ナカムラクリニックさんのサイトより
https://note.com/nakamuraclinic/n/n66e5e231e272
<転載開始>

細川先生が5月30日に亡くなったという。
反ワク界隈というのは狭い世界である。初期の頃からコロナワクチンの危険性を主張する医者同士、僕も細川先生もお互いの存在は当然認識していたし、「どこか講演会などでお会いする機会があるかも」と漠然と思っていたが、そういうことはついになかった。
直接的な面識はない。しかし、狭い界隈で、ともに戦った仲間である。弔電ぐらいは送りたい。共通の知人に連絡を取ったところ、「すでに葬儀と納骨上げが終わりました」とのことで、心の中で黙想するよりない。

死因が大動脈破裂だったことから、SNS界隈がにわかに動揺した。

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自身の診療所で倒れているところを、来院した患者が発見したという。
前日まで元気に活動していた65歳男性の突然死ということで、他殺の可能性は当然考慮されるべきだろう。
しかし一方で、奥さんを癌で亡くして以後、食事は不摂生で、降圧剤など複数の投薬治療を受けていたという話もあって、そうだとすると、背景にもともとあった何らかの循環器疾患が原因だという考えも自然である。
真相は分からない。
こういう場合、界隈が好むのは「他殺説」である。
「ワクチンの危険性に警鐘を鳴らし、癌の標準治療に異を唱える。そんな本物の医師はこのように暗殺されるのです」「細川先生の崇高なご意志は我々が引き継ぎます」
妙な神格化が進んでいるようにも思う。
「亡くなったらみんな仏様や。悪く言うもんやないよ」というのは日本人が生来的に持つすばらしい徳目である。しかし、かといって、あまり変に奉って、持ち上げるのもどうなのか。
僕も含め多くの人がそうであるように、細川先生も、高尚と卑俗が混じり合う愛すべき俗物だった。
遠い過去の人ではない。つい先日まで、電話をかければ声が聞けるこの世の人だった。
もっと等身大の思い出話ができないものだろうか。

まず、個人的なことでいうと、ツイパクをけっこうされました(笑)
ツイパクというのは、誰かのツイッター投稿を、まるで自分オリジナルであるかのようにパクッて投稿することを言います。引用リツイートの形にするとか引用した人の名前をクレジットするのが一応のマナーですが、そのあたりの倫理観は細川先生、あまりなかったようだ。

何かと物事を大きく「かます」人だなと思っていて、はたで見ていてハラハラするような、危ういところがありました。たとえば、

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厚労省に電話したところ、全職員の9割にあたる6300人がワクチン未接種だったとのこと。
本当?厚労省に電話したら、本当にそんなこと、教えてくれたの?
真偽は不明だけれども、ネットは大騒ぎになる。ワクチン反対派は、鬼の首をとったように「厚労省の役人どもは自分たちは打たないくせに、国民には打たせている!」と怒りの声を強くする。

界隈では「官僚、政治家、医者はコロナワクチンを打っていない」という言説が根強く信じられていました。僕は、露骨に異を唱えなかったけれども、内心疑問でした。
官僚で、ワクチン2回打ち、体調不良になった患者を何人か診たことがある。厚労省の上層部はさすがに打ってないだろうけれど、厚労省でも派遣の職員とか普通に打ってるし、他の省庁も同じようなものだろう。
政治家でも、原口議員とか接種後悪性リンパ腫になっているように、打ってる人はいっぱいいる。
医者ももちろん打っている。「自分は打たないけど、患者に打ちまくって家が建つほど大儲けした」みたいな悪魔的な医者も、いるにはいるだろうけど、ごく一部だろう。ほとんどの医者は自分にも打ったし、患者にも打った。
実際のところ、官僚も打ったし、政治家も打ったし、医者も打った
裏の裏とか、変に勘繰ることはなかったんだよ。もっと素直に見ればよかった。
でも細川先生が、こういうツイートをしちゃうものだから、どうしても対立構造が生まれちゃうよね。「危険性を知りながらワクチン推進する厚労省VS国民」みたいな。

内海聡先生に対するライバル心は強烈で、隠そうともしなかった。

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主張の主旨としては、「サイエントロジーがバックにいる」とか「船瀬さんにも愛想を尽かされた」とか銭ゲバだとかアル中だとか、まぁ何とも子供じみているので、ウツミンとしてはさしたる実害はないだろう。
というか、こういう主張は、言説のレベルの低さから、むしろ主張した側がダメージを受けるものだから、細川先生はこういうことを言うべきではなかったと思う。でも周りにそういう助言をくれる人がいなかったのだろう。あるいは、心情的に言わずにいられなかったのかもしれない。ちょうど選挙中で、内海先生がやたら注目されていることもあって。

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冒頭の画像の繰り返しだけど、安保先生、母里先生、近藤先生を並べたその横に、細川先生を挙げることは、ちょっと違うんじゃないか、と個人的には感じます。
安保先生は僕のメンターの一人で、先生の考え方を臨床上の一つの指針にしています。特に、抗癌剤がなぜよくないのか、その辺りのロジックは、安保先生からいただきました。
母里先生は、もともとワクチンを作っていた側の人で、しかしあるときから急に「ワクチンは打つべきではない」と言い始めた。小児ワクチン全般やインフルエンザワクチンについて、その有効性に疑問を持っておられて(あるいはその有害性に確信を持っておられて)、著書も多数ある先生です。
近藤先生は、癌もどき理論をはじめ、抗癌剤治療に対する疑問や、西洋医学的な投薬そのものに対して大きな疑問を持っておられ、やはり、数えきれないほどの著書がある。
製薬会社の気持ちに立ってみると、彼らの言説は非常に厄介だっただろうなと思います。殺し屋でも雇って彼らの口を封じられるなら、まぁやっただろうなというのも納得します。
しかし、ごめんなさいね、率直な意見として、このお三方と細川先生を並べられると、細川先生には申し訳ないけど、やってきたことの格が違うと言わざるを得ません。
つまり、この3人の先生が、製薬業界から睨まれる理由はよくわかります。しかし、仮に製薬業界の立場に立ったとして、細川さんをわざわざ殺す理由が見えてこないんですね。
人を一人殺すとなれば、それなりの労力に違いない。同じ労力をかけるなら、細川先生よりは、たとえば、断然内海先生でしょう。内海先生の突然死となれば、界隈に対して、これほど強烈なメッセージは他にない。「ワクチンが危険だとか抗癌剤が危険だとか、好き放題言ってるとこんなふうになるからね」と。

