In Deepさんのサイトより
https://indeep.jp/dowd-and-president-lisa-simpson/
<転載開始>


政府効率化省の見事な働きと共にやって来る米国の景気後退

今年 2月の初めに、ブラックロックの元資産運用マネージャーのエド・ダウド氏のインタビューを以下の記事でご紹介しました。

エド・ダウド氏が述べる、2025年に必ずやって来る世界的な景気後退と金融危機
 In Deep 2025年2月11日

昨日、ダウド氏のファイナンステクノロジー社の最新レポートが出たということで、またインタビューが行われていましたので、ご紹介させていただこうと思います。

前回のインタビューでは、

「 2025年は世界規模で深刻な不況に陥る危険性がある」

としていたのですが、その方向はあまり変わらないようです。

しかし、「なぜ米国の不動産市況や消費者指数などが落ち込むのか」ということについて、前政権で使われていた「移民に対しての膨大な予算」が関係していて、それが消滅することにより、(一時的にせよ)米国の景気後退が起きる可能性を述べています。

ところで…。

全然関係ない話で恐縮なんですが、今日、スウェーデンの報道メディアが、ロシアのイスラム教の指導者が、アニメ作品である「ザ・シンプソンズ」について語った内容について報じていました。

以下に翻訳があります。

イスラム教の指導者が「シンプソンズは視聴者の思考をコントロールするために使われている」と発言
 BDW 2025年3月23日

 

リサ・シンプトン大統領が見たトランプ後の米国

シンプソンズは、数々のエピソードの中で「未来を当て続けていた」ことで一部有名で、In Deep でもかつて記事にしたことがあります。以下は 2016年 (トランプ氏が大統領に当選した年)と 2020年 (パンデミックが始まった年)のそれぞれの記事です。

シンプソンズがまたも予測を的中させる中、アメリカ大統領選の裏で「ひっそりと」発令されていた大統領令…
 In Deep 2016年11月10日

エボラウイルス、トランプ大統領の登場の予測に続き、ザ・シンプソンズが予測した感染症流行の正体は「新型大阪インフルエンザのパンデミック」。そしてそれは「荷物に乗って移動する」
 In Deep 2020年2月29日

それで、今回の、あるいは前回のエド・ダウドさんの言葉や、あるいは「トランプ政権下で米国は不況に向かう」とした米ゼロヘッジの記事(こちらでご紹介しています)などを読んでいるうちに、ふと、

「シンプソンズで、トランプ氏に関するさらに他のエピソードがあったなあ」

と思い出したのです。

それは、

「トランプ政権下で、米国の財政が破綻する」

というものでした。ずいぶん昔に知ったことですので(該当エピソードは 25年前の 2000年放映のもの)、どんなものだったか記憶もおぼろげだったので、探してみましたら、英ガーディアンの2016年3月の記事を見つけました。

それによれば、トランプ大統領の「次の大統領」に当選したのは、シンプソンズ家の第二子のリサちゃん(8歳だけど、IQは 200)で、史上初の女性米国大統領となった彼女が、引き継いだ予算のあまりのひどさを知る、というものでした。

トランプ氏が登場するのではなく、「トランプ後」が描かれているエピソードです。ガーディアンは以下のように書いています。

2016年3月17日の英ガーディアンより

米国大統領となったリサ・シンプトン氏

ほぼ16年前の 2000年3月19日に放送されたこのエピソードでは、バート(シンプソン家の長男)が、自分がビールをがぶ飲みする浮浪者であり、妹のリサがトランプ大統領の任期の後に大統領になるという将来のビジョンを描いていた。

自らを「アメリカ初の異性愛者女性大統領」と称するリサは以下のように述べる。

「ご存知のとおり、私たちはトランプ大統領からかなりの予算難を引き継いでいます」と大統領執務室の机の後ろで経済顧問たちに語る。

リサ大統領:「ヴァン・ホーテン長官、どれほどひどい状況なのですか? 国が破産したのですか? どうしてそうなったのですか?」

長官:「とにかく、お金がないのです」

Guardian

こんなように、トランプ政権下で経済的に破綻した状態で、リサ氏はアメリカ大統領になってしまっていたのでした。

ちなみに、このガーディアンの記事は「シンプソンズの予測が的中した」という側面を取りあげたものではなく、このエピソードを書いた脚本家を取材しており、以下のように書かれています。

2016年3月17日の英ガーディアンより

脚本家によれば、これは「アメリカへの警告」として意図されたもので、滑稽なことにアメリカがドナルド・トランプ氏を大統領に選んだ未来についての恐ろしく空想的なビジョンだった。

しかし、不動産王が今や共和党の大統領候補指名の最有力候補となったことで、2000年にそのような笑止千万な結末を予見した『ザ・シンプソンズ』のエピソードは、不気味なほど先見の明があったように見え始めている。

そして、その後、トランプ氏は大統領選に勝利し、第一期トランプ政権が誕生することになります。

何だか訳のわからない展開となってしまいましたので、早速、エド・ダウドさんのインタビューに入りますね。

DOGE が「米国経済を支える衝撃的な詐欺行為」を暴露 – エド・ダウド氏

DOGE Reveals Mind Shocking Fraud Propping Up Economy – Ed Dowd
usawatchdog.com 2025/03/22

エド・ダウド氏

ファイナンステクノロジー(PhinanceTechnologies.com) の元ウォール街の資産運用マネージャー兼金融アナリストであるエド・ダウド氏が、「2025年に世界的に深刻な不況に陥る危険性」 に関する最新レポートを携えて戻ってきた。

