地球の記録 - アース・カタストロフ・レビューさんのサイトより
https://earthreview.net/one-in-four-us-infants-does-not-have-bifidobacteria/
<転載開始>


乳児免疫に最も重要なビフィズス菌を持たない子どもたち

アメリカで最大規模となる乳児の腸内細菌環境の調査で、

「24%の乳児が腸内にビフィズス菌をまったく持っていなかった」

ことが判明しました。

調査の対象となったのは、生後 1〜 3カ月の赤ちゃんです。

ネイチャー誌に掲載された論文はこちらです。

ビフィズス菌というのは、乳児の腸内マイクロバイオームの構成に非常に重要なもので、免疫の発達などに大きく関係します。

以前の研究で、お母さんがコロナワクチンを接種した後に生まれてくる赤ちゃんのビフィズス菌の保有量が著しく低下していることがわかっています。

以下の 2023年の In Deep の記事にあります。

 ワクチンが「腸内細菌の多様性を極端に悪化させる」ことが判明。接種したお母さんから授乳された赤ちゃんのビフィズス菌が「ゼロ」になる事例も
In Deep 2023年10月29日

 

もちろん、ビフィズス菌が減少した理由はこれだけではないでしょうが、いずれにしても、ビフィズス菌は、成人期になると腸内マイクロバイオームのうちの 10%以下となりますが、赤ちゃんの腸内では、ビフィズス菌が最大 95%を構成することもあるような、赤ちゃんには非常に重要な腸内細菌です。

それが 4人に 1人の赤ちゃんに「ない」ことがわかったということで、ビフィズス菌がない場合、その子どもの基本的な免疫の発達が阻害されますので、つまり、これは、今後、小さな子どもたちの病気がさらに増加していくことを示しています。

実際、今回の論文では、

「アメリカの乳児の 30%がアレルギー、湿疹、喘息と診断されていた」

とあり、これは日本でもある程度起きていることかもしれません。

ますますアレルギーの子どもも増えそうです。

研究を取り上げていた医学者の記事をご紹介します。

米国の乳児4人に1人はビフィズス菌を保有していないことが画期的な研究で判明

1 in 4 U.S. Infants Has No Bifidobacterium, Landmark Study Finds
Nicolas Hulscher, MPH 2025/070/04

失われたビフィズス菌は健康な発育に重要な役割を果たしており、その欠乏により幼児期のアレルギー、喘息、湿疹のリスクが 3倍になる。

「米国の乳児におけるビフィズス菌の欠乏が腸内細菌叢の異常を引き起こしている」と題された画期的な新研究では、米国の乳児の約 24%で、免疫の訓練と健康な発育に不可欠な腸内細菌叢の基礎となるビフィズス菌が検出可能なレベルで完全に欠如していることが明らかになった。

この My Baby Biome 研究は、乳児の腸内微生物叢とメタボロームに関するこれまでで最大の全国調査となる。

 

研究の実施方法

参加者:米国 48州から集まった 412人の乳児。人種、地理、出生様式の多様性が反映された。

サンプル採取時の年齢:1~ 3か月齢 - これは、固形食を与える前の重要な時期だ。

収集されたデータ:糞便サンプル、摂食/出産データ、2年時点での健康状態。

実行された分析:

・微生物の構成と機能能力を解明する全ゲノムメタゲノミクス

・免疫と発達に関連する79の代謝物を測定するメタボロミクス

・アレルギー、湿疹、喘息の診断を評価する長期健康調査

クラスター分析:乳児は腸内組成に基づいて 3つのマイクロバイオーム タイプ (C1~C3) に分類された。

 

研究で判明したこと

米国の乳児の 24%ではビフィズス菌が検出されなかった。

・経膣分娩(自然分娩)で母乳を与えられた乳児の間でも、欠如は一般的であった。

・非常に重要な免疫サポート菌種である B. infantis (ビフィズス菌の一種)が検出された乳児は、わずか 8%だった。

2歳までに広まる免疫関連疾患:

・乳児の 30%がアレルギー、湿疹、喘息と診断されていた。

・腸内細菌叢の異常(C2 および C3 クラスター)を持つ乳児ではリスクが 3倍高かった。

B. breveの保護効果:

・B. breve (ビフィズス菌の一種)を持つ乳児は免疫関連疾患を発症するリスクが 4.8倍低かった。

・B. longum (ビフィズス菌の一種)は、より弱く、有意ではない保護効果を示した。

帝王切開と母乳育児は同時に逆効果になる可能性がある。

・帝王切開で生まれた赤ちゃんの場合、母乳を与えることでビフィズス菌が定着せず、代わりにウェルシュ菌などの有害な競合菌が腸内に定着してしまうことが多かった。

母乳育児は腸内細菌叢の乱れを助長した:

ビフィズス菌が存在しないと、母乳オリゴ糖(HMO)は日和見菌によって消費され、保護的代謝プロファイルではなく炎症誘発性代謝プロファイルが生成される。

病原体がHMO代謝をハイジャックした:

C. perfringens (ウエルシュ菌)と Klebsiella pneumoniae (肺炎桿菌)はビフィズス菌向けの HMO (母乳オリゴ糖)ニッチを利用したが、完全な酵素機構を欠いていたため、宿主由来の化合物を非効率的かつ有害に分解した。

抗菌薬耐性および毒性因子の上昇:

・ビフィズス菌を欠く乳児では、リポ多糖類(LPS)合成やファージ関連遺伝子などの AMR 遺伝子 (細菌などが抗生物質などの薬剤に耐性を持つようになる原因となる遺伝子)と毒性因子のレベルが高かった。

・これらの乳児は、生後わずか 1~ 3か月であっても、敵対的な微生物環境を抱えている可能性が高かった。

腸内細菌叢異常乳児における代謝シグナル伝達の障害:

・免疫寛容と神経発達に不可欠なインドール-3-乳酸(ILA)とチアミンの生成が低下する。

・腸内 pH の上昇、胆汁酸の変化、酪酸生成(クロストリジウム属に関連する)への移行も、ディスバイオティック プロファイルで観察された。

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出産、乳児栄養、そして環境曝露の産業化は、乳児の腸内マイクロバイオームから重要な菌株、すなわちビフィズス菌を消滅させつつあるようだ。

ビフィズス菌は、免疫刷り込みと早期の代謝の健康に不可欠な有益な細菌群だ。この基盤の崩壊により、乳児は生後間もなく、免疫機能不全、アレルギー疾患、慢性炎症に対してより脆弱な状態になる。

合成 mRNA 注射の導入は、この危機をさらに悪化させる可能性がある。過去の研究では、COVID-19 mRNA 注射後 6~ 9ヶ月で、すべての被験者においてビフィズス菌の量が持続的に減少することを発見した。各個人のレベルは、以前のベースラインに関わらず、相対的存在量の 1%を下回っていた。


<転載終了>