https://earthreview.net/jewish-people-say-no-to-ethnic-cleansing/
<転載開始>

ラビ自身がトランプ氏の計画に激しく反発
米国のトランプ氏が、ガザからすべてのパレスチナ人を追放するという方針を発表して以来、さまざまな反発する意見が出されていますが、それが「ユダヤ人の中にも広がっている」ことを知りました。
2月13日に、350人のユダヤ教のラビ(宗教指導者)たちの署名つきで、以下の全面広告が米ニューヨークタイムズ紙に掲載され、それ以来、ラビや信者たちの署名は 1000人に達しているとのことで、広がりを見せているようです。
「ユダヤ人は民族浄化にノーと言う!」とあるニューヨーク・タイムズ紙の一面広告
IfNotNowOrg
もともとイスラエルのガザに対しての戦争が「民族浄化が目的」であったことは、2023年の戦争勃発後に流出したイスラエル軍自身の内部文書で明らかになっています。
・戦争の目的は「イスラエルによるガザの民族浄化計画」であることがイスラエル情報省からの流出書類で判明
In Deep2023年10月31日
これは、イスラエルの文化誌がスクープしたもので、そのことを取り上げた記事には以下のようにあります。
クレイドル紙の2023年10月29日の報道「イスラエルによるガザの民族浄化計画」より
イスラエルの文化誌メコビットは 10月28日、ガザの 230万人の住民をエジプトのシナイ半島へ完全移転することを勧告するイスラエル情報省発行の漏洩文書を公表した。
10月13日に発行されたこの文書は、イスラエルとハマスの現在の戦争終結後のガザにおけるパレスチナ人の将来に関する 3つの選択肢のうち、パレスチナ人の抵抗運動を主導したガザ地区の全住民を北シナイへ移送する計画が好ましい選択肢であると特定している。
この文書は、イスラエルが戦争中にガザ住民をシナイへ避難させ、追放された住民を収容するためにシナイ北部にテント都市や新都市を設立し、その後、エジプト国内に数キロメートルにわたる閉鎖警備区域を創設することを推奨している。
追放されたパレスチナ人たちはイスラエル国境近くの地域に戻ることは許されない。
…移転計画はいくつかの段階に分かれており、第 1段階ではガザ住民をガザ南部へ強制的に移動させる一方、イスラエル軍の空爆はガザ北部の目標に集中する。
第 2段階では、イスラエル軍のガザへの地上進入が始まり、北から南までガザ地区全体が占領され、「ハマスの戦闘員による地下壕の掃討」が行われることになる。
ガザ地区が占領されると同時に、ガザ住民たちはエジプト領土に移動し、永久に帰還することができなくなる。
こういう現実がある中で、トランプ氏はイスラエルの民族浄化計画を推進しようとしていることにもなります。
トランプ氏の他の政策の諸々の是非はともかく、このガザの民族浄化計画推進という一点だけで、問題の根は深いと感じます。
ラビたちとアーティストたちの民族浄化反対運動についての記事です。
「ユダヤ人は民族浄化にノーと言う!」:何百人ものラビと芸術家たちがトランプ氏のガザ計画を拒否
‘Jews Say No to Ethnic Cleansing’: Hundreds of rabbis and artists reject Trump's Gaza plan
MEM 2025/02/13
2024年4月26日、イスラエルとガザの国境にあるエレツ検問所へ向かう行進中、
イスラエルの警察官が「停戦を求めるラビ」グループの米国人とイスラエル人のラビとラビ学生を取り囲む。
俳優のホアキン・フェニックス氏、劇作家のトニー・クシュナー氏、コメディアンのイラナ・グレイザー氏など最も著名なユダヤ人創作家たちが 2月13日、350人のラビ(ユダヤ教の宗教指導者)たちとともに、パレスチナ人をガザから追放するというドナルド・トランプ米大統領の計画の中止を求めた。
同団体は 2月13日、ニューヨークタイムズ紙に「ユダヤ人は民族浄化にノーと言う!」と題する一面広告を掲載し、この呼びかけを行った。
