https://yocchan-no-blog3.blog.jp/archives/8841438.html
<転載開始>
イランに対するイスラエルの攻撃について米国市民はどのように考えているのだろうか?最近の世論調査によると、こうだ:
イランは米国の公然の敵である。私が言っているのは中央のイスラム主義政府のことであるのだが、「50%はイランが米国の敵であると信じており、イランを味方と考えるのはわずか1%に過ぎない。調査に参加した1,512人のうち、米国の戦争への関与を支持しているのはわずか16%で、60%は反対し、24%はわからないと答えている。米国の関与に対する反対意見には、民主党員の65%、無所属の61%、共和党員の53%が含まれている。共和党員の中で米国の関与を支持しているのは23%、トランプに投票した人々の中では19%だけである。一方、調査対象となった1,511人のうち56%が、民主党員の58%、独立系の51%、共和党員の61%を含めて、米国はイランと交渉すべきだと述べている。トランプの支持者の63%は、米国は戦争に頼るのではなく交渉すべきだと言った。トランプの支持者のうち、18%だけが米国はイランと交渉すべきではないと述べている。(出典: : By Paul Alexander, Jun/19/2025)
そして、トーマス・マッシー下院議員(共和党・ケンタッキー州)は、火曜日(6月17日)、米国がイスラエルのイランとの戦争に関与することを禁止する決議を提案したと発表した。これは、トランプが火曜日にイランに無条件降伏を呼びかけ、イランに対する攻撃を真剣に検討していることを示唆したことに続くものである。トランプは、「我々は、いわゆるイランの最高指導者がどこに隠れているか正確に知っている。彼は簡単な標的であるが、そこに居れば安全だ。今のところ、彼を排除する(殺す)つもりはない」と「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。(出典:Massie: "This is Not Our War” – Rep. Thomas Massie Introduces Iran War Powers Resolution to Prohibit U.S. Involvement in Israel-Iran War After X Poll Shows 85% Oppose Providing Israel with Weapons: By , Jun/20/2025)
果たしてトランプ政権はどのような選択をするのか?
ここに「ビクター・デイビス・ハンソンはイランが生き残ったらとんでもない事が起こると予測」と題された最近の記事がある(注1)。
そして、「トランプはイランを爆撃」という記事が今朝(6月22日)に現れた(注2)。状況は急展開しており、私の投稿は置いてけぼりを喰っている。
まずはこの記事(注1)を仮訳し、読者の皆さんと共有しようと思う。
荒れた海では安定した船長が必要だ。
歴史家であり、古典学者でもあるビクター・デイビス・ハンソンは他に例を見ない明快さでイランの紛争について見事な分析を提供している。
何が起こっているのかだけではなく、次にいったい何が起きるのかに関しても。
「中東では私たちが生きている間には見ることがないような物事を見ることになろう」と彼は言う。
これはふたつの帰結のどちらかに進む可能性があり、どちらにしても決して小さなものではない。
ビクター・デイビス・ハンソンは大げさな表現で知られているわけではない。だからこそ、彼がこのような警告から話を始めると、人々は否が応でも注目する:
「われわれは中東の歴史的な時代に直面している」と彼は言った。
「われわれの生涯において、中東における正常性の約束をもたらす完璧な革命的熱情にこれほど近づいたことはかつてない。そして、この地域全体が爆発する危険性はこれまでにない程に高まっている。」
この逆説は際立っている。
平和はかつてないほど近づいているかも知れないが、完全な崩壊もまた近づいている。
そして、その中心にはハンソンが「超現実的」と呼ぶイラン・イスラエル間に始まった武力紛争が存在する。
イランの地域的支配が急速に崩壊している現状を振り返って、ハンソンは数年前にはこの瞬間はまったく考えられなかったと認めている。
