https://ameblo.jp/don1110/entry-12905711259.html
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鼻に噴霧でコロナ免疫に期待 東大チームが開発の新ワクチン候補
鼻の中に噴霧する新型コロナウイルス感染症の新たなワクチン候補を開発し、
動物実験で効果を確認したと、東京大新世代感染症センターの河岡義裕機構長らの研究チームが発表した。
この経鼻ワクチンは重症化予防に加え、鼻でのウイルスの増殖を抑制するため、感染拡大を防ぐ効果が期待できるという。
新型コロナのパンデミック(世界的大流行)以降、遺伝情報を持つメッセンジャー(m)RNAを使ったワクチンが開発され、
世界中で接種された。
一方、全身ではなく上気道など、感染が起きる箇所で免疫を高めることや、感染してもウイルスの拡散を抑制する新たなタイプが求められている。
チームは、新型コロナの遺伝子の中で、ウイルス粒子を組み立てるのに必要な部分を取り除いた遺伝情報を基に、人工的にウイルスを作製した。ヒトなどの細胞に入ると、免疫を獲得するために必要なたんぱく質を作り出す。ウイルスの骨格や中身そのものは構成できないため、増殖して拡散する恐れがない。
このウイルスを使ったワクチンをマウスに経鼻接種したところ、鼻腔(びくう)と肺の粘膜上で新型コロナに対する免疫ができた。特に肺においては、mRNAワクチンより守備範囲の広い免疫ができたという。
次に経鼻接種したハムスター8匹のグループに、それぞれデルタ株とオミクロン株の派生型「XBB」を感染させたところ、肺ではどちらの株も増殖しなかった。鼻腔でも感染3日目で増殖がない個体が約半数で、残り半数の個体でも増殖量は著しく抑制され、感染から6日目には消失したという。
河岡さんは「呼吸器感染症では経鼻接種できるワクチンが有効で、感染の拡大防止に有力と考えられる。mRNAワクチンと異なり、実際のウイルス感染と同様の免疫を獲得できる点も利点だ」と説明した。
成果は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。【渡辺諒】
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