この動きは、トランプ大統領がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とともに、米国はパレスチナ人をガザから追放し、そこをビーチリゾートに変え、パレスチナ人の帰還を認めないという衝撃的な発表から、わずか 1週間余り後に起こった。
この決定は、民主党、同盟国政府、国際機関の大多数から全面的に非難されている。
「イン・アワ・ネーム (In Our Name)」キャンペーンのディレクターであるコーディ・エジャーリー氏は声明で以下のように述べた。
「アメリカとイスラエルのユダヤ人コミュニティのリーダーの中にはトランプ大統領の計画を支持する者もいるが、政治的立場を問わずユダヤ人指導者たちはこの提案に憤慨しており、強く反対せざるを得ないと感じている」
イン・アワ・ネームは他のいかなるグループとも提携していないと、エドガーリー氏はミドル・イースト・アイ紙に説明した。
「この行動はブランドとは無関係であり、提携関係もない」とエドガーリー氏は語った。
データ・フォー・プログレスによる最新の世論調査では、米国の有権者の 64%がトランプ大統領のガザ計画に反対していることが明らかになった。
一方、エコノミスト誌と調査会社ユーガブ(YouGov)による調査では、民主党支持者のうち、パレスチナ人に同情すると答えた人が 35%、イスラエル人に同情すると答えた人が 9%だった。
広告に署名したラビには、世界中の教会、大学、病院、ラビ学校、地域団体で活動する保守派、正統派、改革派、再建派、刷新派、コヘネット派(女性のユダヤ教指導者を養成する組織)のラビが含まれているとエドガーリー氏は語った。
ワシントンD.C. のニュー・シナゴーグ・プロジェクトのラビであるヨセフ・バーマン氏は以下のように語った。
「ドナルド・トランプ氏は、 聖書のファラオのように、自分は我が国と世界を統治し、所有し、支配する権威を持つ神だと信じているようだ。しかし、ユダヤ教の教えは明確だ。トランプ氏は神ではない。つまり、パレスチナ人の生来の尊厳を奪ったり、不動産取引のために土地を盗んだりすることはできない」
「ガザからパレスチナ人を民族浄化しようとするトランプ氏の願望は道徳的に忌まわしい」
コメディアンで俳優のグレイザー氏は、パレスチナ人と共に立ち上がることが不可欠だと語った。
「私たちユダヤ人、そして基本的人権を大切にするすべての人々は、パレスチナ人が自分たちの土地に留まり、彼らが耐えてきた大量虐殺による破壊の後にガザで家と生活を再建できるようにするために声を上げ、立ち上がらなければなりません」
「私たちの安全はすべて相互に絡み合っているのです」
エドガーリー氏はに、2月13日に新聞広告が掲載されて以来、世界中のユダヤ人コミュニティの少なくとも 1000人以上のリーダーやメンバーがこの呼びかけに署名したと語った。
著作『ガザ破壊後のユダヤ人であること:清算』の著者ピーター・ベイナート氏は 、依然としてあまりにも多くの人々が沈黙を守っていると指摘した。
ベイナート氏は、1,139人が死亡し、200人以上が捕虜としてガザに連れ戻されたハマス主導のイスラエル攻撃の後、2023年10月に始まったイスラエルのガザ戦争に言及して、以下のように述べた。
「私たちのコミュニティで大きな正当性と尊敬を享受している人々が、21世紀最大の犯罪の一つと見なされるであろうことを支持しようとしている様子を見るのはまったく恐ろしいことだ」
国連とアムネスティ・インターナショナルは、イスラエルがガザで「大量虐殺」を行っていると述べている。
イスラエルによるガザ地区の爆撃により、少なくとも 4万7000人のパレスチナ人が殺害されたことが分かっており、ガザ地区の瓦礫の下敷きになった数千人が死亡したと推定されている。
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