地球の記録 - アース・カタストロフ・レビューさんのサイトより
https://earthreview.net/tapirs-are-back-in-rio-de-janeiro/
<転載開始>
ブラジルで100年ぶりに生息が確認された南米バク

※ イメージです。 sfpdentalserviceversilia.it

なぜ100年ぶりに出現したかの理由は不明

ブラジルのリオデジャネイロ州で、1914年に目撃されて以来、まったく確認されていなかった「南米バク」というバクが、100年以上ぶりに確認されたと報じられています。冒頭の写真のようなバクです。

これは、南米バク自体が世界的に絶滅したということではなく、リオデジャネイロ州のその地域では、100年以上確認されていなかったということです。

まあ、全体として個体数が減っているのは確かのようで、英語版 Wikipedia には以下のように書かれていました。

絶滅危惧種

南米バクの個体数減少は、肉や皮を目的とした密猟と生息地の破壊が原因だ。南米バクは一般的に絶滅危惧種として認識されており、 1970年6月2日に米国魚類野生生物局によって絶滅危惧種に指定された。

Tapirus terrestris

どうでもいい話ですが、この日本語の「バク」というのは、中国の伝説上の生き物である「」からつけられたものです。

獏とは以下のような存在です。

Wikipedia - 獏より

獏(ばく)は伝説の生物。中国発祥で、日本へ伝わった。日本では獏は悪夢を食べるとされる。

中国では獏が悪夢を食べる描写は無かった。しかし、獏の毛皮を座布団や寝具に用いると疾病や悪気を避けるといわれ、獏の絵を描いて邪気を払う風習もあり唐代には屏風に獏が描かれたりした。

こうした邪気を払う伝説が日本に伝わるにあたり、「悪夢を食べる」と解釈されるようになったと考えられている

そういう動物が、復活のメカニズムはわからないながら、再び現れたということになりそうです。

その報道です。

絶滅した奇妙な動物が100年ぶりに南米に復活

Lo strano animale che torna in vita dopo 100 anni di estinzione e riappare in Sud America
SFP Versilla 2025/06/09

跡形もなく姿を消してから 100年以上が経つ動物が、南米の忘れられた片隅に再び姿を現し、自然保全に関する科学理論を揺るがしている。

自然はまるで小説から飛び出してきたかのような秘密を抱えており、時折、科学的論理を覆すような異常な現象が起こる。絶滅したと思われていた種の復活だ。

まさにそれがブラジルの辺境で起こった。研究チームは、1世紀以上も行方不明だった動物が今もなお健在であることを確証し、衝撃を受けている。

 

誰も予想していなかった出会い

この発見はブラジル国立環境研究所(INEA)によって発表され、リオデジャネイロ州クニャンベベ公園で、少なくとも 3頭の南米バク(Tapirus terrestris)が発見されたことを確認した。

驚くべきは、その存在だけでなく、1914年以来、この地域で野生のバクが目撃されていなかったという事実だ。

南米最大の陸生哺乳類とされるこの動物は、体重 300キログラム、体長 2.5メートルに達することもある。サイやシマウマの近縁種で、奇妙な趾を持つ有蹄類だ。種子散布において重要な役割を果たしていることから、「森の庭師」というニックネームが付けられている。

これまで、この地域におけるバクの記録は、飼育下または再導入プロジェクトの一環として人為的に導入された個体に限られていた。

そのため、人間の介入なしに生き延びた個体の発見は、科学にとって予想外かつ深遠な発見となるだろう。

 

カメラトラップ、生態系、そして大きな驚き

この発見は、INEA が鉱業会社ヴァーレと共同で 2020年に開始した保全プロジェクトの成果であった。

主な目的は、ブラジル大西洋岸森林の生態学的宝石であるクニャンベベ公園の生物多様性を保護することだった。この活動の一環として、森の要衝に 10台のカメラトラップが設置されたが、そこで何が見つかるかは想像もしていなかった。

カメラは合計 108枚の映像を記録し、野生のバクがそこにいることを疑う余地なく示した。

中でも特に印象的なのは、メスと子バクの映像で、これはバクの個体群がまとまって生息しているだけでなく、この地域における活発な繁殖能力を示唆している。

科学者たちは、人間が蔓延する環境の中で、これほど象徴的な種がどのようにしてこれほど長い間、安全に、そして目立たずにいられたのかをいまだに説明できていない。

 

生物多様性への希望のメッセージ

南米バクは、主に無差別な狩猟と森林伐採による生息地の喪失により、 IUCN レッドリストの絶滅危惧種に危急種として記載されている。

こうした状況下において、この野生個体群の再発見は、科学的な関心を新たにするだけでなく、他の絶滅危惧種にも希望の光をもたらすものだ。

ブラジル環境・持続可能性大臣ベルナルド・ロッシ氏は次のように総括した。

「この再発見は、リオデジャネイロだけでなく、科学にとっても画期的な出来事です。チャンスを与えれば、自然は私たちを驚かせることができるということを改めて認識させてくれます」

この出来事は、私たちに保全戦略の見直しを促し、手遅れになる前に生態系を守ることの重要性を浮き彫りにしている。なぜなら、自然の奇跡は時として起こるものであり、そしてそれは私たちの想像以上に身近なところにあるからだ。


<転載終了>