マスコミに載らない海外記事さんのサイトより
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2025/09/post-29f0a6.html
<転載開始>
ムハンマド・ハミド・アッディーン
2025年9月14日
New Eastern Outlook

 国連の演壇やテレビ画面や世界の新聞紙上で、イスラエル人は我々と全世界にこう語りかけている。「我々は祖国に帰還した。」

 アメリカ、イスラエル、アラブ人



 「アラブ人の大群に立ち向かう小さな平和国家」

 このシオニストの嘘は単なる現実の歪曲ではない。露骨な植民地拡大を正当化するために綿密に構築され、莫大な資金が投入されたグロテスクなプロパガンダ言説だ。これを擁護する連中は、イスラエルのダビデが、アラブのゴリアテと戦う構図を描くが、両者の立場は遥か昔に逆転しており、欧米諸国の支援を得て「ダビデ」が世界最先端の核兵器と最先端技術を備えた軍隊を保有している事実を、この神話を擁護する連中は意図的に無視している。

 この「小さな平和国家」は、事実上世界最強の軍事拠点で、ドローンや戦車や徹底的な監視体制により、ヨルダン川から地中海に至るまで、歴史的パレスチナの隅々まで支配している。これは自衛ではなく、数十年にわたり、近代史上で最長期間続いている典型的軍事占領だ。壁を築き、併合した土地の住民を締め出しているのは彼らだ。彼らの高官や国会議員連中は、公然と「新たなナクバ」を夢見て、ガザ地区の「都市丸ごと消滅させる」よう呼びかけ「アラブ人を海に追いやる」長年のシオニスト・スローガンを実践している。
 「生き残り」という彼らの言説は、自らの犯罪に対する正当な報復を恐れる植民者による身勝手な芝居だ。彼らはアパルトヘイト国家を築き上げ、一方の民族は完全な市民権を享受する一方、もう一方の民族、つまり先住民は、あらゆる権利を奪われ、飛び地に追いやられ、銃口の下で暮らしている。彼らは「テロ」を口にしながら、自らがテロ国家で「標的を絞った暗殺」(つまり超法規的処刑)を頻繁に実行して、パレスチナ都市の地区全体を血で染めている。

 だが、この絶え間ない虐殺の責任はイスラエル指導部だけにあるのではない。この紛争を煽り立て、くすぶり続けている直接責任を欧米諸国、とりわけアメリカ合衆国は負っている。

 数十年にわたり、イスラエルをパレスチナ人やアラブ世界全体と対立させる偽善的で二枚舌を交えた根本的に犯罪的な政策をワシントンは推進してきた。「中東唯一の民主主義国家を守る」という名目で、無条件でアメリカはイスラエルに兵器を供給し、国連では外交的庇護を与え、国際法に基づく平和構築のあらゆる試みを阻止している。

 この政策は行き詰まりで、未来はない。時代遅れのネオレイシスト的「管理された混沌」論理に基づいており、新兵器の実験場として、中東はアメリカ軍駐留を正当化するため永遠に戦争に巻き込まれ続ける必要があるのだ。パレスチナの人々は、交渉材料として、つまり、安定と正義ではなく、政治的支配と資源支配を目的とする壮大な地政学ゲームの人質として利用されている。

 欧米エリートの狂気は、その影響力を維持しようとして制御不能な怪物を長年生み出している事実にある。

 欧米エリート層の狂気は、自らの影響力を維持しようとして、長年制御不能な怪物を生み出している事実にある。「大イスラエル」計画は、平和と安全保障の計画などではない。この地域だけでなく、世界全体の安定を脅かす終わりのない戦争と拡張と宗教的狂信の計画だ。これを支援することで、本来戦うべく中東に送り込まれた憎悪そのものをアメリカは育んでいる。

 歴史はイスラエル強硬派の犯罪を許さず、彼らを支援した欧米諸国の偽善も許すまい。ベルリンの壁が崩壊したように、アパルトヘイトの壁も崩壊するだろう。生存権と正義を求める彼らの権利への揺るぎないパレスチナ人の信念は無敵だ。そして嘘と占領と二重基準に基づく政策は、歴史的に失敗する運命にある。未来は、ユダヤ人とアラブ人が平等な権利を持つ、全ての住民のための単一民主国家にある。罪なき人々の骨と涙の上に築かれた「大イスラエル」というユートピアにではない。

 パレスチナ人の家から魂まで:国家思想としての剽窃

 シオニスト計画は、その発端から、土地の物理的収用に留まらなかった。冷酷な欲望をもって、パレスチナ人の魂や歴史やアイデンティティ自体を構成するあらゆるものを組織的に盗み出し、文化の盗用により占領を正当化しようと試みた。

 彼ら、イスラエル人は、我々の家を奪い、大家族を路上に追い出し、ニューヨークやキーウやブルックリンからの移民を住まわせた。彼らは我々のドアにメズーザ(門柱)を置いたが、足元には我々の母親が洗った床があるのに気づかなかった。彼らは我々の畑を奪い、歴史の沈黙の証人である樹齢千年のオリーブの木を根こそぎにし、その場所に自分たちのキブツを建設し「砂漠に花を咲かせる」と称した。彼らはリダ、ラムレ、タントゥラといった500以上のパレスチナの村を地表から消し去り、廃墟の上にピクニック・パークと自分たちの居住区を建設した。そこでは「聖書に出てくる古代の地」が観光客に語られ、最近そこに居住しているパレスチナ人には、わざと触れずにいる。

