みのり先生の診察室さんのサイトより
https://ameblo.jp/drminori/entry-12890727028.html
<転載開始>

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メタボと後期高齢者の健診で医療費「二重取り」医療機関の5割…過大徴収は5億8000万円
 

2025年3月11日 (火)読売新聞


 健康診断で疾患がある人に改めて診療を実施した医療機関の5割が、健診分に加え、「再診料」として診療分の医療費を徴収する「二重取り」を行っていたことが会計検査院の調べでわかった。

 

「初診料」として同様に徴収していた医療機関もあった。

 

こうしたケースでは健診時と合わせて問診を複数回行うなど診療が重複することが多く、検査院は「診療分の徴収は適切ではない」とした。

 検査院が問題を指摘したのは、生活習慣病予防のための特定健診(メタボ健診)後期高齢者健診

 

過大徴収は、再診料と初診料を合わせて計5億8000万円に上ると推計される。

 検査院によると、2022年度に18道府県で請求された医療費を調査したところ、計1万4659医療機関のうち7399機関(50.4%)がメタボ健診などの際、患者や自治体などから再診料を加えた医療費を徴収

 

初診料についても、少なくとも94機関が過大徴収していたという。

 当時の再診料730円初診料2880円

 

3割負担の場合、患者はそれぞれ219円864円を負担することになる。

 検査院の指摘を受け、厚生労働省は地方厚生局などに対し、メタボ健診や後期高齢者健診の際に再診料や初診料の徴収を認めないよう求める事務連絡を出した。


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オンラインでも掲載されていました↓

 

 

日本では国民皆保険制度のもと、どこに行っても格安の価格で医療が受けられます。

 

世界的に見ても高水準の医療が安い値段で受けられる国。

 

だから世界中から医療ツーリズムで外国人が治療のために訪れています。

 

国民であれば3割負担ですが、外国人は自費になるので全額負担となります。

 

もちろん治療費は自費で病院が自由に決めていいわけなので、もっと高い価格設定をしているところもあるでしょう。

 

うちの診療所には海外からも患者さんが来られているのですが、日本の医療は世界最安値だと言われます。

 

例えば日本で大腸内視鏡検査を受けて帰国される患者さんが多いのですが、保険証を持っていないので自費になります。

 

自費で全額負担しても安かったと言われていました。

 

 

「健診」は「治療」ではないので、保険が効かない、自費だと思っていたのですが、生活習慣病のための特定健診と後期高齢者健診は保険診療で受けられるのですね。

 

「健診料」だけ患者さんから徴収すべきところを、「受診」しているのだから「再診料」も徴収していたというわけです。

 

またクリニックの患者さんとはいえ、数ヶ月、受診歴がなければ普通は「初診」となって「初診料」がかかります。

 

だから「初診料」も徴収した病院があったのでしょう。

 

確かにそれはルール違反かもしれません。

 

でも・・・私が驚いたのは初診料と再診料の安さです。

 

再診料730円。

 

患者さんは730円ではなく、3割負担だと窓口で支払う金額は219円になります。

 

残りの511円は国が払ってくれるシステム。

 

 

これが高いととるのか、安いととるのかは人によって違うかもしれません。

 

では例えば銀行の手数料で考えてみましょう。

 

銀行の窓口に行って振り込みをしたら例えば、

 

みずほ銀行の窓口で同一支店宛に振込する場合は、3万円未満が440円、3万円以上が660円です。

 

100万円を超える大口送金では、多くの銀行で1,000円近い手数料が発生します。

 

再診料や初診料は銀行で言うと「手数料」みたいなもの。

 

銀行の手数料と大して変わらないんだ・・・と考えると正直「安すぎる」と感じました。

 

医療機関で働く人は医師免許や看護師免許を持った有資格者です。

 

医療大学に行って勉強して国家試験に合格しなければ取得できない資格です。

 

一方、銀行の窓口にいる人は国家資格は必要ありません。

 

そんな振込手数料と変わらない金額なのか・・・と思うとちょっと情けない気持ちになりますね。

 

 

そもそも何でもかんでも健康保険でやろうとするから医療費がいくらあっても足りなくなる。

 

限られた財源です。

 

本当に困っている人を助けるために、命を守るために使って頂きたいですね。

 

 

医療機関にしたら「こんな金額でやってられるか」となったのかもしれません。

 

人件費もかかりますし、どこもギリギリの状態でやっていますから汗

 

 

それにしても過大徴収分が5億8千万円というのはすごい金額ですねあせる

 

それだけ公金を使って健診が行われていたということ。

 

 

健診は自費でもいいんじゃないかと思います。

 

「治療」じゃないから。

 

数万円払って人間ドックに行っている患者さんも多いです。

 

 

日本の保険制度、もう限界じゃないでしょうか。

 

医療サイドも患者サイドも双方が大切に使わないといくらお金を集めても足りなくなってしまいます。

 

 

国民皆保険制度のおかげで日本国民は「医療は安いもの」という金銭感覚とコンビニのようにお気軽受診できるところという認識がついてしまったのは一つの弊害だと思います。

 

海外の患者さんを診ている立場で、国によって医療制度がこんなにも違うのかということをずっと感じていました。

 

そして今の一番の問題点は外国人による医療資源の搾取です。

 

国民皆保険制度なのだから「国民」だけに使われるべきです。

 

 

色々な意味で制度自体が疲弊していると思います。

 

 

保険診療をやらずに自由診療だけで28年間医療をやってきた身として色々と感じることがたくさんあります。

 

それについてはまた書きたいと思います。


<転載終了>