「もしもわれわれがこの会話を五年前にしていたならば・・・」と彼は言った。「そして、イスラエルに比べて非常に大きなイラン、人口は十倍。イランはフーシ派のテロリストを完全に制御をすることができず、彼ら自身も無力化されているとあなたに言ったとしたら・・・」
彼はこの地域全体における連鎖反応を指摘した:ガザ地区と西岸におけるイランの代理軍は中立化されている。かつては恐れられていた軍事力であったヒズボラは今や休眠状態である。
「ハマスとしての、戦闘力としての彼らは消えてしまった。恐ろしいヒズボラの幹部らは、もはや、無力だ。」
かつてはイランの影響力の強い地域だったが、シリアの混乱は、今や、テヘランに逆風となっているようである。
「もはやアサド王朝のシリアは存在しない、親イラン派のシリアもない。すべてが混乱している。しかし、その混乱がどんな状態であっても、反イラン的であるように見える。」
この崩壊は戦略的であり、単なる象徴的なものではない。ハンソンは、テヘランから地中海につながるいわゆる「シーア派の三日月地帯」はもはや 形を成してはいないことに言及した。
「レバノンはイランの影響から脱却した。シリアもそうだ。ガザも、事実上、そうなるだろう。」
かつては重要な同盟国であったロシアでさえもこの地域では、もはや、影響力を持ってはいない。
「ウクライナで足止めされているからだ」と彼は言った。
「テロを引き起こした中東の強大な勢力であるイラン自身には防御力がない。」
わずか5日間で、イスラエルはイランの戦略的インフラを排除するために攻撃目標を絞った軍事キャンペーンを展開した。
ハンソンによると、その破壊は広範囲にわたっている。
「彼らはイランのミサイル防御施設のすべてを排除した。彼らはテロリスト組織を上から下まで解体した。彼らは核兵器開発プログラムに責任のある専門家たちを排除した。」
それでも、リスクは存在する。
「イランは400発以上の弾道ミサイルやドローンをイスラエルに発射した」と彼は言った。「そして、90%は迎撃された。しかし、10%は通過した。」
これは転換点につながる。
これらすべてはイランの神権政治が崩壊の瀬戸際にある場合にのみ重要である。
もしそうでなければ、実現されたことのすべては消えてしまう可能性がある。
「この混乱と戦争のすべては、イランの神権政治がこの戦争から無傷で生き残るかどうか次第であろう。」
さらに危険なのは同国の核施設が生き残るか、すぐにでも再建できる場合だと付け加えた。
その可能性は現在最も緊急な戦略的な問いにつながる:イスラエルはこの仕事を終えることができるのか?
それとも、地下深くに埋まっているイランの核施設を攻撃するには米国の助けが必要になるのであろうか?
ここから物事は複雑化する。
「米国第一」の外交政策の下で、トランプは明確にしてきた:永遠の戦争はもう終わりにし、中東には地上軍を派遣しないと。
しかし、トランプの行動を見ると、より深くの物語を語っているとハンソンが主張。
「私は孤立主義者ではなく、私はジャクソニアンだ」と彼は言い、トランプが言うかも知れない言葉を代弁した。
「ソレイマニを排除した時・・・、バグダディを排除した時・・・、ワグナーグループを排除した時・・・、あなたはそのことを知っておくべきだった。」
メッセージとは?トランプは戦争を探し回ることはない。だが、抑止が危機に瀕すると、彼は躊躇せずに果断に行動する。
それでも、ハンソンは不気味な質問を投げかけた:イラン政権が生き残った場合は、どうなるのか?
「もしこの戦争がイラン政権を無傷のままにして終わり、その核施設が回復可能な場合・・・、ある意味ですべてはゼロになってしまうであろう」と彼は警告した。
イランの軍事的損失やメディアの破壊、孤立した状況にあるにもかかわらず、そのような統制された攻撃をイランが生き延びることができたとすれば、イランには武器以上のもの、すなわち、「明らかに無敵である」という位置づけが与えられる可能性がある。
「ああ、イランはイスラエルが、さらには、米国が投げつけた攻撃のすべてを生き延びたという感じになるだろう。」 「イランは破壊することができない。」
そして、ハンソンが示唆したように、それこそが本当の危険となろう。
ただ単に現状への復帰ではなく、体制を力づけ、この地域全体の権力バランスを再形成する認識の変化である。
現在、この紛争全体に横たわっている疑問は次のとおりである:世界は安全策を取って、イランの核施設の残存を許容するのか?
それとも、脅威を根本的に排除できる最終的な打撃をリスクにさらして、より大きな不安定性をもたらすのか?