細川先生のことは、もうそっとしておいてあげれば、と思います。今やようやく生きる重荷から解放されたのだから、僕らとしては、ただ瞑目して彼岸での幸せを祈るだけでいいのではないでしょうか。
変に奉って英雄視するのは、先生自身も望んでいないような気がします。


こんなメールが届いた。
「参政党は唯一コロナワクチンに反対している政党です。しかしワクチン遺族会の鵜川さんが参政党をひどく攻撃してきます。
中村先生と鵜川さんは信頼関係が強いとお見受けしています。なので、中村先生にお聞きします。
鵜川さんは最近ワクチンを打たないようにと積極的に発言しなくなった印象がありますが、この方針転換はなぜでしょうか。
参政党へのひどい誹謗中傷は何か自民党から言われたりしてのことなのでしょうか?3年前に自民は参政党を潰すと決定して分断工作を仕掛けてきたり、なにかと妨害もひどいです。
鵜川さんとは同じ反ワクチン仲間だと思っていました。とても残念でなりません。鵜川さんがここまでひどい誹謗中傷をするのはどういったことなのでしょう?中村先生も参政党に対して鵜川さんと同じ見解でいらっしゃいますか?
参政党はまだ規模としては政策決定権を持てないから、何もしてない、ひどいとする鵜川さんの批判は的外れだと思うのです。
常識的に考えたら無理な話なのに、なぜここまで執拗に参政党叩きをするのか理解に苦しみます」

人を「ワクチン推進派か、ワクチン反対派か」の二分法で見るような考え方はやめましょう。
鵜川さんは、もちろん、コロナワクチンのことは危険なものだと思っているし、あんなものは絶対打つべきじゃないと思っている。
でも、鵜川さんのスタンスは、ワクチン被害者に寄り添うことです。それ以外にありません。政治も何もありません。鵜川さんが考えているのは、ワクチン被害者のこと、あるいはワクチンを打って亡くなったご遺族のことです。それだけです。

自分の話をすると、僕はかつて、未接種パーティーを複数回主催してきました。そのたびに鵜川さんは小言を言ってきました。「あっちゃん、こういうのはよくないよ。ほどほどにしときや」と。何度も小言を言われながらも、それを無視して、僕はパーティーを主催してきました。言われるたびに、内心「うっとうしいな」と思っていました。
一体なぜ、鵜川さんは僕に小言をいうのか?
それは、究極のところ、鵜川さんは、世間一般にいうところの「反ワク」ではないからです。
鵜川さんの仕事は、接種者に寄り添うことです。ワクチンの効能を信じ、打ち、その結果、大変なことになった。そういう接種者なりご遺族なりに寄り添って、「大変でしたね」というのが鵜川さんが日々やっていることであって、ワクチンの危険性に警鐘を鳴らすとか、未接種者同士がイチャイチャとよろしくやる場を提供するとか、それは鵜川さんの仕事とは全く違うんですね。
というか、僕が未接種者のパーティーを主催するというと、鵜川さんは苦々しい顔をする。「そんな分断を煽るようなこと、できればやらんといて」と。

コロナの諸問題について、僕は鵜川さんと多くの点で考え方を同じくしているけれども、だからといって、一枚岩というわけではない。当然いろんな物事について考え方の違いはある。それについて、ここでは細かく言わない。
ただ、ひとつ明確にしておくと、僕は政治に全然興味がないので参政党は好きでも嫌いでもないのですが、鵜川さんは参政党に不信感を持っています。ワクチン遺族のことで、これまで何度も参政党に相談を持ち掛けたが、全然動いてくれなかったからです。党首(神谷宗幣氏)の言論だけ聞いていれば、なんだかすごく期待できそうな気がする。しかし実際相談に行くと、少なくとも末端は全然動かない。鵜川さんはそんな失望を何度も味わってきた。
「ワクチン遺族が参政党に相談しても、全然動いてくれない。トップは偉そうに言うよ。でも末端はそうではない。それはこの活動を通じて、骨身に染みて分かりました。結局のところ、上がそういう指示をしてないということだよ。『既存政党でワクチンに反対してるのは参政党だけ』みたいなことをよく聞くけど、それは言うだけ。何もやってない。
言ったらなんだけど、繋ぐ会(ワクチン遺族会)のほうがはるかに仕事をしています。たとえば、街頭演説のときとか、チラシまきをするけど、これは、打った人に対してやっています。あのワクチンを打った人に健康リスクを認識させるために。活動には医者や弁護士も同行します。「接種者の方はご相談ください。今なら医者と弁護士の相談が無料でうけられまよ」と。
国民の大多数、8割が打ったんです、打った8割が認識することが大事です。自分がどんな毒を打たされたのかということを。そして、ともに声をあげることです。
別に政治家に多くのことを求めているわけではありません。「ワクチン後遺症患者の声を政治に届けてほしい」言っていることはこれだけです」



<転載終了>