ検討中だと彼は加えた。
 揺れはそれだけだ。ウクライナのNATO加盟は決してあるまい。ウジ虫は死んだ。

 トランプは既に次の問題に取り組んでいる。  
トランプ大統領、ロシアはG7に復帰すべきと発言-ロイター、2025年2月13日

 トランプ大統領はホワイトハウスでアメリカの新たな相互関税を発表した際、「ぜひとも彼らを戻したい。そもそも排除したのは間違いだったと思う。ロシアが好きか嫌いかの問題ではない。それがG8だった。」と述べた。

 「『何をしてるんだ? 君たちはロシアのことばかり話しているのだから、ロシアも交渉の席に着くべきだ』と私は言った。戻るのをプーチン大統領は喜ぶと思う」
 プーチン大統領を喜ばせようとする素晴らしい試みだが、ロシアは興味がない。  
大統領報道官ドミトリー・ペスコフ:「現在のG7は重要性を著しく失っている。G7は現在世界経済成長の指導者でない国々を結集している。活力は世界の他地域に移っている。」
 ロシアをアメリカ側に引き寄せようとする試みは失敗に終わった。

 だが多極世界に向かう遙かに大きな動き、あるいは覇権の共有とも呼ぶべきものについてはどうだろう?  
習近平主席とプーチン大統領との首脳会談を視野に軍事予算を半減させたいとトランプ大統領が表明- アルジャジーラ、2025年2月14日

 中国、ロシアの3カ国が核兵器備蓄を削減し、国防予算を半分に削減することを協議するための両国との会談をドナルド・トランプ大統領は提案した。

 木曜日、ホワイトハウスで「事態が落ち着いたら」中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領と会談したいとトランプ大統領は記者団に述べた。

「全てを解決したら、最初の会談の相手は中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領にしたい。そして軍事予算を半分に削減しようと言いたい」とインドのナレンドラ・モディ大統領との首脳会談を前にトランプ大統領は述べた。
 連合国によるナチス敗北を祝う戦勝記念日80周年にクレムリンはトランプ大統領を招待した。既にこの式典に参加するため、5月9日にモスクワを訪問すると中国の習近平国家主席は発表している。

 これは三国間軍縮協定を発表する絶好の機会になるだろう。

 これが実現するよう期待しよう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2025/02/trump-calls-for-trilateral-arms-reduction-party-on-80th-victory-day.html#more

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<転載終了>