不法移民に対する政府の多額の支出だけでなく、DOGE (政府効率化省)が「衝撃的な」詐欺を曝露した。

捜査員たちはこれまでに 1,150 億ドル(約 17兆円)を発見しており、さらに数千億ドル(数十兆円)が発覚する見込みだ。

ダウド氏は、以下のように述べる。

「 DOGE の暴露は衝撃的だ。政府が NGO (非政府組織)を通じて資金を支出し、人々がその途中でリベートや利益を得ていた方法が明らかになるだろう」

「その過程で窃盗があったかもしれない。ステイシー・エイブラムス (ジョージア州の元下院議員)が NGO のために 20億ドル (約 3000億円)を得ることに何の用があるというのだろうか? まったく意味が分からない。衝撃的だ。これは私にとっても衝撃的なことだ」

「システムに腐敗があることは知っていたが、NGO が不法移民を手助けするために利用された驚くべき方法は、ただただ驚愕だ。過去 4年間に入国した 1,000万人以上の不法移民が移動するには、彼らが突然、中米で目覚めて、ダリエン・ギャップに行くと言ってメキシコ国境まで行ったり、あるいは、途中で多大な援助も受けずに米国内陸部へとたどり着くことなどできはしない」 (※ 移民たちは米国から何らかの経済的援助を受けていた可能性が強いという意味)

「 NGO がそれを手助けし、おそらく分け前を取った。彼らがここに来てから得た特典の総額はいくらだっただろうか? さらに、NGO が費やした費用や、政府自身がこれを促進するために費やした費用を考えると、不法移民 1人当たりの総額は 5万ドル (750万円)から 10万ドル (1500万円)になることは想像に難くない」

「これが、経済の食物連鎖全体の総額となる。不法移民の数に応じて、 5000億ドル (75兆円)から 1兆5000億ドル (220兆円)の間となるだろう。これは意図的に資金提供された不法プロジェクトであり、非常にロジスティックなものだった。これは決して一夜にして起こったことではない」

ダウド氏によると、その結果、米国経済は、すでに崩壊しているはずだったのに支えられた

現在、この不法侵入に対する支出はすべて消え去ろうとしている。

ダウド氏は、以下のように述べた。

「報告書を書いたとき、DOGE がいかに早く機能するかに驚いた。これが、私たちの仮説が予想よりも少し早く実現している理由だ」

「住宅市場は、ここ 1年ほど不安定な状態だった。不法移民が家賃価格を支えていたため、住宅市場は支えられていた。そのため、それ (不法移民による家賃価格の支え)が解消されると、2008年から 2009年にかけて起きたような小規模な住宅問題が発生すると考えている

「住宅価格は下がることになるだろう。住宅価格は経済の消費の大きな原動力だが、現在、住宅価格が桁外れに高騰しているため、そうなる必要がある」

 

ダウド氏はまた、政府の規模縮小、不法移民への資金カット、不法移民の自主退去が続く中で景気後退が来ると見ている。以下のように言う。

「最近、消費者信頼感が急降下しているが、その理由は明らかだ。1,000万から 1,500万人の不法移民が、自分たちの楽な生活が終わりを迎えることを心配している」

「そのため、彼らは支出を控えているのかもしれない。何百万人もの政府職員が職を心配している。さらに、約 600万人を雇用している NGO ネットワークもある。つまり、労働力として約 2,000万から 2,500万人が、自分たちへのお金がどこから来るのか心配しており、それが消費者支出の減速を引き起こす可能性がある」

 

ダウド氏によると、支出削減には良いニュースもあり、それは債券市場の金利低下という形でもたらされる。氏は依然として金(ゴールド)を中核資産として好んでおり、トランプ関税がインフレを引き起こすとは考えていない。

また、ダウド氏は、関税の問題は「誇張」されており、世界中でアメリカにとって公正な貿易を実現するための交渉手段であると言う。

ダウド氏は、インフレの前に「デフレ」と、おそらく短期的だが「深刻な不況」が来ると見ており以下のように述べた。

「ブラックスワン・イベントとして考えられるのは、ウクライナ戦争が激化し、和平協定が結ばれないことと、EU がロシアとの戦争に深く関与することだ」

「米国が紛争に介入しなければ、これは米国にとってプラスになる可能性がある。ヨーロッパでは戦争の鼓動が鳴り響いているようで、資本は米国に逃げるだろう。マーティン・アームストロング氏は、米国に金が流入しているのは戦争が迫っているためだと言っているが、このことに関するあらゆる説の中で、私にはそれが一番納得できる」

「私は戦争を予測しているわけではないが、これは地政学的リスクだ。戦争はブラックスワン・イベントの1つだ。もう 1つのブラックスワン・イベントは日本銀行の通貨危機であり、またイランと中東で起こっていることもある。ブラックスワン・イベントはリスクを増大させ、予測が難しい」


ここまでです。

マーティン・アームストロング氏という方の名前が出てきますが、インタビューで以下のように述べていました。

アームストロング氏のインタビューより

Q:ここ数ヶ月、ヨーロッパからアメリカに金 (ゴールド)が流れているという報告が数多く出ていますが、それはなぜなのでしょうか? 

「先週、話したことだが、どれくらいかは言えないが、戦争に突入しようとすると、資本が動く。…今のところ、5月15日あたりからが心配だ。…私たちのコンピューター『ソクラテス』は、ヨーロッパが戦争に突入すると報告しており、この報告では、ヨーロッパは負けるだろうとしている。…これが、金がアメリカに流れ込んでいる理由だ」

これは、今年 3月3日の記事に、このインタビューを翻訳しています。

アームストロングさんは、「景気循環理論」の研究家であり、8.6年ごとに景気の波が発生するという理論を持っている方です。

ちなみに、エド・ダウドさんのインタビューには、

> もう 1つのブラックスワン・イベントは日本銀行の通貨危機であり…

という部分もありますね。

場合によっては、日本も十分に世界恐慌に貢献できる役割を持っているようです。

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