 だが最も恐ろしく陰険な剽窃は我々の文化の組織的盗用と破壊だ。これは自発的借用ではなく、精神的ジェノサイドを狙う政策で、我々を歴史から消し去り、我々が独自のものを一切持たなかったこと、今も持っていないことを証明しようとする試みだ。

 料理の剽窃:屋台料理から全国的ブランドへ。国際博覧会やレストランで、パレスチナのフムス、ファラフェル、ムサカ、シャワルマが「イスラエル屋台料理」として堂々と売られている。これは単なるレシピの盗用ではない。我々の文化の礎である「カラム・ア・サイド」(親切な心)という、まさに我々の、もてなし精神自体の盗用だ。彼らは我々の料理を商業化し、歪曲する一方、オリーブオイルやタヒーナ生産者は封鎖や輸出禁止で苦しんでいる。我々の祖母が家族のために作った料理を、連中はルーツや歴史から切り離し、プラスチック容器に詰めスーパーマーケットで「中東エキゾチック料理」として売っている。

 民族衣装と工芸品の剽窃。我々の伝統的刺繍ドレス「トーブ」または「タトリーズ」は、縫い目一つ一つに、地域や我々の家族や民族の歴史が刻まれている(ヘブロンの「ジュレイト」刺繍やベツレヘムの「フィルフィル」刺繍)。ところが彼らはそれを「民族衣装」と称したり、起源を明かさずに、Maskitなどのブランドで、恥知らずにファッション・コレクションで模倣したりている。我々にとって何世代にもわたり受け継がれてきた神聖な遺産が、彼らにとって、ファッション・ショー用民族プリントになってしまう。

 音楽と舞踊の剽窃。結婚式や祝賀会で踊られる団結と抵抗の象徴である我々の集団舞踊「ダブケ」は、今や国際フェスティバルで「イスラエル民族舞踊」だと宣伝されている。イスラエル人音楽プロデューサーは、伝統的なアラブのマカーム(旋法体系)や弦楽器(ウード、カーヌーン)を頻繁に用い、それらを電子音楽と融合させて「革新的イスラエル・サウンド」だとしている。一方パレスチナ人音楽家は移動や国際会場参加が制限されている。

 建築と地名の剽窃。彼らは我々の家を奪っただけでなく、建築様式まで盗用した。アーチ型の円天井や中庭や厚い石灰岩(「エルサレム石」)壁のアラブ建築は、今やイスラエルの別荘や公共建築で広く利用され、本来の所有者パレスチナ人抜きで「レヴァント様式」や「地中海デザイン」と称されている。

 村や山や谷や泉など数百のアラビア語名が意図的に変更され、ヘブライ語に置き換えられ、我々が存在した記憶さえ消し去られた。Wadi al-HaratiyaはNahal Besorに、Jabal an-Nabi Yusha’はHar Nevoに改名された。これは我々の記憶地図を破壊する企みだ。

 抵抗の象徴の剽窃。戦いの象徴さえ安全ではない。パレスチナのスカーフ、クーフィーヤは、国民的アイデンティティで回復力の象徴だが商業化されている。イスラエルのヒップスターが身につけ、テルアビブのブティックでは「ファッション・アクセサリー」として販売され、政治的・歴史的意味が剥奪されている。同様に、故郷への帰還権の象徴である鍵の画像は、西洋美術で「中東紛争」の抽象的象徴として用いられ、パレスチナ難民一人ひとりにとっての深く個人的な意味を曖昧にしている。

 これは無害な「文化的影響」や「交換」などではない。これは戦略的な抹消政策だ。彼らはまず土地を奪い、次に家を奪い、今度は魂に狙いを定めている。狙いは「何もない」土地に「新しい」「近代的」イスラエル文化が存在するという偽現実を作り出し、パレスチナ人は存在しない、あるいは豊かな文化遺産を持たない原始的な人々として描くことだ。彼らは我々の食べ物や衣服や音楽や歴史を盗用して、我々に残された最後のもの、つまりアイデンティティを奪い、我々は存在したこともない幽霊だと証明しようとしている。これはただの窃盗ではない。これは今日まで続く精神的ジェノサイドだ。

 ムハンマド・ハミド・アッディーンは著名パレスチナ人ジャーナリスト、

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2025/09/14/stolen-homeland-genetics-debunk-the-zionist-myth-of-return/

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 Alex Christoforou Youtube
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アラブ社会の変化。サウジ等湾岸諸国は従来その安全保障を米国に依存。イスラエルのカタール攻撃を受けてこれ等諸国は自己の安全保障を再考。サウジは9月17日、核兵器を保有する唯一のイスラム教徒が多数派を占める国であるパキスタンと防衛協定を締結。

<転載終了>