「核の脅威を完全に取り除くことによって、より大きな危険を冒すのか?」とハンソンは尋ね、「その結果、神権政治を屈辱的なほどに追い込むことができ、それが打倒される可能性を高めることになるのか?」それは大きな賭けだ。
彼は戦争に対する自らの不安を避けようとはしなかった。
「永遠の戦争は好きじゃない」と彼は付け加えた。
「先制攻撃の戦争は好きじゃない。米国があの人里離れた地域に、それがどこであれ、介入するのは好きじゃない。しかし、その戦争が体制を維持したままで、再建可能な核施設を残したまま終わるならば、それは単に元に戻るだけではない。将来、大きな災害になろう。」
それは砂漠の粉塵が収まった後の地域の未来に関して爆弾のような予測を彼が発表した時であった。
これが崩壊に終わるのか、それとも再興につながるのか、ハンソンはこの戦争の次の段階は地域全体と中東におけるパワーの理解を再形成する可能性があると信じている。「だから、いったい何が起こるのか観察しよう」と彼は言った。
「ところで、皆さん、ちょっと待っていただきたい。われわれは中東でわれわれの生涯では見たことがないようなことを見ることになると思う。そして、それは非常に悪い結果をもたらすかも知れない。」
「しかし、それは非常に革命的な結果となる可能性もあり、この地域全体の地図を書き直すことになるかも知れない。」
この物語はオーバートンの助けによって実現した。つまり、彼がいなかったならば、管制することはできなかった。成長の途上にある彼のネットワークを支援したいならば、月額または年額の購読をご検討いただきたい。あなたのご支援は彼がチームを拡大し、このような物語をもっと多くカバーできるようにする。われわれふたりはあなたのご支援に心から感謝したい!
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これで全文の仮訳が終了した。
イスラエル・イラン戦争はイランで進行中にある核兵器の製造を中断させることだと広く言われているが、もうひとつの戦争理由は現イラン政権の転覆して、中東地域におけるイランの覇権を破壊することだ。
だが、奇妙なことには、イランが核兵器を製造しているという証拠は見当たらないとIAEAが述べている。そして、トランプ大統領の政権で諜報機関を統括する米国家情報長官のトウルシ―・ギャッバードも同様の主張をしている。このことから、イスラエルが言っている核兵器の製造を中断させるという目的は建前であって、本音は現政権を転覆させ、イランを不安定化することが主目的であるのではないか。
イラン・イスラエル戦争が始まって1週間。両者ともにミサイルの枯渇が取り沙汰されるようになってきた。両者のとっては長期化は考えられないとすると、近い内に何らかの停戦が現実的な出口となるであろう。
米国内ではトランプの支持者はMAGAと称されるが、MAGA内部では不満が増えて、意見の相違があるとは言え、イラン・イスラエル戦争へ米国が加担すること、つまり、イスラエル側に立って参戦することについてはMAGAだけではなく、米世論の全体としても反対が多いと聞く。MAGA内部では、かってからトランプの支持を表明して来た大物たち、すなわち、タッカー・カールソンやスティーブ・バノン、ウルシー・ギャッバード、他はトランプに参戦しないよう求めている。
トランプ大統領の決断はいったいどうなるのか?
下手な選択をすると、来年の中間選挙で与党が負けてしまうかも知れない。トランプ大統領としては7,700万人の支持者の間に定着している「戦争を始めない大統領」という立場を堅持するのか、それとも、軍産複合体の意向に少しでも応えてやるために既定路線を変更して、イスラエルの肩を持ってイランと戦争をするのか?これは極めて難しい政治判断になりそうだ。
そして、中東産の原油にエネルギー源を全面的に依存する日本にとっては、イラン・イスラエル戦争がホルムズ海峡の閉鎖という結末を迎えると、日本経済は崩壊するのかどうかではなく、日本経済の崩壊は時間の問題となる。
空母艦隊を送り込み、水面下で進められているイランとの交渉でトランプ大統領が出口を見い出すことが彼が言っているように2週間の間にはたしてできるのかどうか、今、全世界が注目している。
そして。一夜明けて(6月22日)、米国がイランを爆撃したとの報に出遭った。これは戦争特派員のマイケル・ヨンの報告だ:
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米議会による戦争の宣言はない。しかし、戦争の世界では、そうした行政的な詳細は無関係だ。トランプはイランを爆撃した。われわれは戦争の中にいる。トランプはイランとだけ戦争をしているわけではない。イランはSCOのメンバーである。上海協力機構だ。これはもうひとつのNATO(注2)。
マーフィーの法則に従って、物事は悪い方、悪い方へと展開する!トウルシー・ギャッバードやIAEAの報告は無視された。イラク戦争における大量破壊兵器という幻想のストーリーの二の舞かも。歴史は繰り返す。戦争勢力の傲慢さには限界が無い。
参照:
注1:Victor Davis Hanson Makes a Disturbing Prediction About What Happens If Iran Survives: and , Jun/19/2025
注2: : By Michael Yon, Jun/22/2025 |
<転載終了>
これは人工地震の可能性がある。再び巨大地震の災禍に巻き込まれるかもしれない。災禍が起きない事をイエス様に祈りつつ、思い残すことがないように日々を大切に生きたい。
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