https://earthreview.net/potential-for-massive-blackouts-in-the-us/
<転載開始>

1965年に発生した北米史上最大の停電の時の様子。theblackoutreport.co.uk
再生エネルギー依存のリスク
先日、スペインやポルトガルを中心とした、現代ヨーロッパで最大規模の停電が発生しました。
そして、先日、米国トランプ政権の内務長官が、
「アメリカもスペインと同じような大停電に見舞われる可能性がある」
と警告したことが報じられていました。
そして、これには明確な理由があるのです。
実は、スペインでの大規模な停電は、
「スペインが発電すべてを再生エネルギーにした途端に起きた」
のです。
これについて、In Deep メルマガで取り上げたことがありますが、経済学博士のダニエル・ラカレ氏という方が以下のような記事を書いていました。
ダニエル・ラカレ博士の記事「スペインの停電は政治的な意図が生み出した大惨事であり、世界への警告だ」より
停電の 6日前、スペイン政府、左派政党、そして多くのメディアは、スペインの電力網が平日に、初めて再生可能エネルギーのみで稼働したことを祝福した。
その1週間後、スペイン、ポルトガル、そしてフランスの一部で大規模な停電が発生した。
フランスはヨーロッパ最大の原子力発電所を保有しているため、迅速に電力を復旧させた。しかし、スペインでは、政府が原子力発電所の稼働を阻止する没収的な課税制度を維持していたため、11時間近くも停電が続き、通信も途絶えた。
メディアは、原因は「電力網の激しい変動」であり、「イベリア半島は欧州の電力システムから切り離された」と報じた。電力系統の崩壊は即座に発生し、長時間続き、これはスペイン史上最長の停電となった。
常時稼働するベースロードエネルギー(水力発電など)によって提供される、物理的慣性のないシステムでは、供給途絶に直面しても電力網を安定させることは不可能だ。
電力崩壊が発生した当時、スペインの電力網は再生可能エネルギーによる発電が約 80%、原子力発電が 11%、天然ガス発電がわずか 3%だった。
発生したショックを吸収するベース電源や物理的な慣性は、事実上存在しなかった。
専門家たちは長年にわたり(再生エネルギーへの過度な依存について)警告を発してきた。
…スペインの停電はサイバー攻撃によって引き起こされたのではなく、政治家による国民への最悪の攻撃によって引き起こされた。
このスペインの停電は、一歩間違うと、「ヨーロッパ全体のブラックアウト」につながりかねないものだったらしく、そして、今後もヨーロッパにそのようなリスクが生じる可能性は続くことになります。
全体を再生エネルギーに頼るようになると、とにかく電力網の崩壊が起きやすいようなのです。
アメリカの内務長官も、そのことについて述べていました。
アメリカも今では、発電の約半数が再生エネルギーによって行われており、実際には、現時点でもリスキーな状態となっていると見られます。
再生エネルギーが世界に広がるにつれて、今後、世界中で大規模な停電も増えていくことになってしまうかもしれません。
アメリカは「スペインで見たような計画停電と電力網の停止」に「危険なほど近づいている」とトランプ大統領の内務長官が警告
America ‘Dangerously Close’ to ‘Rolling Blackouts & Grid Failure’ Like ‘We Just Saw in Spain,’ Trump’s Interior Secretary Warns
slaynews.com 2025/05/08
ドナルド・トランプ政権のダグ・バーグム内務長官は、米国は最近スペインとポルトガルの大半を停電させたのと同様の大規模な広範囲停電の危険にさらされていると警告している。
バーグム氏は新たなインタビューで、欧州の停電は間欠的な再生可能エネルギー源への過剰な補助金が原因だと述べた。
彼はアメリカが今や同様の「計画停電と電力網の障害」に見舞われる危険な状態に近づいていると警告している。
「ザ・オールイン・ポッドキャスト」でデビッド・フリーバーグ氏に語ったバーグム氏は、中国との人工知能(AI)「軍拡競争」のせいで、その技術に必要な電力の量が多すぎて「夜も眠れない」と認めた。
「スペインでは先月 4月12日に最後の石炭火力発電所の閉鎖を祝っていたのを目にしました」とバーグム氏は説明する。
「その 1週間後、彼らは自社のシステムで 100%再生可能エネルギーが稼働した最初の日を祝っていたのです」
「そして翌週には、人々が地下鉄に閉じ込められ、すべての航空便が欠航になり、計画停電と送電網の故障で病院が電力不足でパニックに陥り、世界的なニュースとなりました」
バーグム氏は、壊滅的な停電は太陽光や風力などの不安定な電源だけに頼ることの根本的な欠陥によるものだと主張した。
「これは物理的にまったく矛盾しています」と内務長官は指摘した。
「我が国には、同じような、いわゆるバイデン氏による電力供給不足やブラックアウトが起こる危険にさらされている地域があるのです」
バーグム氏は、信頼性の低いグリーンエネルギーへの過剰な補助金や、石炭や原子力のような安定したベースロード電源に対する厳しい規制を批判した。
彼は、「地球を救う」という目標によって推進されているこれらの措置が国家のエネルギー安全保障を危険にさらしていると主張している。
「我々がやっていることすべてが、潜在的に自国を危険にさらしているのです」と彼は強調した。
同氏はさらに、特に中国の急速なエネルギー拡大を前に、トランプ政権の技術的・経済的野心を支えることができる信頼性の高い電力網を確保するためにエネルギー政策の再評価を促した。
スペインは、最後の石炭火力発電所の閉鎖と 100%再生可能エネルギーの一日を祝ったわずか数週間後に、深刻な停電に直面した。
断続的な太陽光と風力に依存していた電力網は崩壊した。
停電により人々は地下鉄に閉じ込められ、飛行機は欠航となり、病院は大混乱に陥った。
<転載終了>